第2宇宙
リブリアン
第3宇宙
パパロニ、コイツカイ、パンチア、ボラレータ
第4宇宙
ガノス、ニンク
第6宇宙
ヒット、カリフラ、ケール、キャベ
第7宇宙
サザンカ、ハーツ、ブロリー、メルス、クウラ
第10宇宙
ザマス、オブニ
第11宇宙
トッポ、ジレン、ココット、クンシー
第3宇宙の精鋭、パパロニ率いる改造戦士たち。力の大会も終盤へ差し掛かり、彼らを狙うのは第10宇宙の戦士オブニ。
オブニは気の動きと実際の肉体の動きをずらす事で敵をかく乱させる戦法を得意とする。
しかし、そもそも敵を動きではなくそのものにロックオンして狙い続けられるコイツカイ、パンチア、ボラレータが合体したコイチアレータには特段意味をなさなかった。
「クソ…私としたことが…」
オブニは追い詰められ、首にかけられた家族の写真が入ったロケットを握り締めた。
「やってしまえ!」
パパロニが指示を出しつつ、手の平から電撃のようなエネルギー光線を放つ。オブニは飛びのいてそれを躱すが、背後に迫るコイチアレータの一撃を背中へ受け、武舞台外へと吹っ飛ばされていく。
「ぐあああ…!」
「オブニ選手、脱落です」
オブニのアイコンがモニターから消え、観覧席へと送られた。
「オブニ、お前まで…」
「申し訳ありませんッ…!」
ゴワスはかなり実力を買っていたオブニが脱落したことに驚きを隠せなかった。
「じゃが、まだザマスがおる…ヤツがここからどう巻き返すのか…」
第6宇宙の生ける伝説、殺し屋ヒット。相対するのは、第10宇宙の界王神見習い、ザマス。
ザマスは、界王神見習いであるという立場を利用し、神でも人間でもない曖昧な己の存在を力の大会のルールの穴を突き参加選手としてねじ込んでいた。
その体は大会開始直後と比べ大きくなり、背丈はヒットより頭一つ分ほど大きく、細身だった体格は分厚い筋肉を鎧のように纏った隆々な姿へと変貌している。白いモヒカン状の髪は長くなって後ろへなびき、背中には白く発光する光輪が浮かんでいる。
ザマスは常に額に青筋を浮かべた怒りの表情でヒットを睨んでおり、ヒットも両手を上げて格闘の構えを取り、両者睨み合う。そんな中、先制攻撃を仕掛けたのはヒットだった。
勢いよく身を屈めながら前へ踏み出し、急接近すると見せかけて…その場から動かず拳撃だけを飛ばして攻撃。
それはザマスの顔面、胸、腹へとめり込み、拳大に凹んだ跡が出来る。いきなりのクリーンヒットを受け、ザマスはその場から身じろぎすらせぬまま衝撃に耐えた。
その時、ザマスの背中に浮かぶ光輪がわずかに回転した。
が、ヒットはさらに拳撃を連打し、次々とザマスへとぶつける。ザマスは顔をしかめながら衝撃を受け続け、やはり動けぬまま攻撃を喰らい続ける。とにかく得体の知れない相手は圧倒的な物量で排除する。以前のサザンカとの戦いを経て基礎戦闘力を大きく向上させたヒットは、その戦法を取ることに疑念を抱かなかった。
しかし、もう一度光輪が回転すると、ザマスの雰囲気が変わった。全身への拳撃を浴びつつもそれを意に介さないかのようにヒットを睨み、右腕から衝撃波を撃った。
ヒットは咄嗟に防御姿勢に入り、何とか堪えた。
(なんだ…?)
違和感を拭えぬまま顔を上げると、いつの間にか至近距離まで迫っていたザマスが真上から振り下ろした剛腕の一撃を放っており、ヒットは両腕を掲げてそれを防ぐ。
だが続けてザマスの蹴りを腹へ受け、ヒットはピュンとぶっ飛ばされる。だが、武舞台中央の石柱に手を突っ込んで勢いを殺すと、再び無数の拳撃をザマスへ向けて繰り出した。
しかし、ザマスはそれを見てもなお高速で駆け出し、襲い掛かる拳撃を全て受けても全くダメージを受けずにヒットに近づいてきた。
(コイツ…オレの攻撃に慣れてきている…?)
