もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第542話 「紫の夜を超えて」

「「「私よりも強い人を探してほしい」」」

 

豹牙天龍、紅美鈴、ミスター・サタンはシロナから力の大会参加の誘いを受けた際、全く同じ言葉を口にした。

 

「まず私じゃ役不足ですよ。宇宙の存亡を懸けた戦いというなら、私のような大海を知らぬ蛙が出る幕はありません」

 

と言ったのは美鈴。

 

「宇宙は広い。君たちの知らない、俺よりも強い人間がたくさんいるはずだ」

 

天龍も己はまだまだだとしている。

 

「私は武道家でありエンターテイナーだ。他者を蹴落とすための武道会には参加できないな」

 

サタンまでもがそう言い渋る。

 

「「「もしもメンバーが足りないような事があれば参加する」」」

 

 

「…ダメだったか~」

 

3人から承諾を得られなかったシロナは頭を掻きながら深夜の街中を歩いていた。

 

「宇宙の存亡が懸かってるって話はしない方がよかったかな。う~ん、できれば地球で他に参加してくれそうな人いないかな~」

 

シロナは誰かいないかと考えながら、あてもなく歩き回るが…

 

「あ!いいこと思いついた。占いババに聞いてみよ~っと」

 

占いババ。その老婆は100発100中の占いをする代わりに法外な料金を請求する守銭奴であるが、格闘マニアでもあり自分が用意した5人と選手と戦って勝てば無料で占ってくれる。

以前にも、シロナは人造人間の拠城の場所を占ってもらったことがあった。

 

 

シロナは早速翌朝一番に砂漠のオアシスにある占いババの宮殿へとやってきた。

 

「やあ、来ちゃった」

 

「お前はいつぞやの小娘か。何しに来たんじゃ?」

 

占いババは浮かぶ水晶玉の上に座ったまま、ゆっくりと飛んできてシロナを出迎えた。

 

「また占いやってよ。5人の戦士とまた戦うからさ」

 

「バカを言え、今のお前とわしの戦士が戦ったところで何の意味も面白味もないわい。タダでやってやる…何やら、宇宙が消える消えないで大変なんじゃろう?」

 

「え、知ってたの?」

 

「ほほほ、わしにはお見通しじゃ。そしてお前が知りたいのは、その武道大会に参加できるほどの強き者の所在じゃろう?」

 

「うん…いるのかな?」

 

「残念ながらおらん。今後生まれる、若しくは成長する可能性は無きにしも非ず…じゃが、別の宇宙の猛者と張り合えるほどの戦士はおぬしら以外に地球にはおらんのじゃ」

 

「そう…」

 

ならばいよいよブロリーや界王神に任せるしかないか…と少し考えこむシロナだが、それを見かねた占いババがさらなる提案をする。

 

「じゃが…わしならば。わしならあの世からたったひとりだけ、死んだ人間をこの世へ連れて来れるとしたら…どうする?」

 

「…え!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、界王神と共に惑星M2を訪れたブロリー。

以前ここへ来たときは、マシンミュータントによって荒れ果てた街並みがあるのみだったが、今ではリルド将軍によってマシンミュータントの星へと生まれ変わったことで、彼らがのびのびと暮らす未来都市がどこまでも広がっていた。

 

「よく来たな、ブロリー!」

 

「久しぶりだなリルド。元気そうで何よりだ」

 

早速、ブロリーは中心地にある宮殿へ赴き、リルドと再会を果たした。ふたりはひしと抱き合い、互いの壮健ぶりを確認した。

 

「オレはマシンミュータントだぞ?体に具合の悪いところなどない」

 

そうジョークを言いながらマッスルポーズをとって見せるリルド。リルドは惑星M2の過去の姿である惑星コーグの英雄であり、侵略者であるDr.ミュー率いるマシンミュータントと戦い続けていたがやがて敗れ、自身もマシンミュータントに改造されてしまった経歴がある。

ブロリーはジョークに少し笑ったあと、ゆっくりと本題を切り出した。

 

「…リルド、話がある」

 

「なんだ、神妙そうだな」

 

「実は…」

 

力の大会と宇宙消滅について説明した。

 

「…そうか。それに俺に出てほしいと」

 

「ああ…いけるか?」

 

