誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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ラディッツ、寺子屋の先生になる?(後編)

始まります


第151話

慧音と妹紅に自分のやりたい事を伝えた所、やってみてくれと許可を得た。早速教室の扉の前に戻って来た俺だったが、何やら中が騒がしい…扉を開けて入室すると、其処では紙飛行機をどれだけ長く飛ばせるかと言う勝負が行われていた。まぁ此奴等が大人しく自習等してるとは端から思って無かったがな…言い出しっぺはチルノで間違いねぇだろう…すぐに俺に気付いたガキ共は、全員ハッとして動きを止めた

 

チルノ:あっ…ヤバ…

 

フラン:お、御兄ちゃん…

 

ルーミア:戻って来たのだー。

 

大妖精:だから止めようって言ったのに…

 

リグル:ラディッツ先生、私達は止めようとしたんです!

 

ミスティア:そ、そうなんです!でも、チルノちゃんとルーミアちゃんが聞かなくて…

 

チルノ:いやいや!皆もノリノリで盛り上がってたじゃんか!なのにあたい達だけ悪者扱いとか狡いぞ!!

 

ルーミア:そーなのだー!

 

俺に怒られると思ったのか、教室内はシーンと静まり返った。だが…

 

ラディッツ:元気が有り余ってる様だな。なら、もっと楽しい事をしようじゃねぇか。

 

フラン:楽しい事?

 

ラディッツ:そうだ。全員、すぐ校庭に出ろ!

 

ポカンとしてるガキ共を連れて、俺は校庭に移動した。何をする気かって?それはな…

 

ラディッツ:よーしガキ共!今からドッジボール大会を始めるぞ!

 

他全員:ドッジボール大会?

 

ラディッツ:そうだ。但し、変則ルールでの勝負だがな。

 

大妖精:変則ルールとは?

 

ラディッツ:お前達6人は、全員同じチームだ。相手は俺が1人でしてやる。俺に1発でも当てられたら、その時点でお前達の勝ちだ。

 

リグル:そ、それは流石に・・・

 

ミスティア:幾ら何でも、先生側が不利過ぎるんじゃないですか?

 

大妖精:そ、そうですよ!

 

ラディッツ:嘗めるなよ?俺だって、毎日遊んでばかり居る訳じゃない。コレくらいのハンデ、どうって事無いんだよ。

 

チルノ:ハッ!最強のあたい達とハンデ戦をしようだなんて、随分と自信満々じゃないか!赤っ恥かかせてやる!覚悟しろ!

 

ルーミア:やるのだー!

 

フラン:アハ燃えて来ちゃった♪

 

ラディッツ:フン…何処からでも掛かって来い!遠慮は要らんぞ!

 

ガキ共にボールを投げ渡した瞬間から、ドッジボール大会が始まった。開始早々からフラン、チルノ、ルーミアの3人が猛攻して来たが、俺はそれらの全てを回避し続けた。大妖精、ミスティア、リグルはと言うと、俺への申し訳無さからか控え目な攻撃しかして来なかった。まぁチルノ達が居る手前、全く攻撃しないって訳じゃ無かったがな…

 

視点変更(慧音)

 

私と妹紅は、職員室(と言っても、教師は私しか居ないんだが…)の窓から校庭の様子を見学していた

 

慧音:ドッジボール大会とは、変わった思い付きをした物だな。

 

妹紅:あの男の事だ。半分は自分の鍛練の為の発案なんだと思うがな。

 

慧音:目的がどうであれ、彼は生徒達の心を一気に掴んだ。もしかしたら、彼は教師に向いてるのかも知れないな。

 

妹紅:教師って言うには、少しばかり荒っぽ過ぎる気がするけどな。

 

慧音:何にせよ、皆が楽しそうで何よりだ。

 

妹紅:ガキ共は元より、ラディッツも良い顔してるな。

 

慧音:全くだな。それはそうと…

 

妹紅:何だよ?

 

慧音:お前は、彼にアプローチしてるのか?

