もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第551話 「どうにもとまらない」

第9宇宙が消滅した。現在残っている宇宙の選手及び神々は改めて実感する…全王の力の強大さ、そして恐ろしさを。

 

 

サザンカのサポートをする形でジレンと戦っていたハーツは、第9宇宙が消える様を見届け、それを容易く笑顔のまま成して見せた全王をきつく睨みつけていた。その瞳には、憎悪、嫌悪、そして憤怒の色が蠢いており…

 

「ハーツ?」

 

ジレンに殴り飛ばされたサザンカは、ハーツの隣まで滑りながら声をかけた。そこでハーツは我に返り、もう一度ジレンに向き直る。

 

「おっと…すまないね」

 

ジレンはゆったりと歩きながらこちらへ向かい、直後にグンと加速し一気に近寄り、殴りかかる。サザンカはそれに応戦し、ハーツはそれから距離を置きながら重力操作でジレンの動きを遅め、サザンカの動きを軽くさせる。

再び、熾烈な攻防戦が展開された。

 

 

 

その頃、ジレンによる大量脱落により選手が激減して以降、武舞台の上で周囲を見渡しながら歩く姿があった。

その主はカカロット。しかし、彼は先ほどから何者かに狙われている事を感じ取っていた。

 

「…!」

 

ドォン!

 

その時、向かってくる気弾の気配を感じ、サッと後ろへ飛んで避ける。すると今まで自分が立っていた位置に気弾が命中し、巨大な爆発が起こった。

 

「出やがったな」

 

そう言いながら不敵に笑うカカロットだが、その隙に背後に迫る影に気付かなかった。

 

ガシッ

 

背中に何者かがしがみ付き、そのまま拘束される。体をひねって脱しようとするが、どうにも様子がおかしい。力が強いのではなく、重い…重くて振りほどけない。

 

「油断したな!このオレは体重を自在に変えられる…さぁ、どこまで耐えられるかな…?」

 

カカロットの動きを封じたのは、第11宇宙のタッパー。言葉通り、体重を自在に操り、今この瞬間にもどんどん重くなると同時にタッパー自身が岩石の魔人の如き風貌へと変化してゆく。

 

「…動けねぇな」

 

カカロットは重量が集中してくる踵の痛みに耐えながら焦っている。そして、追い打ちをかけるように、目の前にまた別の第11宇宙の選手が立ちはだかる。

 

「しっしっし…俺様の超高速回転攻撃を喰らいやがれ!」

 

小柄な悪魔のような姿をした戦士ゾイレーが、その場で高速回転する。一瞬にして竜巻が発生するほど速度を高め、宙へ浮かぶとその体を横へ倒し、一直線にカカロットへ向かって飛んでくる。

 

ギュウイイイイ!!

 

「うおああああああ!?」

 

ドリルのようにカカロットの腹に突き刺さる、ゾイレーの回転攻撃。気で防護をしているため外傷こそできないが、響いてくる衝撃は強烈で、カカロットは絶叫した。

 

「なんてな」

 

しかし、カカロットは直後に平然とした顔で笑う。

そのまま後ろへ倒れこむカカロット。体を重くしていたタッパーが背中に張り付いていたので、そのタッパーごと勢いよく背中から床へ激突する。

 

ゴシャ

 

床が割れ、タッパーが埋もれる。そして腹に突撃していたゾイレーは勢い余って仰向けになったカカロットの真上へ躍り出てしまう。

 

「しまっ…!」

 

「あばよ!」

 

次の瞬間、カカロットは全身の力を開放し、サイヤパワーを解き放つ。超サイヤ人となり、増強されたパワーを振るいゾイレーを真下から蹴り上げた。

 

「ぐはっ…!」

 

ゾイレーは吹っ飛ばされ、高く宙へ打ち上げられる。そして、カカロットは右手から粒のような小さな気弾を放ち、それをゾイレーへぶつける。だが、気弾は爆発はせず、触れると大きくなりゾイレーを押し込んでゆく。そのまま武舞台際まで押しのけた瞬間、気弾は炸裂し、ゾイレーを場外へ落とした。

 

「ゾイレー選手、脱落です」

 

大モニターからゾイレーのアイコンが消える。

 

「よくもゾイレーをやったな…!このまま締め落として、場外へ投げ落としてやる!」

 

一方、タッパーはさらにどんどん重さを増し、カカロットの首へ腕をかける。カカロットも超サイヤ人のパワーで振りほどこうとするが、倒れ込んだのが仇となって力が入らずどんどんキツくなってくる。

 

「く…!」

 

ズズ…

 

だがその瞬間、急に体が軽くなった。カカロットは、今度は何かによって体を持ち上げられていると気付いた。

 

「え?」

 

