もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第456話 「遊山」

「ビルス様…では、とりあえず地球は破壊しないおつもりで?」

 

ビルスとウイスは青い半透明のバリアーに覆われながら天界から地上へとゆっくり降下していた。その最中、ウイスはビルスに声をかけた。

 

「まあね。デカいサイヤ人はまずまずってとこ。でもあのガキ二人はかなりのものだった…このボクがやむを得ず破壊を使ったほどだ。くっくっく…でも、久々に本気で楽しめたよ。さぁウイス、これから地球のグルメを楽しむとしよう」

 

「はいビルス様、私は寿司というものが気になっていまして…」

 

 

 

「なんだ、結局あの時使わなかった究極ドラゴンボールを使っちまったのかい」

 

3日後、地球までやってきたスカッシュはブルマの家の庭で椅子に座りながらそう言った。ブロリーが銀河パトロールに事情を説明し助けを要請すると、すぐに隊員を送って来てくれた。

 

「ブロリーが悪いんだぜ」

 

サザンカは冗談でそう返した。

 

「ははっ、そうかよ」

 

スカッシュがくすくすと笑いながらそう言うと、家の中でジュバンの世話をしていたブロリーはくしゃみをした。

そう、半年ほど前のジャネンバが発生した異変の時、スカッシュたちはドラゴンボールを使わせてもらうためにシリアル星へと赴いた。万が一借りられなかった場合に生き物のいない星で使おうと究極ドラゴンボールも持って行ったが、さっき言った通り結局使うことは無かった。

 

「これが宇宙船だ、銀河パトロールが持ってる中でかなりの性能の奴らしいよ」

 

「全く、感謝して欲しいものだな。そもそも地球は私の担当する区域の星だ…勝手に滅亡だのなんだのといった事件を起こさないでもらいたいものだ」

 

とかぶせるように言ったのは、宇宙船の陰に隠れながらこちらの様子を窺っていた銀河パトロール隊員のジャコであった。現在、地球が属する区域はジャコが担当しており、スカッシュは彼と任務に当たっている。

 

「とにかく、ドラゴンボール探しには我々が同行しろとの命令だ。私の担当する地球で起こった事だからな…仕方がない」

 

どうやら宇宙中を探し周るのに困らないようにと銀河パトロール本部からジャコとスカッシュが派遣されたようだった。

 

「ふーん、そりゃありがてぇな」

 

「まあ大船に乗ったつもりでいろよ、いろいろと助けてやれってことだからさ」

 

 

「よーし、ここから天才ブルマ様の技術を見せるときね」

 

子供を産んで幾ばくもしないうちに子宮復古も収まり、武道を学んでいたことで鍛えられた驚異的な身体機能によって完全回復したブルマはさっそく研究室へズカズカと足を踏み入れていた。

 

「おや、ブルマ…もう動いて大丈夫なのかい?」

 

一足先に研究を始めていた彼女の父親であるブリーフ博士は、むしろ以前よりも元気になったように見えるブルマを見てそう言った。ブリーフ博士自身ももうかなりの高齢となるはずだが、その見た目はカカロットたちの乗る宇宙船を造った時とほとんど変わっていなかった。

 

「全然平気!それよりも、ずっと考えてたことを早く吐き出してみたくてうずうずしてんのよね。『宇宙規模で探知できるドラゴンレーダー』ってやつを」

 

「お待ちしておりましたですじゃブルマ様…準備は出来ております、さっそく製造に向かいましょう…うわへへ」

 

かつてパラガスが引き連れてきたタコ科学者も加え、ブルマは鈍った体を解すかのように研究に没頭した。もちろんジュバンの世話もしながら。

 

 

 

さらに2週間ほどの時間が経過し、いよいよ出発の時がやって来た。ジャコとスカッシュが操縦する銀河パトロールの宇宙船にシロナとサザンカが同乗し、究極ドラゴンボールを探すためのドラゴンレーダーも持っていく。

 

「しかも凄いのは…このレーダーは今までとは比べ物にならない範囲を捉えることができるのよ。流石に一発で広い宇宙全体から反応を探し出すことはできないから各地点を移動しながらになると思うけど…そこは協力してくれるのよね?」

 

ブルマは改良したドラゴンレーダーを見せながらそう言った。

 

「ああ…エリートであるが故に忙しい我々が、わざわざサポートしてやろう。感謝するように」

 

