第2宇宙
リブリアン
第3宇宙
第4宇宙
第6宇宙
カリフラ、ケール、キャベ
第7宇宙
サザンカ、ハーツ、ブロリー、クウラ
第9宇宙
第10宇宙
第11宇宙
トッポ、ジレン
カリフラは立ったまま血みどろで気絶しているケールの側へ近寄り、その背中に手を置いた。
温かい。触れた場所から強い生命力の躍動を感じる。
「ケール、おめぇ今まであたしに気を遣ってこんな凄い力を隠してたんだな」
そう語りかけるが、ケールは何の反応も無い。
「すげぇ…すげぇよ!あたしの妹がこんな凄い奴だったなんて、最高じゃねーか!」
カリフラは歓喜を隠せない様子でそう言った。
「あのおっさんはこのままケールが暴走すれば自滅するなんて言ってっけどよ…理性を無くしてそんなになるまで頑張ってくれてんだろ?こんなに嬉しいことなんてねぇよ」
「……」
相変わらずケールはピクリとも動かない。だが、その潜在意識は…
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「ここは…」
ケールは全く見知らぬ空間にいた。ここは第6宇宙でも、力の大会の武舞台がある無の界でもない、全ての法則が異なる別の場所だと直感でわかった。
地面には赤い砂が敷き詰められ地平線の先まで砂丘を構成しており、空には不思議な惑星や銀河がいくつも瞬いている。そんな空を見上げながら困惑していると、ふと近くで何かの気配を感じそちらへ視線をやった。
「…誰!?」
そこにいたのは見知らぬ少女。毛皮の衣装を纏っており、黒髪なのは自分と同じサイヤ人の特徴と一致するが、腰にある尻尾は第7宇宙のサイヤ人の特徴と一致する。
謎の少女はゆっくりとケールに近寄り、その頭に手を伸ばした。思わず驚いて目を瞑ってしまうケールだが、少女の手は優しく彼女の頭に触れる。
そして手の平から暖かな光が溢れ、ケールの頭を照らした。
「あ…私、頭怪我してたんだった」
先ほどブロリーの一撃によって傷を負った頭。それが一瞬のうちに治ったような気がする。
「あの、ありが…!」
そう言って立ち上がろうとするケールだが、そこで下半身が砂に埋もれて動けないことに気付いた。力を込めてみるが、砂はどんどん流れてきて全く出られない。
「何なのこれ…!助けて…」
もがけばもがくほど体は砂に深く埋もれていってしまう。ケールの心に恐怖と絶望の感情が渦巻いてゆく。
だがその時…
『ケール、おめぇ今まであたしに気を遣ってこんな凄い力を隠してたんだな』
どこからかカリフラの声が聞こえてきた。
「姐さん…?」
『すげぇ…すげぇよ!あたしの妹がこんな凄い奴だったなんて、最高じゃねーか!』
その言葉はケールの胸に響き、渦巻いていた恐怖と絶望が薄らいでゆく。それと同時に、体が少しずつ砂の上へ浮き上がり始める。
『あのおっさんはこのままケールが暴走すれば自滅するなんて言ってっけどよ…理性を無くしてそんなになるまで頑張ってくれてんだろ?そんなに嬉しいことなんてねぇよ』
「そんなことない!私はもっと頑張れる!姐さんのためなら!」
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ケールは目覚めない。だが、カリフラは必ず何かが起こると信じて疑わなかった。
「やっぱさァ、あたしの横にはおめぇみたいな妹がいなきゃダメだ。あたしはおめぇらを助けてやった気でいたんだが、おめぇらにもあたしが助けられてたんだ。だからよ…一緒に戦ってくれよ!ケール!」
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「姐さん…」
カリフラからの言葉を聞き届けたケールは、嬉しさからくる涙を静かに流した。その時には既に前身は砂の上へ出ており、もう彼女を取り巻く邪魔なものはひとつもない。
「貴女も…どうもありがとう」
そして、ケールは立ち上がりながら毛皮を纏う謎のサイヤ人の少女に礼を言う。少女は口元だけを少し曲げて笑って見せた。その時、ケールはその少女の顔にどこか見覚えがある気がした。
「あれ、貴女は…」
同じカリフラの妹分である仲間のサイヤ人ではない。それ以外の惑星サダラのサイヤ人かと言われてもそれも違う気がする。では一体…
「あ!」
まさか、だが何故?
