もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第402話 「デザストルクロー」

一方、ここはパパイヤ島から離れた海の上…サザンカを連れ去ろうとしたカンバーと、それを止めるべく現れたブロリーとの戦闘は…。

超サイヤ人へ変身したブロリーとカンバーは互いにほとんど同じくらいの体格を誇っており、筋肉と筋肉、拳と拳、覇気と覇気がぶつかり合う。

 

「ハアアアアアッ!!」

 

普通の人間であれば近寄っただけで泡を吹いて気絶してしまうような重圧が渦巻く中心で、ブロリーの緑色の気が炸裂する。カンバーも全身から噴き出す赤黒いオーラをぶつけ、相殺する。

ブロリーはすでに超サイヤ人へ変身し戦っているにも係わらず、カンバーは一見したところは特に何にも変身することなく、ブロリーに対して終始優勢だった。

 

「どうした!?伝説のサイヤ人の力はその程度か?」

 

カンバーが繰り出す怒涛の連続攻撃から身を守ることしかできないブロリー。一発一発が凄まじく重く、このまま守りに徹していてもいずれは崩されてしまうだろう。

 

(ならば…)

「ハッ…!!」

 

ブロリーは伝説の超サイヤ人へと変身する。一瞬、周囲が緑色に染まるような球状の波動が放たれ、カンバーに襲い掛かるが、彼は何事もなく平然としていた。

 

「ほほう…」

 

どころかブロリーに対して感心した様子を見せる。ブロリーは伝説の超サイヤ人特有の身長すら大きくなるほどに体格を変化させつつも、しっかりと瞳は理性を保っている。髪は金色だが、纏うオーラは金に混じってどこか黄緑色も見え、カンバーを睨む。

 

「やはりその力…。さぁ、オレと戦え…!!」

 

ブロリーは言われるまでもないと示すかの如く、一瞬でカンバーの目の前へ接近し、その顔面を2発続けて殴りつけた。そして右手に溜めた気をカンバーの腹へ押し当てながら炸裂させ、カンバーは口から煙を吐きながら吹っ飛んでいく。

 

「ぐわあああ!」

 

さらにブロリーのタックルが命中し、一発の小さな気弾を投げつけられ、さらに爆発に巻き込まれる。海面へ落下し勢いそのままに沈んでいくカンバーだが、すぐに海底を蹴って飛び出し、ブロリーの元へ向かう。

 

「はははははは…!!キサマのような強者をぶち壊すことこそ…オレの喜びよ…!!」

 

赤黒い気を纏わせた腕を振りかぶり、遠くから横へ振るう。警戒したブロリーは咄嗟に上へ回避すると、放たれた刃状の気がすぐ下を通過し、遠くに見えていた陸地を両断した。

 

「ぬうううう…!」

 

さらに、カンバーは右手を上に掲げてそこへ気を集中させる。ブロリーが警戒して身構えると、カンバーは集中させた気を練り、鋭い爪を持った大きな手へと形を変えて体から切り離した。

 

「せいィ!」

 

カンバーはそれを自在に振り回し、ブロリーを狙う。ブロリーは高速で飛行しながらそれを避け続けるが、反撃する暇が見当たらなかった。普通に喰らっても大ダメージであることは明白だが、先ほど見せられた陸地を両断するほど鋭くなった気の波動を見せられたこともあって、もしも爪の先で引っ搔かれただけでもブロリーの体は容易く切断されてしまうだろう。

逃げ惑うブロリーに対して、カンバーは手の形に練った気をさらに練って形を変える。それは一本の長大な槍のような形状となり、一拍の間に力を溜めることで一直線の方向に対しさらに勢いをつけて飛んでいく。

 

「くっ…!」

 

その速度はブロリーですら回避に専念しなければ避けられないほどで、カンバーへ近寄るどころか離れて行ってしまう。

 

「ふん」

 

が、カンバーは離れるブロリーに対して接近し、気の槍を操作すると同時に細かなエネルギー弾も連続で放つ。ブロリーはそれに気づくもすでに遅く、何発かの直撃を受けて落下していく。

 

「オレを失望させるな!!」

 

カンバーは落ちていくブロリーに迫り、蹴りを繰り出す。それを腹に受けたブロリーは痛みに顔を歪めながらも反撃のエネルギー波を叩き込む。

 

「せぇい!!」

 

だが、カンバーは無傷のまま爆炎と煙を腕で切り払い、ブロリーの顔面へ膝を叩き付ける。

 

「どうした!?この時代のサイヤ人は…その程度か?」

 

血を流すブロリーへ対し、カンバーの容赦ない猛攻が浴びせられる。拳の一発一発が砲弾のような威力と重さを秘めており、ぶつかるたびに大気と大地を同時に揺るがす衝撃が放たれ海が激しく波立つ。

