もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第476話 「進境」

ヒットは岩に手を置きながら立ち上がり、口元の血を指先で拭うとサザンカを鋭く見据える。

 

「驚いた…オレの時飛ばしを攻略するとは」

 

生まれてこの方、ヒットは自身が生まれつき持っていた時飛ばしを破られた事が無かった。だが、目の前にいる超サイヤ人4となったサザンカの動きは時飛ばしを凌駕し、未だかつて出会ったことのない強敵として目に映っている。

 

「確かに、0.1秒後のオレの動きを予測すれば対処できるのかもしれんな。そんな事が出来た奴はこれまでいなかったので気付かなかった」

 

ヒットはサザンカの強さを目の当たりにし、ひとつ考え方を変えてみることにした。

 

「ハアアアアアア!!」

 

「!?」

 

その場で拳を握り、空へ向かって咆哮。同時に全身から紫色の気が巨大なオーラとなって噴き出した。突然、今までのクールな様子とは打って変わった行動をとったヒットに驚くサザンカ。

しばらく叫びと共に気を開放した後、ヒットは両手を見つめ、握ったり開いたりしてみる。

 

「…なるほど」

 

そして、一気にサザンカとの距離を詰め、拳を放つ。サザンカはそれを腕で防ぎ、カウンターの膝蹴りをぶつけ、さらに胸へパンチを浴びせた。

 

「ぐ…!」

 

だがヒットも負けじと反撃の拳を振り抜くが、サザンカの姿が消える。

 

「ど、どこへ…!」

 

ブンッ

 

直後、どこからか持ってきた大岩を片手で掴んだサザンカがヒットの背後に現れ、大きく振りかぶったそれを勢いよく叩きつけた。岩は礫と粉になって消え、ヒットは粉塵に紛れて拳の衝撃波を連続で放つ。

サザンカはそれを振り払いながら接近し、両者は熾烈な接近戦を繰り広げる。その合間にヒットは時飛ばしによる不可避の一撃を織り交ぜるも、サザンカも攻防の間にそれを予測したカウンターを喰らわせている。

 

(なんだコイツ…あんまり変わってねぇな)

 

気を開放し、実力を上げたかに見えたヒットだが、サザンカが戦っている限りではその戦闘力は特に増えた感じはしなかった。サザンカの重い連撃が襲い掛かり、段々とヒットは防戦を強いられるようになる。ヒットは焦りながらも時飛ばしを発動するが、サザンカはそれを見切っていたかのように蹴りを放った。

 

…しかし

 

バギィ

 

これまでのように時飛ばしを予測した瞬間、変化が起こる。ヒットの拳がサザンカの鳩尾にめり込んでいた。

 

「おえ…ッ」

 

ヒットは不敵な眼差しのまま、もう一度時飛ばしを繰り出す。

その時間、0.1秒…いや、0.2秒!

 

ドゴゴッ

 

サザンカの予測をさらに上回る量の攻撃を繰り出し、さらに拳が胸に突き刺さり、生じた衝撃波が貫通し突き抜けていった。

 

「が…!」

 

あまりの痛みに全身の力が抜け、思わず膝をついて倒れこむ。

 

「…少し掴んだぞ」

 

時飛ばしを破られた今、ヒットがサザンカに勝つためにはある方法を取らなければならなかった。それはこの戦いの中で成長することだった。

ヒットはこれまで殺すための戦いしか経験したことがなかった。だが今、ヒットは初めて強くなるために戦っている。

 

「いつもやっていることだ…オレは殺しの仕事の前には準備を怠らない。それと同じだ…オレは依頼を成功させるための準備として、お前を利用して“成長”することにしたよ」

 

「なんだとぉ…?」

 

「そして、実際にこうして時飛ばしを0.2秒に延ばすことができた。まだまだ強くなるぞ、オレは」

 

「言ってろ!」

 

立ち上がったサザンカはヒットに殴りかかると同時にコートの裾を掴み、避けるのを封じて顔面へ拳をぶつけた。怯むヒットだがすぐに気を持ち直し、コートの裾部分を取り外して脱ぎ、翻してサザンカの視界を奪いつつ拳の衝撃波の連打を放った。

サザンカもすぐに0.2秒の時飛ばしに対抗し、さらに先読みをするが…

 

ピィン

 

「既にオレの時飛ばしは0.5秒に達しているぞ」

 

動きの止まったサザンカに対し、凄まじい高速の拳を無数に叩き込むヒット。

ヒットは今、いわゆる「ゾーンに入る」という状態の真っただ中にいた。高まった集中力と研ぎ澄まされた感覚が、時飛ばしの急成長を可能にしていた。

0.5秒後、サザンカは全身に喰らった拳の衝撃で後ろへ吹き飛ばされ、地面の上を転がった。

 

