もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第566話 「煙とブルー」

「よォし!いいぞ…えっと、ケフラ!そのままビルスんとこのサイヤ人をぶっ飛ばしちまえ!!」

 

ポタラによる合体に成功したカリフラとケールを見たシャンパは、拳をぶんぶん振り回しながら歓喜の声を上げる。

 

「…しかしシャンパ様、道具の使用は反則では?」

 

だが天使ヴァドスがそう言うと、シャンパの動きが固まり、青ざめた表情になる。そして、恐る恐る全王と大神官の方へ目を向けた。

 

 

「合体!面白いのね~!」

 

「よって、今回に限りポタラの使用を認めます」

 

特に咎める様子も無く、むしろ楽しんでいる様子の全王と、それに従い使用を認めた大神官。しかし、他の宇宙においても二度と同じ特例は認められないだろう、そんな気がした。

 

 

 

そして、ブロリーを相手に早速超サイヤ人へと変身したケフラ。逆立った髪はやや黄緑がかっており、金色のオーラがバーナーのように噴き上がる。

 

「いッくぜェ!!」

 

ケフラは一直線に飛び出すと、ブロリーのすぐ真横を通過していく。凄まじい突風と衝撃波が吹き、ブロリーはそれに耐えながらケフラが過ぎ去っていた先を見る。

 

ドッ ガッ

 

だがその瞬間、彼の後頭部に鈍い衝撃が走り、続けて背中を押され前のめりに体勢を崩した。倒れながら後ろを振り返ると、既にケフラはブロリーの背後へ回っていたのだ。

ブロリーは小さな気弾を高速で投げつける。

 

「ちゃあああああ!!」

 

ケフラはそれを腕で弾き、再度ブロリーへ突っ込んでいくとその腹に拳を叩きこんだ。

ズムン、と体の芯まで揺るがすような重い衝撃が走るが、ブロリーは強靭な体幹力でそれを耐えると、すぐさま反撃の拳を繰り出した。ケフラも身を翻してそれを避けるが、打撃と同時に拳から放たれていた衝撃波を喰らい、横方向に吹っ飛ばされる。

 

「ハーッハッハッハ!!」

 

ケフラはその間も高く笑い、無数の気弾を放つ。ブロリーはそれを避けながら、ケフラを追いかけるが、何と追っていたはずのケフラがブロリーのサイドからいきなり姿を現し、首を蹴りつけた。

 

(速いな…!)

 

ブロリーは床に激突するも受け身を取り、すぐに真上を見上げ降りてくるケフラに向けて無数の気弾を放つ。

対するケフラは、落ちながらそれを喰らい続けるもブロリーの想定以上のタフネスで耐え凌ぎ、爆炎の中で床を蹴り再びブロリーにラッシュを仕掛ける。

だが、まだブロリーが纏う超サイヤ人ゴッドのオーラの壁を突破できていない。先ほど首を蹴った時も、気に阻まれて直撃はしていなかった。

 

「だったら!」

 

ケフラは笑みを崩さないままさらに全身の力を込めると、そのオーラが倍増し、青いスパークが散る。

 

「超サイヤ人2のケフラ様だ!!」

 

超サイヤ人2と化したケフラは渾身の拳を放つ。それはブロリーのゴッドの気を押し破り、その顔面に直撃を叩きこんでいた。

よろめくブロリーに対し、ケフラは振り上げた右腕に巨大な気弾を作り、至近距離から投げつけて炸裂させた。黄緑色の気が弾け、黒煙が充満する。ケフラ自身もその衝撃で後方へ吹っ飛ぶが、当然着地し黒煙の中の気を探る。

 

「…やっとそこまで引き出してくれたかよ」

 

黒煙が晴れてくると、その中に静かに燃える青い闘気が現れた。再度超サイヤ人ブルーとなったブロリーがそこにいた。

しかも、それは先ほどケールと戦っていた時のような、攻め切らず手加減していた力ではない。完全にケフラを打ち負かし脱落させるための本気のブルーだった。

 

「いや、お前がここまで登ってきてくれたんだ。これで心置きなく本気でやれる」

 

