誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

112 / 463
相変わらず文才無しですが、ゆっくりしてってね


第112話

人里に買い出しにやって来たザーボンと華扇は、其処で財布泥棒と遭遇した。しかし、犯人はザーボンの手により難無く捕らえられ、すぐに役人に引き渡された。その財布の持ち主は、人里で鍛冶屋を営んでいる唐傘御化けの多々良小傘であった。現在、ザーボンと華扇は彼女と共に甘味処へとやって来ていた。其処で、ザーボンが幻想入りした経緯や事情を説明していた

 

小傘:成る程…彼は外来人である事や、色々大変だったと言う事は何となく理解しました。

 

華扇:付け加えると、今はこの私の元で修行をしつつ、共に暮らしているんですよ。

 

小傘:ほぇー…

 

華扇:彼が来てくれた御蔭で、色々と助かっていますよ

 

ザーボン:いえ、まだまだですよ。此方の世界…いえ、この人里の何処に何があるかすらも分からない状況なので…

 

小傘:それじゃ、この後わちきが人里を案内してあげますよ。

 

ザーボン:此方としては有難い御話なのですが…御迷惑なのでは?

 

小傘:先に迷惑を掛けたのはわちきの方ですからそれに、困った時は御互い様と言いますし

 

華扇:折角の御誘いです。案内を兼ねて、3人で人里巡りでもしましょうか。

 

ザーボン:助かります。では、宜しく御願いします。

 

小傘:分かりました

 

それから暫く後、甘味処を出た3人は、人里の色々な所を巡って行った。しかし、3人はその道中で度々トラブルに見舞われる事になった。川で溺れてる子供を救出したり、店先の商品が崩れ落ち、それを元に戻す手伝いをしたり、迷子のペット探しを頼まれたり…3人は、その全てを解決して回ったのだった。そうこうしている内に、すっかり夕方になってしまっていた

 

小傘:うーん…こうもあちこちでトラブルに巻き込まれるなんて…今日は厄日だったのかなぁ…

 

ザーボン:まぁこんな日もありますよ。

 

小傘:でも、少しでも人間達の役に立てたなら、それで良いかな

 

華扇:…貴方、本当に変わってるわね。妖怪でありながら、里の人間達の役に立つ事を喜ぶなんて…

 

小傘:わちきは、こんなわちきを受け入れてくれたこの里や、此処に住んでる人間達が大好き…だから、少しでも皆の役に立ちたい…

 

ザーボン:・・・

 

小傘:なーんて…本当、わちきは妖怪失格ですよね…

 

華扇:そうでしょうか?

 

小傘:えっ?

 

華扇:妖怪にだって、心はあるんです。人間が大好きで、人の為に尽力したいと思う妖怪が居たって良いと思います。

 

ザーボン:私もそう思います。貴方の生き方、嫌いではありませんよ。

 

小傘:そう…ですかね…

 

褒められ慣れていないせいか、照れ笑いを浮かべる小傘であった

 

華扇:今日はもう日が暮れますし、この辺りで解散にしましょうか。

 

ザーボン:はい。

 

小傘:でも、色々あったせいで、里の隅々までは案内しきれませんでしたね…

 

ザーボン:もし小傘さんさえ宜しければ、明日も案内をして頂けませんか?

 

小傘:勿論良いですよ

 

ザーボン:有難うございます。

 

小傘:それじゃ、失礼しますねザーボンさんに仙人様、また明日

 

ザーボン:はい、また。

 

華扇:御気を付けて

 

小傘:はい

 

小傘は、2人に手を振りながら移動を開始した

 

華扇:さぁ、我々も帰りますよ。

 

ザーボン:はっ!

 

小傘を見送った後、2人も移動を開始した。それから暫くして…

 

小傘:人助けもしたし、今日は気持ち良く眠れそう

 

正邪:何が人助けだ…下らねぇ…

 

小傘:えっ?

 

突然声を掛けられ、足を止めてキョロキョロと辺りを見渡す小傘。そんな彼女の前に、鬼人正邪が姿を現した

 

小傘:あ、貴方は指名手配中の…

 

正邪:鬼人正邪だ、宜しくな。

 

小傘:な、何の用?

 

正邪:何、ちょいとお前に話があってな。

 

小傘:…生憎、わちきは貴方と話す事なんか無いよ。

 

正邪:まぁ待てよ…

 

正邪を無視し、足早にその場から立ち去ろうとした小傘だったが、正邪に道を塞がれてしまった

 

正邪:お前、人間共が大好きなんだってな?

 

小傘:…そうだけど?

 

正邪:本当にそうか?

 

小傘:えっ?

 

正邪:調べは付いてるぞ。お前、人間に捨てられて妖怪になったらしいじゃねぇか?

 

小傘:…それが何か?

 

正邪:口では大好きだとか言っても、本当は人間共を恨んでるんじゃねぇのか?

 

小傘:そ、そんな事…

 

正邪:自分を捨てた人間共に、復讐したいと思った事くらいあるだろ?

 

小傘:それは…

 

正邪:人間共だけじゃねぇ…ちょっと力が強いってだけで、私達みたいな力の弱い妖怪を虐げる連中…ソイツ等に復讐したいとは思わねぇか?

 

小傘:・・・

 

正邪:正直に言って良いんだぜ?私はお前の味方だ…

 

小傘:わちきは…

 

正邪:お前の中に眠る負の心、解き放ってやるよ…

 

正邪は、動揺する小傘の体に邪気の塊を撃ち込んだ。小傘の両目は赤く光り、全身から邪気が溢れ出した

 

正邪:どうせ暴れるなら、人間共が多い昼間が良いか…ククク…明日が楽しみだぜ…

 

正邪は、闇の力に飲まれた小傘を連れてその場から移動した

 




小悪魔:今度は小傘さんが凶暴化を…

作者:力の弱い彼女だけど、正邪の力があれば…と言う感じにしたい。

小悪魔:只でさえゴリ押しが過ぎる駄作なのに…ちゃんと表現出来るんですか?

作者:分からん。

小悪魔:おい…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。