もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第59話 「幻想郷最大級!いざバトル!!」

時は、摩多羅隠岐奈の開催した第二回幻想郷一武道会。前回に引き続き出場したカカロット、霊夢、ウスター、美鈴。それに女苑、そして主に彼らへの復讐が目的で出場したガーリックJr.とスカーレット。最後に謎の武道家・明嵐。

試合は順調に進むかと思われたが、一回戦でウスターを叩きのめしたガーリックと、同じく1回戦を勝ち進んだカカロットがぶつかり合う。ガーリックはデッドゾーンという異次元空間を使いカカロットたちを闇に葬ろうとするが、結果は失敗し、カカロットは決勝戦へ進出した。

そして決勝戦で彼とぶつかるのは、独特な戦い方で霊夢と美鈴を倒してきた明嵐だった。

カカロットと明嵐との戦いが始まるが、見事カカロットが優勝とドラゴンボールを勝ち取ったのだった。

 

しかし、事件は起こる。

優勝したつかの間、突如現れた謎の女、覇乙女蛇斑はドラゴンボールを強奪し美鈴を殺害したのだ。後に、明嵐はこの蛇斑の妹であり二人はドラゴンボール入手の為に地上へ遣わされた月の民であったことを知る。

カカロット、霊夢、ウスターは起こっていることの真相を確かめるべく、月の都へと向かう。そこで綿月依姫と豊姫の姉妹、稀神サグメと出会い、月夜見王率いる月の客という勢力が幻想郷を破壊し八意永琳と蓬莱山輝夜を月へ連れ帰り、ツキノカクという装置で地上を滅ぼそうとしていることを聞かされた。

綿月姉妹とサグメはカカロットたちに全てを知らせると、月夜見王親衛隊との戦いで命を散らした。サグメの手で地上へと帰還することができたカカロットたちは、近いうちに迫った月の客の幻想郷襲来に備えることを決める。隠岐奈の管理する後戸の国へ幻想郷の住民たちを避難させ、幻想郷を戦場とする準備は整った。

 

そしてやってきた大満月の夜、月の客軍は幻想郷へやって来た。それを迎え撃つカカロットらだったが、親衛隊の圧倒的な戦闘力を前に次々と敗れていく。

そんななか、月の客が幻想郷を破壊する様子を目の当たりにした妖怪たちは自分たちの手で幻想郷を守るために戦おうと立ち上がった。聖輦船は五行山で匿われていた永琳と輝夜を乗せ、月夜見王のいる槐安通路を目指すのだった。

その途中、不動紡馬の襲撃を受けるが、駆け付けた星熊勇儀と聖白蓮の犠牲の果てにこれを撃破。聖輦船は槐安通路へと侵入するのだった。

鉄壁のガロミの陣を破るべく奮闘していた霊夢のもとに、魔理沙の機転で速力をはるかに増した聖輦船が出現する。聖輦船はガロミの陣に激突してそれを破壊し、月夜見王の戦艦への道を作る。

 

いよいよ旗艦に乗り込んだ霊夢ら。初めは月夜見王の杖による攻撃に苦しめられるものの藤原妹紅のおかげで杖は壊れ、逆転を始める。が…ドラゴンボールを持って現れた明嵐に再び苦戦を強いられた。月夜見王はドラゴンボールの龍神を呼び出し、なんと若返ってはるかに力を付けてしまう。

その時、颯爽と現れたカカロット。彼は隠岐奈の潜在能力開放の儀式を経てパワーアップし、かつて苦戦した明嵐をあっさりと撃破。

 

そして今、月夜見王とカカロットの地球そのものの命運をかけた戦いが始まろうとしていたのである。

 

 

 

 

(な、なにがあったというの…?今までのカカロットとはまるで違う…!)