「…殺す気で撃ったが、流石だな」

 

「はぁ…はぁ…!」

 

本人の言った通り、ヒットは既にサザンカとの戦いを糧にして成長していた。今まではその必要性に迫られなかったというだけで、限界を超える扉はいつでも開くことができたのだ。

それに対し、サザンカは何とか持ちこたえているものの、ヒットの殺しの技は文字通りこちらの急所を確実に捉えてくる。サザンカに限界が訪れるのも時間の問題だろう。

 

 

 

 

その頃、カリフラのアジトでケールは目を覚ました。

 

「…わ、私は一体…」

 

そして、自分が何をしていたのかぼんやりと思い出す。溢れる激情に駆られ、最後の理性で外に出たこと。暴れていた時の事は夢を見ていた時のようで信じられないが、あの時の感覚は間違いなく身に起こったことだと実感できる、拳や腹に残った鈍い痛み…。

 

「そうなんだよね~。結局カリフラちゃんも不器用なだけなんだよ。自分が悪いことをしている自覚だってあるだろうし、だからこそついてきてくれるみんなが好きなんだろうね」

 

「シ、シロナさん…!やっぱそうっすよね!」

 

「私と妹も昔は仲悪かったけどね…少しずつ歩み寄って、同じことを一緒にやってみてだんだんと思っていることや悩んでいることがわかってきたんだ」

 

「なるほど…」

 

ケールが慌てて跳ね起きると、そこではカリフラの舎弟であり自分の仲間のサイヤ人少女たちとすっかり打ち解けた様子で穏やかに会話しているシロナがいた。

 

「な、何して…?」

 

「あっ、ケールさん!」

 

仲間の舎弟が声をかけてくれる。だがケールが気になるのはそこではなく…

 

「大丈夫みたいだね。だいぶたくさん殴っちゃったから…」

 

小さい子供の姿に見えるシロナが何故か大人っぽく見えるという事だ。彼女の回りに仲間たちが集まっている光景もそう見えることに拍車をかけているのかもしれないが。

 

「多分…平気ですけど…」

 

「よかった!」

 

「…どうも…?」

 

ケールも、ここを突然襲撃したサイヤ人の仲間であるシロナに対しては既に何故か敵対心を抱くことができなかった。さっきは怒りでどうにかなりそうだった(実際にどうにかなってしまった)が、ここまで仲間と打ち解けている様子を見せられては邪険にもできない。

 

「おい、なんか荒らされてるみたいだな」

 

「ほ、ほんとに殺されちまったのかな…」

 

「ん?なんか声が…」

 

その時、アジトの外で小さな声が聞こえたのをシロナは逃さなかった。

 

 

「カリフラもいねぇな…どうやら殺し屋ヒットは本当に仕事をこなしてくれたみたいだぜ」

 

外にいたのは、先日カリフラたちに荷物を奪われたサイヤ人の男二人組だった。彼らは破壊されたアジトの壁やカリフラがいない様子から、本当にヒットが彼女を始末してくれたのだと思っていた。

 

「だが、報酬金はどうやって支払う?」

 

「カリフラが消えたんならあとは俺たちの敵じゃねぇ。この間奪われた宝飾品を全部差し出せば依頼額には届くだろうよ」

 

二人は壊された壁から中に入り、銃を構えながら慎重に辺りを見渡した。

 

「…いない?」

 

「妙だな…さっきまで話し声が聞こえたんだが…」

 

不思議に思う二人の頭上で、天井からぶら下がる何者かの目が怪しく光った。次の瞬間、ひとりが天井からゆっくりと下がってきた影に掴まれ、声を上げる暇もなく天井へ連れ去られる。

 

「なっ…!どうした!?」

 

もうひとりが驚いて後ろを振り向いた瞬間、ソファの裏に隠れていたケールが渾身の力でその顔面を殴りつけた。よろめいて倒れこむ男に、他の舎弟たちが一斉に群がって取り押さえる。

 

「クソ!離しやがれ…!」

 

天井から降りてきたシロナも連れ去ったひとりの首を片手で掴んだまま放り投げた。

 

「あ、貴方たちは…!」

 

ケールは、潜んでいた二人がこの間荷物を奪った男たちであると気付く。

 

「へへへ…もうカリフラはヒットに殺された後か?」

 

その言葉を聞いたシロナは嫌な予感を覚える。

 

「…それ、詳しく教えてくんない?」

 

「ああ?そもそも何なんだこのガキはよ…!カリフラさえいなきゃ余裕なはずなのに、このガキの所為で…」

 

「い い か ら」

 

記憶兵器の力でカッターナイフに変形した腕を突き付けられた男たちは観念し、全ての事情を彼女らに話すのだった…。

 

 

 

 

 

「見た目によらず、なかなかタフなヤツだ…並みの相手なら既に10回は死んでるな」

 