そう思ったヒットは「時飛ばし」を発動。0.1秒間の時間停止を行い、その間にザマスの腹へ掌底突きを当てると同時に吹っ飛ばす力を何度も加え、解除後にザマスが武舞台外へ吹っ飛んでいくように力をかけた。
時飛ばしが解除され、時が動き出す。
ザマスはその途端に、時飛ばし中に受けた応力が一気に解放され武舞台外へ向けて吹っ飛ばされる。
確かにヒットが溜め込んだ攻撃の全てを、ザマスは受けた。しかし、何も起こらなかったのだ。
再び光輪が回転し、ザマスの身体がさらに大きくなる。
───ザマスは以前、後任の界王ダラズとポタラによって融合した際、受けた攻撃への“適応”を可能とする光輪の能力を得た。光輪そのものはザマスが潜在的に所有していた力だが適応する能力はダラズによって付与されたものであるが、ザマスはこの力の大会へ乗り込むにあたりダラズの神力を貰い受け光輪による適応能力の顕現に成功していた。
大会が始まった直後、ジレンは圧倒的な気による暴風を巻き起こし、大半の選手を武舞台外へ吹き飛ばした。ザマスももちろんそれをもろに喰らったが、その時点でザマスは適応を発動。「吹き飛ばし」と「落下」という事象に対して適応した。
つまり、現在のザマスは攻撃によって吹き飛ばされず、また落下もしない。武舞台から落ちたら負けというルールの力の大会において絶対的な有利を獲得していたのである。
さらに、ヒットとの戦闘によって彼の「人体のみに影響する透明な拳撃」を喰らったことでそれに適応。既にヒットの遠距離攻撃は全くザマスに効かなくなった。
「『時飛ばし』」
ヒットは効果時間を0.5秒にまで拡張した時飛ばしを使用し、この間に何とかザマスを無力化しようと気功波を溜める。
が、次の瞬間、なんとザマスは周辺の空間を砕くかのようにして動き出し、時飛ばしの最中に入門してきた。
「!?」
(バカな…時飛ばしの中を動くだと…)
ヒットが面食らっている間に、ザマスの殴打が炸裂した。同時に時飛ばしも解除され、ヒットは音速で吹っ飛ばされた。
床に激突し、跳ね、これまでの戦いの余波で捲れ上がっていた石材に何度もぶつかりながら武舞台際で停止した。
(そうか…あの光輪が回転するごとにオレの技に適応し最終的に無効化してくる)
頭から血が流れ、すぐに立ち上がれないほどボロボロになりそこでようやくザマスの能力に気付いたヒット。
(さっきの回転で既に時飛ばしを無効化できるようになっていたのか。気付くのが遅すぎだ…オレの戦闘経験の無さが仇となった)
ヒットが殺しの仕事以外での戦闘で苦戦したのは生涯でサザンカのみ。そのサザンカも搦め手は使わずパワーでの正面突破タイプだった。
(サザンカとの戦いで、オレは単純な戦闘能力と時飛ばしを強化することができた…ならば)
ヒットはゆっくりと立ち上がり、こちらへ歩み寄ってくるザマスを見据える。
(今度はコイツと戦いながら、オレの技を増やす。そして、コイツに適応の隙を与えず一撃で倒す!)
対するザマスは、小賢しい技を使いつつ挑んでくるヒットに対して内心の不快感をふつふつと募らせていた。
(この人間は愚かだな。第6宇宙の殺し屋ヒット…私が目指す美しい完璧な宇宙にとって最も唾棄すべき人間だ。第6宇宙はここで真っ先に潰しておくべき…第11宇宙、そして私が最後まで生き残り、超ドラゴンボールにより人間0計画の第一歩を踏み出すのだ!)
ザマスの右腕に剣状の気の刃が出現する。そして、ザマスはそれを遠くから横薙ぎに大きく振るった。
斬撃は遠距離からでも空間そのものを割るようにしてヒットにまで届く。ヒットの額に斜めの切り傷がピッと刻まれるが、直後にそれを回避すると同時に全力で駆け出し、ザマスに接近する。
そして、その胸へ一発の肉弾の拳を叩きこんだ。
(なんだ…?こんな攻撃が、今さら…)
それはやはりザマスには効いていなかったが、ヒットは次なる一手を仕掛けていた。
「『時間の牢獄』」
ザマスの動きが完全に静止し、まるでノイズがかかったように姿が歪む。
ヒットの「時飛ばし」は、いわば発動中だけ時間を含む
ヒットはこれを「時間の牢獄」と名付け、敵の動きを封じる技として編み出した。
次の瞬間
光輪の回転、適応。ザマスは時間の牢獄すら無効化し、強引に振りほどいて見せた。
「まったく、嫌になるな。時飛ばしすら少し前まで無敵の技だったんだが…」
ザマスはヒットに膝蹴りを叩きこみ、側頭部を殴る。気の刃によって頭部がザックリと切り裂かれ、鮮血が飛び散った。
(上には上がいる。それは重々承知していたことだ。だがオレは心のどこかでオレを脅かすのはサザンカくらいだと思っていた…だが蓋を開けてみればオレの技が効かんヤツが何人もいる。オレはどこまでやれる?どれだけ戦える?)