 

霊夢がよろよろと起き上がりながらそう言った。明嵐との戦いで受けたダメージも少しは回復してきたようだ。

一方、月夜見王とカカロットにはじっと睨み合ったまま動かない。

 

「やってくれたな…下賤の地上の民の分際で、この月夜見王に逆らうとは…」

 

「くくく、いまからテメェもやってやるさ…」

 

「身の程知らずめ、このわしはドラゴンボールにより若返ったのだ!つまりそれは戦闘力も以前よりアップしたのだ。わしはお前に構っている余裕などない…だから、たった5秒で息の根を止めてやる!」

 

月夜見王はそう宣言すると、手刀を作った腕を振りかぶり、カカロットへと接近し攻撃を仕掛けた。

が、カカロットは難なくそれを受け止める。驚く月夜見王だが、すぐにもう片方の腕で殴りかかる。カカロットと月夜見王では体格の違いによる重心やリーチの差がある。それだけで言えば月夜見王の方が有利であったが、カカロットはそれをくつがえすようにパンチを掴んで止めた。

 

「な、何だとっ!」

 

「でりゃあああ!!」

 

そしてその胸に、カカロットは渾身の一撃を食らわした。月夜見王は吹っ飛び、壁にあたってよろよろと前のめりに倒れた。

その様子を、霊夢と永琳たちは唖然と眺めていた。

 

「どうした?とっくに5秒は経ったぜ?」

 

「…おのれい、覚悟はできておるだろうなッ!!」

 

月夜見王はそう叫ぶと起き上がり、再びカカロットへ飛びかかる。走って接近しながら、両腕から連続でエネルギー弾を放った。カカロットはそれで腕で弾き飛ばすが、その隙に接近した月夜見王の蹴りを顔面に喰らった。

後ろへ吹っ飛ぶが宙で身をひるがえし、スタッと着地する。そこへ放たれた月夜見王の渾身の追撃。特大のエネルギー光線がカカロットへ向かうが、それを両腕をクロスさせて受け止めた。

爆発と煙があたりを覆い、やがてそれが晴れていく。

 

「き、キサマ何者なんだ…!」

 

驚く月夜見王の視線の先には、平然としているカカロットの姿が。

 

「俺はカカロット、サイヤ人だ。覚えておくんだな」

 

カカロットはそう言うと、素早く消えた。辺りを見渡す月夜見王の真上へ移動し、拳を脳天へ叩きつける。痛がる様子を見せる敵に、さらに蹴りを加えた。

 

「おのれ!!」

 

しかし月夜見王は空中で回転し地面へ着地すると、カカロットへ殴りかかる。カカロットはそれを受け止めカウンターを放つが、今度は相手もそれを受け止め反撃に出る。

両者の激しい攻防戦が繰り広げられ、あたりにスパークと衝撃波が巻き起こる。

 

「今のうちに…」

 

霊夢は永琳たちの元まで歩いていくと、体を貫いている明嵐の気の刃の抜いた。

 

「永琳、輝夜…ここはカカロットに任せて、アンタ達はもう逃げなさい。船はまだ動くはずでしょ?」

 

「…霊夢はどうするの?」

 

「私は博麗の巫女よ。幻想郷を守るのが使命…よってこの場に残って戦いを見届けるわ。さ、魔理沙たちを連れて…はやく」

 

「…わかったわ、無事でいて」

 

「当然よ」

 

二人はその言葉を聞くと、聖輦船に乗り込んだ。そして手を振る霊夢を見届けると、船を発進させる。

その時、戦いの最中それに気付いた月夜見王。

 

「逃がすか、お前たちは月の都の為に必要なのだ!」

 

逃がすまいとしてその手に気を溜める。が、横からカカロットが飛び蹴りを命中させそれを防いだ。月夜見王は横へ吹き飛び、床の上をズザーッと滑る。

 

「やらせねぇぜ」

 

「く、キサマ…!」

 

口から流れた血を袖で拭い取る。

 

「こうなったらもうよいわ、我が旗艦ごと貴様らをまとめて吹き飛ばしてくれる!!」

 

月夜見王は腕を深く組んで背中を丸め、足を開いて構える。周囲に転がっていた崩れた壁や床の破片が揺れながら空中に浮かび上がり、戦艦が激しく揺れ始める。

 

「何をするつもりだ?」

 

「ほっほっほ…我々に歯向かった事を後悔しろよ、今から行う一撃で貴様らは木っ端みじんに吹き飛ぶのだ」

 