ヒットの目の前で息を切らすサザンカの胸と腹には、既に何十発もの拳の跡があった。その全てが確実に対象の息の根を止める殺しの技によるもの…それをこれまで耐え切ってきたサザンカだが、あと一発を耐えることはできないだろう。

 

「へ…サザンカ様を舐めるんじゃねぇよ」

 

サザンカは血の混じった唾を吐き捨てると再びヒットに飛び掛かり、両者は激しい打ち合いを展開する。

それを黙って見守っていたハーツだが、横で寝かせていたカリフラが目を覚まし、起き上がろうと暴れ出す。

 

「ぬぐぐぐ…!」

 

「コラ、君…大人しくしてた方がいい」

 

「うるせぇ…!あたしのダチがあそこで一人で戦ってんだろ…胸貸してやらねぇでどうするんだ…!」

 

カリフラは圧迫した傷口から再び血が流れだし、痛みがぶり返すのも構わずに膝をつき、立ち上がりつつあった。はじめは止めようとしたハーツだったが、その様子を見て何を思ったのか、指先に黄金の光を小さく灯し、それで彼女の背中に触れた。

 

「あ…!」

 

その時、カリフラの目の前の景色が一変した。

 

 

「なんだ…こりゃ…!」

 

真っ黒な空には無数の銀河と惑星が瞬き、地平線の先まで赤い砂に満たされた砂漠が広がっている。不思議なことはそれだけに留まらず、痛みを伴っていた肩の傷を含めた一切が無くなっていたのだ。

 

「やあ、久しぶり」

 

そしていつの間にか自分の横に立っていたハーツがそう言った。驚いたカリフラは思わず彼の顔を見上げるが、ハーツは自分ではなく別の方向に声をかけており…

 

「…誰だ?」

 

その先には、こちらをじっと見つめながら佇む、黒髪を生やし獣の皮で作った服を纏う全く見覚えのない少女が立っていた。

直感的に理解した。ここは全てのサイヤ人の原点であり頂点。出発点であり終着点でもある、永遠の地。サイヤ人として生まれたからには、生まれる時、そして死ぬ時に必ずここを訪れる。

少女は小さく頷くと、カリフラの頭に手を置き…

 

「誰もここの事は覚えてられないがね」

 

そのハーツの声を最後に、カリフラの意識は現実へ引き戻される。

 

 

「あれ!?」

 

カリフラが気付いた時には、自分の傷と痛みがすべて消えていた。困惑と驚きが頭の中を埋め尽くすが、すべきことは分かっていた。闘志が沸き上がると共に、背中から首、頭へかけてゾワゾワとした感覚が駆け巡るままに…

 

「無駄なことだ。お前が頑張れば頑張るほど、オレの一撃はより精度を増していくんだぞ」

 

サザンカは相変わらず絶え間なくヒットを攻め立てるも、時飛ばしと暗殺拳の合わせ技に苦戦を強いられていた。

 

「もう再三忠告はした…恨むなよ」

 

ヒットはこれを最後とし、止めを刺すつもりで時飛ばしを発動しようと構える。だがその瞬間、真横から何かが迫っているのに気づき、思わず顔を逸らしてそれを避けた。

その時、ヒットは目を見張った。今殴りかかってきたのは依頼のターゲットだったカリフラ。自分が負わせたはずの傷が綺麗に無くなっているのはもちろんだが、それよりも彼女の変化に驚いていた。そう、カリフラはなんと超サイヤ人に覚醒していた。

 

「…!」

 

それによって生じたわずかなスキを、サザンカは見逃さず、パンチを繰り出した。

が、ヒットはその拳をはじき返す。そう来るのは分かっていた…そう言いたげにサザンカを睨む。しかし…

 

カンッ

 

カリフラが投げた丸い物体がヒットの頭に当たり、ほんの僅かに意識が逸れる。カリフラが咄嗟に、ポケットに入れていた宝飾品…もとい究極ドラゴンボールを投げつけたのだ。

 

「ぶちかませ」

 

次の瞬間、サザンカ渾身の拳の一振りが、ヒットの脇腹に命中した。衝突した気が黒い歪みとなって空間を揺らし、さらにヒットの体内へ深く衝撃が突き刺さる。

ヒットは思わず大口を開け、血と唾を吐きながら吹っ飛ばされ、近くの岩壁にめり込んだ。

 

「ハァ…ハァ…!ってか今の…ドラゴンボールじゃねぇか…」

 

サザンカはどこかへ飛んでいったドラゴンボールを探そうと歩き出すも、その瞬間に超サイヤ人4の変身が解け、その場に倒れ込んだ。だが意識はあり、岩山の瓦礫の中から這い上がってくるヒットを眺めることしか出来なかった。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「カリフラか…」

 

