第2宇宙
リブリアン
第3宇宙
パパロニ、コイツカイ、パンチア、ボラレータ
第4宇宙
ガノス
第6宇宙
ヒット、カリフラ、ケール、キャベ
第7宇宙
サザンカ、ハーツ、ブロリー、メルス、クウラ
第9宇宙
第10宇宙
第11宇宙
トッポ、ジレン、ココット、クンシー
ガノスは孤児だった。
引き取ってくれた老夫婦は子供を授かれなかったのでガノスを大層可愛がって育てた。しかし、ガノスは成長するにしたがって自分の姿が老夫婦を含めた周りの人間と違うことに気付く。
周りの人々はガノスに気を遣いそれを直接指摘することはなったが、ガノスは自分が腫れ物のように扱われ始めている事を知っていた。
「都へ行って出世したいのです」
そう打ち明けた時の、両親のどこかホッとした顔。
ああ、オレはこの人たちにとって重荷だったんだなあ、と改めて分かった。好きだったけれど…
「ガノスと申します!なにとぞ、ご家来にしてくださいませ!!」
オレは長い旅の末に辿り着いた都にて、その領主の城を尋ねた。土下座までして頼み込むオレを見て、領主はにやにや笑いながら顎を撫でた。
「ふむ…如何にしようかのう」
「何でもします!どうか…!」
そうさ、父も母もいなくなったオレは…何か、なにかを掴まなければならないんだ。
ガノスは領主に使える諜報員として働いた。隠密や潜入のスキルを磨き、過酷な任務に身を置くうちに見る見る彼自身の戦闘力も高まった。
その活躍を見込まれて破壊神キテラの依頼を直々に請け負うこともあった。その縁もあり、ガノスはこの力の大会の選手として選ばれたのだ。
ガノスは諜報活動に適した姿と戦闘に特化した姿のふたつの形態を持つ。隠密を得意とするこれまでの姿から一変、その体は骨格ごと巨大化し分厚い筋肉の鎧を纏うと同時に羽毛が生え揃い、頭部も大きな嘴を持つ鳥のような怪人へと変貌していく。
「変身か」
だが、クンシーはそれを見ても特に驚くことなく反応する。
ガノスは足を曲げ、緑色の電気のようなオーラと共に力を溜めると一気に跳躍し、一瞬でクンシーに迫る。そこでようやくクンシーは目を見開き、間一髪でガノスの電気を纏う突進を避けた。
(なんだ今のは…!?)
自身の見積もりが甘かったことに気付き、クンシーは通過していったガノスを追いながら爆発する糸を鞭のように振るって攻撃する。
地面を蹴って方向を変え、再びクンシーに攻撃しようとしてガノスに真正面から糸が当たり、爆発を起こす。
「ぐあああッ!!」
ガノスは悲鳴を上げ、吹っ飛ばされる。
(あの瞬発力には驚いたが…)
クンシーはさらに糸を操り、ガノスを狙い続ける。
起き上がったガノスはしゃがみ、飛び、糸を躱し続けるがその動きのパターンを見切られ、再び糸に当たってしまう。
(動きが単調だな。それにパターン化も容易だ)
まずガノスは直線的な動きしかせず、かつその方向も同じパターンを繰り返しており、クンシーからすれば予測が容易だった。だからガノスの進行方向へ糸を撒くだけで簡単にダメージを与えられる。
だが…
「『グランアドラー』!!」
ガノスは気で生成した長い爪で糸を切り裂いた。
「なに!?」
「弱い糸だな…簡単に切断できるぜ。編み物になら向いてるかもな」
挑発の色がこもったその言葉に、クンシーは額に青筋を浮かべると、さらに大量の糸を放出した。
ほとんど隙間のない弾幕のような攻撃であったが、ガノスはグランアドラーを振りかざして糸を切断しながらその隙間を縫うように移動する。
(コイツ…!動きがどんどん複雑に、精密になってきている!まさか、この短い時間で…成長しているのか!?)
