もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第543話 「第六感」

「なんだ?何が起こっているんだ、一体…」

 

乱入してきたブロリーと、それにより巻き起こる目の前の光景についていけず、ただ困惑しているだけのグラノラ。

 

「クウラに続いていろんなヤツが来るナ…」

 

そして彼の装着しているゴーグル型のロボット・オートミルもそう声に出した。

 

「大丈夫ですか?突然お騒がせして申し訳ありません」

 

と、そこへ界王神が現れてグラノラに声をかけた。

 

「お前は…?」

 

「私は界王神という者。実は、グラノラさんの実力を見込んで、折り入ってお願いがあるのです」

 

界王神は力の大会と宇宙消滅について話した。グラノラは信じられないといった顔で驚いたが、数秒後には納得し、考えた。

 

「…もし勝てたら超ドラゴンボールが贈られるのは分かった。だが、それ以外の報酬をしっかり払ってもらう」

 

グラノラの頭の中には、共に暮らすナメック人のモナイトが浮かんでいた。

 

「分かりました。貴方が一生困らないだけの報酬を差し上げましょう」

 

 

 

「オレは挑戦者だ。貴様という試練へ打ち勝とうとしている、な」

 

クウラにとっては、ブロリーとの戦闘はリベンジ戦であり、己の実力を試す機会でもある。地獄から蘇って以降、ブロリーに勝つために研鑽を積んできたからだ。

 

(まずは変身だ)

 

クウラは第4形態への変身を、肉体への負荷をかけることなく速やかに完了させた。体自体が一回り以上大きくなり、肩や頭部の白い外殻が大きくせり出しより攻撃的な外見へと変貌を遂げる。そして無駄なく呼吸活動を行うため、口部をマスク上のガードが覆った。

 

ドウッ

 

そして、クウラは一気にブロリーへ迫り、激突する寸前で軌道を変え背後に回り、手刀の突きを繰り出す。

 

ガシッ

 

「…防いだな?」

 

ブロリーはクウラの一撃を腕で防いで止めていた。以前戦った時は、変身した上での攻撃を食らったところで、ブロリーは全くダメージを受けていなかった。それを防いだ、ということは、現在のクウラの力ならばブロリーへダメージを負わせられることの証左となる。

続けて繰り出すラッシュ攻撃も、ブロリーは避けるか防ぐかで対応し、ふたりはどんどん後退してゆく。

 

(ここまでは想像通り。次は貴様の番だ、魅せて見ろ…超サイヤ人を!)

 

「…」

 

ブロリーはクウラの思惑通り、ひとまず普通の超サイヤ人に変身した。一気に増大したパワーとスピードでクウラを押し返し、岩盤へ叩きつけた。

 

「ぐうっ…!」

 

クウラは真紅に光る眼を見開き、衝撃に耐える。続けてブロリーは拳を打ち下ろすが、クウラは身を翻して回避、尻尾の先端で刺突を繰り出す。

ブロリーも首を反らして避けると、そのまま尻尾を掴みグイっと引き寄せる。抵抗空しく引き寄せられるクウラの腹へ拳を叩きこんだ。

 

「ぐああっ!!」

 

さらに顔面を殴られ、衝撃波で背後の岩盤を突き抜け押し出された。

 

(超サイヤ人…しかし、ヤツにはまだあの気が爆発するような超サイヤ人がある。それを出してくるか?いや、今の時点ではやはりオレは遥か負けている…ヤツの性格上、過剰な力を出すとも思えん…オレの方から、手札を切るべきか)

 

クウラは「自分が挑戦者である」という自認を改めて嚙み締める。相手の出方を窺っていては、それは挑戦ではなくなる。余すことなく自分の手札を曝け出してこそ挑戦。

 

「流石だな、ブロリー。やはり貴様は強い…文句なしの最強だ」

 

クウラは近くに浮かんでいた砕けた岩盤に尻尾を突き刺し、それを引き寄せながらそう言った。

 

「しかしそれも今日までだ。すぐにまた、最強という称号はオレのものとなる」

 

ブロリーはクウラを見上げながら警戒している。その時、クウラは尻尾を大きく振るい、刺していた岩盤を投げ飛ばした。それはブロリーの視界を覆うくらいの距離で爆発し、破片が花火のように広がって飛び散る。

 

「ハアアアア…!!!」

 

その後ろでクウラの力を溜める声が聞こえる。

 

(何をする気だ?)

