コール オブ ジアビス   作:マインドルフ

23 / 25
第23話

今、ジョゼフ達が居る首都バチカルの北…

遠く離れたフェレス島廃墟群…

人気の無い港にひっそりと空母グラーフ・ツェッペリンが停泊していた

 

そこへフォッケ・アハゲリス Fa 223 一機が甲板に着陸し中からデートリッヒ大尉が降りてきた

 

国防軍少尉 「親衛隊デートリッヒ大尉でありますね?」

 

デートリッヒ「そうだ…」

 

国防軍少尉 「レーダー提督が艦長室で待っています…その前に腰に付けている銃をこちらに渡して下さい…」と左手を出す

 

デートリッヒは素直に腰に付けているホルスターごと外して渡した

 

 

艦長室…レーダー元帥は少々疲れた様子で椅子に座っていた

 

 副艦長 「レーダー元帥、親衛隊デートリッヒ大尉が 到着したようです」

 

レーダー 「すぐに連れてきてくれ」

 

 副艦長 「了解しました」

 

すぐにノックの音がして MP40を持った兵士3人に囲まれデートリッヒが入って来た

 

デートリッヒ「ハイルヒトラー!親衛隊デートリッヒであります。」手を挙げて挨拶をした

 

レーダーは一瞥し「…挨拶はいい…君がやった事は目に 余るものだ」と静かに話し始めた

 

デートリッヒ「………」

 

レーダー  「親衛隊に死人が出たそうじゃないか…隊長が犠牲になったと聞いた…それだけじゃない 、Uーボート1隻と陸に配備していた【フォッケ・アハゲリス Fa 223】2機も勝手に出撃させたそうじゃないか…これはどういう事だ?いつ親衛隊はドイツ海軍と空軍までを指揮するようになった……説明してくれ大尉…」

 

デートリッヒは動じることもなく「レーダー元帥は何か誤解をしています」

 

レーダー  「誤解とはどういう事かね?詳しく 聞かせてもらおうか…」

 

デートリッヒ「彼らは勝手に銃を持ち出し…魔物狩りをしたのです」

 

レーダーは眉をひそめ「魔物狩り?」

 

デートリッヒ 「ストレス発散の為にやったんでしょう…しかし、装甲車なみの魔物が現れた様で…死人は出ませんでしたがその小隊長は責任を取るのが怖くなり逃走しました…急いで捜索する為に フォッケ・アハゲリスを使わせてもらいました…その後キムラスカ王国に逃げ込んだという情報が入り、バチカルの首都近くにUーボートで待ち伏せしていたのですが…残念ながら時計塔で自分の頭を撃ち死にました…」

 

話し終えるのを待って「なるほど……今作った話としては上手く出来てるじゃないか」とレーダーが冷ややかに言う

 

デートリッヒは真顔で「全て事実です」と答えた

 

レーダー 「そうか、分かった…その話が本当なのかは 君の部隊員に…」

 

コンコン…ノックの音が響いた「誰だ?今取り込み中だ」

 

ケスラー 「親衛隊指揮官のケスラー大将です」

 

レーダーは眉間に皺を寄せ「……入れ」デートリッヒもケスラーを見る

 

レーダー 「ケスラー大将、君を呼んでいませんが… まさか、これは親衛隊の問題だと言うんじゃないでしょうね…」

 

ケスラー 「部下の失態は私の責任でもありますで…」と軽く頭を下げた

 

レーダー  「確かに親衛隊の指揮官は君だ…どうやって 責任を取るつもりだ」

 

ケスラーは考えるふりをしてから「しばらくの間、陸にいる親衛隊に国防軍の1部隊を見張りに付かせるのはどうでしょうか?」

 

レーダーは強い口調で「……いいだろう…ただし見張り役はこちらで決める…処遇が決定するまでデートリッヒ大尉を部屋に監禁する、連れていけ」

 

ケスラー 「その前に…私の部屋で少しだけ大尉と話をさせて下さい」

 

レーダーは渋々「……少しだけだ…」

 

ケスラーはデートリッヒに目配せし2人は出ていった

 

 

ケスラーの部屋へ入ると「申し訳ありません大将……自分のせいで…」とデートリッヒが頭を下げた

 

ケスラー  「別に構わないさ、レーダー元帥に気付かれるのは時間の問題だったからな…」

 

2人が話していると少将が入ってきた「私に用かケスラー…つまらん話だったらやめてくれ」

 

デートリッヒ「大将に向かってなんだその態度は!」

 

