もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第468話 「究明」

成分分析開始

 

ERROR

 

未知の物質で構成されています。内部に埋め込まれた6個の黒い星型の色素はどの角度から見ても一定の大きさを保ちます。

 

範囲設定:惑星グランタ…該当する物質が見当たりません。もう一度精査しますか?

 

範囲設定:アルデンテ銀河系…該当する物質が見当たりません。もう一度精査しますか?

 

範囲設定:第3宇宙…該当する物質が見当たりません。もう一度精査しますか?情報を更新します。該当する物質で構成された同一形状の物体が4個検出されました。

 

位置を表示します。

 

 

 

「知りたい…知りたいぞ…この不思議な球の正体が」

 

「ええ。これは別の宇宙からもたらされたオーバーテクノロジー。名は『ドラゴンボール』、用途は…7つ集めると願いが叶う…ですって?」

 

「それは本当か?Dr.チョリソー。にわかには信じ難い…そのようなアイテムが存在するとは」

 

「だからこそ調べ甲斐があるというものでしょうDr.パパロニ。科学とは未知を既知に、不可能を可能にするもの…このドラゴンボールというものを理解し、メカニズムを利用して我々の宇宙のレベルをさらに引き上げて見せましょう」

 

 

 

 

 

 

 

「次は第3宇宙か」

 

ハーツ、シロナ、サザンカの一行は残り3つのドラゴンボールを求め、第3宇宙へとやってきていた。レーダーが反応を示しているのは、目の前に浮かぶ灰色の惑星だった。

彼らはその星に着陸し、冷たいコンクリートの地面を踏み締めた。

 

「おお、なんか…」

 

「すげぇ未来都市って感じ」

 

目の前には同じ形のビルが無数にどこまでも立ち並び、道路やその脇に植えられた街路樹の配置までもが幾何学的な模様を描いており、さらにそこらを歩いている一般人さえもメカメカしい外見をしている。

 

「惑星グランタか…」

 

「さて、反応があるのはあっちだな」

 

反応を頼りに三人がたどり着いたのは、真っ白な外観の巨大で無機質な建物だった。

 

「なにこれ、病院?」

 

「何かの施設のようにも見えるが…」

 

「ちゃんと入り口があるぜ」

 

自動ドアの入り口を抜け、建物の中に入る。すると広いロビーが現れ、正面には受付らしきカウンターが見える。一見すると普通の建物でやはりここは病院か何かの施設のようだった。

 

「こんにちは。本日は何かご入用でしょうか?」

 

受付にいた女性がこちらに声をかける。

3人は目を合わせ、ここは下手な嘘はつかないことにする。

 

「あー、すまない。俺たちは落とし物を探してるんだが…発信器の位置がここの中を指しているんだ。何か知ってるかな?」

 

受付の女性は机のタッチパネルを操作し、情報を確認する。

 

「でしたら…右手奥の第3転送機から15階へ進んでいただき、そちらの受付に申し付けてください」

 

「了解だ」

 

案内されるまま3人はワープ装置で建物内を移動し、15階にたどり着いた。そこの受付で先ほどと同じ内容の事を話すと、今度はその階の客室にたどり着いた。

 

「しばらくお待ちください」

 

「やあ諸君、初めましてだな!」

 

客室に入り椅子に腰かけ、案内してくれた受付の女性が部屋を出るのと同時に、別の何者かがずいっと入ってきた。

 

「いや早っ」

 

サザンカが突っ込むのも構わずに、部屋にやってきた背が高く白衣を着た紫色の肌の男性は受付の女性を締め出すように勢いよくドアを閉めた。男性の白髪はポンパドールのように額に垂れ、もみ上げを髪留めで束ね、如何にも一癖ありそうな雰囲気の男だが…

 

「初めまして、私はDr.パパロニと申す者。この研究所の所長である」

 

パパロニと名乗った博士は片眼鏡を怪しく光らせる。

 

「お前たちには我が実験棟へいらして頂こう!!」

 

さらに次の瞬間、いつの間にかパパロニが手にしていた杖の先端の水晶が眩い光を発し、サザンカたち3人の体も光を発しながら別の場所へ引っ張られていた!