ジャコが偉そうにそう言っているが、この場に集まっているサザンカとシロナはそれを無視してブロリーと向かい合っていた。

 

「すまない二人とも…俺が起こした事の尻拭いのようなことをさせてしまって…」

 

「気にしないでよ、ドラゴンボール探しの宇宙旅が結構楽しみなんだよね」

 

「大船に乗ったつもりで待ってろよ、余裕で帰ってくるぜ」

 

そして、彼女らは宇宙船に乗り込み、見送られながら究極ドラゴンボール探しの宇宙旅へ出発したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

地球からはるか離れた銀河系を航行中…

 

 

「あぁでも、そういえばこんなこと言ってる奴もいたね」

 

「なに?」

 

「宇宙だとどんなんか知らないけど、トイレって和式と洋式ってあるじゃん?要はしゃがみ込んで穴の中に落とすか、椅子に座った姿勢で出すかって違いなんだけど…アンタどっちがいい?」

 

「アタイは…洋式だな、そりゃ椅子に座ってする方が楽に決まってる」

 

「でしょ?でもソイツが言うには…洋式ってのは他人が洗ってるかどうかもわからないケツおっつけて座るもんだから汚くて使えたもんじゃない、和式の方がケツ離らかして使ってるから、そっちのほうがいいんだって」

 

「マジかよ~?でもよぉ、宇宙で見た中でアタイが一番びっくりしたトイレってどんなんだと思う?」

 

「えぇ~?何よ、もったいぶらず教えてよ」

 

「それはな…その星はえらく乾燥した砂漠の星だった。そこのトイレも、砂漠の街中にただ木の衝立が並べて置いてあるような感じでな」

 

「うん」

 

「まずこう、ドアを開けて中に入ってカギ閉めるだろ?」

 

「うん」

 

「でもそこにあるのは、手を洗うための蛇口付きの樽と、床一面の黄色い砂だけだ。仕方ないからそこで用を足したさ。どうなったと思う?」

 

「あぁ~…砂をかけて埋めちゃうとか?」

 

「アタイもそうかと思ったんだがどうやら違うらしい。驚くなよ、砂の上にブツ撒くと、ものの数秒で“乾燥してサラサラの砂になっちまった”んだよ!」

 

「うそォ~?どんだけ渇いた星なのよ、いるだけでミイラになりそう」

 

「小便だろうが何だろうが渇いて何もなくなっちまう。その星もフリーザ軍が手に入れた星だったんだが、なんでこんな何もねえ星を…って思ってたらどうやらそういうことなんだろうな」

 

「貴様ら、そのくだらん話はいつ終わるんだ?」

 

本当に低俗な話しかしないシロナとスカッシュに呆れたジャコが宇宙船を操縦しながらそう言った。

 

「あの惑星だ、間もなく到着する」

 

そして、既に1つ目の究極ドラゴンボールの所在は掴んでおり、一行の目的地である次の惑星は目前に迫っていた。

 

「うっわ、何あれ…」

 

モニターの先に見えるその星は漆黒と深紅の岩礁に覆われた獄炎の惑星だった。見ているだけでじんわりと汗が滲んでくるような様相を呈し、シロナはうげーっと舌を出す。

 

「あんな星にドラゴンボールがあるっていうの?」

 

「惑星グママ、過酷な環境で有名な星…超高温に適応した生物が棲んでいるとされている。だが高度な知能を持つ生物は確認されていない。ドラゴンボールが何者かに奪われているという可能性はないだろうな」

 

とジャコが言った。

 

「でももしも溶岩の中とかに落ちてたらどうするんだ?」

 

「吹っ飛ばせるでしょ。溶岩を割って拾えばいいんじゃない?」

 

「確かにドラゴンボールは滅多なことじゃ壊れねぇらしいけどさぁ」

 

シロナとサザンカがそう話していると、操縦席を立ったジャコがどこかからハンガーにかけられたスーツを持ってきた。

 

「これを着るがいい。銀河パトロールの開発した超耐性スーツだ、グママのような極限の環境下ではこれが必須だ」

 

広げてみると、黒に紫色のラインが入った厚手のボディスーツで、胸部は銀河パトロールの着用している外殻と同じデザインとなっており、さらには頭部を完全に覆うフルフェイス型のヘルメットもある。

 

「行くぞ」

 

 

 

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