 少将   「国防軍なら敬語を使うが、親衛隊は別でな…敬語は使わん事にしているんだ」

 

ケスラーは間に入り「デートリッヒ大尉…私は気にしていない、それよりも少将あなたを呼んだのは他でも無い……監視役をやってくれないか?」

 

 少将   「何…監視役…どういう事だ?」

 

ケスラー  「毎日毎日暇だろう…プロパガンダ用に作った映画を何回も見て楽しいですかな?我々に協力してくれれば、その暇も消えますよ」

 

 少将   「…どういう事か話を聞かせてもらおう…」

 

 

 

 

 

 

 メイド  「こちらが客間になります」

    

客間には誰も居なかった

 

メイドが「少々お待ちください」と出て行くとすぐに別のメイドが来て飲み物とお菓子を置いていった

 

それに気付いてロバートが「おっ!いいねぇ気が利く…」

 

クルーガーも嬉しそうに「ああ、クッキーとお茶なんて…お茶はともかくクッキーは久しぶりだな」

 

 カール  「軍ではなかなか手に入らないからな」

 

ロバートは次々とクッキーを口に入れる…

 

アニスは呆気にとられた顔で「ちょっとロバート、そんなに食べたらイオン様の分がなくなっちゃうじゃん!」

 

 イオン  「アニス、別にいいですよ」

 

 アニス  「えぇ、でもイオン様もクッキー好きでしょう」

 

イオンは少し照れたように「今はそんなに欲しくありませんから…」

 

クルーガーが低い声で「ロバート、もうそれくらいにしとけよ」と言いながら視線を送る

 

ロバートは違和感を感じ「何?……」

 

クルーガー(◞≼◉ื≽◟゜;益;◞≼◉ื≽◟)

 

ロバート  「お、おう、そういえばお腹いっぱいだぜ……」

 

マインドルフ「これは……イギリスの紅茶と同じ味だ」

 

ジョゼフ  「イギリスの紅茶ですか?」

 

マインドルフ「ああ、バリの占領地区にある茶店で飲んだ事がある…店員が良い人でね、紅茶を注文すると『紅茶に合うクッキーです』とよく持って来たものだ……」

 

ジョゼフ  「紅茶にクッキーですか……」と紅茶を飲む

 

しばらく色々と話をしていたがジョゼフが席を立った

 

ジェイド  「ジョゼフ、どちらに?」

 

ジョゼフ  「お手洗いに行きたいんだが…」

 

メイドに案内され行くと驚いた「ここのトイレの機能は凄いなぁ……」

 

どんなだったか…

 

 

ジョゼフが客間に戻る途中ルークとガイに会った

 

ジョゼフ  「母親に会って来たのか?」

 

 ルーク  「あぁ…お前らはナタリアに会ったか?」

 

ジョゼフ  「いや…客間には誰もいなかったぞ」

 

 ルーク  「はぁ~いない?」

 

ガイは近くのメイドに距離をおきながら「なぁ、ナタリア姫は?」

 

 メイド   「姫様なら中庭でルーク様をお待ちです」と言いその場を離れて行った

 

 ガイ    「…で、行くのか?」

 

 ルーク  「はぁ~やだよ、そのうち向こうから来るだろう」

 

ジョゼフ  「行った方がいいんじゃないか」

 

 ティア  「きっと待ってるわよ」

 

ルークは面倒くさそうに「…わー、分かったよ行けば良いんだろ!」(ナタリアの性格を知らないくせに…)

 

中庭に行き「ナタリアの奴…何処にいるんだ」と探していると

 

 ティア  「あの人じゃない?」と指差した先に、寂しそうな顔をして花を見ている人影が見えた

 

ジョゼフ  「あれがナタリア姫か?」

 

 ルーク  「ああ…それにしても冴えねぇ顔してんなぁ…」

 

 ガイ   「ナタリア姫はお前が心配で…また誘拐されたと思っていたんだぞ」

 

ティアがルークを促す「早く、行ったら?」 

 

ルークはその場で「おいっ!そんな所で、何してるんだよ!」と大きな声で話しかけた

 

ナタリアはハッとして「………ルーク………ルーク!無事に帰って来たのですね!」とルークの元へ走って来た「良かった…またあなたが誘拐されたと思って…」

 

ルークは少しドキドキしながら「わ、悪かったよ心配かけて…でも戻って来たんだから良いだろう」

 

ナタリア  「まぁ!心配してたのに何その言い方はもう!…まぁ貴方らしいですけども…」

 

後ろにいるジョゼフを見て「…そちらの2人は?」

 