そこへカリフラがやって来て、サザンカの体を起こして抱き上げる。

が、フラつく足取りのヒットも彼女らの前に現れる。

 

「オレには、もう時飛ばしを使う力は残っていない…いや、正確には時飛ばしを使ったところでそれを活かせるほど動けないと言った方が正しい…だが、今のお前たちを一撃で倒せるだけの力はあるぞ…」

 

「やめた方がいい」

 

だがその間にハーツが割込み、ヒットのゆく手を阻んだ。両者はしばし睨み合い、カリフラとサザンカが固唾を飲んで見つめる前で膠着した状態が続く。

 

「ちょっとストーーーップ!!」

 

「姐さーん!」

 

と、さらにそこへシロナとケールたちが空から降り立ち、ヒットは今度は何だと言いたげに眉を顰める。

 

「殺し屋さん、アナタの依頼主からキャンセル出ましたー!!」

 

シロナに首根っこ掴まれて連れてこられたサイヤ人の男二人は実物のヒットに恐れ戦きながら身振り手振り交えて必死に弁明する。

 

「あの依頼はこの通り無しってことで…!」

 

「キャンセル料なら払う!だから今回の件は無かったことに…」

 

ヒットは驚いて眉を上げ、少し考えるように目を閉じてから、再び目を開けた。

 

「…いいだろう、では取消料は全額だ。依頼書通りの場所に送っておけ。今回は冷やかしとして大目に見てやるが、だが今後同じようなことがあれば…お前たちも消す」

 

「ひいいっ!」

 

「そ、それでは!」

 

ヒットに睨まれた二人は一目散にその場から退散した。先ほど、ケールたちと男たち、両方からの言い分と事情を聞いたシロナは奪われた宝飾品は全て男たちに返し、依頼を取り消すように言い聞かせたのだ。これで後腐れなく平和に解決したことになる。

 

「ではオレは帰る」

 

ヒットは脱ぎ捨てたコートの裾部分を拾って肩にかけると、背を向けてゆっくりと歩み去る。

 

「ふざっけんじゃねぇよオイ!あたしがこのまま引き下がるかよ!」

 

「また依頼が来れば今度こそ殺しに来る。せいぜい恨みを買わぬよう振舞うことだな」

 

騒ぎ立てるカリフラをあしらい、ヒットは時飛ばしを利用して一瞬で消えてしまった。

カリフラは不意に超サイヤ人を解除し、不思議そうに自分の手を見つめる。

 

「ってかこれ何だったんだ?」

 

「逆に今まで超サイヤ人になれなかったのかよ」

 

「スーパー…?なんだそりゃ。まあいいや」

 

それからカリフラとケールはシロナたちに礼を言い、アジトへと帰っていった。

 

「じゃあな!サザンカ、お前とはまたどこかで会えそうな気がするな!」

 

「ああ、こっちもそんな気がする」

 

最後にそう言葉を交わし、彼女らは別れるのだった。殺し屋ヒットを交えた惑星サダラでの騒動を終えた一行は、本来の目的である究極ドラゴンボールの捜索を始める。

 

「さっきカリフラが投げてたのがどこにいったかな~」

 

「そんな時のドラゴンレーダーだよね~」

 

シロナはそう言いながらレーダーを起動すると、すぐ近くに反応が現れ、その地点へ歩いて行ってみると岩の陰に隠れるようにして転がっていた。

 

「あったあった!二星球ね」

 

オレンジ色の中に黒い二つ星。シロナは手を伸ばしてそれを手に取ろうとするが…不思議なことに寸前でドラゴンボールが独りでに宙に浮かび、シロナの手から逃れるように離れていったではないか。

 

「あれ?」

 

「…まずい!」

 

ハーツはそう言いながらシロナの手を引っ張り、後ろへ飛びのく。その瞬間、空から降ってきたエネルギー弾が着弾し、巨大な爆発を起こした。

 

「な、なんだぁ!?」

 

続けて、そこへ降り立つ人影があった。黒いフード付きのマントを羽織り、詳細な姿は分からないが、かなり強力な気を持っていることは分かる。

 

「アイツ…!ドラゴンボールを!」

 

その人物の手には見つけたばかりの究極二星球が握られていた。

 

「返してもらおう」

 

ハーツは手を伸ばし、重力操作でドラゴンボールを自身に引き寄せ奪おうとする。謎の人物はそれに驚き、意図せず腕からボールが零れそうになるも何とか掴みなおし、胸に抱えるようにして踏ん張った。

その時、フードが少しめくれ、その内の素顔がチラっと見えた。

 

「君は…!」

 

緑色の肌、顔の前に垂れた白髪のモヒカン、尖った耳にはオレンジ色のイヤリングが揺れていた。

次の瞬間、その人物は一瞬にして姿を消し、その場には気の残滓すら残っていなかった…。

 

 

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