リルドはゆっくりと歩き、正面のモニターに映る惑星M2の街並みを眺めた。

 

「わかった、協力しよう」

 

「おお…!」

 

「ただし、お前はオレにどこまでの強さを期待する?」

 

リルドは背筋を正し、振り向きながらブロリーへ鋭い視線を向けた。

 

「武器や防具の持ち込みは禁止なのだろう?ハイパーメガリルドは、部下のメガキャノンΣ部隊のパーツで武装したものだ。変幻自在のメタルリルドも、この惑星M2と同化することで初めて真価を発揮する。まさか、そのためにメガキャノンΣたちを参戦させたり、ましてや惑星M2と同化した姿で参加するわけにはいかんだろう」

 

確かに、メガキャノンΣで選手枠を消費するわけにはいかないし、惑星M2と同化すれば相応に惑星クラスの体積となってしまうため参戦そのものが出来ない。

 

「いや、奴らが合体したスーパーΣなら、ひとりの選手としてカウントできるんじゃないか?大会が始まったらすぐに合体してハイパーメガリルドになればいい」

 

「…確かにな。しかしそれは最後の手段だ…オレがパワーアップするためだけに、貴重な参加枠を減らせないな。ま…それについてはやり方を考えておく。ひとまず大会では全力で戦う」

 

「そうか、ありがたい!」

 

「ふふ…どれだけオレたちが変わり果てようと、この宇宙で生きる人間に違いはない、ということか。ある意味で力の大会は救済となるのやもしれんな」

 

 

 

 

リルドが力の大会への参加を表明した後、ブロリーはメルスを訪ねて銀河パトロール本部へやってきた。

 

「はい、もちろん参加します」

 

メルスはブロリーから話を聞くや否や即答でそう言った。

 

「ありがとう、メルス」

 

「いいえ…宇宙を守る…そのために私は銀河パトロールに、人間になったのです。ここで力を使わずどうするのでしょう。それに、サザンカさんが無事でよかった…」

 

「私は出ないからな!」

 

その時、横から割り込むかのように、ジャコがキッパリとそう言った。

 

「誰もセンパイには聞いてねーって」

 

スカッシュが呆れたように突っ込みを入れる。

 

「現実問題そういうことだ。ブロリーたちがいない間、誰がこの宇宙を守るんだ?メルス隊員が参加するとなれば、それ以外の隊員や我々は宇宙に残るべきだ」

 

尤もらしいことを言ったジャコだが、言っていることは間違っていない。

 

「大会時間はたったの48分間らしい。短い間だが、俺たちがいない間は頼んだぞ」

 

「任せておけ」

 

「頑張って来いよ、ブロリー!」

 

ジャコとスカッシュに見送られる形で、ブロリーは界王神と共に去って行った。

 

 

 

 

「さて…ここがシリアル星とやらか…」

 

続いてブロリーがやってきたのはシリアル星。緑豊かな自然と、ドーム状のバリアーに守られた近代的な街が点在する美しい環境の惑星だった。

 

「確か、グラノラさんという方でしたね。付近にいればいいのですが…」

 

界王神と共に周辺を見渡していた時だった。遠くの方で凄まじい爆発と、空気が裂けるような甲高い音が発生した。

 

「なんだ!?」

 

その方へ目を向けると、そこは街ではない山岳地であった。山から煙が上がり、地表から光の筋が何度も伸びている。明らかに、何者かが交戦している様子だ。

 

「行ってみよう」

 

 

 

「くっ…!」

 

「いいぞ!もっと魅せて見ろ、シリアル人!!」

 

山の中へ、上空から悪魔の声が降り注ぐ。対するグラノラは、大きな大樹の枝に座って陣取り、右手の人差し指と中指で銃のように構え、そこから絶え間なく空へ向けて光線を発射している。

狙っている物体が陽光で影を落としているが、その対象はレーザーをあえて撃たせるかのように緩急をつけた動きで空を飛び、レーザーを全て紙一重で躱している。

 

「ハァ…ハァ…!」

 

しかし、グラノラはエネルギーの減少と長時間空を見上げ続けたことで眩暈を起こし、一瞬目を下へ向けた。

 

「その程度か?シリアル人」

 

