誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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かなり御待たせしました


第232話

地底を支配し、外の世界の支配を目論む悪のナメック星人スラッグ。彼にに対し、実力的には劣っていながら果敢に立ち向かうラディッツ。しかし、彼との戦闘力差は圧倒的で、敗北は濃厚となっていた…そんな戦いを目の当たりにし、フランに異変が起きた。普段の無邪気な雰囲気は完全に消え失せ、鬼の形相へと変貌し、言葉も片言になり、その体からは赤いオーラが溢れ出していた。そして、フランはその状態のままでスラッグに突撃し、彼を殴り飛ばした…

 

フラン:フーッ…フーッ…

 

息を荒げるフランの前に、スラッグが戻って来る

 

スラッグ:やってくれたな…しかし、この力は…そうか、そのガキは魔族か…その力がこんな場所で燻ってるのは惜しいな…

 

ラディッツ:何が言いたい?

 

スラッグ:ククク…喜べ、サイヤ人。貴様が死んだ後は、このスラッグ様がそのガキの面倒を見てやる。

 

ラディッツ:何?

 

スラッグ:そのガキの力は、俺よりは遥かに劣るが、ドロダボやアンギラ等よりはかなり使えると見た。貴様等の元に居ても腐るだけだ。俺がソイツの力を完全に引き出して使ってやる。

 

ラディッツ:使う?

 

スラッグ:分からんか?俺の部下にすると言う事だ。

 

ラディッツ:ふざけるな!そんな事は許さんぞ!

 

スラッグ:貴様の許し等必要無い。俺がそう決めたんだ。そもそも、そんな実力では俺達を止める事は出来ん。大人しくくたばれ。

 

ラディッツ:断る。

 

スラッグ:フン!

 

スラッグは、ラディッツを殴り飛ばした

 

ラディッツ:くっ…

 

フラン:ウアァァァァッ!

 

それを見たフランは、再びスラッグに攻撃を開始した。今の状態のフランの激しい攻撃の応酬は、スラッグを唸らせる程の凄まじさだった

 

ラディッツ:フラン…一体どうしちまったんだ…

 

妹紅:ラディッツ!

 

ラディッツ:あん?

 

フラ付きながらも立ち上がるラディッツの元に、妹紅とはたてが駆け付ける

 

はたて:大丈夫?

 

妹紅:随分無茶したな…

 

ラディッツ:何とか大丈夫だが…と言うか、お前達彼処から抜け出せたのか…

 

妹紅:フランの奴がああなった時の衝撃波で、私達を拘束してた糸が解けたんだ。

 

ラディッツ:そうなのか…にしても、あのフランの様子…アレは一体…

 

はたて:多分だけど、ラディッツがスラッグにやられてるのを黙って見てられなかったんだと思う。

 

ラディッツ:・・・

 

妹紅:私達もそうだったが、アイツは尚更だろう…何せ、アイツはアンタの事が大好きなんだもんな…

 

はたて:血の繋がりなんか無くても、2人は兄妹だもんね。

 

ラディッツ:フラン…くっ…

 

はたて:傷が痛むの?

 

ラディッツ:このくらいの傷、どうって事ねぇよ。

 

妹紅:そんな強がり、誰が見ても一発でバレるぞ?

 

ラディッツ:・・・

 

妹紅:ちょっと待ってろ、すぐに治してやる。

 

そう言うと、妹紅はラディッツの体に触れて彼の傷を治癒し始める

 

ラディッツ:妹紅、お前…

 

はたて:貴方、治癒なんか出来たんだ?

 

妹紅:私の再生力を分け与えてるだけだ。まぁそうは言っても、仙豆程の凄まじい回復力は無いけどな。

 

ラディッツ:スマン…治ったら、フランを助けに向かうぞ。

 

妹紅:もう無茶すんなよ。ま、言っても聞きゃしないだろうけどな…

 

ラディッツ:へっ…まぁな

 

はたて:・・・

 

時間は少し戻り、操られた面々と戦っているこいしや勇儀達の様子を御覧頂こう…

 

勇儀:キスメ!ヤマメ!いつまであんな奴等に好き勝手させてるつもりだ!さっさと目ぇ覚ましな!

 

キスメ:煩い!

 

ヤマメ:敵!倒す!

 

キスメと呼ばれた桶に入った緑髪のツインテールの少女と、ヤマメと呼ばれた蜘蛛の糸を操る茶色の服の女性は、息の合ったコンビネーションで勇儀と戦闘中である

 

勇儀:ったく…地底の仲間だからって我慢してやってりゃ、好き勝手にやってくれるねぇ…だが、それももう終わりだ!

