誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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短編の始まりです

まずは、アリスの頼み(前編)


短編 その4
第211話


アリス:御願いラディッツさん!私の彼氏になって!

 

ラディッツ:…あん?

 

ある日の昼下がり…俺達は、いつもの様に庭で実戦形式のトレーニングをしていた。と其処へやって来たアリスは、いきなり頭を下げながらこう言って来た。その言葉を聞いて、俺も含めたその場に居た全員が固まっちまった訳だが…

 

美鈴:い、いきなりの超展開キター!

 

フラン:アリスが御兄ちゃんに告白した!

 

小悪魔:コ、コレは大事件ですよ!

 

レミリア:ラディッツ、貴方相変わらずモテるわね…

 

ラディッツ:正直、其方方面はさっぱり分からんのだが…

 

咲夜:彼女が何の訳も無くこんな事を言い出すとは思えません。

 

パチュリー:何か事情がありそうよ…

 

ラディッツ:そうだな。アリス、何でいきなりそんな事を言い出したんだ?

 

アリス:じ、実は…昨日、遠くに住む母親と久し振りに連絡を取ったのよ。で、近況報告してる内にそんな話になって…向こうが「彼氏の1人くらい作らないと生き遅れるわよ」なんて言うもんだから、思わず「私には、御付き合いしてる素敵な男性が居るんだから!」って言っちゃって…

 

パチュリー:何でそんな大嘘を…

 

アリス:ガラにも無く、ついムキになって…すぐに「あ、やっちゃった」と思ったんだけど…

 

美鈴:あー、成る程…

 

小悪魔:そのまま話がドンドン進んで行ってしまい、退くに退けなくなったと…

 

アリス:そう…そしたら母親が「その人に会って挨拶したいから、2日後に其方に行くわね」なんて言い出しちゃって!

 

レミリア:あらら…

 

フラン:えっと…つまり、どう言う事?

 

咲夜:つまり、ラディッツさんにその彼氏役を演じて欲しいと頼みに来た訳ですね?

 

アリス:えぇ…

 

ラディッツ:事情は分かった。だが、俺は恋愛経験等皆無だし、そもそも異性に好かれる様な出来た男じゃねぇ。だから、そんな役が務まるとは思えんぞ。

 

美鈴:そんな悲しい事を自分で言いますか…

 

咲夜:しかもハッキリと断言しましたね…

 

レミリア:モテてる自覚が無いと言うのも考え物ね…

 

パチュリー:母親には、あの話は嘘だったと正直に打ち明けて謝る事を薦めるわ。

 

アリス:うぅ…そうよね…

 

アリスは、ガックリと項垂れている

 

フラン:御兄ちゃん。本当に困ってるみたいだし、何とかしてあげてよ。

 

ラディッツ:むぅ…

 

パチュリー:自業自得と言う言葉があるのよ。手を貸す必要は無いわ。

 

フラン:そうかも知れないけど…

 

美鈴:パチュリー様、辛辣ですねぇ…

 

パチュリー:事実を述べたまでよ。

 

アリス:・・・

 

ラディッツ:アリス、母親が来るのはいつだったか?

 

アリス:えっ?あ、えっと…明日だけど…

 

ラディッツ:明日か…レミリア。確か、俺は明日は休みだったよな?

 

レミリア:えぇ、その筈よ。

 

ラディッツ:なら、何をしようと俺の勝手だよな?

 

レミリア:まぁそうね。

 

パチュリー:ま、まさか…

 

ラディッツ:そのまさかだ。アリス、お前の頼みを聞いてやるよ。

 

アリス:ほ、本当に?

 

ラディッツ:あぁ。とは言え、そんな大役を上手く演じられるとは思えんがな。それでも良いか?

 

アリス:その辺は大丈夫よ。私が出来る限りのフォローをするわ。

 

ラディッツ:あぁ、頼むよ。

 

パチュリー:ちょっと、本気なの?

 

ラディッツ:本気に決まってんだろ。付き合いこそ短いが、アリスも大事な仲間である事に変わりはねぇからな。困った時は御互い様と言う言葉もあるしよ。

 

アリス:・・・

 

パチュリー:全く…方々でそう言う事を言うから、ドンドンややこしい事になるのよ…

 

ラディッツ:何の話だ?

 

パチュリー:何でも無いわよ。

 

小悪魔:パチュリー様、ひょっとして焼き餅ですか?(ニヤニヤ)

 

美鈴:乙女ですねぇ…(ニヤニヤ)

 

パチュリー:こぁ、美鈴。後で御仕置きね。

 

小悪魔:スミマセン!調子に乗りました!

 

美鈴:御仕置きは勘弁して下さい!

 

パチュリー:だが断る。

 

美鈴&小悪魔:あーう…

 

フラン:何だか面白くなって来たね。

 

レミリア:どんな事になるのか、ちょっと気になる所ね。

 

咲夜:趣味が悪いですよ…

 

アリス:それじゃ、明日は宜しくね。

 

ラディッツ:あぁ、やれるだけの事はやってやるよ。

 

そんな事を話してる面々は、物陰でその話を聞いていたもう1人の存在に気付いて居なかった…

 

文:コレは、楽しくなりそうですねぇ…ムフフ…

 




意地張って嘘吐いた挙げ句、後に退けなくなったベタなパターンです

アリスのキャラが大分違います、スミマセン

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