第10宇宙の巨大選手、マガオー。カカロットが4人分以上はあろうかという背丈と、それに見合った筋肉質な体格。簡単な袴を履き、剥き出しになった上半身は筋肉の上にさらに黒光りする頑強そうな鱗と甲殻に覆われている。

そして、こちらを見下ろしているその顔は、まるで蛸がそのまま頭部になっているようだ。冒涜的な恐ろしい形相で、吊り上がった眼は赤く光り、折り畳まれた蛸足が口元を覆っている。

 

マガオーはそのまま組み合っている二人を容易く引き剥がし、カカロットを床に叩きつけ、大きく振りかぶると超重量のタッパーを豪速で投げ飛ばした。

 

「あああぁぁぁぁ!!」

 

「タッパー選手、脱落です」

 

タッパーの脱落を告げる大神官の声を聴きながら、カカロットは起き上がり目の前に立ち塞がる巨人のようなマガオーを見上げた。

 

「テメェ…」

 

「お主、我の相手になれ」

 

 

 

「ふん!」

 

クウラの飛び蹴りを受けたカリフラは勢いよく吹っ飛び、武舞台中央の柱に背中から激突した。柱の壁がひび割れ凹み、その中央にめり込んだカリフラは口から血混じりの唾を吐きながら口を開く。

 

「ち…なんなんだよお前…ウチらサイヤ人ばっか狙ってきやがってよ…!」

 

クウラは既に第4形態へ変身しており、圧倒的な体格とパワーで第6宇宙のサイヤ人を蹂躙していた。足元には手酷い猛攻を受け動けなくなったキャベが転がっている。

 

「う…く…!」

 

「何故だろうな。本能とでも言おうか…貴様らの宇宙に恨みはないが、猿どもがいい顔をしているのはどうも気に食わん」

 

カリフラはクウラの言葉を聞きながら床へ降りる。そして、足にグッと力を入れ…

 

「しょうがねえな…じゃあ見せてやるよ」

 

次の瞬間、カリフラは超サイヤ人へ変身した。急激に気が膨れ上がり、激しい黄金の光が溢れる。

 

「どうだ!超サイヤ人だぜ、ビビったろ?」

 

「確かに驚いた。だが当然か…貴様らは基本の時点でオレの宇宙のサイヤ人と並んでいるからな」

 

クウラにとっては驚きこそするが、特に気にするほどの事ではない。既にカリフラたち第6宇宙のサイヤ人は誰もがその基準戦闘力がブロリーやサザンカに匹敵しており、だからこそ超サイヤ人になれて当然だと考えていた。

 

「そうかよ、でもあたしを他の奴らと一緒にすんじゃねーぞ…たあっ!!」

 

カリフラは勢いよく飛び出し、クウラに殴りかかる。しかし、クウラは微動だにせず、武舞台の床へ向かって斬撃を放ち、鋼材を四角く切り取ると念力で打ち上げ、壁にする。

 

「うお!?」

 

勢い余って壁に激突するカリフラだが、一撃で容易くそれを打ち破り、クウラの顔面へ拳を叩きこんだ。

 

「ぐおあ…!!」

 

吹っ飛ぶクウラへ追撃を仕掛けようとさらに迫る。だが、クウラも負けじとさらに床の鋼材をいくつもブロック状に切り取るとそれを持ち上げ、一斉に投げ飛ばした。

カリフラは咄嗟にその場で止まり、防御の姿勢に入る。

 

ズドドドドド…

 

容赦のない質量攻撃が襲い掛かる。

 

「ふはははは…」

 

低く笑い声を響かせるクウラだが、異変に気付く。

なんと彼の背後に、既にカリフラが回り込んでいたのだ。

 

「あんなブロック遊びであたしがやられるかよ」

 

「!?」

 

「はっ!!」

 

カリフラは両手から放つ気功波を、振り返りつつあったクウラの背中へぶつける。凄まじい熱量が吹き抜け、武舞台が抉れ煙が舞う。

 

「どうだ、まいったか紫トカゲ!」

 

「…く…」

 

煙が晴れてくると、膝をついたクウラがいた。全身にダメージを負い、口元を覆うマスク状の甲殻が破損し素顔が見えている。

 

「なるほどな…オレが初めて戦った超サイヤ人よりも断然強い…」

 

だが、ダメージを受けていてもクウラはまだまだ試合続行可能といった様子で伸びをした。クウラの脳内では、初めてブロリーと戦った時の事を思い出す。あの時はブロリーに敗北したが、今の自分であればあの時のブロリーは相手にならないだろう。だが、目の前のカリフラもまた当時のブロリーを軽く凌駕する戦闘力を持っている。

 

「お、おお、そうか…オメーもずいぶんタフだな」

 

「では見せてやろう。このオレの究極の変身をな」

 

「え?」

 

