もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第394話 「天下一武道会開催!」

春が来た。とっくにシロナは教育実習生を卒業し、サザンカやカズラたちも学年が繰り上がった。

 

「みんな、結構長くいたことになっちゃったけど、今までありがとー!」

 

そして新年度が始まるやいなや、サザンカはまたも教室の隅の席でもやもやとしたオーラを振りまきながら考え事に耽っていた。

 

(おかしいな…カズラのヤツがいつまでたってもアタシにアプローチをかけてこねぇ…。別に態度が変わったとかそういうわけじゃないんだが…アタシに気があるんじゃなかったのか?)

 

それはその日の授業が終わり、サザンカが自宅へ帰宅するまで続いていた。

 

「あ、サザンカおかえりー」

 

「ん…」

 

サザンカが帰った時、シロナとブルマが居間でくつろぎながらテレビを見ていた。サザンカも自分の部屋へ向かって足を進めながら、そのテレビの内容に目を向ける。

 

『27年の時を経て、いよいよ待ちに待ったこの瞬間がやってきた!そう、南国パパイヤ島、“天下一武道会”の開催だ!!』

 

「武道会…?」

 

「懐かしいわね」

 

サザンカとブルマが小さくつぶやく。

 

『優勝者には賞金3000万ゼニーが贈呈されるぞ!さらに、現在著名な格闘大会で次々と優勝をもぎ取っている、あの“ミスター・サタン”も参戦するぞ!君たちの参加を待っている!』

 

「これだ!」

 

サザンカはカバンを放り、テレビの前に駆け寄って釘付けになる。

 

「ちょっとサザンカ見えなーい」

 

(これだ…!アタシがこの大会で優勝すりゃあ、カズラも嫌でもアタシから目が離せなくなるだろ…!最強のプランを思いついちまったなァ~~!)

 

「これでアタシの思うがままだぜェ~~!!」

 

そう叫びながら自室の方へ消えていったサザンカを見ながら、シロナとブルマはただただキョトンとするしかなかった。

 

『本日のニュースです。昨日に引き続き、またしても大規模な無差別テロ事件が起こりました。ランドセルタウンを通過予定だった新幹線がジャックされ、直前に爆破された線路から脱線し街を暴走しました。事件による死者は50人を超え、政府は連日のテロ事件との関連性を…』

 

 

 

そして1か月近くが経過し、いよいよ天下一武道会が開催される日がやってきた!

天下一武道会は、南国にあるパパイヤ島という島の寺院で行われる、世界三大武道大会のひとつに数えられる長い歴史を持つ大会だ。前回行われた第22回が終了した直後にピッコロ大魔王が出現し、世界は混乱に包まれたためそれ以降は開催を取りやめており、今回の第23回は実に27年ぶりとなっている。

そんな天下一武道会の開催に伴い、舞台となる寺院は以前と比べてかなり大きく改築され、武舞台から観客席、控室などその他施設に至るまでも、世界三大武道大会の中でもずば抜けて規模の大きな大会となった。

 

今回の天下一武道会は予選大会を事前に行い、本選出場選手をあらかじめ決定しておく。全8個のブロックに振り分けられた選手が、異なる日取りと時間で試合を行うので、本戦に残った選手は互いに誰が他のブロックを勝ち抜いたのかは当日まで秘匿される。

 

そして本戦当日、サザンカは当然のように予選を突破しており、観戦の為に同伴したブルマとシロナ、そしてカズラと共にパパイヤ島の武道会会場の寺院へ訪れていた。

 

「随分と大きな会場になったのね」

 

「確かにすげー人だな…なあカズラ」

 

「ん?ああそうだな…」

 

「見てカズラくん、ケバブショップだって!後で時間あったら食べよっかなー」

 

そんな彼らの様子を、遠くから眺める者たちもいた。

 

「キビト、あの者が…」

 

「はい…両方ともあの男の子供です」

 

小柄な男と大柄な長髪の男のふたり組が、シロナとサザンカを見て小さく呟いた。小柄な方は長髪の方と少し話すと、ひとりで寺院の中へ入っていった。

 

「じゃあ、アタシも参加受付してくるよ」

 

「おう、頑張れよサザンカ」

 

カズラに応援の言葉を掛けられたサザンカは心の中でガッツポーズし、前の参加者に続いて揚々と寺院の中へ入る。

受付を済ませ、黒い地に赤いラインの入ったジャージに着替えたサザンカは選手たちの待機室へと向かった。部屋に入ったとたん、一部の他の参加者たちがサザンカを睨みつける。

