サザンカの前に聳えるのは、全身が黄金の体毛に包まれ、長い頭髪を靡かせる大猿。唸り声をあげ、圧倒的な覇気を発している。
「な…!こりゃやべーな」
「かあああああ…!!捻りつぶしてやる…」
大猿カンバーはサザンカを見下ろし、口から赤黒いエネルギー波を吐き出す。サザンカは飛びのいてそれを躱すが、そのエネルギー波はどこまでも追いかけてくる。
「うおおッ!?」
流石にサザンカも焦りながら逃げ回り、隙を見て接近し、その顔面を蹴りつける。だが、カンバーの赤い眼光にギロリと睨まれると、死角から振られてきた剛腕による一撃が命中してしまう。
サザンカはピュンと小石のように吹っ飛んで地面に当たり、バウンドして飛び上がる。
「痛ってぇなァゴルァ!!」
「下郎が…オレに殺される栄誉をくれてやる…!」
カンバーは一瞬でサザンカの目の前へ移動し、虫でも叩き潰すように腕を振り下ろし、サザンカはそれに対抗して拳をぶつける。初めは拮抗していた両者の一撃だったが、カンバーがほんの少し力むとサザンカは弾き飛ばされる。
「クソ…!」
体勢を立て直す暇もなく、カンバーの剛腕による連続攻撃、口から放たれるエネルギー砲が次々と襲い掛かってくる。
(バカでかいくせに速すぎんだろ…!)
仕方なく距離を取り、遠くから気功波で狙い撃つ。それはカンバーの肩に当たるものの、ほんの一瞬だけ怯ませただけで終わってしまう。
「ぬうう…!!」
カンバーがこちらを向いた。サザンカはもっと連続で気功波を浴びせようと腕を向けて構える。
…その瞬間、カンバーの姿が消えた。と思えば、目の前には大猿の顔面。大口を開き、そこに赤黒いエネルギーが充てんされ、すぐにも発射されようとしている。
(ヤベ…!)
ゴゴゴゴ… ザンッ!!!
だが、突然地面が揺れたかと思うと、カンバーの足元から何か巨大な物体が勢いよく飛び出した!
それは肌色をしていて、鋸の歯のように棘がビッシリと螺旋状に並んだ塔のようなもの。これはシロナが鋸の記憶兵器の力を使って放つ「鋸の塔」だ。それがカンバーの顎目がけて伸び、先端が突き刺さろうとする。
カンバーは攻撃を中断して後ろへ身を引いてそれを躱し、素早い殴打で塔を破壊する。だが、次の瞬間にまたも地面が割れ、その下からサタンのペンチの記憶兵器による巨大なトラバサミのような手が飛び出し、カンバーの足をガチリと挟み込んだ。
「かああああ…!!」
カンバーは苛立ちを見せるも、次の瞬間に頭部目がけて雨霰のように投げつけられる気弾の嵐を受けて動きが止まる。
「お前ら…!」
シロナ、サタン、ブルマ、天龍とウスターが自分のピンチを救ってくれたことに気付き、思わず声を漏らすサザンカ。さっきまで、あれほどの暴力と暴言を浴びせたというのに…。
「けぇぇえ…邪魔だ!どけぇ!!」
カンバーは雄叫びを上げると同時に衝撃波を放ち、気弾を相殺する。
「うわっ!」
「ぐああッ…!」
シロナ達は衝撃波によって体勢を崩される。その間に、カンバーは口の中にひときわ巨大なエネルギーの塊を生成しており、それを放とうとしていた。
「仲良くあの世へ行け…!」
「チイィ!」
サザンカがカンバーに飛びかかる。あれを発射する直前に顔面へ攻撃を加え、軌道を逸らそうとしているのだ。
ギュン… カッ
しかし、その瞬間、サザンカとカンバーの間を一発のエネルギー弾が通過していった。これはその場にいた誰のものでもない。一瞬ブロリーか、とも思ったが質が違う。
そのエネルギー弾は空に浮かんでいたパワーボールに向かっていき、なんとそれを破壊してしまった。
「ガ…!!」
