第2宇宙
リブリアン
第3宇宙
第4宇宙
第6宇宙
カリフラ、ケール
第7宇宙
サザンカ、ハーツ、ブロリー、クウラ
第9宇宙
第10宇宙
第11宇宙
トッポ、ジレン
カリフラとケールは目の前で起こった現象に言葉を出すことすらできなかった。
ブロリーの紅い変化は目を見張るものがあり、明らかに一気に2つも3つも次元を飛び越えたのは間違いない。
しかし増大したかに思えた気は一切感じられなくなり、それが却って不気味に感じられた。
「なんだそりゃ…」
「炎みたい…」
超サイヤ人ゴッドというものを初めて目の当たりにしたふたりは、戦慄と感嘆という正反対の感想を呟く。しかし、そんな中でもブロリーはゆっくりと彼女らを見据えながら銃の形にした手の指先を向けた。
そして、衝撃波を連続で放ち、ふたりを狙い撃つ。
「おわっ!」
カリフラは間一髪でそれを避けると、今まで立っていた場所の床が深く抉れるように穴が空いた。しかし、ふたりはそれに臆することなく同時に一気にブロリーへ突撃する。
「その程度であたしらがビビると思ったのかよ!!」
ブロリーから放たれる弾丸の雨の中を搔い潜り、ついにその懐まで接近すると二手に分かれ、両サイドから攻撃を仕掛ける。
だが、ブロリーは片腕ずつでそれぞれの一撃を防ぎ、腕を掴むと流れるような動作でふたりを振り回し、床へ叩きつけて投げ飛ばす。
「りゃああ──ッ!!」
そしてさらに猛然と向かってくるカリフラに対し、肘打ちと膝蹴りを上下から胴体へ食らわせた。万力で挟み込むかのような衝撃を受けたカリフラは腹を抑えながらその場で蹲ってしまう。
「姐さん…!はアァ──ッ!!」
ケールはカリフラをやられた怒りを込めながらブロリーへ猛ラッシュを叩きこんだ。が、そのすべての攻撃がやはり見えない気によって阻まれ、直撃しない。まるで分厚い空気の層を殴っているかのようだ。
「フッ!」
これでは埒が明かないと考えたケールは、両手を翳し黄緑色の特大の気功波を放射した。それは凄まじい勢いで武舞台を削りながらブロリーを飲み込む。
しかし、それを突っ切ってケールの目の前へ姿を現したブロリーは右手を向けると、そこに青い気弾を作り出し、ケールへ向けて放った。ケールは上体を逸らして簡単に避けるが、ブロリーが右手を少しだけ自分の方へ寄せると、気弾の軌道が突然変わり再びケールに向かう。
「はっ!?」
それを両手で受け止めたケールだが、直後にその気弾がボンっと巨大化し、さらに勢いを強めてケールを武舞台外まで押し出そうとする。
「く…う…!」
苦しみながらその様子を見ていたカリフラは、歯を噛みしめながらブロリーを睨んだ。
(畜生…!まだあたしらじゃ遠く及ばねぇってのかよ…!サザンカといい、あのおっさんといい…第7宇宙のサイヤ人はどうなってやがる…!)
そして、ブロリーの攻撃によって苦戦するケールを見る。ケールは超サイヤ人の力をコントロールすると同時に壁を破り超サイヤ人2となった。カリフラも同じく超サイヤ人2となったが、それでもケールとは差が開いていると実感せざるを得ない。
(いや…何弱気になってんだ。妹があそこまで強くなって頑張ってんだ…あたしがここでやられっぱなしでどうする!)
震える足を無理やり叩き起こし、ゆっくりと立ち上がる。同時に、再び全身から超サイヤ人2特有のスパークが散り始める。そして、何もない場所から降ってきた一筋の落雷が直撃する。
(一度壁を越えたんなら!もう2枚でも3枚でも超えてやるんだよ!!)
