もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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現時点の生き残り選手

第2宇宙
リブリアン

第3宇宙
パパロニ、コイツカイ、パンチア、ボラレータ

第4宇宙
ガノス

第6宇宙
ヒット、カリフラ、ケール、キャベ

第7宇宙
サザンカ、ハーツ、ブロリー、メルス、クウラ

第9宇宙

第10宇宙

第11宇宙
トッポ、ジレン


第561話 「WE GOTTA POWER」

「…いい加減、飽きてきたな」

 

サザンカとの戦闘の最中、ジレンはつい思わず心の内を吐露してしまった。ハーツの重力操作による妨害を受けながら、サザンカと拳を躱す事数十分。

サザンカのパワーも、始めは煩わしかった重力操作も、今では慣れてきてしまい大した障害にもなっていない。しかしそれでも何度も立ち向かってくる。

 

(もうコイツらの実力は十分理解できた。これ以上戦い続けても何も戦況は変わらない。ならば疲弊しきって戦えなくなる前に、コイツらを無に帰してやる)

 

ジレンの全身から灼熱の真っ赤なオーラが滲みだし、ゆっくりと広がっていく。だがその直後に体に収束され、体表を薄く纏う程度に静まり返る。

サザンカはハーツの重力操作で動きが軽くなり、通常時を遥かに凌駕するスピードでジレンへ向かいながら拳を振り翳す。

 

サ…

 

だが、視界にしっかりと捉えていたジレンの姿が一瞬にして、静かに消えた。

 

 

「まずは貴様だ」

 

ジレンが現れたのは、離れた場所から隠れて援護をしていたハーツの背後。

 

──『斤斥』…!!

 

ハーツは咄嗟に振り返りながら、ジレンの動きを封じようと重力操作を最大出力で仕掛ける。距離が近ければ、それだけ能力の出力も大きくできる。

しかし、またしてもジレンはこちらへ振り返ったハーツのさらに背後へ回っており、拳を構えていた。

ハーツもさらに振り向き、今度は重力操作を自身の腹部へ集中させ、最大限防御へ回す。

 

カッ ドッ

 

放つ瞬間、あまりの瞬発力を前に空気が爆ぜて輝いた。直後、ハーツの腹へジレンの拳が命中する。

寸前に差し込んだ重力キューブにより威力を軽減できている…はずなのだが、それをものともせずに強烈な衝撃がハーツの全身を打ち砕く。

 

「ッ…ッ!!!」

 

ヒュッ

 

ハーツははるか後方へ吹っ飛ばされ、武舞台中央の柱を突き破り、その向こう側へと消えてゆく。

 

 

「もう十分だ。終わりにする」

 

ハーツを始末し終えたジレンは瞬時にサザンカの元へUターンし、鋭い蹴りを繰り出す。サザンカは間一髪それを躱し、周りに転がっていた武舞台の破片をいくつも投げつけてジレンの気を逸らし、その隙に跳躍して上空へ逃げる。

ジレンはそれを見上げると自分も跳躍し、舞空術の類は使えないはずの武舞台上においてジグザグしたあり得ない軌道でサザンカに迫る。

 

(なんだあの動き…!)

 

まるで空中に見えない足場が存在するかのような動きだった。

そしてサザンカを追い越すと、真上から襲い掛かる。両腕を合わせて振り上げたスレッジハンマーを構え、今にも放とうとしている。

 

「…!」

 

サザンカは咄嗟に反応したものの、動きが追い付かない。恐らく半歩後ろへ退いた時点でジレンの攻撃が叩きこまれる。そして、ジレンはサザンカが避けようとすることを前提に攻撃を繰り出しているはずだ。避けたとしても避けた地点へ攻撃を正確に放ってくるはずだ。

 

(終わるのか…?ここで終わったら…ブロリー達までやられる…!だからコイツをずっとここに留めとかなきゃいけねぇのに…)

 

 

「『時飛ばし』」

 

 

「…!」

 

ジレンが攻撃を振り下ろすが、サザンカはいつの間にか消えており、空ぶった。

どういうことだ、とジレンが眼下を見下ろすと、少し離れたところに第6宇宙のヒットがいた。

 

「お前は…」

 

ヒットの脇に抱えられていたサザンカは、彼が助けてくれたのだと理解した。ヒットはそのままサザンカを雑に床に降ろす。

 

「いてっ…ヒット、なんでテメェが…」

 

「あの第11宇宙のジレンとかいう男はレベルが違う。この大会でオレやお前らと比べても頭一つ分も二つ分も飛び抜けている。だから何よりも優先して始末する。これからの局面においてそれが合理的だと判断した」

 

ジレンは着地すると、感情の読めない黒い眼でヒットを睨む。

 

「…ま、いいか。アイツが一番危険だってのは同意見だ…その後は思う存分やろうぜ」

 

「ああ」

 

ガシィッ!!