気付いたところで疑問しか浮かばなかったが、それを整理する暇もなくケールの意識は戻された。
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意識を失っていたはずのケールの身体から、緑色のオーラが溢れ出し竜巻のようにうねり上がる。吹き荒れる突風から顔を背けるカリフラだが、ふと渦が収まったことに気付く。
「…待ってたぜ、ケール」
そこにいたのは、まるで生まれ変わったような姿となったケール。さっきまで負っていた怪我はすべて何事もなかったように無くなっており、血痕すら見当たらない。体が大きく、筋肉質なのは変わりないが暴走していた時ほど極端な変化ではない。理性を失っていた証でもある白眼ではなくはっきりと意志を持った瞳が現れ、髪やオーラは黄緑色から黄色が強くなっている。
「お待たせしました、姐さん」
ケールはカリフラに小さく頭を下げ、遠くでキャベと戦っているブロリーを見据える。
「行くぜ」
「はい!」
「これが…超サイヤ人…?」
キャベは己の劇的な戦闘力の変化に驚きつつも、それをすぐに受け入れ始めていた。黄金のオーラに身を包み、金髪と緑目のそれはまさしく超サイヤ人に違いない。
「そうだ。その感覚を忘れるな」
ブロリーはそう言葉をかけた。もうヒールを演じる必要はないと判断し、伝説の超サイヤ人はキープしながらも白眼は剥かず普通の表情に戻っている。
「はい!ありがとうございます」
敵でありながら、ブロリーに礼儀を尽くす姿勢のキャベ。その姿を見たブロリーは思わず吹き出してしまいそうになるが、堪えた。
「ンンッ…未来の事を考えるんだ。大会が終わっても、きっとその力はずっと役に立つだろう」
「ええ、この力で貴方に勝てれば、ですよね」
「いや、それは違う」
次の瞬間、ブロリーはキャベの腹を強く殴りつけていた。大きな拳が細い体に深くめり込み、キャベは悶絶しながら目を見開いてブロリーに視線を移す。
「勝つのは俺たち第7宇宙だ。だが安心していいんだ…君たちもみんな助かる道があるはずだ」
その言葉を聞きながら、キャベは気を失った。ブロリーは彼の身体を武舞台外へと放り投げた。
「第6宇宙、キャベ選手…脱落です」
第6宇宙のモニターからキャベのアイコンが消えた。これで残るはケールとカリフラのみとなってしまった。
「あ…!」
観覧席へと送られたキャベは、すぐに慌ててブロリーの方を見た。
そして、ブロリーが最後に言った言葉の意味を心の中で考える。
(第7宇宙が勝っても…みんなが助かる道がある…?それって、まさか優勝賞品の願い事で…)
ブロリーの意図に気付いたキャベは、何も言わずに小さく笑った。
「…さて、そっちも上手くいったみたいだな」
続けてブロリーの前に立ちはだかるのは、ケールとカリフラ。
「ああ、これであたしらは無敵だぜ!」
「いきましょう、姐さん!」
「応!!」
ふたりはグッと姿勢を低くして構え、ブロリーへ突撃を仕掛けようとする。対するブロリーもそのまま迎え撃とうと構えた。
だが次の瞬間、ケールとカリフラが身に纏う黄金のオーラがさらに激しく噴き上がり、青いスパークが一斉に飛び散った。
(!?超サイヤ人2…!いつの間に、覚醒していたのか!)
ブロリーは即座にそれが超サイヤ人2であると看破する。ふたりは一気に倍以上に増幅したパワーとスピードでブロリーに体当たりし、その巨体を勢いよく押し込んでゆく。
「「はア─────ッ!!!」」
だが、ブロリーもなんとかその場に踏みとどまり、衝撃波を放って二人を引き離す。ふたりは撥ね飛ばされながらもエネルギー弾を連射し、次々とブロリーに当てる。それによる爆発に包まれるブロリーに再度接近し、その脇腹と顔面を同時に殴りつけた。
「ぬおりゃっ!」
そして、同時に左右から繰り出す回し蹴りを背中に叩き込み、吹っ飛ばした。さらに、カリフラはブロリーへ向けて赤いエネルギー弾を無数に連射して放つ。
ブロリーはブレーキをかけ、そのエネルギー弾を避ける。だが、どうにも正確に自分を狙っている気がしない。まさかと思い周りを見渡すと、エネルギー弾が空中に滞留していた。
「やるなぁ」
そして感心したように呟くと、一斉に自分へ向かってくるエネルギー弾の直撃を受けた。連鎖した爆発に包まれるも、ほとんどダメージは受けておらず、立ち込める爆炎の中で神経を研ぎ澄ます。
そして背後に気配を感じ、振り向きつつ裏拳をお見舞いするが、そこにいたケールがその腕を掴んで受け止めた。
「つかまえた」
「オラァ!」
そして、その隙に接近していたカリフラの飛び蹴りがブロリーの腹に命中した。さらにケールが至近距離から小さな気弾を投げつけ、ブロリーの胸元で炸裂させると彼を勢いよく弾き飛ばす。
ふたりはそれを追いかけ、交互に追撃を加えどんどんと武舞台際へと追いやってゆく。
「いいぞケール!なんだかどんどん力が漲ってくるみてーだぜ!」
「はい!私も…背中に羽が生えてるみたいです…!」
まるで霧が晴れるように、足元に花が咲いているように、胸に何の痞えもなく、清々しい。ふたりは笑顔で、今の自分たちの全力をぶつけ続ける。
そして、ふたり同時に繰り出す拳がブロリーの胸に突き刺さり、激しい黄金のスパークが辺りに飛び散った。
「く…デアアアッ!!」
だが、その直後にブロリーも全身からオーラと同時に衝撃波を放ち、ふたりを吹っ飛ばす。その全身から炎の如き赤い闘気がうねり上がり、超サイヤ人ゴッドへと変身していた。
「なにくそが!」
カリフラはそれを見てもなお突っ走り、ブロリーに拳の連打を浴びせる。それを見たケールも全力を込めた蹴りをぶつけるが、ブロリーの身体に触れる前に、その赤いオーラに阻まれて届いていない。
「マジかよ…」
「さて、君らはもうこれから先…大会が終わっても大丈夫だろう。だからここからは俺も本気で勝ちに行くぞ」
ケールたちは超サイヤ人の力をコントロールし、その壁を越えるまでに至ったのだが、それでもなお高く聳えるブロリーという名の壁に、目が眩むような感覚を覚えたのだった。
こっちのブロリーは伝説の超サイヤ人も完全に我が物にしていますが、ケールは出来ないんでしょうね。ただケールの超サイヤ人も「超ブロリー」と比べても普通の超サイヤ人とはまた違うような気がしますが…