「へ…言ってくれるじゃねぇか!!」

 

両者は同時に飛び、気を込めた拳を叩き合わせた。波紋のような衝撃波が発生し、それは武舞台全体へ広がりきった後に両者の元へ収斂し、再び弾けた。

ケフラはすぐさま跳躍し、落下しながら無数の気弾を雨のように降り注がせる。ブロリーも、振りかぶった左手の中に無数の細かな気弾を握りこみ、それを薙ぎ払うようにばら撒いて弾幕を相殺して見せる。

連鎖する爆発の中を掻い潜ったケフラは急加速して落下、そのままブロリーを脳天から叩き潰す勢いで足を振り下ろした。が、当然ブロリーはそれを回避し、着地した瞬間のケフラに気弾をぶつけた。

 

「うおああ!」

 

吹っ飛んでいくケフラに追撃を仕掛けようと殴りかかるブロリーだが、ケフラは急に振り返るとブロリーの拳を受け流して下へ逸らし、頬へ一撃ヒットさせる。さらに胸へ膝蹴り、脇腹へ左フックを当てる…が、ブロリーにはほとんど効いておらず、逆に足を掴まれ投げ飛ばされた。

 

「やるなおっさん!だがこっちもまだまだパワー出したりねぇンだわ!」

 

ケフラは受け身を取りつつ、さらに全身のパワーを解き放つ。ブロリーも同様に超サイヤ人ブルーをフルパワーで発動し、両者はいよいよ全力でぶつかり合う。

それは単純なる「力」対「力」。膨大なる気力を惜しみなくぶつけ合う、物量戦の極致のような戦闘。拳を振るうが、実際に飛んでいくのは全身からとめどなく湧き出る激流のようなオーラ。それを体の動きと連動させ、互いに衝突させているのだ。

 

ゴシャッ ガシャア!

 

ぶつけ合っている気の塊が、一度ごとに破壊され、その都度修復しまたぶつけ合う。

 

「やっぱアンタすげぇ!倒し甲斐があるぜ!」

 

ケフラは楽しそうにそう叫ぶと、津波の如く押し寄せるほどの大量の気を放出し、ブロリーの操るオーラごと彼を飲み込まんとする。

しかし、ブロリーも全身に球状のバリアーを纏うと、そのまま気の波をかき分けるように突進し、ケフラへ接近すると剛腕による強烈な一撃をお見舞いした。

両腕をクロスし、ガードしたケフラだが衝撃がその守りを貫通し、胴体を突き抜ける。そのまま大きく後方へ吹っ飛ばされるが、何とか踵で床を削りながら踏ん張り耐える。

 

「やべぇ…一撃でこれか!?さっきの張り合いは何だったんだよ…生身のパンチでもとんでもねぇな!」

 

「力と一体になるんだ。力で攻撃するのではなく、力を素肌に、力を肉に、力を骨にするイメージだ。肉体=気、気=肉体。そうすることで…」

 

そう言いながら接近したブロリーは再び拳を振りかぶり、ケフラのガードの上へ一撃をぶつけた。

 

「100%の威力を直接叩き込める!」

 

ケフラはまたしても吹っ飛ぶが、何か感覚を掴んだように自分の手を見つめた。

 

「なるほどな」

 

次の瞬間、ケフラの姿が消える。

ブロリーが慌てて後ろを向くと、そこには回し蹴りを構えたケフラがいた。

 

(いつの間に…!)

 

ブロリーは慌てて裏拳を繰り出し、ケフラを迎撃しようとする。だが、ケフラはそれを頬へ受けながらも堪え切り、攻撃を続行する。その瞬間、ブロリーの言っていた力の使い方が理解できた。

 

「こういうことか!」

 

ビキッ!