 

次の瞬間、ジレンとヒットは組み合っていた。ジレンの拳を掴んだヒットは後方へ押し出されながらも膝で脇腹を蹴り、横をすり抜けて移動し後頭部へ手刀を振るう。

ジレンも背後を見ないままそれを避けるが、そこへサザンカの剛拳が襲い掛かる。ジレンは腕でそれを防ぎ、もう片手を向けて気弾を発射しようと構えるが…

 

カクン

 

右足の膝裏に衝撃を受け、姿勢を崩す。そこには、光の棒を手にしたメルスがいた。

 

「メルス!」

 

メルスは棒でジレンの脛を打ち、さらに股間を突く。ものともせず腕を伸ばしてくるジレンの腕を右手で逸らし、鳩尾へ肘打ちを当てた。

 

「その程度か」

 

しかし、やはりジレンには何も響いていない。慌てて後ろへ飛び退くメルスだが、すかさずジレンの気弾が放たれ、目の前に迫っている。

 

「どっせえええええい!!」

 

だが、横から飛び出してきたリブリアンが張り手で気弾を弾き飛ばし、そのままジレンにタックルをぶつける。が、ジレンもそれを手で押さえ、そのまま衝撃波を発してリブリアンを吹っ飛ばす。

 

「きゃ!乙女をぞんざいに扱うなんて…許せませんわぁぁぁ!」

 

回転しながら受け身を取り着地したリブリアンは、直後にハート形の気功波を放出する。それは真正面からジレンにぶつかるが、ジレンは体に薄く纏うオーラによってそれを左右へ弾いており、無傷だった。

 

ギィン!!

 

しかし、その背後から何か鋭いものによる斬撃が襲い掛かる。それはジレンの背中に当たるが、その頑強な肉体を傷つけることはできず軽く防がれた。

 

「チィ!」

 

グランアドラーを無効化されたガノスは、すぐに飛び退いていく。

 

「おいおい、こりゃ一体どういうことだよ!?」

 

その光景を目の当たりにしたサザンカは、思わずそう叫んだ。

驚くのも無理もない摩訶不思議な光景だった。違う宇宙から集まり、本来ならば優勝をかけて争うはずの複数の宇宙の選手が、ジレンという壁に同時に立ち向かっている。

 

ゴゴゴ…

 

その時、激しい地響きと共に捲れ上がった武舞台の巨大な岩盤を砕きながらアニラーザの巨体が姿を現した。岩石の破片が礫となってジレンに飛んでいくが、ジレンはそのすべての軌道を見切り、自分には当たらないと判断すると全く動くことなく礫が過ぎ去っていった。

 

「その通ォォォり!!我々は希望を残す!!そのためにサザンカ、貴様を勝ち残らせることにした!!」

 

「アンタは…!」

 

サザンカはアニラーザを見て、その中にパパロニがいることに気付く。以前、第3宇宙で究極六星龍と戦った時は未完成だったアニラーザだが、パパロニは力の大会へ向けてアニラーザを完璧に仕上げてきたようだ。

 

「言葉はいらない!皆が打ち合わせたわけでもなくここへ集結した…だが!無粋だが敢えて言うならば!!我々は第7宇宙への恩を返したいのだ!」

 

第2宇宙のリブリアン、第3宇宙のパパロニ、第4宇宙のガノス、第6宇宙のヒット。彼らは究極ドラゴンボールを集めるため宇宙を超えた冒険をするサザンカたちと出会い、助けられていた。

 

「バカ野郎…恩を返される事なんざしてねーよ」

 

サザンカは立ち上がりながらそう呟く。

 

「だけどよ、心強えーぜ」

 

その言葉を聞いた途端、彼らは気合を漲らせ、一斉に戦い始める。既にこれまでの戦闘で力をほとんど使い、余力の残っていない者もいる。

 

「『時間の牢獄』」

 

しかしそれでも、彼らは戦う。

ジレンの動きが静止し、ノイズがかかったように歪む。その隙にサザンカが拳を腹へ叩きこみ、さらにメルス、リブリアン、ガノスの攻撃が次々とヒットし、ジレンは成すすべなくそれらを喰らい続けてしまう。

 

(なんだコイツ…最初見たときはヤベェって思ったが…)

 

(でも意外とやれてる!)