 ルーク  「ここに来るまで色々と助けてくれたんだ」

 

ナタリア  「ルークを助けていただき、お礼を言います…貴方は…?」

 

ジョゼフ  「ジョゼフ軍曹です」

 

ナタリア  「軍曹……見たこともない軍服ですわね……」

 

横からルークが「ジョゼフは……お前は信じるかな?」

 

ナタリア  「まぁ、それはどういう意味ですのルーク?」

 

 ティア  「…彼は別の世界から来たんです…」と知っていることを説明した

 

ナタリアは半信半疑で「別の世界から!?それは本の中の話じゃ…?」

 

 ルーク  「…ほら、信じないと思ったよ」

 

ナタリア  「信じてないとは言ってませんわ…別の世界から……他にも何人かいると言いましたわね?」

 

 ティア  「はい…他に4人です」

 

ナタリア  「その方々にも会って話を聞きたいですわ、何処にいらっしゃるのですか?」

 

 ティア  「客間に居ます」

 

話をしている間ガイはルークの後ろに隠れるようにしていたが…

 

 ルーク  「ガイ、ナタリアに何をしたんだよ?」

 

 ガイ   「いや…ここを出る時、ナタリア姫に何も言わずに行ったんだ…」

 

ナタリア  「ガイ!ルークの後ろに隠れていないで出て来なさい…私は怒っていませんわよ」

 

ガイは愛想笑いを浮かべながらそーっと出てきた

 

ナタリア  「無事に帰って来たのですから、皆さんで食事でもいかがですか…」

 

 

 

 

ナタリアと別れて客間に戻ると待ちくたびれた様子でロバートが「軍曹、いつまで待たせるんですか?」

 

 カール  「クッキーだけじゃお腹はいっぱいになりませんよ」

 

クルーガーとイオンは仲良くクッキーを食べている…それをアニスが横目で見ている

 

シェイドはからかうように「嫉妬しているんですかアニス?」と声を掛けてきた

 

アニスは大佐を見るとニコッとして「そう見えますか大佐」と歯を食いしばりながら答えた

 

 

 

 

夕食の時刻になり全員が揃うとナタリアがさっと席を立ち「自己紹介がまだでしたわね、私はナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアと申します。お見知りおきを」と挨拶をした

 

次にジョゼフが「アメリカ陸軍、ジョゼフ軍曹です。」

 

 カール  「カールであります!階級は特技兵であります!」

 

ロバート  「同じくロバート、階級は伍長」

 

クルーガー 「同じくクルーガー、階級は伍長…フォンマスターガーディアンでもあります…」

 

ナタリア  「えっ?」と クルーガーを2度見してしまった 

 

アニス(クルーガーの奴…フォンマスターガーディアンなんてどういうつもり!?)

 

シェイド  「ははは…面白い事を言いますねぇ」

 

ティア(全然面白く無いわよ…)

 

マインドルフが丁寧に挨拶をする「私はドイツ国防軍、マインドルフ中佐と申します、姫様」

 

一通り自己紹介が終わるとナタリアが「良かったら、そちらの世界の事を色々聞きたいのですが…よろしいでしょうか?」

 

マインドルフ「姫さまの頼みなら断れませんね…どんな事が聞きたいのですか?」

 

 

あれこれと話しをしているとあっという間に夜が更けていった…

 

ルークの元にメイドが来て「客人の部屋の用意が整いました」と報告があり解散となった

 

ナタリアは聞きたい事がまだ沢山あったが「それでは…また明日」と渋々城に戻って行ったのだ

 

 

 

ジョゼフ達と中佐は別々の部屋に通された…

 

部屋に入ってからジョゼフは黙り込んで何かを考えているようだった

 

ロバート  「軍曹、これからの事を考えているんですか?」

 

ジョゼフ  「…あぁ…」

 

ロバート  「俺たちの目的は、その…何だった?…」

 

カールがすかさず「瞬間移動装置の破壊」と答えた

 

ロバートはハッとして「そうだ!瞬間移動装置の破壊が目的だった…何で…何かが狂って…別にここが嫌いとかそういうんじゃないんだが……」

 

ジョゼフ  「ドイツ軍の動きが分からない今、下手に動いては…」

 

カールは思い出しながら「気になる事があるんですが…忘れていませんか?大尉の事…あの時近くに居たのは軍曹でしたよね…」

 

大尉も一緒に光に飲み込まれたはず…

 