「やってみやがれ」

 

カカロットはそう言うと、両腕をクロスさせて身構える。後ろにいた霊夢に目でもっと近寄れと合図をすると、それを汲んだ霊夢がカカロットの背後にぴったりとつく。

 

「ほざけ!!『月破(げっぱ)』!!!」

 

月夜見王は両腕を伸ばして広げ、全身から目もくらむような閃光と共に強力な爆発を起こした!大爆発は戦艦を内側から破壊し、外にまで衝撃が届く。

 

「うわぁ!」

 

既に月夜見王の戦艦から離れつつあった聖輦船はその波動を受けて大きくバランスを崩す。が、何とか持ちこたえ、再び航行を開始する。

そして肝心な月夜見王の戦艦は、艦の底部を残してそこから上が丸ごと吹き飛んでしまった。だがかろうじて浮かんでおり、デコボコに変わり果てた床の上に月夜見王は立っていた。天井が無くなった戦艦からは星空のような空間と大きな月が丸見えだった。

 

「くっくっく、やはり粉みじんになって消えたか」

 

月夜見王は勝ち誇ったように腕を組み直した。

 

「さて、ここからもう一度八意を回収し、都へ戻るとするか」

 

「どこが粉みじんになって消えた、だ。テメェの目はまだボケてたか?」

 

だが、その時聞こえたカカロットの声を聴いてその表情を変える。驚きに目を見開きながら正面を見ると、そこには爆発に耐えたカカロットと霊夢が居た。

 

「な、ありえん!いまの一撃で無事だなどと…」

 

服が少し破れてしまっているものの、カカロット自身はほぼ無傷である。

 

「この勝負、俺の勝ちだ!」

 

「ま、待て…!」

 

わなわなと震えながら後ろへ下がる月夜見王。だがそれなどお構いなしにカカロットは飛び出し、顔面へ肘打ちをくらわした。後ろへ倒れる月夜見王の背後から背中を蹴り、前へ押し出すとそこへまた移動し、腹を蹴りつける。

 

「『龍爪演舞』!!」

 

龍の爪のような炎を足に纏い、月夜見王に無数の蹴りを食らわし、反撃のスキを与えない。そして最後に、サマーソルトの要領で顎を思いきり蹴り上げた。

体が持ち上がりながら上へ吹っ飛ぶ月夜見王に急接近し、拳を振りかぶる。

 

「『超龍撃拳』!!」

 

その時、月夜見王は見た。カカロットの背後に浮かび上がる何者かのシルエットを。

 

「な…誰だキサマは!?」

 

それは摩多羅隠岐奈の姿だった。浮かぶその影を見て、月夜見王は身をすくませた。すると、カカロットは振りかぶった拳を放ち、月夜見王を殴る。

続いてパンチを放つ構えをとると、今度はその背後に茨木華扇の影が浮かんだ。またしても月夜見王はそれに驚き、カカロットのパンチをまともに腹に喰らった。

 

「うぐ…!」

 

さらにカカロットが攻撃を放つ予備動作を取るたびに、月夜見王の知らない者たちの幻影が目に入る。紅美鈴、星熊勇儀、そして聖白蓮。それを見るたびに何故か月夜見王は動けなくなり、カカロットの連撃を次々と受けてしまう。まるで幻となって月夜見王の目に映る彼女らが、カカロットの一挙手一投足を見守り、指南しているかのようだった。

 

「…貴様は!」

 

最後にカカロットは拳を大きく引き、そこに気を集中させる。そこに現れたのは、藤原妹紅の姿。妹紅はじっと月夜見王を見ると、やがて消える。

 

「これでトドメだ~!!」

 

「!?」

 

引いた拳を前に突き出すと同時に、拳から巨大な衝撃波を放つ。それは月夜見王に襲い掛かり、両腕を前に出してなんとか受け止めて耐えようとするがそれも敵わず、月夜見王を飲み込んだ。

 

「そ、そんな…馬鹿な…このわしが…ァ…!!」

 

戦艦の上で、大きな爆発が起こり、クレーターが形成された。

 

 

 

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