もしもカカロットが幻想郷に落ちていたら   作:ねっぷう

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第80話 「違う世界の孤高の戦士」

「来たわね…!」

 

サイヤ人が通るであろう地点で待ち構えていたブルマは、2つの強力な気が近づいてくるのを感じ取った。

上を見上げていると、ちょうどベジータとナッパがこの場へやって来た。

 

「女…?ラディッツを倒した奴は明らかに男だった…別の奴のようだぜ」

 

ナッパはブルマを見てそう言った。スカウターは通信機にもなっており、通信先のスカウターから音声を拾うことができるのだ。

 

「ああ…だがおれたちがここを通ることを知って待っていやがった。どうやらあの女、やるつもりのようだぞ」

 

二人はブルマの前に降り立った。

両者は睨み合い、乾いた風が草原に吹きすさぶ。

 

「念のため聞くけど、アンタたちの目的ってなによ?」

 

「俺たちはこの地球を売り飛ばすためにやってきたんだ。そのためにこの星の人間は全滅!邪魔するんならお前から殺すぜ」

 

「やってみなさいよ、ええ?」

 

ナッパは、挑発するブルマにスカウターの照準を合わせ、戦闘力を測定する。表示された数値を見たナッパは、それを嘲笑った。

 

「ふっ、戦闘力1210か、その程度でよくそんな口が叩けたもんだな。あのよわむしラディッツにすら勝てんとは」

 

「まぁいいさ…おれたちが出る幕もない。どうせこいつはラディッツを倒した奴じゃないんだ…目当てじゃないからな。栽培マンが6粒ほど残ってたはずだ、出してやれ」

 

ベジータは腕を組みながらそう言った。そう言われたナッパはポケットの中から透明な小瓶を取り出した。

瓶の中は黄緑色の半透明の液体が入っていて、その中に緑色の種のような粒が六個浮かんでいる。

 

「気味悪いわね…なによそれ」

 

「確かに六粒あるぜ…へっへっへ」

 

ナッパはおもむろにしゃがみ込み、ある程度の間隔を持たせて地面に指を突き刺して穴を空けていく。その穴の中に一粒ずつ先ほどの種のような物を埋めていく。

 

「この土ならいい栽培マンが育つな」

 

最後に瓶の中に残った液体を上から振りかける。

すると、ブルマが警戒する中、種を埋めた箇所の土の中から何か植物のようにも見える物体がメキメキと顔を出してきた。

 

「なんですって!?」

 

「グエ…」

 

こうして誕生した、赤い目をした植物のような怪人、サイヤ人が持つ兵器の一つである栽培マン。その六匹がブルマに向き直る。

 

「栽培マンどもよ、おれたちの代わりにその女を好きにしろ」

 

「ギ…」

 

「なめてくれちゃって…!」

 

「さぁいけ!」

 

「キキーッ!!」

 

栽培マンの一匹がブルマに襲い掛かった。振るわれる爪の一撃を受け止め、カウンターでパンチを喰らわせる。吹き飛ぶ栽培マンだが、すぐに地面に着地する。

そして次の瞬間、なんと頭部が縦に真っ二つに割れるようにして開き、その中から不気味な液体が噴き出した。

 

「!!」

 

ブルマは咄嗟に空中に飛び上がってそれを避けるが、液体がかかった地面がジュワジュワと溶けて溝のような跡を作っていた。どうやらあの液体は強力な酸が含まれた溶解液だったようだ。喰らえば無事では済まないだろう。

 

「ふん!」

 

だがブルマは怯まない。再び栽培マンとの距離を詰め、拳の連打を顔面へ浴びせた。

 

「おいベジータ、栽培マンとあの女ほとんど互角だぜ」

 

「そのようだな…このままでは時間がかかり過ぎる。おい、お前たちも加わってやれ」

 

「ギッ!」

 

ベジータは残る5匹の栽培マンたちに、一斉にブルマと戦うように顎で命令する。それを受けた栽培マンたちの内1匹は、ブルマの背後から飛び蹴りを浴びせた。

 

「なんの!」

 

振り返って反撃を叩きこむが、別の栽培マンに顔面を肘で打たれてよろめいた。それを皮切りに、6匹の栽培マンはブルマを痛めつけていく。

 

「ぐっ…!」

 

「わははは、いいぞ!やっちまえ!」

 

(情けない…サイヤ人と闘う前に、こんな奴らにやられるなんて…!)

 

栽培マンたちは一斉に頭を開き、中から溶解液を噴射する。地面に倒れ込んだブルマは、それを避けるすべを持たなかった。

しかし、溶解液を一斉に浴びようとしたその時だった。

 

シュン

 

空から降りてきた大きな影がブルマを攫った。溶解液は空振りして何もない地面にかかった。

 

「何者だ!?」

 

そう叫ぶベジータ。

 

「アンタは…ピッコロ!!」

 

ピッコロはブルマを地面に投げ捨てるように降ろすと、空中から急降下しながら1匹の栽培マンを蹴り飛ばした。蹴られた栽培マンは頭部は吹き飛び、ドサッと倒れ込む。

さらに状況が飲み込めていない他の栽培マンを次々と破壊して殺害していく。後ずさる最後の一匹に向けて指先からの衝撃波を命中させると、その一匹は四散して消滅した。

 

「貴様らがサイヤ人か?」

 

栽培マンをあっという間に全滅させたピッコロはそう言った。

 

「その通りだ、俺たちがサイヤ人だ」

 