ジョゼフ  「…確かに大尉を助けようと側に行った時、光に飲み込まれ…気が付いた時にはここの庭に倒れていた…が、近くには誰も居なかった…だがきっとこの世界の何処かにいる筈だ…当初の計画は瞬間移動装置の破壊だったが、そもそもグラーフ・ツェッペリンが何処にあるのかも分からない…しかしあれだけ大きい空母だ見つかるのも時間の問題だ」      

 

ロバート  「それもそうだな」

 

 カール  「商船や軍艦が目撃しているかもしれませんし…あちこちに当たってみましょう」

 

ジョゼフ  「ところでクルーガーの奴は何処だ?」

 

ロバートが辺りを見まわしながら「さぁ、トイレにでも行ったんじゃないのか」

 

カール(こんな大事な話の時に…)

 

 

その頃大佐と中佐の部屋では…

 

マインドルフは部屋に置いてあった本を見ながら「言葉の壁は無い……だが…文字だけは違うらしいな、全然理解できない」

 

ジェイド  「それは奇妙ですね…私はてっきり、言葉も文字も同じだと思っていました」

 

マインドルフはコートから小型の本を取り出した

 

ジェイド  「それは?」

 

マインドルフ「私の国の本だ」とジェイドに渡す

 

ジェイドはパラパラとめくりながら「ほぉ~…これは…初めて見る文字ですね」と興味深げだ

 

マインドルフはそれをチラッと見て「本の内容を知りたくないかね?」

 

ジェイド  「……なるほど、教える代わりにこちらも教えろと言う事ですね、中佐?」

 

マインドルフ「……さすがです大佐」

 

ジェイド  「何が知りたいのですか?」

 

マインドルフが真面目な顔で「……私も魔法を使えるようになりたいんだが…」

 

意外な提案にジェイドは「私が使ったのは魔法ではなく術技形態なのですが…なぜ使えるようになりたいのですか?」

 

マインドルフ「いや、ただ興味本意なのだが…」

 

ジェイドは額に手を当てて「ん〜そうですね〜あなたに使える…と言いましても私は人に教えたことがないんですよね…そもそも貴方にできるかどうか…」

 

マインドルフ「結構自信はあるんですがねぇ…」とやる気満々だった

 

 

 

 

クルーガーは地面を匍匐前進して鼻をクンクンしながら「匂う、匂うぞ!……この辺だ」

 

クルーガー(イオンを守れるのは俺だけだ!(^ω^) )

 

ニコニコしながらドアをそっと開けるとアニスの人形が殴る構えをしていた「……えっっ?(・Д・)」

 

 

イオンは本を読みながら「アニスどうかしましたか?」

 

 アニス  「なんでもありません、ちょっと虫が居ただけです…もう追い払いました」

 

 イオン  「………」

 

クルーガーが白目をむいて倒れているとロバートが通りかかり「ここのトイレって凄いなぁ……ん?何でこんな所で寝てるんだよ、部屋に戻るぞ」とクルーガーをおんぶして運んで行った

 

 

翌朝メイドが起こしに来てくれた

 

ロバートはブーツの紐を結びながら「女性に起こしてもらえるなんて…母親以来だぜ」とご機嫌だ

 

カールがクルーガーを見るとまだ白目で寝ている事に気付いた「うわぁ~何で白目?」

 

ジョゼフ  「クルーガーを起こしといてくれ、俺はルークの部屋に行ってくる」と行ってしまった

 

ロバートはクルーガーをチラッと見て「嫌な仕事を押し付けたなぁ…」と言いながら次にカールを見た

 

カールは窓の外を眺めながら「本当ですよねぇ…」と他人事のように答えた

 

クルーガー 「イ・イオン…イオン」

 

 

 

 

ルークが着替えているとジョゼフが入ってきた「さっきメイドと何を話していたんだ?」

 

 ルーク  「あぁ、叔父上が俺達に話があるから来いって」

 

ジョゼフ  「和平の話が決まったのかもしれないな」

 

 ルーク  「それでも何で俺達まで呼ぶんだよ?」

 

ジョゼフ  「…さぁな…」

 

 

ジョゼフ達全員が城へ呼び出され王の間へ通された

 

すぐにキムラスカ王国のインゴベルト6世陛下が正面の扉から現れ…隣にはナタリアが居た

 

陛下が中央の玉座に座るとナタリアはその右側に腰を下ろした

 

ロバートが小声で「赤いマントも王冠も着けていないぜ…」

 

ジョゼフが(今は静かにしていろ)と目配せをする

 

インゴベルトはジョゼフを見て「ナタリアが言っていたのはお前達か…」

 

ジョゼフ達は敬礼をした

 