力の供給源を失ったカンバーはその場で硬直し、大猿化が解除されその身体が縮んでいく。そして元の姿に戻ると、その場で片膝をついた。
「く…」
「いつまで遊んでいるつもりだカンバー」
その場に突如現れ、腕を組みながらカンバーを見下ろしてそう言い放ったのは、武道会にも出場していたサイヤ人、ベジータだった。
「あいつは…」
「ベジータ!」
カンバーは立ち上がり、ベジータの元まで浮かび上がる。
「こんなところで時間をかけ過ぎだ。あの小娘が期待通りでないならさっさと殺してしまえばよかったものを。オレが一思いに消し飛ばしてやる」
ベジータはそう言いながら全身に赤黒い悪の気を滾らせる。それはどんどんと膨張していき、まるで破裂寸前の風船のようだった。
「まさかアイツ、この星ごと消し飛ばす気か…!?」
だがその時、ようやくカンバーの拘束を振りほどいたブロリーがこの場へ現れた。
「ブロリー!」
ブロリーはかなり疲弊し、超サイヤ人ではなく怒り状態へと戻ってしまっていた。だが、ベジータはブロリーに気が付くと、見定めるようにその姿を一瞥し、膨張させていた全身の気を鎮めた。
「…さぁ行くぞ」
ベジータはカンバーを連れてその場を去っていく。その時、ふたりの頭上に光の輪が浮かび上がる。今出現したのではなく、最初からあったそれが隠されていたかのようだった。
「天使の輪…?」
去り際、カンバーはサザンカを睨みつけ、「フン」と鼻を鳴らしていった。
「おい逃げんなコラァ!」
サザンカが追いかけようと空中へ飛び上がるも、急に襟の後ろを引っ張られて止められる。何事かと思って後ろを見ると、そこにはブロリーが居た。
「ブロリー…!」
「やめておけ…深追いする必要はない…」
ブロリーはサザンカを窘める。カンバーも、あのベジータもまだ底が知れない以上、下手に追い込むのは危険との判断だ。
「サザンカ…よかった、元に戻って」
地上へ降りたサザンカに駆け寄ったシロナがそう言った。
「ああ…その、悪かった…」
「ううん、いいよ。それと…」
シロナはサザンカの後ろにいたカズラを見つけ、声をかける。
「カズラくんもありがとう。えっと、あの時にサザンカを正気付かせることができたって事なんだよね?」
「はい、そうです…けど、あの、実はお話が…」
改まった様子でカズラはシロナに話しかける。カズラの横にはサザンカもついており、いつになく真剣な表情だ。
「え、なになに?」
「最低なのはわかってるんですけど…それでも言わなくちゃいけないんです。スー…さっきの武道会で俺がシロナさんにした返事…なかったことにできませんか?」
「…え?あはは、どうしたのー?」
「…変に言い訳するのも失礼なんで正直に言います。さっきまで、俺は自分の本当の気持ちをわかっていなかった…でも、ハッキリしました…俺はサザンカが好きだったんです。なので…やっぱり俺はあなたと付き合うことはできません。…ごめんなさい」
「…そう、なんだ」
一瞬、シロナの気に様々な色が浮かんでは消え、もう一度浮かんでは混ざり合っていく様子を、サザンカとブルマは感じていた。一瞬、鬼か邪でも飛び出すのかと身構えたが、すぐにそれは鳴りを潜め、シロナはいつもの調子に戻った。
「あははは!私こそごめーん、あの時の告白…あれ冗談だったんだ!」
「え!?」
「ちょーっとサザンカに負けたのが悔しかったからね。せめて注目だけでも集めようと思って魔が差しちゃったんだ…いやーごめんねー!」
「は、はは…そうだったんすか…」
「姉貴…お前…」
シロナは笑いながらカズラとサザンカに背を向け、空を見上げた。
