ジレンが動くたび──ジレンが打たれる。
シロナは以前モロと戦った時、こう考えていた。「もしも早期にモロの動きを封じられれば…」と。
今回シロナが発動した「幻魔夢想杜」は、いわば縮小版の幻想郷。過去にレイムと戦った時にシュネックや紫が幻想郷の結界を圧縮しより強固な結界を作っていたのを手本にし、まずは「博麗大結界」「幻と実体の境界」を展開し、これを圧縮して領域結界を形作る。
幻想郷そのものの性質を持つこの領域結界は内側は無限に広がり、内側から外を、外から内側を認識できない。
それに加え、この結界内部は全域にわたってシロナの魔力で満たされている。つまり、ジレンがたとえ数ミリでも体を動かした瞬間…
ジレンの全身に強烈な衝撃が絶え間なく与えられる。それは一撃一撃がシロナの霊力・魔力・サイヤパワー…すべてのエネルギーが最大限込められている。ジレンと言えど、それを喰らってはまた体がわずかに動き、さらに絶え間ない連撃に晒される事となる。
しかし、ジレンもまた内功と筋力による肉体操作を極めている。打撃を浴びながらもジレンは元の姿勢に戻り、そこで寸分たりとも微動だにせず体を静止し、固定する。呼吸、そして血流すらも止め、すると、打撃は止んだ。
だが
「…貴様」
それを許さないかのように、ジレンの姿勢を崩すべくシロナが直接戦闘を仕掛ける。
シロナの拳がジレンの胸に当たり、わずか1ミリ揺らいだ。再びジレンへ見えない打撃が襲い掛かり、全身を打たれる。
ジレンは諦め、ガードを捨てて反撃の気功波をシロナへ向けて放出する。発射された気功波にすら見えない打撃が襲い掛かり、威力を削られてゆく。シロナは細くなり速度も落ちた気功波を容易に腕一本で弾き、再びジレンに殴りかかった。
ジレンもまた、それを手で受け止めた。
だが、以前第11宇宙で相対した時よりも重くなっているその一撃に驚いたのだった。
この結界内はシロナの持つエネルギーに満たされている。つまり、ここで活動するシロナ自身のエネルギーも同調して大きくなり、強化されているということ。
「オレを制限時間いっぱいここへ閉じ込め、戦うつもりか」
「そういうこと!私と最後まで踊って頂戴な!」
シロナのサマーソルトがジレンの顎を打つ。ジレンが頭を後ろへ反らしつつ片膝をつき、口元を拭う。その間にも彼の全身には絶え間なく見えない打撃が降り注ぎ続けているが、その黒い眼に宿る
一方、シロナの領域結界の外側では。
「ジレンとシロナたちが消えちゃったね。大神官、どこにいるの?」
「お待ちください」
突然武舞台上から姿を消したジレンらの居場所を探る大神官。しかし、どこにもその気配を感じ取ることは出来なかった。
「どこにも居られないようです。しかし他の宇宙などにも居ないようですので…大会を放棄したというわけでは無さそうです」
「ふーん。見えるところで戦ってくれなきゃつまらないのね」
全覧席から聞こえるその会話を耳にしたハーツは、愉快そうに口角を吊り上げて笑った。
「ハハハハ!いいねぇ!全王を不愉快にさせるとは、こちらは実に愉快だ!」
その間にも、第4宇宙のキャウェイ、ダーコリが攻撃を仕掛けてくるが、重力のキューブを飛ばし返り討ちにしてやる。
そこから離れた場所では、第10宇宙のジラセンと第3宇宙のナリラーマが組み合いながら戦いを繰り広げていた。両者一歩も譲らず、互いに武舞台の淵から落とそうと格闘している。
「ははァーッ!」
そこへ、第9宇宙のコンフリーが乱入し、ふたりをまとめて突き落そうと飛び蹴りを仕掛ける。ジラセンとナリラーマは咄嗟に反対方向へ飛び退いてそれを躱した。
「ふっふっふ…」
コンフリーも攻撃を避けられるとその場で停止し、不敵に笑いながら構える。三者は三つ巴のように睨み合うが…
「ガッ…!」
その時、どこからか飛んできた緑色の気弾がコンフリーの胸に命中した。コンフリーはバランスを崩し、武舞台の端から転落していった。
「うわあああ!」
虚空へ向けて落下する途中でコンフリーの姿が消え、かと思えば第9宇宙の破壊神たちが座っている観覧席へと転送された。
「コンフリー選手、脱落です」
大神官がそう判定を下すと、観覧席の正面に表示されていた大モニターから、コンフリーのアイコンが消えた。
「くっそお!初の脱落者が我が宇宙とは…!」
界王神ロウが頭を抱え、コンフリーは申し訳なさそうに項垂れる。
「なんだ?今のはどこから飛んできたんだ?」
ジラセンは気弾の元を探ろうと周囲を見渡すが、今度は別の方向から飛んできた気弾が背中に命中し、前のめりによろめいた。そこをナリラーマが蹴落とし、ジラセンも落下する。
「ジラセン選手、脱落です」
「なんと…!」
ジラセンも観覧席へと送られ、破壊神ラムーシが驚いた。
続けてナリラーマにも鋭い気弾が襲い掛かるが、それを腕で弾き、すぐにその場から離れていった。
「くそ…ひとり逃した」