 

痺れを切らせた勇儀は、気合いで2人の攻撃を消し飛ばした

 

キスメ:くっ…

 

ヤマメ:このっ!

 

キスメとヤマメは、尚も2人掛かりで勇儀に攻撃を仕掛けた。しかし…

 

勇儀:邪魔を…するんじゃないよ!

 

勇儀は、少しだけ力を解放してキスメとヤマメを威圧した。幻想郷最強の一角である鬼の凄まじい威圧に気圧され、2人は泡を吹いて倒れた

 

勇儀:はぁ…まさか、この私がこんなに手間取るとはね…っと、こうしちゃ居られない。後の奴等の様子を見に行ってやるかね…

 

其処から少し離れた場所では、美鈴がペルシアンドレスを着た金髪の女性と戦っていた

 

美鈴:貴方は確か、橋姫の水橋パルスィさんでしたよね?正気に戻って下さい!私達が争う理由等、何も無い筈です!

 

パルスィ:理由ならあるわ…

 

美鈴:はい?

 

パルスィ:妬ましい…妬ましい…

 

美鈴:えーっと…何がですかね?

 

パルスィ:貴方のその顔、スタイル、強さ…全てが妬ましい…

 

美鈴:す、全て?

 

パルスィ:そう…貴方がこの世界に存在している事、それ自体が妬ましい…パルパルパルパルパル…

 

美鈴:そ、存在自体を妬まれた!?

 

パルスィ:その顔を見てるだけで嫌になる…吐き気がする…だから、貴方をこの世から消す…世界の全ての妬みのパワーを1つに!ハアァァァァッ!

 

パルスィと呼ばれたその女性は、両手を高々と掲げて其処に黒く禍々しいエネルギー弾を作り始める

 

美鈴:アレを食らうのはマズそうですね…仕方無い…スミマセンが、少しだけ眠って頂きますよ!

 

美鈴は、全身に力を溜め始める。彼女の全身に気が集まって行く

 

パルスィ:まさかとは思うけど、体当たりでもして来るつもり?

 

美鈴:そうです。私の得意分野は接近戦ですから。

 

パルスィ:そんなやり方で、私をどうにか出来ると思ってるの?

 

美鈴:えぇ、思ってますよ。

 

パルスィ:その考えが妬ましい…妬ましいわ!

 

パルスィは、作り出した黒いエネルギー弾を美鈴に向けて投げ付けた

 

美鈴:行きますよ!ハアァァァァッ!

 

美鈴は、全身に気を纏ってパルスィの放った黒いエネルギー弾に突撃して行った。少し競り合った後、美鈴の体がパルスィの気弾を貫き、そのまま彼女に向けて突き進んだ

 

パルスィ:う、嘘でしょ?こんな事が…

 

美鈴:コレで…終わりです!

 

美鈴の放った拳はパルスィの腹をしっかりと捉えた

 

パルスィ:デ、出鱈目…過ぎる…何て…妬ましい…力…

 

攻撃を受けて気を失ったパルスィは、そのまま落下し始めた。美鈴は、透かさず彼女の体を受け止め、ゆっくりと着地した

 

美鈴:目が覚めたら正気に戻っている筈です。それまでは、ゆっくり休んでいて下さい。

 

パルスィを比較的安全な場所に寝かせ、美鈴はその場から移動を始めた。更に別の場所では、こいしと燐が気を失ったままの空を守りながらさとりを説得していた

 

こいし:御姉ちゃん!目を覚まして!

 

燐:さとり様!

 

さとり:こいし、お燐。出来る事なら、貴方達とは戦いたくないわ…貴方達も、スラッグ様に忠誠を誓いなさい。そうすれば、私達が戦う理由は無くなるわ。

 

燐:まだそんな事言ってるんですか!アイツがこの地底世界で何をしたか、分かってる筈でしょう?

 

さとり:・・・

 

燐:お空だって、もう少し助けるのが遅かったらどうなってたか…スラッグを野放しにしていては、この地底は…いえ、幻想郷その物が滅んでしまうかも…貴方は、それでもあんな奴に忠誠を誓うと言うんですか!

 

さとり:・・・

 

燐:さとり様!

 

こいし:御姉ちゃん!

 

こいしは、さとりの方へ移動し、そのまま彼女に抱き付いた

 

こいし:御姉ちゃん!目を覚まして!いつもの優しい御姉ちゃんに戻って!