 

「「いや展開が早いっ!」」

 

3人はそう突っ込んだのを最後に問答無用でこの場から消失していた。

 

「フフフ…」

 

パパロニは不敵に笑いながら、自身も杖の力によってどこかへ消えてゆく。誰もいなくなった客室は静かにカーテンを揺らすのだった…。

 

 

 

 

「どおわっ」

 

「あでっ」

 

「おっと」

 

3人は見知らぬ場所に放り出され、思わず転んだ。

顔を上げると、そこは目が痛くなるほど真っ白でだだっ広い部屋だった。何もなく、四方を壁に囲まれ壁自体も相当厚いだろうことが伺える。

 

「よく来たな諸君!私の実験棟へようこそ」

 

と、そこへ半透明なホログラムで映し出されたパパロニが姿を現す。その横には、同じく科学者然とした老齢の女性もいた。

 

「よく来たなってテメェが連れてきたんだろうが!」

 

サザンカの突っ込みを無視し、パパロニは白衣のポケットからあるものを取り出した。

それは正しく黒い星の埋め込まれた究極六星球だった。

 

「アナタたちはこのドラゴンボールという道具を持っているわね?」

 

サザンカたちは声こそ出さないものの、その時の驚きが肯定とみなされてしまった。

 

「失礼、私はDr.チョリソー。この惑星グランタの研究所の副所長よ」

 

「ちょっと!ドラゴンボールは私たちの宇宙の物だから渡さないから!」

 

「ああお嬢ちゃん、何もアナタ達の持っている4個のドラゴンボール…それを奪おうって訳じゃないから安心して欲しいわね」

 

チョリソーはそうは言うものの、警戒を解くわけにはいかない。

 

「我々は既にこの究極のドラゴンボールを解析し、名称から用途まで判明させている。どうやら7つ揃えるとなんでも願いを叶えることが出来る不思議な球らしいな。第7宇宙の地球という惑星で生まれたものである、と。だがしかし!!我々が興味を持ったのはソコではなァァァい!!」

 

「うるさっ」

 

「なんでも願いを叶える、という宇宙の理すら無視してしまうほどの摩訶不思議パワー!!それを我が第3宇宙でも生成しコントロールすることができれば!!更なる科学と技術の発展が見込めるだろう!!」

 

「ええ、ええ。つまり我々が目を付けたのは願いを叶えるという特性ではなく願いを叶えるためにドラゴンボールが内在している力なのよ。それは既に6つ星の球のみで十分に解析し、コピーすることに成功したわ」

 

そう説明するパパロニとチョリソーはまるで周りを鑑みておらず、自分の思惑だけを興奮気味に語っているエゴイストのように見える。

だが、そこでハーツが顎に手を当てながら口を開く。

 

「しかし何故だ?だったら何故君らは俺たちをここへ呼び寄せた?」

 

ふたりで盛り上がっていたパパロニらはピタリと静かになり、ハーツに振り向く。

 

「ゴホン、君らをここへ呼んだのは…ひとつ、君らの持つドラゴンボールをすべて見せてくれないか?なぁに案ずるな…ただ規格が同一か確認したいだけだ」

 

ハーツは青い上着の内側から4個の究極ドラゴンボールを取り出した。

 

「おお!やはり形状から質量まで一致!違うのは星の個数だけか!」

 

「その星かどの角度から見ても一定に見えるのも同じ原理ね」

 

「それで用は済んだのか?なら六星球を返してもらおうか」

 

ハーツがそう言うと、ふたりは顔を上げる。

 

「いいやまだだ!!もうひとつは…君らの戦闘データを記録したいッ!!!出でよ我が第3宇宙が誇る改造戦士!コイツカイ!!パンチア!!ボラレータ!!」

 

パパロニがそう叫びながら杖を振り上げると、突如として強烈な気が3つ現れ、同時に謎の3体の大きな影が一瞬で転移してくる。

卵型の小さな胴体に大きなモノアイと腕をもつ機械戦士コイツカイ、緑色の円筒型ボディの機械戦士パンチア、円盤型の胴体に強靭な脚部と伸縮自在の蛇腹の腕を備えた機械戦士ボラレータ。

どれもがふざけた外見だが秘められたパワーは並大抵ではなく、それぞれがサザンカたちと対峙する。ハーツはその単純明快さに思わず笑みを浮かべた。

 

「いいね、シンプルで分かりやすい」

 

「ゆけ!存分に戦い、我々に価値のあるデータを与えてくれたまえ!!」

 

「コイツカイ!」

 

コイツカイはサザンカと。

 

「パンチア!」

 

パンチアはシロナと。

 

「ボラレータ!」

 

ボラレータはハーツと、戦闘を開始しようと構え合った。

 

 

 

 

その時。

 

ドゴォン!!

 

「!?」

 

この実験室の壁が突然外側から破壊された。しかも左右の壁が同時に、である。

 

「ポリスマ───ン!!」

 

「マジカヨォ───!!」

 

右からは胸に大きく「P」と描かれた青と白ベースのヒーロースーツを纏った筋肉質な男が、左からは全身がジェルのような青い物体で構成された男が、それぞれ妙な叫び声を上げながら乱入してきたのだった。

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