 

ブロリーはどんどんクウラの気が高まっているのを感じていた。第4形態となったクウラと超サイヤ人となった自分の間にもまだまだ大きな差があったが、それがどんどん縮まってきている。

時折、クウラは溢れて暴発しそうになる気を押さえ込むような素振りを見せ、ブロリーが驚きながら見ていることに気付くと不敵に目元だけで笑った。

 

カッ

 

次の瞬間、クウラの体表がひび入るように割れ、その隙間から漏れ出した黄金の光が爆発した。

 

「これこそが、オレの超サイヤ人へ対する挑戦の証だ」

 

そう言いながら光の中から現れたクウラ。先ほどまでの第4形態をベースに、全身の外殻と皮膚が光沢を放つ金色になっている。足からは新たな棘が生え、胸部には青色の水晶が露出していた。

 

「安い名前だが『ゴールデンクウラ』…と呼ぶことにしている」

 

黄金に煌めくクウラはそう言うと、再びブロリーへ向けて飛び掛かる。

金色と化す超サイヤ人に対する挑戦の証として、クウラは黄金の変身体を獲得した。フリーザもそうだが、クウラにはより強くなろうとすると限界点が現れる。それを超えるには、そのパワーを抱擁できる新しい形態を編み出すしかないのだ。

 

ドゴオ

 

「ただ色が変わったわけではないということは分かっているようだな」

 

ゴールデンクウラの一撃を防いだブロリーだが、あまりの威力を殺しきれず、はるか後方へぶっ飛んだ。そして、クウラは容易くそれに追いつき、気弾の応酬で攻め立てる。

 

「貴様もはやく上の変身を魅せろ!さもなくば死ぬぞ」

 

クウラはブロリーを休まず攻めながらも手加減している。今では超サイヤ人のブロリーとゴールデンクウラは一転して差が開きすぎているからだ。

理由は単純、ブロリーの全力を引き出したうえで圧倒的優位を見せつけ、勝利するため。クウラはブロリーがこれ以上変身したとしても、ゴールデンを上回ることはないだろうと考えていた。

 

しかし、次の瞬間にはその思い上がりは打ち砕かれる。

 

ブロリーの闘気が、凪いだ水面のように静まり返る。だが、明らかに外見上のオーラは炎の如く赤く燃え盛り、これ以上ないほどに強大さを押し出している。

 

「赤…だと…?」

 

超サイヤ人ゴッドに変身したブロリーは、ただ静かに、穏やかに構える。驚いているクウラへ向けて離れた場所から拳を振るうと、その波動が拳圧となってクウラの腹に直撃した。

 

「ぐは…!」

 

クウラの頑強な腹筋が拳型に凹み、内臓を捉えた衝撃にあえぐ。ブロリーは間髪入れず、靄のようなオーラを体から伸ばし、クウラの身体を絡めとると引っ張り寄せ、顎へアッパーを食らわせた。

 

「…クハハハハッ!!」

 

しかし、クウラは吹っ飛びながら宙で体を一回転させ、足からエネルギーの斬撃を放つ。空気を切り裂きながら迫る万死の一閃だが、ブロリーはオーラを前方へ展開するだけで防いだ。

その間にブロリーの左下側へ潜り込んでいたクウラは仕返しといわんばかりに足を掴み、もう片手から特大の気功波をお見舞いした。

 

ブアッ

 

それはブロリーを飲み込み通過していき、ガードはしたもののブロリーは全身にダメージを受けていた。このチャンスを逃さず、クウラはブロリーの足を掴んだまま地面へ向けて急降下し、突き出していた巨大な岩盤の先端へ叩きつけた。

 

ガガガガ…

 

岩盤が砕け、その岩石が降り注ぎ、転がり続ける中でブロリーとクウラは全力の肉弾戦を展開していた。顔面を殴られるブロリーだがすぐにクウラの脇腹に蹴りを差し込み、太ももに肘を振り下ろす。クウラも痛みを糧とするかの如く、やられた分だけ拳で返す。

 

ガシッ

 

しかし、そんな最中、クウラはブロリーの脇腹を手で掴んだ。

 

(なんだ?)

 

その行動に困惑するブロリーだが、クウラの目がギラギラ光りながら自分を見ていることに気付くと、慌てて地面を蹴ってその場から飛び上がった。

 

ドドドドドドドゥ…

 

瞬間、今までブロリーがいた場所でクウラの斬撃が賽の目上に発生し暴れ狂うのが見えた。あそこから離れるのが少しでも遅ければあれを胴体に食らっていたかと思うと肝が冷える。

 

「はははは」

 

さらに、黄金の悪魔は笑う。

 

(こりゃあ覚悟した方が良いな)

 

ブロリーが緊張の糸を引き絞る。立ち上る紅い闘気は青い炎へと変わり始める。対するクウラも、まだまだ上の姿があるかのように、ゴールデンクウラからさらに上の段階へと登ろうとする。

蒼く変わろうとするブロリーに対して、金色の外殻がさらにひび割れ、内側から真紅が漏れる。

 

「お前らそこまでだ」

 

「「!?」」

 

その時、ヒートアップしていた両者の間にビルスが現れた。突然の破壊神の来訪に、ブロリーとクウラは同時に気を鎮めるのだった。

 