これでいいのだ。何人たりとも、若人から青春を取り上げることなど許されていないのだから。
「…あれ?」
ぼやけてきた目をこすったその後、シロナは空の違和感に気付く。はるか向こうの空に黒雲が渦を巻いているのかと思えば、その中心に巨大な真っ黒い大穴が空いており、その奥に蠢いている無数の悍ましい何かがこちら側へと溢れてきていた。
To be continued…
☆キャラクター戦闘力紹介☆
参考
一般成人男性 5
一般成人女性 4
子供(10歳) 2
ミスター・サタン 6.66
一般的に超人と呼ばれるレベル 7~8以上
大妖怪クラス 80以上
ピッコロ大魔王 260
フリーザ 1億2000万
セル(超完全体) 1600億
魔人ブウ(純粋) 1兆2000億
ゴジータ(最強のフュージョン/超サイヤ人) 10兆
孫悟飯(老界王神の潜在能力開放) 60兆
赤文字=公式数値
青文字=原作推定数値
紫文字=本作完全推定数値
1.日常
テロリスト 各5~5.5
現在世界中で数々の事件を起こしているテロリストたち。彼らに共通点というものは一切なく、制圧されたあとは決まって自分たちの起こした行動に自分で困惑している素振りを見せているという。
カズラ 5.2
サザンカの中学生時代からの同級生。前章では4.9ほどだったが、現在では成長して普通の大人よりも少しだけ強い5.2になっているとする。恐らく、サザンカやシロナと共に時空を駆ける戦いに同行しているうちに多少鍛えられたのだろう。
本当はサザンカに恋心を抱いていたがそれに気付いておらず、シロナにも心が動いてしまっていた。だが、最後には自分の気持ちを理解し、サザンカの暴走を落ち着ける役割を果たした。
2.天下一武道会開幕
審判 5
ご存知、天下一武道会の審判兼解説を務める男性。天下一武道会自体がピッコロ大魔王が現れてから27年間開催されてなく、今回の大会を楽しみにしていた。どんなことがあっても試合を最後まで見届けるプロ意識の持ち主。
ミスター・サタン 4000万(気を抑える/対天龍戦)→22億(通常時/記憶兵器の適応化)
かつて記憶兵器としてシロナと共に戦ったサタン・マーク。現在はミスター・サタンをリングネームとして世界各地の武道大会で優勝を勝ち取り続けている。子供のころに夢見ていた世界チャンピオンになるため、独自で記憶兵器の強みを取り込みながら修行を行ってきた。
記憶兵器の「適応化」という、極限状態とはまた別の境地に達していたサタン。これは肉体を武器に変形させなくとも生身のまま記憶兵器の能力を発揮できる状態のことで、これを行うことで普段の戦闘力、つあり気の総量も爆発的に上昇する。ちなみに、現在のシロナも4つ分の記憶兵器で適応化を行っている。
一回戦では本気を出さず、気を抑えた状態で天龍を圧倒して勝利。2回戦では本気の力で通常時のシロナと戦うも敗北し、世界チャンピオンになることは叶わなかった。なお、あまり本人が使う気にならないだけで気の扱い方もマスターしており、気弾や気功波の類も使おうと思えば使えるようだ。
豹牙天龍 130万(通常時)→2600万(20倍界王拳)
現時点で44歳くらいとなる天龍。幻想郷がなくなった後も豹牙流道場は続けており、門下生はさらに増え世界的に有名な一大流派へと成長している。
レイムと戦った時の90万よりもさらに実力を伸ばし、地球人としては最高ランクの130万へと達している。もちろん20倍界王拳の使用も可能であり、サタン相手に挑むも及ばず、初戦敗退してしまった。