すると、クウラは有無を言わせる暇もなく気を解き放った。禍々しく鈍い輝きを放つ黄金の闘気があふれ出し、まるで脱皮するように表皮が剥がれ、その下から黄金のボディが露わになる。

 

「オメーも…金ピカになるのか…!?」

 

「ゴールデンクウラ…オレはそう呼んでいる。さぁ、始めようか」

 

 

 

「…!」

 

一方、第3宇宙のカトペスラと戦っていたケールは、敵の猛攻を凌ぎつつ意識はカリフラの方へ行っていた。カリフラが対峙していた敵の力が急激に膨れ上がったからだ。

 

「よそ見をしている場合か!?」

 

カトペスラはケールの腕を掴み、そのまま捻って関節を極める。

 

「ぐ…!」

 

 

 

いきなり猛然と襲い掛かるクウラの拳を、間一髪で避けるカリフラ。外れた拳が床にめり込み、あまりの威力に破片が飛び散る。

 

「うおっ、なんちゅう破壊力だよ!」

 

直撃はしなくとも、発生した衝撃波によって大きく吹っ飛ばされるカリフラ。クウラはそれを見ると弾丸の如き勢いで地面を蹴り、一気に追いつくと尻尾による殴打でカリフラを打ち下ろす。

 

「ぐあ」

 

床に背中を打ち、バウンドしてきたカリフラをさらに蹴り飛ばす。

 

「くっ」

 

しかし、カリフラも地面を掴んで勢いを殺し、右手から細かな無数の気弾を発射する。横殴りの雨のように降り注ぐ弾幕を、クウラはするすると避ける。そして、いつの間にかカリフラの背後へ移動すると、腕を振り上げ、冷酷に見下ろす。

 

「終わりだ、サイヤ人」

 

 

 

「さっきからよそ見ばかりしていただろう?そんな体たらくでこの私を倒せるとは思わないことだな」

 

カトペスラは、そう言いながらケールの腕を締め上げ続ける。このまま関節を外し、無力化してから落とそうと考えているのだ。しかし、ケールが予想よりも抵抗するので攻めあぐねていた。

 

「姐…さん…!」

 

そして、ケールの視線の先で、クウラの振り下ろした腕の一撃がカリフラの首へ命中した。その瞬間、カリフラは白目を剥き、苦悶の表情を浮かべたまま倒れこんだ。

 

「おっと、オレとしたことが…場外へ落とさなければならないんだったな」

 

クウラは尻尾でカリフラの足首を掴み、そのまま持ち上げた。そして場外へ投げ飛ばそうと尻尾を引いて構えた。その様子を見たケールの脳内が目まぐるしく回転する。

 

 

姐さんが負ける…?

 

ありえない

 

それは駄目だ

 

姐さんは路頭に迷う私たちを救ってくれた

 

だから慕われている

 

だから絶対的な存在でなくちゃいけない

 

 

そして、浮かんだ数々の言葉が一つの解を導き出す。

 

「姐さんの邪魔をするヤツは…全部私が倒す!!」

 

ケールは人生二度目の覚醒を意図的に引き起こす。敬愛するカリフラを守るため、彼女の役に立つため、その身に刻み込まれた闘争本能を呼び起こす。

 

「ウオオオオオオオオオオ!!」

 

天地を揺るがす咆哮と共に、伝説の超サイヤ人ケールが牙を剥く。あらゆる障害を取り除くため、その暴力的ともいえる力を振るうのだ。

 

 




【現在公開可能な情報】

ペペロン女王

地球のどこかにある秘匿された王国、ヴァンパイア王国の女王にして最強の吸血鬼。
かつて5000年前、地球へ魔凶星が接近した際にガーリック、神綺と共に地球に移住した。
ペペロンは地球生物と自らの血が混じった声明をヴァンパイアと名付け、彼らと自分が住まう王国を築いた。長く平和に暮らしていたが、息子のヴラドが駆け落ちして出奔する。その後、ペペロンは病を患う。そこで人間の医師団を招いて治療を受けるが、その医師団はレッドリボン軍の残党であり、人造人間として改造されてしまう。
封印されたペペロン女王だが、医師団の女医であるDr.オートの手によって復活し、オートの手駒となって邪魔者を始末するために動き出す。
そこへ駆けつけたシロナと戦うが彼女を圧倒し、孫にあたるサンドラ、レミリア、フランドールも退ける。が、パワーアップして復活したシロナに及ばず、敗北した。

最期はオートによって仕掛けられていた体内の爆弾によって大爆発を起こし、完全に消滅する。その爆発の被害を最小に抑えたシロナは甚大なダメージを負い、記憶をすべて失いAA財団に回収されることとなる。






ところでですが、本作に登場していたハーツはドラゴンボールヒーローズに登場していたキャラクターです。そこでの彼の目的を知っておくと、今後役に立つかもしれません。
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