 

その蹴りはブロリーの首筋を捉えた。瞬間、体の中心を焼けるような衝撃が貫き、視界が白い火花で埋め尽くされた。

 

「が…ッ」

 

全身が痺れ、動かせない。ブロリーはその場で倒れこみ、痙攣しながら起き上がろうと藻掻く事しかできなくなる。ケフラも想像よりも容易く戦闘不能となったブロリーの姿に呆気にとられ、じっと彼を見ているばかりだ。

 

 

 

「やれ!ケフラ!今のうちに落とせ!!」

 

観覧席からシャンパが声を張り上げた。

 

 

 

ケフラも自分の攻撃であっさりとこの戦いの決着がついたことに驚きつつ納得するも、どこか物足りないような表情を浮かべる。自分が超サイヤ人2となっても、まだブロリーの方が実力も技量も上だったはず。なのにダウンを奪えたのは、自分の実力もこの短時間でどんどん上がっているのを感じてはいたが、一重に運がよかったと言わざるを得ない。

だがシャンパの声を聴き、少し考えた後に冷や汗を流しながらブロリーに手を向ける。

 

「…悪ィ、やっぱりよ…そりゃできねぇな」

 

しかし、ケフラはそうシャンパに反論する。

 

 

 

「何だと!?今のうちにソイツを落とせと言ってるんだ!オレの言うことが聞けねぇのか!?」

 

シャンパは怒りながらそう声を荒げた。

 

 

 

しかし、当のケフラは全くブロリーを攻撃することなく、手を構えたまま動かない。観覧席では相変わらずシャンパが怒鳴っているが、それでも彼女の心は決まっていた。

 

「アンタはあたしに強くなる方法を教えてくれたからな。それに本当ならこのダサいイヤリングも反則なんだろ?だったらよ…アンタが立ち上がって再びあたしの前に立ち塞がるまで待つ!」

 

それがケフラの意志であり、覚悟。

 

「じゃねぇと、フェアじゃねーし恩を仇で返すことになっちまうだろ。それによ…あたしはまだまだこの先の力ってやつを見せてーんだよ、おっさんに!」

 

だから、立ち上がってくれ。

 

ブロリーはケフラの蹴りにより、頸椎を損傷していた。全身が激痛と共に麻痺し、意識が行ったり来たりを繰り返している。普通ならば、死…もしくは後遺症の残る重度の外傷。

しかし、ケフラは感じ取っていた。一度は減ったブロリーの気が、また増えていることを。

 

分かってる。アンタがこれくらいじゃ堕ちたりしねぇってことくらい。

倒れてるくせに青いのに変身したままの時点で分かっていた。ほら、見てろ…今に起き上がるぞ。

 

その時、ケフラが願った通り、痙攣しながら藻掻いていたブロリーの動きが止まった。

あまりの静けさに、まるで時までも止まってしまったかのようだ。

 

ピィン

 

そして、緊張していた空気が切り裂かれた。

ブロリーの身体からは蒼い炎のようなオーラと共に、超サイヤ人の黄金のオーラが立ち昇る。二色の気は膨らみながら混ざり合い、黄緑色の気となって爆ぜた。

空間そのものを染め上げるような緑色の閃光が迸ったかと思えば、周囲をモノクロに見せるほどの圧力が放たれる。それらが数度繰り返されたのを見届けたケフラは口の端を上げて笑った。

 

「あははははは!そうこなくっちゃ!やっぱアンタ最高だぜ!!」

 

いつの間にか立ち上がっていたブロリーの体格はブルーの時よりも大きくなり、はち切れんばかりの筋肉を纏う。そしてその黄緑色の髪は肩にかかるほど長くなり、まるで神話の挿絵のような荘厳さを湛えている。

 

「すまないな…気を遣わせた」

 

「いいってことよ。あたしだって、まだアンタに見せてーもんがあったんだ。それが…これだよ!」

 

次の瞬間、ケフラも足を広げて構え、拳を握り締め全身にパワーを込める。

 

「オオオオオオオオオ…!!」

 

低い唸り声のような叫びを上げ、黄金の気が爆発的に大きくなると同時に髪が腰に届くほど長くなり…

合体元のカリフラが成れていたのだから、今のケフラが成れるのも当然といえる。

 

「ノリノリのアゲアゲでいくぜ!!」

 

「来い」

 

ブロリーゴッド対超サイヤ人3ケフラ…究極のサイヤ人対決の火蓋が切られた。




こっちのケフラは超サイヤ人3までなれます。
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