後編じゃありません、中編です
翌日の早朝、俺は人里へとやって来た。到着すると、既に妹紅が待っていた。どうやら、妹紅のダチが俺に挨拶したいと言い出したらしい。妹紅に案内され、俺は寺子屋へと向かった。其処に居たのは、銀色の長髪に中世的な顔立ちをした1人の女だった
???:貴殿がラディッツ殿か。貴殿の活躍は、天狗の新聞や妹紅から聞き及んでいるよ。成る程、噂に違わぬ逞しい御仁と御見受けする。
ラディッツ:そりゃどうも。えっと…アンタ、名前は?
慧音:っと…自己紹介もせずに失礼した。私の名前は、上白沢慧音。この寺子屋で子供達に手習いを教えている者だ。
ラディッツ:上白沢慧音ね…
慧音:此度は、私の代役を引き受けてくれたそうで…御礼を申し上げるよ、ラディッツ殿。
慧音は、俺に向けて頭を下げて来やがった。その姿勢は、正にガキ共の見本と言うに相応しい程キチンとした物だった
ラディッツ:慧音、余り堅苦しいのは勘弁してくれ。貴殿だとか御仁だとか、むず痒くて仕方ねぇ。
慧音:そう言う訳にはいかない。貴殿にも色々と予定がある筈なのに、無理を言って来て貰っているんだ。だから、こうして礼儀を尽くすのは当然の事だよ。
ラディッツ:むぅ…
妹紅:此奴は、真面目が服を着て歩いてる様な奴だ。一度こうと決めたら、何があっても曲げないぞ。
ラディッツ:難儀な奴だな…
妹紅:ま、それが長所でもあるんだがな。
ラディッツ:フム…
慧音:早速で恐縮なのだが、もうすぐ授業が始まる。授業の準備は此方で済ませておいたので、生徒達が待つ教室に向かって欲しいのだが…
ラディッツ:了解した。只、何分育ちが悪いもんで、ガキ共相手に上手くやれるかは分からんが…出来るだけの事はさせて貰おう。
慧音:宜しく頼む。私は、此処で溜まった事務仕事を片付けているよ。
妹紅:おい、今日はゆっくり休めって言っただろ?
慧音:心配は無用だ。私は頗る健康だ、無理もしてないさ。
妹紅:けど…
慧音:さっきも言ったが、私は此処に居る。何か問題が起きたら、すぐに声を掛けに来てくれ。
ラディッツ:あぁ、分かった。
慧音に言われた通り、俺はガキ共の待つ教室へと向かって移動を開始した。扉の前で一呼吸入れた後、教室に足を踏み入れた
フラン:あ!御兄ちゃんが来たよ!
チルノ:うわ、本当に慧音先生じゃ無いんだ。
ルーミア:なのだー
大妖精:ラディッツさん、御久し振りです
入室して早々、見慣れた顔が幾つも見えた。それは、最近寺子屋に通い出したばかりのフランとバカトリオ…いや、違うな。大妖精とオマケのバカ2人だった。他にも何人か居るが、それはまた後で紹介するとしよう…
ラディッツ:何だ、生徒ってのはお前達の事だったのか。
チルノ:モジャ毛、アンタにあたい達の先生が務まるかな?
大妖精:チルノちゃん…
フラン:御兄ちゃんなら大丈夫だよ
ラディッツ:余り期待はするなよ?
大妖精:フランさん。代理とは言え、今日のラディッツさんは私達の先生なんですから、御兄ちゃんじゃなくて先生って呼んだ方が良いんじゃないですか?
フラン:あ、それもそうだね。えっと、じゃあ…御願いします!先生!
大妖精:先生、宜しく御願いします
ラディッツ:そう言うのは要らねぇよ。いつも通りで構わん。
ルーミア:そーなのかー。
フラン:良いの?
ラディッツ:あぁ。
チルノ:あたい的には、その方が堅苦しく無くて良いや
大妖精:まぁラディッツさんがそう言うなら…
ラディッツ:兎に角、全員席に着け。出欠を取るぞ。
俺の指示で、其処に居る全員が席に着いた。数えて見ると、全部で6人か…
ラディッツ:名前を呼ばれた奴は返事をしろ。フラン。
フラン:はーい
ラディッツ:チルノ。
チルノ:おう!
ラディッツ:ルーミア。
ルーミア:なのだー
ラディッツ:大妖精。
大妖精:はい!
ラディッツ:次…ミスティアってのは何奴の事だ?
ミスティア:はい、私です。
頭頂部に羽根の飾り(?)がある帽子を被り、背中に羽根を生やしたピンク色の髪の女が手を挙げて答えた
ラディッツ:本名は、ミスティア・ローレライ。夜雀の妖怪か。宜しく頼むぞ。
ミスティア:はい此方こそ
見るからにバカ丸出しのチルノやルーミアと比べると、ミスティアは幾らか賢そうに見えた…
チルノ:みすちーの鳥頭は筋金入りだよ。正に、3歩歩けば物事を忘れるって奴だね。
ミスティア:わ、私はそんなにすぐは忘れないから!少しは覚えてられるからね!