インゴベルト「ふむ…ところで親書だが…検討した結果、マルクト帝国と和平交渉をする事になった…だがある条件を満たせばの話となる」と続けた…

 

マルクトの条件とは『帝国領土の鉱山アクゼリュスで大規模な障気が発生…その救援要請だ』

 

その救援隊の責任者にルークが親善大使として任命されたというものだった

 

ルークは嫌そうな顔で「なんで俺なんだよ…もう外に出るのはまっぴらだ!」

 

インゴベルト 「そう言う訳には行かん、お前じゃないといけない理由がある…譜石を持って来い」

 

すると巨大な石が運ばれてきた…黄色・緑色…光の加減で次々と色が変化していく、そこには白い文字らしきものが刻まれていた 

 

ロバートは目を白黒させ「何だエメラルドか?」

 

クルーガーも不思議そうに「…なぁイオンあれは何だ?」

 

イオンは小声で「あれは譜石です、スコアとも呼ばれています」と答えた

 

インゴベルト6世はティアを呼びスコアを読むように言った

 

ティアはスコアを見て『”ND2000”ローレライの力を継ぐ者キムラスカに誕生する 王族に使える赤い髪の男子なり 名を聖なる焔の光と申す』

          

ジョゼフは頭の中で、いつか夢の中に出てきた女の言葉が横ぎっていった…「聖なる焔と共に」

 

 ルーク  「何だよ…さっぱり分かんねえよ…」

 

インゴベルト「これはお前の事だ…ルークという名は古代イスパニア語で聖なる焔という意味だ…」

 

ジョゼフ(聖なる焔の光…ルークの事だったのか!)

 

 ティア  『”ND2018”ローレライの力を継ぐ若者 人々を引き連れ鉱山の町へ向かう…』と続けた

 

 

 

話が一通り終わり…明日の朝早く出発する事に決定した

 

ロバートはアニスに「なぁ…さっき見た、あの巨大なエメラルドは何だよ?」

 

 アニス 「あれは譜石ですよ」

 

ティアは神妙な面持ちで「星の始まりから終わりまでが記録されているの…」

 

 アニス 「譜石を読めば未来の事が分かるのです」

 

ロバート 「そんな物があるから取り合いになって、戦争になるんじゃないか?」

 

 アニス 「譜石を管理し守るのが、我々ローレライ教団の任務です…ちなみに譜石は普通の人には読めないんです」

 

ジェイド 「譜石の取り合い……15年前の戦争もそれが原因でした」と苦々しく答えた

 

 アニス 「そっちの世界には譜石に似た様なものはないの?」

 

ロバート 「ノストラダムスの予言かなぁ」

 

 アニス 「……何それ?」

 

ヴァンがジョゼフの肩に手を置き小声で「少し話せるか」と言ってきたので、ヴァン・ジョゼフ・ルークの3人はバルコニーへ出て行った

 

ジョゼフ 「ルークもいるって事は、超振動の件か?」

 

 ヴァン 「それもあるが……2人ともアクゼリュスの件が片付いたら一緒にタアトに行かないか? お前たちの力は物凄い威力だ……それが2人も…きっと軟禁されてしまうだろ」

 

突然の提案にジョゼフとルークは戸惑ってしまった

 

 ヴァン 「それにタアトに行けば沢山の書物がある…元の世界に戻る方法が分かるかもしれないし行って損は無い」

 

ジョゼフ 「確かに貴方の側にいれば、元の世界に戻れる方法が見つかるかもしれない…しかし、アクゼリュスまで考えさせてくれ」

 

 ヴァン 「分かった…」

 

ヴァンが口ごもるのを見てジョゼフが「どうした?」と聞くと

 

ヴァンは真剣な眼差しでルークを見て「やはり、あの事も……」と話し始めた「実は…7年前、ルークを誘拐した犯人は…私だ」

 

ジョゼフとルークは凄く驚いた「ええっっ!先生がぁ?」

 

 ヴァン 「記憶を失う前に…お前は超振動実験を受けていた… 苦しかったのかまだ子供だったお前は私に助けを求めて… あの時はタアトに逃げるのを失敗したが…今度はしくじったりはしない…ルークお前が必要だ、ジョゼフもだ」

 

 ルーク 「俺が必要……分かったよ俺先生と一緒について行くよ!」と意気揚々と答えた

 

ジョゼフ 「……」

 

 

ルーク達を探していたカールとナタリア姫は偶然にも耳にしてしまった

 

ナタリア 「聞きました?」

 

 カール 「は、はい」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。