 

妹紅:ブッ!い、いきなり何言い出すんだよ!私は別に、彼奴の事なんか何とも思って無いぞ!

 

慧音:おや、そうなのか?お前の話じゃ、竹林の事件では彼に恩が出来たそうだし、泣いているお前に肩を借してくれた事もあったそうじゃないか。それに、最近のお前は二言目には彼の話をし出している物だから、私はてっきり…

 

妹紅:ぐっ…まぁ彼奴には色々世話になってるし…こんな私を女として扱ってくれて、気遣ってくれて…だから、感謝はしてるさ…けど、私は不老不死の化け物で罪人だ。奴とは釣り合わないし、そんな権利も無いさ…

 

慧音:やれやれ…

 

妹紅の表情は悲しげだった。不老不死の彼女は、どんなに大切な存在が出来たとしても、いつか必ず先立たれる運命にある。そんな辛い気持ちを味わうくらいなら、このまま遠くから見守るだけで良い。そう考えているのだろう…

 

慧音:私としては、親友に後悔等して欲しく無いんだがな…

 

妹紅:ムッ…

 

慧音:聞けば、彼の寿命は普通の人間と変わらないらしい。つまり、彼と共に過ごせる時間はそう長くは無い…だからこそ、やらずに後悔するくらいなら、やれるだけの事をやってみる事を強く薦めるよ。どんな結果になろうともな…

 

妹紅:やれるだけの事を…か…

 

慧音:ま、頑張ってみるんだな。

 

妹紅:…ちょっと台所を借りても良いか?

 

慧音:御自由に。

 

妹紅:悪いな。

 

そう言うと、妹紅は台所へと向かった。何をするつもりなのかは、大体察しが付いた。それから数時間後…

 

ラディッツ:ふぅ…スマンが、少し休憩させてくれ。

 

チルノ:何だよ!もうヘバッたのか?

 

ルーミア:体力無しなのだー♪

 

ラディッツ:バーカ、小休止だ。終わったらまた相手をしてやるよ。まだ勝負は終わってねぇからな。

 

チルノ:まぁそれなら良いけど…

 

ラディッツ:ふぅ…

 

ラディッツ殿は、寺子屋を囲んでいる壁に凭れ掛かって座り込んだ。どうやら、少しばかり休憩する事にしたらしい。体を鍛えてるとは言え、元気が有り余った子供達6人をたった1人相手にしていたのだから、疲れたとしても無理は無い事だが…当の子供達はと言うと、3対3にチーム分けをしてドッジボールを続けている。本当に元気な子達だ。と、其処へ…

 

妹紅:よっ、御疲れ。

 

ラディッツ:妹紅か…

 

妹紅:ホラよ、差し入れだ。簡単なもんで悪いがな。

 

ラディッツ:あぁ、スマンな。

 

妹紅は、彼に御茶と御握りを差し入れしている。そう…妹紅は、彼への差し入れを作る為に台所へと向かったんだ。彼は、早速その御握りと御茶に口を付けている。妹紅は、そんな彼の少し横でもんぺのポケットに両手を入れながら壁に凭れ掛かっている

 

ラディッツ:ん、悪く無い味だ。

 

妹紅:そりゃどうも。

 

ラディッツ:最近、調子はどうだ?

 

妹紅:まぁボチボチだ。其方は?

 

ラディッツ:同じくだ。

 

妹紅:そうか、何よりだ。

 

私の所からでは、2人が何を話しているかは聞き取れない。恐らく、他愛無い世間話なのだろう。しかし、2人共とても楽しそうに話していた。特に妹紅は、普段の冷静さや先程の悲しげな顔が嘘の様な笑顔を見せていた。その笑顔は、私と接してくれている時と同じく、普通の女性のそれと何ら変わり無い物だった

 

慧音:妹紅…そうやって笑い合える人と出会えたんだな…

 