ラディッツ:つまり、忘れはするのか…
ミスティア:うぐぅ…
チルノ:アッハッハッ
ラディッツ:お前のバカさ加減は、人の事を笑ってられんと思うぞ?
チルノ:何だと!バカだって言った方がバカなんだぞ!バーカバーカ!
ラディッツ:じゃあ、2回もそれを言ったお前は大バカだな。
チルノ:はぅっ!
ラディッツ:まぁ良い…次は…リグル。
リグル:はい。
ミスティアの横に居た、緑色のショートヘアと頭の触覚、背中の虫の様な羽根が特徴のボーイッシュな奴が答えた
リグル:リグル・ナイトバグって言います。宜しく御願いします、先生。
ラディッツ:あぁ、宜しくな。
しっかりと御辞儀をして挨拶をして来たリグルもまた、チルノやルーミアと比べると賢そうに見えた。と言うか、見た目や言動でバカと分かるこの2人と比べると、大体の奴がそう見えるんだが…
ラディッツ:リグルは、蛍の妖怪だそうだな。
リグル:はい、そうです。
ラディッツ:今更だが…一言で妖怪と言っても、色々な奴が居るもんだな…
リグル:そうですね。
ラディッツ:まぁ取り敢えず、コレで全員の様だな。1人も欠席してないとは感心だな。
チルノ:だろ?もっと褒めても良いんだぞ?
ラディッツ:丁重に断る。
チルノ:おぉう…
ラディッツ:無駄話は此処までにして、授業を始めるぞ。最初の教科は算数か…よし、全員筆記用具と教本を用意しろ。
俺の指示に従って各々教本と筆記用具を取り出し、最初の授業が始まった
ラディッツ:リンゴが2個、蜜柑が3個ある。合わせて幾つか、分かる奴は手を挙げろ。
問題を読み上げてすぐ、その場に居た全員が手を挙げた。その中でも、矢鱈と元気が良い奴が居た訳だが…
ラディッツ:チルノ、答えてみろ。
チルノ:あたいは、リンゴよりバナナの方が好きだ!
ラディッツ:お前の好みはどうでも良いんだよ。それよりさっさと答えろ。
チルノ:お、おぉ…えっと…リンゴが2個と蜜柑が3個で…あうぅ…
計算を始めて暫くして、チルノの頭から湯気が出始めた。どうやら、考え過ぎて頭がショートしたらしい
ラディッツ:幾ら何でもポンコツ過ぎるだろ…もう良い、座れ。
チルノ:プシュー…
チルノは、頭から湯気を出しながら机に突っ伏しやがった。すぐ横に居た大妖精が慌ててチルノの介抱を始めた
ラディッツ:フラン。悪いが、チルノの代わりにお前が答えてくれ。
フラン:はーいリンゴが2個と蜜柑が3個、合わせて5個だよ
ラディッツ:よし、正解だ。
正解して得意満面のフランに対して、周りから拍手が送られ、更に皆とハイタッチを交わし合っている。この程度のレベルで大袈裟な…とは思ったが、フランの楽しそうな姿を見て、それは心の中に仕舞っておく事にした。その後も幾つか問題を出し続けたが、チルノとルーミアだけがポンコツっぷりを披露しまくった。次の国語の授業では、簡単な漢字の書き取りをさせたのだが、やはりこの2人が散々な結果だった。此奴等の知能指数はたったの5…いや、0を下回って軽くマイナスまで行ってるな…ゴミ過ぎるだろ…逆にフランと大妖精の成績は優秀で、ミスティアとリグルも平均以上と中々の出来だった。俺はガキ共に自習を言い付け、慧音達にその事を話しに行った
慧音:やはり、チルノとルーミアに手を焼いているのか…
ラディッツ:あぁ…
慧音:素直で良い子達ではあるんだが、頭を使うのが苦手過ぎるのが何ともな…
妹紅:苦手だとしても、限度ってもんがあるだろうけどな…
ラディッツ:慧音、俺に考えがあるんだが…
慧音:考え?
ラディッツ:あぁ。アンタのやり方とは大きく違うから、反感を買うかも知れんのだが…
慧音:その考えとは?
ラディッツ:それはな…
俺は、反対される事も覚悟の上で慧音達に自分の考えを話した
慧音:それは、確かに私とは違うやり方だな。
ラディッツ:だろうな。本来ならば、勉強するべき場所でこんな事をする事自体おかしい話なんだろうが…
慧音:だが、貴殿はやってみたいと思った訳だな?
ラディッツ:あぁ。
慧音:フフ…
ラディッツ:やはりおかしいか?
慧音:いや、そうじゃないんだ。その考えは、石頭な私では到底思い浮かばない事だと思ってな。
ラディッツ:・・・
慧音:今のあの子達の先生は貴殿だ。貴殿のやりたい様にやってみてくれ。
ラディッツ:あぁ、スマン…
慧音達に話をした後、俺はガキ共が待つ教室に戻った。俺が何をするつもりなのか…其奴は次回の御楽しみって奴だぜ
作者:いつも通り、短編が5話で終わる等と…
小悪魔:それ以上は言わせませんよ?
作者:あーう☆
短編だけど、もうちょっとだけ続くんじゃ