界王神 13億
天下一武道会に参加していた、この宇宙の創造神でもある界王神。シンという名が本名である。当然本作品の時空においても存在しており、魔人ブウの一件がなかったために登場するのはこことなる。
近々起こると思われる重大な事件を阻止するため、シロナに協力を仰ぐが、優勝するつもりで大会に出ているシロナにはすぐには無理だと断られ、棄権して身を引いた。
戦闘力としては「フリーザ程度なら一撃で倒せる」らしく、界王神がフリーザの本来の姿を知らないとは思えないのでここは最終形態のフリーザを指しているとし、13億と定める。もちろん界王神の仕事は戦闘や実力で物事を解決することではなく、戦闘力よりも多彩な術や神の力がメインであると思われる。
ギラン 90
原作ドラゴンボールにも登場している怪獣ギラン。この時空では悟空がいないため、以前の武道会でクリリンに敗北しており、アニメのナムの村との一件も絡んでいるとすればそれを経てかなり鍛えたらしい。
白い髭を顎に蓄え、アニメではギラン族の住処が存在していたが、今度は彼が長のような立場になっているかもしれない。
原作に登場している時点では9ほどだが、本作の時点では戦闘力的には90で、人間は優に超えるがそれ以上の猛者がひしめく今回の武道会では大したことはないレベルだった。
ウスター 2億2000万
武道会場の出店でケバブ店を出店していた。現在も己を鍛え続けているだろうが、何かに吹っ切れたのか地球である程度自由気ままに暮らしている様子。かつて、昔に親友のアルマンドに話したケバブ屋を開くという夢を叶えた。
ブルマ 130万
戦闘力は変わらず。カズラと共に試合観戦にきており、サザンカが暴走し会場を吹き飛ばした際にはカズラを助けるのが精いっぱいだった。
3.vsカンバー~決勝戦
サザンカ 5000億(悪の気)
対戦相手であるサイヤ人のカンバーが放つ謎の悪の気を与えられたサザンカ。通常状態のまま、カンバーと同じ赤黒いオーラを纏い、普段よりも好戦的になる。戦闘力にして5000億ほどに跳ね上がり、この時のカンバーと互角に渡り合う。
カンバー曰く、サザンカは「悪のサイヤ人」という特別なサイヤ人であるというが…。試合が終わった後、サザンカに移った悪の気は一旦鳴りを潜めることとなり、戦闘力も元に戻った。
シロナ 26億(基本最大)→260億(怒り状態)→1300億(超サイヤ人)
サザンカ 26億5000万(基本最大)→1325億(超サイヤ人)
両者ともに、去年の夏に当たるトキトキ都での戦いから10か月近くの月日が経っており、ふたりの戦闘力も当時の25億からやや伸びているだろう。シロナは1億伸びて26億となったが、サザンカは1億5000万伸びてシロナよりも少し高い26億5000万。サザンカの方が若く、成長できる伸び代の違いだろうか。
ふたりは決勝戦で超サイヤ人になってまで戦うが、やはりサザンカの方がやや優勢で、勝利したのもサザンカだった。だが、これがきっかけで事件が起こる。
4.サザンカ暴走
シロナ 2600億(超サイヤ人2)→4550億(超サイヤ人2・魔強化)
超サイヤ人2となって暴走するサザンカと戦うシロナ。超2で2600億、さらに魔強化形態になることで1.75倍の4550億。
だが暴走したサザンカには敵わず、終始一方的に押されていた。といっても吸血鬼や記憶兵器に由来する打たれ強さや再生力でかなり食らい付くことができていたのも事実。
サザンカ 5000億(暴走直後)→10兆6000億(暴走/悪のサイヤ人)