さらにザマスの拳がヒットを殴打し、そのまま成す術なく打たれ続ける。
(いや…思考が甘いな。何処まで仕事による殺し、そのための準備…どれも戦いと呼べる代物ではない。双方の実力の違いなど、本当の戦いにとってなんの価値にもならない。どこまで戦えるか?ではない…オレはどこまでも、戦わなければならないんだ!)
第6宇宙の勝利の為、ヒット…再起する。
(時飛ばしも効かない、時間の牢獄も無効…ならばどうする。適応前に、それら能力を使わぬ徒手による戦闘不能か)
まだ素手での攻撃に対しては適応をされていないはず。しかし、ただの素手ではそもそも火力不足により、適応を繰り返し戦闘力も遥か増大しているザマスには大して通用しないだろう。
そこでヒットが使用するのは「時飛ばしの神髄」。時飛ばしで停止した時間はパラレルワールドとして蓄積されており、ヒットはそれを自在に引き出すことが可能。
これまで使用した時飛ばしの合計時間分を、ほんの一瞬のみの間に圧縮する。つまり、ヒットだけが超加速した状態で行動ができる。
延べ10秒近くに達する時飛ばしの合計時間の中を移動するヒット。外の視点、つまりザマスから見ればヒットの移動速度は光速に匹敵しており、そのままザマスの真横を通過し、衝撃波が襲い掛かる。
(なんだ!?何が起こった!?)
衝撃波は、なんとザマスの右腕を吹き飛ばした。
だがすぐさま光輪が回転し、同時に右腕が再生。
(何を仕掛けようとしている?何が…)
ザマスは周囲から聞こえる耳をつんざくような轟音を聞きながらあたりを見渡す。
(もっとだ!もっと速く正確に…!)
目に映る景色はすべて前方の一点へ集中し、まるで光のトンネルを通過しているようだ。その中でも目標を見失わず、二度目の光速移動を行うヒット。
制御しきれない不安定な移動の中、ザマスへ向けて拳を振りかぶり、一気に叩き込む。光速で繰り出される質量を伴う一撃は空気を圧縮し武舞台上で極所的な閃光と大爆発を起こす。本来なら大規模な破壊が起こるところを、ヒットが自身の気の操作によって範囲を最小に限定させたのだ。
爆発が収まった時、ヒットはとんでもなく熱くなった肉体を冷ましながら立ち上がっていた。視線の先には、ザマスの光輪と、その下に焼け焦げた肉塊が浮かんでいた。
しかし、光輪が回転すると、カリカリの炭となったザマスはゆっくり蠢き出し、もぞもぞと蠢くと表面の炭を突き破ってザマスの手足が現れ、そのままジュグジュグと気味の悪い音を立てながら再生していった。
「人間…め…!」
だが、再生を終えたザマスは異形と呼ぶべき悍ましい姿と化していた。
ギョロリと大きく剥き出した目でヒットを睨み、緑色の外骨格を纏ったような肌、さらに大きくなった体格は以前の面影すら見つけることが難しい。
「ザ、ザマス…一体、どうしたというのだ…」
観覧席のゴワスも、その異様な変化に驚きを隠せない。破壊神ラムーシでさえ言葉すら出せずに愕然としており、既に脱落したアルコイルやマガオーも同様の反応だった。
恐らくは光速で物体が衝突する凄まじい衝撃や高熱に適応した結果、姿を変化せざるを得なかったのだろう。
「お前たち人間はいつもそうだ…平気で他者を踏みつける!望みのために犠牲を厭わない!争うための力を誇り、その力に溺れる!だからこそ、滅びなければならないのだァア!!」
適応によって得た超パワー。それを振り翳し、ヒットを脱落させんと襲い掛かる。
ヒットは時飛ばしを発動し、0.5秒間の停止した世界の中で両者がぶつかり合う。
ヒットの連撃がザマスの側頭部を打ち、さらに腹へ蹴りを命中させつま先が鳩尾に深くめり込む。
「ぐうっ…!」
「そうか、お前は時飛ばしで止まった時の中では光輪が回転しないんだな。そして吹き飛ばしも…恐らくは落下も無効、か?」
ヒットはそう言いながら怯むザマスに接近し、その顔面に手を当て、掴んだ。
そのままヒットはジェットのようにオーラを噴出させながら全力でザマスを押し込んでいき、武舞台外へ押し出そうとする。
「ぬおああああッ!!小癪なッアアアア!!」
ザマスはヒットの腕を掴み、そのまま全身から気を炸裂させることで勢いを止める。同時に、時飛ばしが解除された。
ヒットは吹っ飛ばされるも受け身を取って着地する。ザマスは武舞台際ギリギリで踏みとどまっていた。
「おのれ…!」
「どうした?押し込みには適応しないのか?」
ザマスは既に大会が始まってから8回の適応を行っており、回数の上限に達していた。つまり、ザマスは窮地に追い詰められている。
(負ける!このままでは…ダラズから継承したこの力も無駄に終わる!我が宇宙は負ける!)