「ウオオオオオオオオッ!!」
次の瞬間、カリフラの叫びに応じるかのように、彼女の全身からさらに巨大な黄金の闘気が噴き上がった。
突然現れた大きな気に、ブロリーは思わずそちらへ注意を向ける。
「ハアアッ!!」
その隙にケールは襲い来る気弾を真上へ跳ね上げて回避した。だが、ブロリーがすぐさまケールへ接近し拳を振り翳し殴り飛ばした。
「ああっ…!」
地面を滑りながら吹っ飛んでいくケールへ向けて手を翳し、追い打ちの気弾を仕掛けて一気に落とそうと構える。
だがその時、ブロリーはカリフラの猛然とした突進を脇腹へ受け、体勢を崩して後ろへ飛び退いた。
「…ほう、そこまでできるのか」
目の前に立っているカリフラの金髪は腰に届くほど長くなり、眉毛が消えた凶悪な面構えになると同時に全身からはさらに激しく噴き出す黄金のオーラと、バチバチと玉になって弾けるスパークが舞っている。それは、カリフラが超サイヤ人の壁を越え更に壁を越えた超サイヤ人3となったことを示していた。
「なんだかわかんねぇが、力がさらに湧いてくるぜ!なぁケール、もっとガンガンいこうぜ!」
「姐さん…!はい!」
…第6宇宙のサイヤ人たちが暮らす星、惑星サダラ。その元防衛隊長であるレンソウは、妹のカリフラについてこう語った。
「アイツは昔から俺より腕っぷしは強い。それに潜在能力も確かだ、磨けば輝く原石。だがお前も知っている通りあの性格だ…真面目に鍛錬することもなければ、規律に従うこともない」
レンソウは怪我の後遺症が残る自らの足をさする。
「俺にこの怪我がなければ…いや、そうだったとしてもカリフラの方が全てにおいての才能が俺より上だろう。今はお前や俺の仲間が防衛隊を回してくれているが…それでも長くは続くまい。そうなる前に、カリフラに隊長を任せたい。その為にもアイツには守るための戦いを経験させておきたい」
カリフラはケールと並び、果敢にブロリーを攻め立てる。超サイヤ人3となった事で得た超パワーは目にもとまらぬ速度と破壊力を発揮していた。
兄・レンソウが見出していた潜在能力を全て開花させれば、第6宇宙にて最強と称されるほどの戦闘力が表面化することは間違いない。現にカリフラは力の大会という短い時間の中で超サイヤ人の壁を2度も破っていた。
しかしそれでも、まだブロリーには及ばない。
カリフラの攻撃は悉く見切られ、途中で混ぜる投石や砂かけ等の小細工も通用せず、逆にブロリーの掴みや投げといった迎撃を何度も受けてしまう。
ケールもまた、その力の性質はブロリーと同じでありこそするが、その力量自体がまだまだ差が開いていると言わざるを得ない。
「…そろそろ終わりにしよう」
ブロリーは衝撃波でふたりを吹っ飛ばし、強引に距離を取ると右手を伸ばし、その掌に緑色の気を充填する。そして最後に言葉を残す。
「もう君らは十分強い。大会が終わっても、その力はずっと自らの助けになるだろうな」
吹っ飛ばされたカリフラとケールは受け身を取って着地するが、煌々と滾る緑色の光を前に、それを見つめることしかできない。
「くそったれ…せっかくここまで強くなったのにここで終わりかよ…!」
その時、悔しそうに呟いたカリフラのズボンのポケットから、小さく光る物体がふたつ零れた。ケールはそれを見て、思わず拾い上げる。
「姐さん、これって…」
「ポタラじゃねーか!!」
観覧席から戦いを見ていた破壊神シャンパは驚きのあまり思わず大声を上げてしまった。続けて、隣にいた界王神フワの方を見ると、彼の耳には本来ついているはずのポタラがなく、慌てふためいていた。
「あ、ああ~~!いつの間に…!」
そして、シャンパはあることを閃いた。
「これはチャンスかもしれん…おい!ケール!カリフラ!そのポタラをそれぞれ反対の耳につけろ!!」
「ハァ!?何言ってんだよ、こんなのあたしのシュミじゃねー…」
「姐さん、やりましょう!このままじゃ…負けます!」
ケールにそう言われたカリフラは、ポタラのひとつを拾い、握りしめる。
「…そうか、勝ってなんぼだ、何でも使える手は使ってやる!」
そして、カリフラは右耳に、ケールは左耳にポタラをつける。
その瞬間、ブロリーの掌から特大のエネルギー柱が放たれた。
一直線に伸びるそれは容易にカリフラとケールを飲み込み、武舞台に穴をあけながら虚空へと続いていった。
「…!?」
しかし、ブロリーは違和感に気付く。手ごたえが変わった。
その刹那、目の前へ一直線に向かってくる真紅の弾丸を目にし、バッとしゃがむブロリー。頭上を真紅が通り過ぎ、背後の岩盤へ激突した。
「何が…」
ブロリーの気功波は押しのけられて形を保てず消滅しており、ブロリーはゆっくりと振り返り後ろを見る。
ガラガラと音を立てて崩れ落ちる瓦礫の中に、ひとつのシルエットが浮かび上がる。
「ケールと…カリフラで…『ケフラ』ってところか」
ふたりの声が重なって聞こえ、耳にはポタラが揺れている。
「そしてコイツが…」
ケフラと名乗る合体戦士の全身からオーラが噴き出し、金色に包まれる。
「超サイヤ人ケフラ様だ!!」
それを見たブロリーの眼が見開かれる。突風のように吹き付ける闘気を正面から浴びて、深紅の髪がバサバサとなびく。その様子を見たケフラは自信有り気に言い放つ。
「降参するなら今の内だぜ。今度はあたしらが教えてやるよ…本当のチカラってやつをな!」