 

「世界一の武道大会の名に違わず、ちっとは骨のありそうな奴らが揃ってるなぁ…」

 

屈強な男たちや、ただ者ではなさそうな少年、髭を生やした拳法家らしき男、得体のしれない小柄な青年や、人間2人分の身長もある大男など…世界中で燻っていた強者たちが集っていた。

 

「強そうな人たちばっかだね」

 

と、サザンカの横からシロナが話しかけた。

 

「ああ。…って、なんで姉貴がここに居るんだよ!?」

 

サザンカは思わず飛びのいて驚いた。

 

「なんでって…私も出るからに決まってるじゃない」

 

「ハァ!?」

 

確かに、シロナもレオタードの上からレギンスを履いたスタイルのスポーツウェアに着替えた状態だった。

 

(オイオイ…これじゃアタシの優勝がキツくなったじゃねぇか…!いや、まあいいか…どうせ姉貴の事だ、本気は出さねぇだろ)

 

サザンカはそう思いながら小さく息をついた。

 

 

 

「むむっ、あなたはもしかして…ブルマさんではありませんか!?」

 

「あ!あなた確か…」

 

観客席へ向かおうと歩いていたブルマを呼び止めたのは、サングラスをかけた白髪混じりの金髪で黒いスーツ姿の男だった。この男は長年天下一武道会の審判・実況を務めてきた男で、久々の開催となる今回もメインレフェリーとして最も間近で試合を観戦できる権利を与えられていた。

 

「久しぶりね~」

 

「ほんとにもう!また君たちに会えてうれしい限りだ!ところで、クリリンくんや天津飯さんは一緒じゃないのかい?」

 

「残念、もうとっくに死んでるわ。ピッコロ大魔王と戦ってね」

 

「あ…これは無神経で申し訳ない…」

 

「いいのよ、今さら何も気にしちゃいないわ」

 

「じゃあもしかして、ピッコロ大魔王が王座を離れて行方をくらませているのも…君が倒しちゃったってことかい?」

 

「まあそんなところ」

 

もちろんそんなわけではない。ピッコロ大魔王自身はナメック星でフリーザの手によって死亡している。

 

「もちろん君も出場するんでしょ?私も他の武道大会の審判をいくつもやってきたが、もうどれも退屈だったよ!レベルがひくいひくい!」

 

「あはは、今回はあたしが出るんじゃないのよ」

 

「おや、そうなのかね?」

 

「ええ。あたしの娘たちが出るのよ」

 

「それは楽しみだ!公正なジャッジをするべきこの私が言うべきではないが、応援しているよ!」

 

 

 

やがて観客席も埋まり切り、いよいよ開会の時間がやって来た。

 

「さあ、いよいよ久しぶりに再開された天下一武道会の開催です!27年前、突如出現したあのピッコロ大魔王の手によって世界は大混乱…当然、この天下一武道会もとても開ける状況ではありませんでした。しかし、強くあろうとする熱き者たちの血潮はそのうねりを止めなかった!最強を目指し、己を鍛え続けるその黄金の脈動が!再びこの天下一武道会を開催へと導いたのです!!では、開幕~~!!!」

 

大気を揺るがしてしまうほどの大歓声と共に幕を開けた天下一武道会。観客のボルテージも一瞬で最高潮へと昇り詰める。

 

「では早速1回戦第一試合の対戦カードの発表です!なお、カードはただいま現時点にて、コンピュータによるランダムの選別で決定させて頂きますっ!」

 

当然、観客も選手たち自身でさえも対戦相手が誰なのか知らない。武舞台の上にあるモニターに第一試合で戦う選手のアイコンと名前が堂々と映し出される。

 

「おおっ!」

 

「いきなりかよ!?」

 

「出ました!記念すべき1回戦第一試合は…ミスター・サタン選手VS豹牙天龍選手です!!」

 

審判が選手の名前を呼んだとたん、再び大歓声が沸き上がる。

 

「サーターン!サーターン!」

 

そして鳴り渡るサタンコール!

 

「ウオオオ───ッ!!」

 

それに応えるかのようにミスターサタンが雄叫びを上げながら武舞台へ駆け上がる。高く拳を掲げた両腕にはいくつもの様々なチャンピオンベルトが提げられており、サタンはそれを観客に見せつけた。

 

──天下一武道会、開幕!!

 

 




すみません、遅くなりました。
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