敗北をまじまじと突き付けられたザマスの胸中が、どす黒い負の感情に支配されていく。
───あんな奴らのために神がわざわざ思慮を巡らせる?跋扈する愚か者どもの責は、いつでもその宇宙を統治する神の所為にされる。人間レベルは人間の程度だ、それで神が咎められるのはおかしいだろう。
他者の不幸を望み、他者の幸福を拒み、いつでも善良な者の叫びや望みを踏み躙り、権力を持つ者が争いを助長している。
そうだ、救いや希望の光を求める善良な人間の意志を…
一瞬の間に、これまで目撃してきた人間の愚かな行いを繰り返し思い浮かべる。だが、気付いた、気付いてしまった。その背後にはいつも、争いを拒み平和を望む人間が少なからず存在した。
「ザマス様ァァアアアアア!!頑張ってくだされェェエエエ!!!」
その時、雷鳴かと思うような大声が轟いた。ザマスが何事かとそちらへ目を向けると、そこは第10宇宙の観覧席。そこに座るマガオーが巨体を立ち上がらせ、叫んでいた。
「…!…!!」
その横では、声を出すことが出来ないアルコイルがザマスを見つめながら身振り手振りで応援していた。
──なんだあの人間は
マガオーは金のために作り出された過去の英雄のクローン。集金が見込めなくなると人間のストレスの発散に利用され、最後には人を殺してしまい警察や軍に追われていたところをザマスが助けた。
アルコイルは口が利けない音楽アーティストとして一世を風靡したスターであったが、ゴーストライターを使っている説や児童虐待、脱税などの濡れ衣を着せられスター人生から転げ落ちた。絶望しもう自ら命を断とうかという所を、ザマスに救われたことがある。
──第10宇宙の人間は全員お前の知人か?
違う。
──第10宇宙の選手全員、お前が助けた人間か?
何人かはそうかもしれないが、違う。
──であれば、何故このような無駄な行いをする?
神は宇宙を正しく平和に導く存在だからだ。
──だがお前は諦めたはず、絶望したはず。人間が存在する限り、宇宙を正しく導くことなど不可能だと。お前の行動は理解不能だ
だが、人間が見ている。期待の込められた目で、私を見ているんだ。
──だからなんだというのだ。愚かで下賤な人間の期待など、ゴミのように払い捨てて然るべきだろう
…確かに人間は愚かで、悪意に満ちている。だがその中にも、平和を望み他者を慈しめる人間は確かにいた。私が黒い部分ばかり見ていて、気付かなかっただけなんだ。
──わずかでも黒いのならそれは闇。人間を滅ぼすための十分な大義名分だ。汚れの混ざった清水は一度すべて捨てなければ綺麗にならない。
さっきから聞いていれば貴様はなんだ?私は既に光を見つけた。闇の中で健気に輝く小さな光たちだ。貴様は悪意に目が眩んで一切の光が見えていなかった私自身だ。宇宙という名の膨大な暗黒の中で、光り輝く星は僅かひとかけらに過ぎない。だが、いつでも星は光っているんだ。
それは本当に小さくて儚くて、途方もない闇によって簡単に塗り潰されてしまう。だから、私は…
(…今のは何に適応した?)
あえて言うならば、自分自身の思想に。しかし、ヒットはそんなことは知る由もない。
「ダラズ、やっとお前の言っていたことがほんの少しだけ理解できた…」
『自分たちは生命が無事にそのサイクルを終えられるよう、星という場を提供したりサポートするのが仕事っす』
「私は…宇宙の、星を照らす星となる!」
ささやかな星を照らす神、ザマス──舞う!!
【現在公開可能な情報】
サラガドラ
邪悪な魔導士であり、トキトキ都を乗っ取り支配し、不要な歴史を全て消し去るために暗黒ドラゴンボールとトランクスを利用していた。
カカロットと霊夢の信奉者であり、暗黒ドラゴンボールとタイムパトロールを介入させることで彼らが存命する歴史を作り、それ以外の歴史を全て消し去ることが目的だった。
かつて殺したメチカブラの魂を体内に取り込んで圧倒的な魔力を得ており、そのメチカブラ・コアを吐き出した影響で一気に弱体化し、トランクスとの一騎打ちの末に敗北し消滅した。
ザマスが改心、というか道を誤らずに済む話はかなり昔の段階からどこかでやりたいなぁと思ってました。