 

ガノスとリブリアンは、息を切らしながらも無数の攻撃をジレンへ叩きこみながらそう思った。確かにジレンの突出した莫大な闘気、そして試合開始直後に発生したジレンの気の暴風。それらを見たときはコイツには適わない、避けて試合を進めようとさえ思ったが、今のジレンはヒットによって動きを封じられ攻撃が当たり続けている。

 

コッ

 

メルスの振り下ろす棒がジレンの脳天に叩きつけられ、

 

ゴガッ

 

サザンカのソバットが首筋を強く打った。

 

 

 

「ジレンの実力を疑うわけでは無いですが、本当にこの局面をひとりで覆せるものでしょうか」

 

第11宇宙の界王神カイは、回答など分かりきっていることを前提でベルモッドに尋ねる。対するベルモッドは、ふんぞり返った余裕の態度を崩さぬまま綽綽と答える。

 

「自明だ。お前も知っているだろ?相手に全力を引き出させ、それを全て受け切った上で叩き潰す。それがジレンの芸風だろう。ここまでの戦いでジレンは一度たりとも本気を出していない」

 

 

 

 

 

違和感。

時間の牢獄でジレンのみの時間を停止させているヒットだったが、どこか違和感を拭いきれなかった。

 

(こんなに簡単にヤツの動きを封じられるか?)

 

ザマスが特別だっただけで、他の人間に使えばこんなものなのか?

 

(いいや、余計なことを考えるな。オレは試合終了までヤツを拘束しておく気概で技をかけ続ければいい。そうだ、この力が持つ限り…)

 

ギロッ

 

「!!!」

 

ぞあっ

 

その時、一瞬だけ、ジレンの黒い眼が動き、ヒットと目が合った気がした。気のせいか?それとも本当に動けているのか?

答えを出す間もなく、直後。

 

カッ ドドドドドド…

 

ジレンは時間の牢獄をかけられたまま、全身から無数の拳圧を放出して見せた。まず一番近くにいたサザンカを殴り飛ばし、次にガノス、メルス、リブリアンらがまとめて空中へ放り出される。

 

「ぐああああ…!!」

 

彼らは空中を舞いながらも絶えず拳圧によって吹き飛ばされ、容易く場外という奈落へと叩き落されていく。その中で、リブリアンだけはついにエネルギーが底を突き変身が解除され、偶然にも追撃を回避でき武舞台の上へ落下した。

 

 

「第2宇宙、ガノス選手。第7宇宙、メルス選手…脱落です」

 

ガノスとメルスのアイコンが同時に消え、ガノスが脱落したことにより第4宇宙の全員が敗退したことになってしまった。

 

「全員脱落により、第4宇宙…消滅で御座います」

 

 

「そ、そんな…!」

 

「我が宇宙も、ここまででしたか…」

 

キテラは頭を抱えて取り乱し、界王神クルは結果を受け入れるように項垂れた。

 

(アニス姫…すまん…)

 

ガノスは、第4宇宙で帰りを待つアニス姫へ向けて心の中で謝罪をする。

 

 

「じゃ、いくよー」

 

掲げられた全王の右手から滅浄の光が放たれ、彼がそれをギュッと握りこむと、光が炸裂する。破壊神、界王神を含む第4宇宙の者たちの姿も揺らぎ…やがて消滅した。

 

 

 

 

加速する悲劇を嘲笑うかのように、ベルモッドが笑みを浮かべる。

純然たる最強の前には、如何な呪縛も縛りに値せず───




【現在公開可能な情報】

モロ

「星喰い」の異名を持つ、1000万年前に銀河刑務所に収監された極悪人。他の生命体のエネルギーを強制的に吸い取ることができ、その範囲は生命どころか惑星そのものにまで及び、異名の元となっている。

脱獄するところは原作と同様だが、レモを連れ出しており、ナメック星ではブロリー、シロナ、サザンカ、ハーツと戦った。

さらに本作では破壊神ビルスと死闘を演じた。単純な戦闘力では負けていたはずだが、魔力を使い数多に張り巡らせた計略が功を奏しビルスを打ち破る。
だが、最終的にはブロリー達地球の戦士たちとの総力戦の末に敗れ、弱体化した姿となって再び刑務所へ収監されそうになるも移送中に死亡、完全消滅した。






究極ドラゴンボール捜索の冒険がここで活きてきます。
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