そのほんの一瞬の隙に、空を飛んでいた影は彼の眼前にまで降りていた。紫色のしなやかなボディ、それを包み込む硬質な白い外殻。長い鞭のような尻尾が戯れに揺れ、それは高層ビルを優に両断するほどの力があるだろう。

 

「おのれ…クウラァ!ガッ…」

 

叫ぶグラノラだが、クウラによって顎を掴まれ、そのまま持ち上げられる。

 

「久しぶりにこの星へ来てみたが…貴様は何も成長していないな。オレの糧にすらならん」

 

そう言いながら、クウラはもう片腕に気を充填し、生成した気弾を目の前に掲げる。グラノラは声を出せぬまま、目を見開いて焦った。

 

「いいか、殺されたくなければもっと強くなって足掻いて見せろ。その時は…ん!?」

 

クウラも話している途中で周辺の異変に気付き、注意をそちらへ向けた。

 

ドガアッ!!

 

だがその瞬間、何者かによって蹴り飛ばされ、グラノラを手放すと同時に勢いよく真横へぶっ飛ばされる。その刹那、クウラは横目で見た。

 

(ブロリー…!?)

 

「君、大丈夫か?」

 

ブロリーは咳き込んでいるグラノラに心配の声をかけつつ、目線はクウラから離さない。クウラは途中で踏みとどまり、口の端から垂れる血はそのままにゆっくりと接近してくる。

 

「まさか貴様の方から来てくれるとは思わなかったぞ、ブロリー。ククク…どうだ、オレは以前よりはるかに強くなった…貴様との再戦の日のためにな。そしてその日が今日だったという訳か…」

 

その時、ブロリーにある考えが閃いた。

 

(…そうか、別に選手は俺たちの仲間である必要はない。強ければいい…)

 

しかし、ひとまずブロリーはクウラに対し格闘の構えを取る。

 

「俺の話を聞いてもらおうか、クウラ」

 

「オレを聞く気にさせてくれたらな」

 

 

今、再び伝説vs最強の戦いが始まろうとしていた。




【現在公開可能な情報】

クウラ

宇宙の帝王・フリーザの兄であり、コルド大王の息子。突然変異としてとてつもない戦闘力と悪意を持つコルドの息子として期待されながら生まれたが、持っていたのは悪の心のみで戦闘力は低かった。
後に生まれたフリーザは戦闘力と悪意共にコルドを超える可能性があったため、クウラは用済みとなり虐げられながら幼少期を過ごした。が、クウラは消して折れることなく強くなるため己を鍛え上げ、いつしかコルドとフリーザを超え、二人に圧倒的な実力差と恐怖を植え付けた。
それ以来、フリーザと同様に地上げ屋の仕事を始めたが、コルドやフリーザからは思い出すことさえ忌々しい存在として秘匿されていた。

フリーザ亡き後、ブロリーと鉢合わせ一族の汚名を返上するために戦いを挑むが敗北し、死亡する。
その後地獄へ落とされるが、地獄の極悪人は罰を受けるために肉体を与えられることを逆手に取りこっそり鍛錬を続けていた。

時が経ち、ジャネンバの発生によりこの世とあの世が繋がった際、現世へ蘇る。因縁のブロリーへ復讐を果たそうと戦いを仕掛けるが、さらに強くなっていたブロリーには相手にされることなく敗北する。
だがブロリーは彼を殺さず生かし、いずれもっと強くなって俺の元へ来い、それまで無益な殺生はするな、と告げられる。クウラは敗北者として勝者の言に従い、己を強くするため宇宙へ旅立つ。

その後、かつてフリーザ軍と協力関係にあったブローカー組織「ヒータ」に接触し、賞金稼ぎとして雇われるがヒータの一員であるガスと衝突し苦戦の末新たな技の開発と共に勝利した。その後は壊滅したヒータを乗っ取り、自ら賞金稼ぎとして活動する。

モロと囚人が銀河刑務所から脱獄した際には、脱獄囚狩りと称して乗り込む。が、モロの魔力により想像以上に強化されていた囚人に不意を突かれ、偶然にもコルドの故郷の惑星へ墜落した。
コルド、クウラ、フリーザの種族元であるアイザード人らに殺されかけるが、追ってきた脱獄囚ごと村ひとつを消し飛ばし殺戮を行った。
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