ガノスにとって、この変身形態は慣れないものであった。基本的にはノーマルの姿で諜報を行い、必要に応じて…例えば誰かを始末しなければいけない時に一瞬だけ変身しトドメを刺す。だから変身してまともに戦う事すら初めてだったのだ。
だが、ガノスは若い。この短時間で変身形態のパワーに慣れ、細かく制御できるように感覚も研ぎ澄まされていく。
対するクンシーは歯を噛み締めるほどに力を込め、放つ糸を太くする。タコ糸程度の太さから毛糸へと変わるも、尚もガノスに切り裂かれる。
「ぎ…くおおお!!」
さらに糸の太さは数センチへ達し…
ついにガノスのグランアドラーでは切断不可能な強度へと達する。
「どうだ!切れないだろう!?」
だが、今展開している糸はたったの4本。最初に繰り出した糸の本数と比べれば、圧倒的に少ない。クンシーは無意識だった。ガノスの挑発に乗せられ、糸を太くすることに集中してしまった。それによって、糸による守りは薄くなる。
そして、今こうしてクンシーの腹へ深く、ガノスの拳がめり込んでいる事も当然の帰結である。
電気の性質を持つガノスの気は彼自身を加速させる。その威力を乗せた拳がクンシーの内臓を押し上げ、意識を遠のきさせる。
「終わりだ」
拳をそのまま真上へ振り上げ、クンシーの身体が宙高く浮かび上がる。そして、ガノスは片腕から放つ衝撃波を命中させ…
吹っ飛ばされたクンシーは武舞台外へと落下していった。
「クンシー選手、脱落です」
ガノスは自分の力で勝利を掴んだ。
しかし、だからといって状況は何も良くなってはいない。
「ガノス…!お前、ここからどうするつもりだ…?」
観覧席のキテラが焦りで貧乏ゆすりをしながらそう呟いた。今、選手を一人落としたところで第4宇宙のピンチには変わりないからだ。
「オレは…まだやらなければ…掴むんだ」
ガノスはそう言いながら、ある場所へと歩き始めた。
そして同刻、共に手を取り合ったメルスとリブリアンの目の前には第11宇宙のココットが立ち塞がる。
ココットの能力は「ココットゾーン」という異空間を生成するもの。応用すれば壁を作り盾として使ったり、相手と自分を閉じ込めて邪魔されず孤立させながら戦闘を進めることも出来る。
メルスとリブリアンはココットゾーンに閉じ込められていた。中にはココット自身も入り込んでおり、弱っているふたりをここで戦闘不能に追い込んでから場外へ落とすつもりらしい。
「オーッホッホッホ!もう逃げ場はないわよ、ここで確実に仕留めてあげるわ」
プライドトルーパーズの紅一点ココットは自分の能力に絶対の自信を持つ。
「…なに?」
だが、ココットゾーンの中に響く振動。それはどんどん大きくなり、外から近付いてきているようだ。
「何なの?」
メルスとリブリアンも、気配は遮断され感じ取ることは出来ないが、何かとてつもなく大きなものが近付いてきていることは分かった。
その時…
突然、巨大な衝撃が襲いココットゾーンが粉々に砕かれた。
メルスらも何が何だかわからないまま空中に放り出され、自身の真横を大きな腕が通過していくのを見ていた。腕はココットをビンタで弾き飛ばす。ココットは何もできないまま吹っ飛ばされ、場外へと消えていった。
「ココット選手、脱落です」
クンシーに続き、モニターの第11宇宙からココットのアイコンが消滅した。
「すみません、ベルモッド様…!」
観覧席へ送られたココットがベルモッドに対してそう謝罪する。
ベルモッドは無表情のまま、既に脱落した選手たちを一瞥すると、視線をジレンとトッポへ戻す。
「どうでもいい。トッポとジレンさえいれば我が宇宙の勝利は明白だからな」
「一体…何が起こったのかしら?」
「…まさか」
開放されたものの、困惑しているメルスとリブリアン。周囲に煙が立ち込めているが、その奥に巨大な影が見える。
「目撃したか?これが我が第3宇宙の科学の結晶にして誇りであるゥ!!奥の手にして切り札、『アニラーザ』の力だ!!」
メルスらのすぐ横には、体長20メートルは優に超えるほどの巨体が立ち、高らかにそう豪語していた。アニラーザは3体の改造戦士が合体したコイチアレータに、さらにDr.パパロニが加わることで誕生する合体生物。
「さア征くぞ貴様ら!我らが希望の元へ!!」
アニラーザはパパロニの声でそう言うと、メルスとリブリアンを無視して歩き始める。
「あの…一体、貴方は何をするつもりで…!?」
メルスが思わずそう問いただすと、アニラーザはゆっくりとこちらを見た。
「決まっているだろう!この大会で唯一の希望を、勝たせるのだ!それだけが、全てを救える手立てなのだからな!」
各宇宙のわずかな生き残り選手たちは、皆が一様にしてとある場所へと向かい始めている。それが果たして何を意味するのか…そして彼らの狙いは一体何なのか…!?
【現在公開可能な情報】
ジャネンバ
あの世には、死者を地獄へ送る際邪念を取り除くロンダリング装置があり、これが許容量を超えると邪念がオーバーフローし溢れ出てしまう。劇場版復活のフュージョンではこの溢れた邪念が閻魔大王の部下のサイケ鬼に寄生することでジャネンバが誕生していた。
しかし本作ではベビーが繰り返し地球人に寄生しテロを起こし続けたことで死人が増え、意図的に邪念をオーバーフローさせジャネンバを生み出していた。
その際、媒体となったのは東方獣王園に登場した日白残無だった。
その後はベビーに寄生されたり散々な目に遭うも、最後には霊夢と殴り合いを繰り広げ清々しく敗北し、笑いながら浄化され消えていった。
なお、このジャネンバが誕生した際の混乱の中でハーツが現世に蘇っている。