決勝戦の後、感情の急激な変化が原因となってカンバーに与えられた悪の気が再暴走したサザンカ。試合の時のように悪の気を制御することができておらず、原始の本能が赴くままに破壊と闘争を求める悪のサイヤ人となった。といっても悪のサイヤ人としては不完全であり、正気を失っている状態。
暴走直後、つまり武道会場を吹き飛ばした瞬間から、シロナ戦前半は5000億、カンバーとの試合で悪の気を与えられた時と同じ力を発揮していた。が、シロナの暴走大車輪を押し返した瞬間に気を高め、通常時の4000倍、超サイヤ人3化の10倍にもなるパワーアップをし、10兆6000億にまで戦闘力を高めた。
5.ブロリーvsカンバー
ブロリー 30億(基本最大)→300億(怒り状態)→1500億(超サイヤ人)→3750億(伝説の超サイヤ人)→7500億(伝説の超サイヤ人2)
暴走したサザンカを鎮めるために駆け付けたブロリー。現在のブロリーはブルマの家に居候しつつ、長期間の旅に出たきりあまり帰ってこない。一応サザンカたちが武道会に参加するということで、会場のあるパパイヤ島にはやってきていたようだ。地球人として馴染むため、服装は例の恰好ではなく白いTシャツにジーンズといういたって普通の服装だ。体格と背のデカさは隠しきれないが…
何年か前になる惑星M2での基本戦闘力14億から、恐らく仮面による支配も経由したおかげで現在は30億にまで増えている。気が溢れ、高まり続ける伝説の超サイヤ人の特性上、常に戦闘力は増え続けるらしい。基本値30億という戦闘力は、原作ドラゴンボールでの魔人ブウ編の悟空の戦闘力と同等。
怒り状態で10倍、超サイヤ人で50倍、伝説化でその2.5倍、伝説の超2でその2倍、最高で7500億になる破格の戦闘力で、挑んでくるカンバーを迎え撃つも歯が立たなかった。
カンバー 60億(基本最大)→5000億(気を抑える)→24兆(通常/悪のサイヤ人)
ヒーローズからの参戦。謎のサイヤ人、カンバー。その正体は、1000年前に存在していた悪のサイヤ人そのものであり、何らかの理由があって現代によみがえった。
カンバーは初登場時にかなり物議を醸したキャラクターであり、アニメ版では通常状態でベジットブルーに対しやや優位に戦い、かと思えばその後に黄金大猿や超サイヤ人3になったというのにクウラやベジータに敗北したり…と強さがいまいち安定しない。
本作においては、そこまでの正直言ってやり過ぎな描写は無かったものとし、ヒーローズよりもスケールは落ちるものの本作に適した戦闘力に定める。
まず大前提として基本値で60億。だがこれは後の形態による戦闘力を求めるために便宜上設定しているものである。武道会でベジータと戦うふりをした際はこの60億という数値でやっていたかもしれない。だが、カンバーの本来の通常状態の戦闘力は24兆である。これは基本値60億を、超サイヤ人3化(400倍)の10倍にあたる4000倍したものであり、悪のサイヤ人化することで得られる強化倍率とする(ヒーローズではターレスも悪のサイヤ人としてパワーアップしている)。サザンカとの試合や、ブロリーとの戦いでは通常状態からさらに気を抑えて手加減した状態で戦っていたことになる。前述のサザンカにも同じ倍率を適用しており、彼女もまた暴走気味ではあるものの悪のサイヤ人としての戦闘力は得ていた。
またカンバーは気の扱いに長けており、自身の気を練ってコントロールし様々な武器にしたり性質を付与することができる。
ヤモシ 15万(通常時)→7500万(超サイヤ人?)