遠く離れた場所、緑色の気弾の発信元では、銀色の金属のような物体で作られた櫓の上に腰掛けて「座射」の姿勢で銃の形にした右手を構えているグラノラがいた。
「いやすげぇよグラノラ!脱帽だ」
その彼を傍で守っているのはカカロット。グラノラが遠距離からの狙撃に集中している間、カカロットが周囲の攻撃から彼を守っていた。現に、今襲い掛かってきた第2宇宙のハーミラを蹴り飛ばした。
そして、グラノラが射撃台として座っている櫓は、リルドがメタルリルドの力を使い生成したものである。
「移動だ」
「了解した」
グラノラがそう言って構えを解くと、リルドの操る銀色の櫓は流動しグラノラを乗せたまま別の場所へ移動し、再び櫓の形をとった。
さらに別の場所では、ブロリーが周囲の選手を掴んでは投げ掴んでは投げ飛ばしていた。超サイヤ人に変身し、悠々と歩きながら向かってくる選手の首元や腕を掴みビュンビュンと投擲し続ける。投げられた選手も辛うじて武舞台から落ちることなく踏みとどまっているが、誰も近寄ることが出来ない。
「はあッ!」
爆音が絶えず響き渡る中、メルスが第11宇宙のタッパー、ブーオンと戦っている。道具は持ち込んで使用することが出来ないので、メルスは素手での格闘でタッパーを追い詰めている。
「コイツ…強い…!」
プライドトルーパーズは第11宇宙における治安維持部隊であり、メルスが所属する銀河パトロールと同じような組織である。共に正義を抱える者たち同士、互いの力量にリスペクトを持って戦いに臨んでいる。
「貴方こそやりますね、相当な手練れだ」
「だが優勝する宇宙は我々だ」
「ふはははははッ!!」
クウラは恐ろし気な低い笑い声を発しながら、目の前にいる第6宇宙のボタモを狙って攻撃を放つ。しかし、弾力のあるボタモの巨体によって防がれ、ゴムボールのように弾き返される。
「ほう…」
「ぬひひ…」
ボタモは誇らしげに腹を膨らませて見せ、挑発する。興が乗ったクウラはさらにボタモの腹へパンチを浴びせ、続けて連打する。
始めはボタモの身体が激しく波打ちながら衝撃を逃がしていたのだが…
「お?おお…!」
だんだんとボタモの身体が後ろへずり下がり、足の踏ん張りが利かなくなる。やがて、足が床を離れ巨体が浮かんできた。
「この程度か?」
クウラは最後の一発でボタモを場外までぶっ飛ばそうと力を溜めた一撃を構える。ボタモもヤバいと感じ青ざめるが、次の瞬間。
同じく第6宇宙のキャベがクウラの頭部を蹴り飛ばした。クウラは倒れこんで床を滑り、口元を拭いながら起き上がる。
「大丈夫ですか?ボタモさん!」
「すまん、助かったぜ…」
キャベの姿を見たクウラは、一目で彼がサイヤ人であると見抜く。
「サイヤ人か。他の宇宙にも存在したとはな、楽しませてもらえるわ」
「お前の相手はおれだぜ」
ベジータの元へ現れ勝負を仕掛けてきたのは第3宇宙の戦士ザ・プリーチョ。目の前でファイティングポーズをとるが、ベジータは速攻で彼に接近し…
「消えろ!」
腹へ容赦のない強烈なパンチを浴びせた。
「ぐ…ああああ…!」
吹っ飛んでいくザ・プリーチョは空中で気を失い、そのまま場外へ落ちていった。
「ザ・プリーチョ選手、脱落です」
「そんな…!」
一撃で場外へ落とされたことに、第3宇宙の界王神エアが眼鏡を直しながら驚く。
そう、これが第7宇宙の作戦。
シロナたちが一番の脅威であるジレンを閉じ込め封じ、ブロリー、ハーツ、メルス、クウラ、ベジータが戦闘を行い、グラノラが全体の戦況を確認しながら遠距離射撃により他宇宙の選手を狙い、カカロットとリルドがそれを警護する。
しかし、ひとつ誤算があるとすれば…
【現在公開可能な情報】
ピッコロ大魔王
誕生した経緯と復活した経緯は原作と同様。ピラフ一味を捨てた後、ドラゴンボールを求めてレッドリボン軍を襲撃し、壊滅させる。この時の行動が後の人造人間や記憶兵器たちの運命を大きく動かした。
その後、悟空がいなかったこの時空では天津飯、クリリンをも殺害し、若返るとキングキャッスルを墜とし世界の王として以後8年間君臨する。
ラディッツが地球へ訪れた際に地球で一番強い者として目を付けられ、戦闘になるも敗北する。その後、天界にて神から魔封波を教えられ、ラディッツを封印する。
だが新たなサイヤ人ふたりが1年後に現れると聞くと、ブルマと共に修業を始める。
ベジータ、ナッパの襲来時に神と同化し、彼らを撃破する。そしてターレスと出会い、先遣隊としてナメック星へ向かう。
故郷ナメック星ではベジータを出し抜きながらドラゴンボールを守り、最長老、そしてネイルと同化しフリーザと戦う。
だが、最終形態となり10%の力を出したフリーザによって胴体を貫かれ、死亡した。奇しくも原作と同様の死に方だった。
だがその時に辛うじて自身の分身を卵にして排出しており、息子としてのピッコロはナメック星で育ち、デストロンガスの一件でナメック星にやってきたブロリーと合流し、その後は地球へ移住し次代の神となる。