 

燐:こいし様…

 

さとり:こ…いし…う…うぅっ…

 

さとりの目が一瞬元に戻り、邪気が僅かに薄れる

 

燐:今、一瞬だけど邪気が薄れた様な…と言うか…

 

燐は、後ろで気を失ったままの空に近付き、彼女の体を揺らしながら呼び掛ける

 

燐:お空!いつまで寝てるんだい!早く起きて、さとり様の説得を手伝ってよ!

 

空:ほぇ…アレ?お燐?御早う。

 

燐:呑気な事言ってる場合じゃないんだってば!

 

空:な、何々?何怒ってるの?

 

燐:もしかして、何があったか全然覚えてないのかい?

 

空:えっと…何かあったっけ?

 

燐:アンタって奴は…(ガックリ)

 

空:うにゅ?

 

燐:詳しい説明は後!今は、一刻も早くさとり様を元に戻さなきゃいけないんだ!

 

空:えっ?さとり様がどうかしたの?

 

燐:あーもう!分かった!全部説明するよ!ちゃんと聞いてよ?

 

空:う、うん…

 

只今、超駆け足で事情を説明中

 

燐:と言う訳!分かった?

 

空:えっと…スラッグって悪者のせいで色々と滅茶苦茶になってて、皆が頑張ってるって事は何と無く分かった。

 

呑気な顔でそう言う空を見て、溜め息と共に崩れ落ちる燐であった

 

空:うにゅ?

 

燐:だぁーっ!

 

空:ふぉっ!?お燐、いきなりどうしたの?

 

燐:つべこべ言わず、黙ってあたいに付き合え!

 

空:何か良く分かんないけど、了解。

 

燐:此処まで懇切丁寧に説明したのに分からないんかーい!

 

若干自棄になりながらも、燐は空を連れてさとりの近くまで移動した。燐が空に事情を説明していた間も、こいしは正気を失った姉を全力で説得していた

 

燐:さとり様。今、あたい達の居場所が無くなろうとしています。友達が傷付けられました。あたい達は、この場所と友達を守る為に戦うつもりです。コレからも、こいし様やお空、それにさとり様…地底の皆と楽しく暮らして行く為に…失いたく無い物を守る為に…

 

さとり:・・・

 

燐:さとり様!あたい達と共に戦いましょう!

 

こいし:御姉ちゃん!

 

空:えっと…さとり様!(取り敢えず言ってみた)

 

さとり:うぅ…あぁーっ!

 

頭を抑え、苦しみ出したさとり。彼女の体から邪気が溢れ出し、それが人の形を形成した。当のさとりは、その場に倒れ込んだ

 

こいし:御姉ちゃん!

 

こいしは、透かさずさとりを抱き止めた

 

燐:アレを消し飛ばせば或いは…お空!あの黒いのに一発デカいのを叩き込んで!

 

空:任せて!火力なら自信あるよ!

 

空は、右手の多角柱状の物質(制御棒)から極太の光線を射出し、邪気を消し飛ばした

 

空:なーんだ、大した事無かったね。アレが、さっきお燐が言ってた今回の悪者なの?

 

燐:いや、違うよ。あたい達の居場所を滅茶苦茶にした奴は、今地上から来た助っ人の人達と戦ってる筈さ。

 

空:そうなんだ。

 

美鈴:おーい!

 

空:うにゅ?誰か来たよ?

 

そんなこいし達の元に、戦いを終えた美鈴と勇儀が駆け付けた

 

空:紅魔館の門番さんに、勇儀姐さんまで?

 

美鈴:どうも、空さん。御元気そうですね。さとりさんから邪気を感じませんし、どうやら上手く行った様ですね。

 

勇儀:あぁ。

 

燐:まぁ何とか…

 

空:私はいつも元気だよ?

 

勇儀:良く言うよ…あんな事になってたってのに…

 

空:何の事?

 

燐:あたいがさっき説明したじゃないか!

 

美鈴:アハハ、相変わらずですね…

 

勇儀:だねぇ…

 

燐:ハァ…お空、もう一度だけ最初から説明するから、良く聞いて。本当にコレで最後だから。

 

空:あ、うん…

 

燐は、先程と全く同じ説明を空にした。しかし、相変わらず呑気な顔をしている空を見て、美鈴達が苦笑いし、燐が再びガックリと肩を落としたのは言うまでも無い…

 




安定のおバカっぷり(酷過ぎ?)なお空と、苦労性のお燐でしたとさ…
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