私は、そんな2人の姿を見て目を細めた。その後、小休止を終えた彼は子供達とのドッジボールを再開した…のだが、相も変わらず6人の攻撃を躱し続ける彼に業を煮やしたフランが4人に分身し、チルノやルーミアと共に弾幕を乱射したりと、明らかなルール違反があった…だが、彼にはその猛攻すらも全く当たらないまま、時間だけが過ぎて行った。結局、ドッジボール大会(途中から完全に一方的な弾幕勝負)はラディッツ殿の完全勝利で幕を閉じ、夕刻となった…

 

フラン:はぁ…はぁ…流石御兄ちゃん、私達の攻撃が全然当たらないなんて…

 

チルノ:クッソー!こんなのインチキだ!無効試合だ!

 

大妖精:途中からインチキし出したのは私達の方なんだけどね…

 

ルーミア:ラディッツは凄いのだー。

 

ミスティア:と言うか、凄過ぎですよ!。

 

リグル:私達の完敗です・・・

 

ラディッツ:中々良いトレーニングになった、感謝するぞ。

 

チルノ:何だその余裕は!所謂アレか!6人掛かりでならモジャ毛に勝てるだ等と、その気になっていたあたい達の姿は御笑いだったって奴か!

 

大妖精:その気になってたのはチルノちゃん達だけだよ…

 

チルノ:くっ…

 

ラディッツ:少し大人気無かったか?

 

妹紅:元からハンデがあった上、向こうは途中からルールすらガン無視してたんだし、構わないだろ。

 

ラディッツ:そうか?

 

妹紅:あぁ。

 

慧音:御疲れ様。

 

私は、賑やかにやっている皆の所へと向かった

 

大妖精:あ、慧音先生。

 

慧音:勝負の様子は見ていたよ。流石はラディッツ殿、紫殿に認められるだけの事はあるな。

 

ラディッツ:何、俺なんてまだまだだ。もっと上を目指さねば…

 

慧音:見上げた向上心だ。私も見習わなければな。

 

妹紅:同じくだ。

 

チルノ:モジャ毛!今日はこの辺で勘弁してやるけどな!次はこうは行かないぞ!このまま勝ち逃げなんて許さないからな!

 

リグル:それ、負けた方が言う台詞じゃ無いと思うけど…

 

ラディッツ:悔しかったら、いつでも掛かって来い。返り討ちにしてやるからよ。

 

チルノ:うがーっ!

 

ミスティア:勝負云々は抜きにして…ラディッツ先生、今日は本当に有難うございました。

 

リグル:とっても楽しかったです。

 

フラン:御兄ちゃんの授業、スッゴく分かりやすかったよ。

 

ラディッツ:そうか、そりゃ良かった。

 

慧音:子供達の評判も上々の様だし…貴殿さえ良ければ、今後も私の代役を務めて貰えないだろうか?時々で構わないから。

 

ラディッツ:フム…

 

慧音:どうだろうか?

 

ラディッツ:そうだな…紅魔館での仕事もあるし、いつもと言う訳にはいかんが、暇な時で良ければやってやるぞ。

 

慧音:本当か?

 

ラディッツ:あぁ。此処でガキ共と過ごす時間は充実してたし、嫌いじゃねぇからな。但し、本当に時々になるだろうがな。

 

慧音:あぁ、構わない。コレから先、貴殿には色々と御世話になるだろう。宜しく頼むよ、ラディッツ殿。

 

ラディッツ:あぁ、此方こそ。

 

夕日が照らす校庭で、私は彼と固い握手を交わした。良き友人として、長い付き合いになる事を願って…




幻想郷に来てから、ラディッツの仕事が色々増えてます

紅魔館の家事全般及び門番、寺子屋の教師代理(時々)

自由気儘に過ごすターレスや、修行ばかりで働く気の無い弟や王子と違って、仕事の出来るサイヤ人を目指します

さて、次回はどうするか…

因みに、フランは分身すると戦闘力が分散します

例えば、2人なら2分の1になり、4人なら4分の1になります

何処かの3つ目の人みたく…
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