カンバー 18万(通常時)→9000万(超大猿)
1000年前に起こった、後にサイヤ人の間で伝説として語られるようになる出来事。ヤモシというサイヤ人とカンバーの戦争。
当然大昔のことであり、カンバーの戦闘力もこの時点ではかなり低い。しかし当時のサイヤ人全体のレベルがかなり高い位置にあり、宇宙全体で見ても有数の強力な戦闘民族ではあっただろう。ヤモシとカンバーはともにサイヤ人の政権転覆の為に戦った戦友でもあるが、その後に支配者となったカンバーの悪逆無道さに耐えきれずに反旗を翻す。
映画神と神では惑星ベジータでの出来事とされているため、少なくとも数百年前までの出来事であるのだが、それでは他のシリーズや媒体で語られる年代とは合わない。本作では伝説通り1000年前の出来事とする。
2000年以上前はサイヤ人にも「神」と呼ばれる個体が存在しており、神はサイヤ人であれば種族単位で操ることが可能であり、それは行動はもちろん体の構造さえも作り変えることが可能らしい。1000年周期で全サイヤ人の中から無作為に誕生し、争い事や問題をその能力で解決し、再び1000年後に現れるという。だが2000年前の神はサイヤ人の争いに目を向けねばならない役割に疲れ果て、次代から神のサイヤ人が誕生するシステムを廃止した。代わりに神の力を分割した、「伝説の超サイヤ人」と「伝説の悪のサイヤ人」が生まれるようになった。
ヤモシは自分を含めた6人でカンバーに挑み、その過程で仲間を失うものの何らかの方法で赤髪の超サイヤ人へ覚醒した。赤髪といえば超サイヤ人ゴッドだが、オーラの色や目の色は超サイヤ人と同じ。不完全なゴッドともいえる。
対するカンバーは超サイヤ人の力を持った大猿、超大猿へと変身しヤモシを迎え撃つ。これは暗黒惑星でブロリーも変身したものと同じ形態だ。
両者ともに変身倍率は500倍。超サイヤ人化(50倍)のさらに10倍である。
6.悪のサイヤ人
サザンカ 106兆(黄金大猿/悪のサイヤ人フルパワー)
カズラによって暴走が静まりつつあった時にカンバーのパワーボールによって大猿になってしまったサザンカ。だがその姿は大猿とも超大猿とも異なり、全身が黄金の体毛に覆われた大猿だった。これはGTで悟空やベジータがなったことのある黄金大猿そのものだ。しかもサザンカは黄金大猿のまま理性を得ており、カンバーの攻撃からカズラを守るとともに人の姿へ戻っていった。
本来なら、黄金大猿へ変身し理性を獲得できれば、更なる変身が期待できる。しかし、サザンカは暴走前と姿を変えないまま、黄金大猿そのもののパワーを制御することに成功していた。これが完全な悪のサイヤ人として覚醒したという事である。
暴走時の悪のサイヤ人からさらに10倍、通常時から実に4万倍の超パワーアップを果たし、カンバーを大きく上回った。
4万倍の強化率、これは老界王神の潜在能力開放を受けた俗に言うアルティメット悟飯並の強化率。わざわざ超サイヤ人になるよりも効率が良く負担が少ないという点も似ている。もしかしたらアルティメット化とは黄金大猿、および悪のサイヤ人の力をデメリットなく引き出しているものなのかもしれない?
カンバー 240兆(黄金大猿/悪のサイヤ人フルパワー)
サザンカが己の望む進化をしなかったことに腹を立て、ならば自分がと黄金大猿へ変身したカンバー。こちらもさらに10倍となり、240兆となる。基本値の違いから、カンバーの黄金大猿の方が2倍以上の戦闘力を持っている。実際に覚醒したサザンカに対して、巨体に見合わぬスピードとパワーで優勢だった。
その後、ベジータにパワーボールを破壊されたせいで元に戻ってしまうも、姿が戻っただけで戦闘力は黄金大猿の状態をキープ。ここまではカンバーも既にたどり着いている領域なのだ。
ベジータ ??
カンバーと行動を共にしていたのは、ナメック星でフリーザに殺されたはずのベジータだった。ピッコロのかめはめ波を受けて負った顔の火傷はそのまま、髪はカンバーのように背中まで長くなり、悪の気を纏う。
ヒーローズでのターレスと同様に、何らかの要因で後天的に悪のサイヤ人の力を得ているようだ。現状では目的も戦闘力も不明。
ベジータとカンバーは死人のまま下界へやってきており、頭に浮かぶ天使の輪を隠していた。
次回から新章始まります。