「ビルス…なぜここに…」

 

「なに…?まさか破壊神ビルスか!?」

 

驚きを隠せない様子のクウラがビルスを見て声を荒げる。

 

「久しぶりだね、コルドの息子。お前の事は親父から聞いていたよ…それより、お前たち力の大会が迫っているのにこんなところで消耗してどうするつもりだ?」

 

「私が連れてきました。既にグラノラさんが参加していただけることになったので、これ以上ここにいる必要はない…だからビルス様に止めていただいたのです」

 

「そういうことか…」

 

一方、クウラは打って変わって自分が相手にされなくなったことに苛立ちを覚えていた。

 

「おい、何の話をしている?わざわざ破壊神まで出向いて何が始まるというのだ?」

 

「それをお前に話そうと思っていたんだ」

 

と、ブロリーが改めてクウラに声をかける。

 

「クウラ、お前も力の大会に参加しろ」

 

「なに?」

 

「本気ですかブロリーさん!?彼はジャネンバの事件からずっとこの世に留まっている極悪人ですよ!?」

 

クウラは予想外の言葉に驚き、界王神もそれを止めようとしている。だが、ビルスだけがその手があったかと言うようにニヤリと笑った。

 

「バカげたことを…その大会にオレが出たとして、何の得がオレにあるというのだ」

 

「負けたら宇宙が滅びる」

 

「…ははっ、なるほどな、神々のお遊びに巻き込まれたというわけか」

 

クウラは心の中で思案する。

正直、悪い話ではない。参加すれば、他の宇宙の強者と戦える。もっと技を磨ける、もっと強くなれる。

 

「いいだろう…参加してやる。ただし、大会が終わった暁にはオレと貴様で今度こそ邪魔の入らない1対1での勝負だ。当然どちらかが死ぬまでのな」

 

「いいだろう。だが負けたら意味がない、そのためにお前も全力で戦えよ」

 

クウラは不敵に笑って同意した。

 

「話は決まったようだな。グラノラにクウラ、お前ら負けたりしたら承知しないからな」

 

ビルスがそう凄みを効かせて脅すと、クウラはピクリと眉を震わせ、グラノラは緊張したように喉を鳴らした。

 

「時間になる少し前に迎えに来る。それまで面倒ごとは起こさずに待ってろよ」

 

そう言い残し、ビルス、界王神、ブロリーはその場から姿を消し、一旦地球へ帰還した。

 

 

「これで、リルド、メルス、グラノラ、クウラが加わった。残るは二人か…」

 

現在決まったメンバーをおさらいするブロリー。現在決まったメンバーは8人、残る2人をどうしようかと思ったその時…携帯電話が鳴り、同時にシロナが帰ってきた。

電話の主を見るとハーツからであり、ブロリーはその着信に応じながらシロナの方を見る。

 

「ハーツ、どうした?」

 

『こっちからも1人推薦したい。ベジータを大会に出そう』

 

シロナも、何やら興奮した様子で大声で叫んだ。

 

「ブロリーさん聞いて!父ちゃんが大会の日だけこっちに来てくれるんだって!」

 

 




ゴールデンクウラはヒーローズに出てたヤツと同じです。




【現在公開可能な情報】

月夜見王

月の都の王であり、最強の月人。かつては地球で暮らしていた同族たちを率いて月へ移住し、都を築き反映させ王として暮らしていた。
が、月の都を維持するためのエネルギーが将来的に枯渇することを危惧した大臣や貴族らが非人道的なエネルギー生成装置「ツキノカク」の建造を計画し、王としての実力はあるが政はやや不向きであった月夜見王はそれを承認してしまう。
その頃、娘の嫦娥が永琳の作った蓬莱の薬を飲んでしまう事件が発生。月夜見王は苦渋の思いで実の娘である嫦娥をヒキガエルの姿に変えるという罰を執行した。

その頃から月夜見王は急激に老け始めると同時におかしくなり、嫦娥と同じく蓬莱の薬を服用するという罪を犯し地上へ追放された輝夜と、月を裏切り輝夜と地上へ残った永琳のふたりをツキノカクへ投入する計画を承認する。1000年間地上のエネルギーを溜めた不死人のふたりであれば月の都のエネルギー問題を永遠に解決できると思ったのだ。

そして1000年後、月の軍勢「月の客」を編成し、幻想郷へ舞い降りた。
カカロットらに敗北してからは親衛隊もろとも地獄へ落されている。

・「月の客」と「月の使者」
実は月の都にはふたつの勢力が存在し、ひとつは月夜見王率いる「月の客」、もうひとつは綿月姉妹がリーダーを務める「月の使者」。1000年前、輝夜を迎えに来たのは月の使者である。
月の客というネーミング自体が「高貴な我々は地上にとってお客様だろう」と高慢さが溢れている。
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