「この声…そうか、お前がラディッツを倒した奴だな」

 

「ふっふっふ、如何にも。このわたしはピッコロ大魔王さまだ」

 

その横でブルマは起き上がろうとするが、栽培マンらによって受けたダメージのせいでなかなか体が思うように動かない。

 

「役に立たんヤツはそこで寝ていろ。あとでドラゴンボールを作り直してやる」

 

「ド、ドラゴンボール…」

 

その言葉を聞くと、ブルマはガクッと気を失った。

一方、ナッパとベジータは、ピッコロを奇異の目で見ていた。

 

「おい、こいつナメック星人だぜ」

 

「…ナメック星人?」

 

その言葉に心当たりのないピッコロはそう静かに口にする。

 

「なるほどな、ナメック星人は魔法染みた不思議な技を使ったり、道具を作るのが得意だという。ラディッツが勝てなかったのにも頷ける。おい、ピッコロとかいったナメック星人よ、そのドラゴンボールとやらが、ラディッツを倒した技か道具か?」

 

「バカが、ドラゴンボールは何でも願いが叶う球の事だ。ここで死ぬ貴様らには関係のないことだがな」

 

「腹立つ野郎だぜ…!!おいベジータよ、コイツの戦闘力はいくつだ?」

 

「ざっと見て3000だ!お前なら苦戦するほどでもなかろう、だが気を付けろ…ラディッツを倒した得体の知れん技があるはずだ」

 

ナッパは構えながら全身にオーラを溜める。バチバチとスパークが迸り、まるで地球そのものが震えているような圧倒的すぎる気迫だった。

 

「へっへっへ…さっそく片づけてやる」

 

そう言うと、一気に駆けだしてピッコロに殴りかかるナッパ。見ていたベジータもナッパの勝利を見透かしてにやりと笑い、ナッパの大振りだがすばやいパンチの一撃がピッコロを襲う。

…だがしかし、その一撃をピッコロは掴んで受け止めると、今度はそれを自分の方へ引き寄せ、釣られてこちらへ突っ込んでくるナッパの側頭部目がけて強烈なパンチによるカウンターを打ちこんだ。

 

「が…ぐ…!」

 

当たった箇所から血が流れ、赤くなって腫れた。ナッパは白目を剥いてうつぶせに倒れ込み、そのまま起き上がる気配が無い。さすがのベジータもこれには驚き、組んでいた腕を解いた。

 

「お前たち如きに魔封波は使わん。次、かかってくるがいい」

 

「馬鹿な…攻撃した瞬間からスカウターの数値が急激に上昇した…18000だと!?この俺と同等の戦闘力を引き出しやがった…!」

 

「どうした?来ないのか?」

 

「…どうやらオレも本気でやらざるを得ないらしいな…。光栄に思えよ、たかがナメック星人如きが超エリート戦士であるオレに遊んでもらえるんだからな」

 

「ふっふっふ、野蛮な猿野郎が…オレさまをガッカリさせるなよ」

 

ピッコロはゆっくりと構え、ベジータを睨む。

 

「戦闘力が同じでも格闘のセンスの違いという物を、身の程を持って教えてやろう!!」

 

ベジータは全身を気を込めながらピッコロに襲い掛かる。たがいに拳をぶつけ合い、いつくもの衝撃波を発生させながらその場を縦横無尽に移動し、激しい攻防戦を繰り広げる。

その実力はまさに互角!どちらも譲らず、全く疲れる様子もなく永遠と打ち合っていられるかのような気概を感じられる。

 

「ふはははは!さすがに少し消耗してきたか!?」

 

たが戦っているうちに、ややピッコロの動きが鈍って来た。それに比べ、ベジータは最初の勢いを保ったままだ。

そう、サイヤ人のタフネスさはピッコロの予想を超え、その差が早くもめている浮き彫りになり始めている。

 

「くっ…!」

 

後ろへ飛ぶピッコロ。だがそれを追いかけるようにベジータは突撃を仕掛け、ピッコロに頭突きを喰らわせた。

さらに吹き飛ばされるピッコロだが、すぐに態勢を戻すとベジータとかなり離れた位置からパンチを繰り出す予備動作を取る。それを見たベジータは不思議に思いながらも思わず笑いだす。

 

「ふははははっ!何をするかと思えば、そんな位置から攻撃か!?」

 

しかし、次の瞬間にピッコロの腕が急激に伸び、一気にベジータに迫った。

 

「なにっ!?」

 

伸びた腕から繰り出される拳は予想外の挙動に不意を突かれて動きが止まったベジータの顔面にヒットし、そのままの勢いで吹っ飛ばされる。さらにピッコロは跳躍し、吹っ飛んでゆくベジータを追いかけ先回りし、背中を思いきり蹴り上げた。

今度は上へ突き飛ばされるベジータだが空中で踏みとどまり、振り返って一発のエネルギー弾を撃った。ピッコロは手刀を作ってそれを弾き飛ばし、にやりと笑った。

 

「どうだ…このピッコロさまの力が少しは理解できたか?」

 

「おのれ…!」

 

サイヤ人が並外れたパワーや体力、そして戦闘のセンスを持っているとするならば、ピッコロにもまた特別な能力が備わっているのである。

この勝負、一体どちらに軍配が上がるのだろうか…!?

 




少し前にTwitterアカウントを作ったのですが今まで黙ってました。
もしよければフォロー等お願いします。これから小説についての裏話やキャラ設定などをちまちま投稿したいと思います。
→@nepuhamerun
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