カンバーは意識を朦朧とさせているブロリーの首を掴み、締め上げる。

 

「ぐ…あ…!」

 

「その弱さ…期待外れだ!尻尾も無し、強さも無し…信念も無し!この時代で生き残っているサイヤ人はどいつもこいつも雑魚ばかりか?」

 

ブロリーは苦し気に呻くばかりで何も反論しない。

 

「もういい…ここで葬ってやる」

 

カンバーはエネルギー弾をブロリーの胸へ押し付け…

 

「デヤアァッ!!」

 

だがその時、ブロリーは全身からさらに激しい黄金の闘気を吹き出させる。カンバーのエネルギー弾は散らされ、驚いた表情を浮かべる。

 

「何!?」

 

次の瞬間、カンバーの顔面へブロリーの拳がめり込む。カンバーは回転しながら吹っ飛ばされ、海の中へ突っ込んだ。大量の海水が津波のように盛り上がってうねり、滝を逆さまにしたように噴き上がる。今度はカンバーの姿はなかなか浮かんでこない。

ブロリーは伝説の超サイヤ人2へと変身していた。金髪はさらに細かく、激しく逆立ち、今度は白目を剥いている。さらに全身の筋肉もさらに大きく膨れ上がっていた。

ブロリーが海面を眺めていると、海の中に赤黒い靄のような浮かび上がり、やがてカンバーが顔を出す。ゆっくりと水から上がり、ブロリーと向かい合う。

 

「超サイヤ人を越えた超サイヤ人…か。それでお終いか?」

 

「なに…?」

 

「それで終わりなのかと…聞いている!!」

 

カンバーの掌からエネルギー波が放射される。ブロリーは咄嗟に両腕をクロスさせてガードした。が、その間に迫っていたカンバーが拳を振り上げているのに気付き、続けて繰り出された渾身のパンチを両手で掴むように防いだ。

 

「ぬうう…!!」

 

「ぐ…教えろ…カンバー、お前は一体何者なんだ?悪のサイヤ人とは何か特別な力を持つサイヤ人の事なんだろ?」

 

「それを知ってどうするつもりだ?」

 

カンバーは頭突きを繰り出し、ブロリーも対抗して互いの額をぶつけ合う。

 

「さぁな…!だがどうにも…俺はそれを知らなくてはならない気がする…!」

 

額と額の間で緑色の気が炸裂し、カンバーは吹っ飛ばされる。空中で止まり、額から血の筋が流れる。

 

「…いいだろう、伝説の超サイヤ人と呼ばれるキサマなら知る資格がある…サイヤ人の歴史を」

 

カンバーはブロリーを睨みながらゆっくりと口を開く。

 

「遥か昔…何万年、いや、それよりもずっと昔…オレたちサイヤ人には“神”と呼ばれる者がいた」

 

「神だと…?」

 

ブロリーの頭に浮かぶのは、Dr.ライチーと戦った時に見えた不思議な光景。負傷した自分の体を治した、サイヤ人と思しき少女。その時のブロリーは彼女こそがサイヤ人の神であると考えたが…

 

「神は太古より1000年周期でサイヤ人の中から無作為にひとりだけ発生する。神は何でもできる…サイヤ人であれば種族単位で自由自在に操り体の構造すら作り変えることもできる。その力で1000年間の間に起こったあらゆる問題を解決し、サイヤ人という種族の程度、変化、進化…全てを調停し、また1000年後に出現する…それを繰り返す、いわばサイヤ人という種族のホメオスタシス…!」

 

(神はひとりではない…?1000年と言えば伝説の超サイヤ人が現れる周期と一致するが…)

 

「だが、2000年前に現れたサイヤ人の神は何もしなかった。神は過去全ての歴代の神の記憶と遺志を引き継いで生まれる。耐えきれなくなったのだろうな…何度も何度もサイヤ人達の争いに向き合わねばならない宿命に」

 

「…それでどうなった?」

 

「その神はこうしたという。サイヤ人から神の力を消滅させ、今後神が二度と生まれないようにしようとした…が、それは出来なかったので、神の力をふたつに分けた」

 

「出来なかった…?何故…」

 

「オレが知るか。もしかすれば…もっと大きな何かによって阻まれたのかもな…。そして1000年前、その神の望んだとおり、分かたれた力を持つふたりのサイヤ人が同時期に生まれた…」

 

「それが…」

 

「ふははは…“伝説の超サイヤ人”に“伝説の悪のサイヤ人”、それがかつて神であったサイヤ人の呼称であり、このオレが1000年前の悪のサイヤ人だ」

 

 




なお、カンバーの設定は今後のドラゴンボール関連の話の展開(漫画超、映画、レジェンズ、ヒーローズetc…)によってこの作品とは異なってくるかもしれません。というか既に捏造の段階ですが…
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