始まります
ラディッツだ。幻想郷での生活にも大分慣れて来たな。ある穏やかな気候の夜、俺は1人で人里のとある屋台にやって来ていた…
ラディッツ:ミスティア、店やってるか?
ミスティア:あ、ラディッツ先生。やってますよ。さぁ、どうぞどうぞ。
ラディッツ:邪魔するぞ。
俺の目的は、ミスティアの屋台で飲む事だった
ミスティア:御一人ですか?
ラディッツ:あぁ。フランが付いて来たがったんだが、時間が遅いからとレミリアに止められちまってな。
ミスティア:そうなんですね…それで、御注文は何にしますか?
ラディッツ:美鈴から聞いたが、此処は八ツ目鰻が美味いらしいな。ソイツを頼む。酒は任せる。
ミスティア:分かりました、少々御待ちを。
ラディッツ:あぁ。
ミスティアは、コップを出してそれに日本酒を注いでくれた。俺は、それを飲みつつ注文した鰻を待つ事にした。と、其処へ…
妖夢:はぁ…
溜め息を吐きつつ現れたのは、半霊剣士の妖夢だ
ラディッツ:妖夢、奇遇だな。
妖夢:えっ?あぁ、ラディッツさん。こんばんは。
ラディッツ:どうした?何やら疲れてる様だが…
妖夢:えぇ、まぁ…
ミスティア:いらっしゃいませ、妖夢さん。御注文は?
妖夢:取り敢えず、いつものを御願いします。
ミスティア:いつものですね、分かりました。
いつもので通用すると言う事は、妖夢はしょっちゅう此処に来てるらしい
妖夢:はぁ…
妖夢は俺のすぐ横に座り、再び深い溜め息を吐いた後で酒を一気に飲み干した。俺はその様子が気になり、事情を聞く事にした
ラディッツ:妖夢。さっきも聞いたが、どうかしたのか?
妖夢:・・・
ラディッツ:悩み事があるなら溜め込むな。俺で良ければ、相談に乗るぞ?
妖夢:ラディッツさん…実はですね…
妖夢は、悩み事…と言うか仕事の愚痴を言い出した。どうやら、原因は幽々子の食欲にあるらしい
ラディッツ:成る程な。幽々子の食事の量が日に日に増えてると…
妖夢:そうなんですよ!一度の食事量が多いだけでもキツいのに、それを1日に5回も摂るんです!控えてくれと進言したら、何て言ったと思いますか?「妖夢は、黙って私の言う事を聞いていれば良いのよ?」ですよ?酷いと思いません?
ラディッツ:お、おう…
妖夢:食費も嵩むし、時間も掛かるし!用意してる此方の身になって欲しいんですよ!私には、自由にのんびり過ごす時間すら無いと言うんですか!
ラディッツ:お、おう…
八ツ目鰻に齧り付き、酒を飲み干しつつ愚痴を続ける妖夢。相当溜まってやがるな…妖夢を宥めつつ鰻を味わう俺だったが、其処へ再び客がやって来た…
鈴仙:あーもう!イライラする!
見るからに…いや、モロにイライラしてると口に出しつつ、鈴仙が屋台に入って来た
妖夢:鈴仙さん?
ラディッツ:今度はお前か…
鈴仙:ラ、ラディッツさん?それに、妖夢さんも…
ラディッツ:どうかしたのか?イライラしてる様だが?
鈴仙:な、何故それを?
ラディッツ:口に出してただろうが。
妖夢:思いっ切り言ってましたよ。
鈴仙:うぐぅ…
ラディッツ:お前も此方に来て座れ。愚痴くらい聞いてやるぞ。
鈴仙:あ、ハイ…
ミスティア:御注文は?
鈴仙:取り敢えず、八ツ目鰻と御酒を…
鈴仙も、俺や妖夢と同じ物を注文して席に着いた
ラディッツ:どうやら、此処の八ツ目鰻はかなりの人気メニューらしいな。
妖夢:まぁそうですね。
鈴仙:此処の一押しと言えば、まずこの鰻が挙がります。
ミスティア:皆さんが御贔屓にして下さって、有難い限りです。
ラディッツ:確かに美味いな。ミスティア、八ツ目鰻の持ち帰りは出来るか?
ミスティア:勿論出来ますよ?紅魔館の皆さんにですか?
ラディッツ:あぁ、そうだ。今じゃなく、後で構わんからな。
ミスティア:分かりました。
ラディッツ:さて…鈴仙、イライラしてた訳を聞かせてくれ。
鈴仙:それがですね…
話に聞いた限り、鈴仙のイライラの原因は永琳の厳しさとてゐの度を超えた悪戯にあるらしい。まぁやはりと言うべきか…
鈴仙:ちょっと散歩に出ただけなのに、躾がなってないって言って御仕置きだなんてあんまりです!私にだって、人権くらいある筈です!
ラディッツ:人権って、お前兎だろ…まぁ良いが…
鈴仙:後てゐ!あのバカ、毎日毎日事ある毎に私に悪戯仕掛けて来やがって!昨日は落とし穴の底にしこたま接着剤仕掛けてたし!かと思えば、御茶に麻痺薬仕込んでたり!御蔭で頼まれた仕事出来なくて御仕置きされましたよ!畜生めぇ!
ラディッツ:・・・
妖夢:其方も中々壮絶ですね…
鈴仙:後、もうちょい小遣いの金額上げろや!ドケチ師匠!
ラディッツ:・・・
聞いた話だと、鈴仙は確か永遠亭に転がり込んだ居候だった筈だが…
妖夢:小遣い貰えるだけ良いじゃないですか…私なんて、その辺全然ですから…年中無休で給料どころか小遣いすら皆無…白玉楼なのにブラックとはコレ如何にですよ。
鈴仙:それは辛過ぎますね…
妖夢:鈴仙さん!今日は朝まで飲み明かしましょう!
鈴仙:限界まで付き合いますよ!
ラディッツ:お前ら…
ミスティア:因みに、ウチは朝までは営業してませんよ。
立場が似てるからか、妙に話の合うこの2人。酒をしこたま飲みながら愚痴を溢す2人に対応しつつ、俺はミスティアが作った美味い鰻と酒を味わった。そして店が閉まる時間になった頃、紅魔館の皆への土産として人数分の鰻を包んで貰った後、金を払って店を後にした俺は、酒が回って酔い潰れた2人をそれぞれの居場所へと送り届け、紅魔館へと帰った。その翌日、二日酔いにより仕事に多大な支障が出てしまい、2人は上に怒られたらしい…偶には愚痴を聞いてやらんとな…
ある夜、ミスティアの屋台での一幕
従者と言う括りなので、最初は椛や咲夜さん、お燐辺りもと考えましたが、残念ながらボツに…
まぁコレで終わりとは言ってませんが(ゲス顔)