誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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出来る女、小傘

長々と御待たせしました


第248話

皆さん、こんにちは。私の名は茨木華扇。今は外来人のザーボンの師として彼を鍛えつつ、共に生活する日々を送っているわ。しかし、今日の修行は御休み。只闇雲に修行するだけでは無く、息抜きする事も必要だからね。ザーボンは、用事があると言って朝から人里に向かって行ったわ。もう以前の様な事はしないと分かってはいても、やはり彼の動向が少し気になり、悪いとは思ったけれどコッソリ後を追って行って見守る事にした。場所は鍛冶屋唐傘の前…

 

小傘:ザーボンさん、来てくれたんですね。

 

ザーボン:スミマセン、御待たせしました。

 

小傘:いえいえ、大丈夫ですよ。

 

ザーボンは、小傘と会う為に此処にやって来たと…気付かれない様に離れた物陰に居る為、2人の会話は聞き取れないけど、一体何をすると言うのかしら…

 

ザーボン:事情は聞いています。宜しく御願いします。

 

小傘:此方こそ。早速連れて来ますね。

 

ザーボン:はい。

 

小傘は、一旦店の中に入って行った。少し後に出て来た彼女の手には、何と2人の赤ん坊の姿があった…

 

華扇:えっ…

 

小傘は、片方の赤ん坊をザーボンに手渡した。その光景に、私は少しの間固まってしまった…

 

華扇:あ、赤ん坊…しかも2人…あの子達、いつの間に…グ…グググ…

 

そんな2人の様子を見兼ねた私は、弾かれる様に物陰から出て彼等の元に向かった

 

華扇:コラーッ!貴方達!

 

小傘:えっ?せ、仙人様?

 

ザーボン:華扇様、何故此処に…

 

華扇:そんな事はどうでも良いんです!それよりも貴方達!その赤ん坊は何ですか!いつの間にそんな関係になっていたんですか!

 

ザーボン:は?

 

小傘:えっ…と…

 

私にそう詰め寄られ、2人は少しの間呆気に取られた様子だったが、直ぐにハッとして弁明を開始した

 

小傘:ち、ちょっと待って下さい仙人様!何かとんでも無い勘違いしてませんか?

 

華扇:勘違い?

 

小傘:この子達は、わちき達の子供じゃないんですって!てか、そうだとしたら色々な経緯をすっ飛ばし過ぎです!と言うか、まず短期間過ぎです!

 

ザーボン:華扇様、実はですね…

 

ザーボンから聞いた話では、鍛冶屋の傍らベビーシッターの仕事をしている小傘が里の人間に子供の面倒を頼まれたらしいのだが、2人の赤ん坊の世話を1人でするのは厳しいので手伝って欲しいと依頼されたのだと言う…

 

ザーボン:と言う訳です。

 

華扇:成る程、そう言う事だったの…私とした事が、アホみたいな早合点を…

 

ザーボン:ハハハ…

 

華扇:しかし、鍛冶屋の傍らベビーシッターの仕事までしているとは…貴方、ちゃんと休んでるの?

 

小傘:大丈夫ですって。

 

華扇:それなら良いけど…

 

その直後、赤ん坊2人がグズり出してしまった

 

ザーボン:おっと…コレは一体…

 

華扇:どうかしたのかしら?

 

小傘:多分、ミルクが欲しいんだと思います。ザーボンさん、仙人様。手伝って貰えますか?

 

ザーボン:小傘さん。恥ずかしながら、私は赤ん坊用のミルクの作り方を知らないのですが…

 

華扇:私も経験が…

 

小傘:御心配無く、わちきが教えますよ。さ、台所へ行きましょう。

 

小傘に続き、私達は台所へと移動した。ザーボンは、小傘に教わりながら赤ん坊に飲ませる為のミルクを作り始めた。因みに、私は赤ん坊2人をあやしつつ少し離れてその様子を観察中…

 

小傘:使う道具や哺乳瓶は、予め煮沸消毒してあります。では、始めましょうか。まずは、粉ミルクを軽量スプーンでスリキリ一杯分計り、それを哺乳瓶に入れて下さい。

 

ザーボン:ハッ。

 

ザーボンは、小傘に言われた通り粉ミルクをキッチリ計って哺乳瓶に入れた

 

小傘:粉ミルクを溶かす為の御湯は、一度沸騰させた物を冷まして使います。

 

ザーボン:フム…

 

水を入れた鍋を火に掛けて暫くして、御湯がグラグラと沸騰し始めた。それを冷まし、次の工程へ移る事に…

 

小傘:哺乳瓶の目盛りを見ながら、3分の2くらいまで御湯を入れて下さい。この時、御湯を入れ過ぎてしまわない様に注意して下さい。次に、カバーを取り付けて円を描く様に良く振ってミルクを溶かして下さい。

 

ザーボン:円を描く…こんな感じでしょうか…

 

教えながら手慣れた様子で作業している小傘に対し、ザーボンは慣れない手付きで慎重に作業して行く

 

小傘:ミルクが溶けたら、出来上がり量まで御湯を足します。そしたら、哺乳瓶を水に浸して人肌…大体40度くらいになるまで冷やします。熱いと赤ちゃんが火傷してしまうので注意です。

 

ザーボン:フム…人肌くらいと言うのはどう判断すれば良いのでしょうか?

 

小傘:手首の内側に少量ミルクを垂らしてみて下さい。ほんのり温かく感じたら、それで完成です。

 

ザーボン:成る程…

 

何度かの試行錯誤の後、ミルクが完成した。赤ん坊達にそれを与えてみると、2人共とても美味しそうに飲み始めた

 

華扇:フフ、美味しそうにしていますね。

 

小傘:ですね。

 

華扇:この子達の未来には、無限の可能性がある。どんな子達になるのかしら…

 

小傘:コレばかりは何とも言えませんね…

 

ザーボン:・・・

 

ふと見ると、ザーボンの表情が少し暗い様で…

 

小傘:どうかしましたか?

 

ザーボン:あ、いえ…

 

私だけで無く小傘もそれに気付いた様で、彼に声を掛けた

 

ザーボン:私は、この手で数え切れない者達の命を奪って来ました。それこそ、罪も無い子供の命すらも…そんな私に、こんな事をする資格があるのかと…

 

華扇:・・・

 

小傘:過去の罪から逃れる事は出来ません。だけど、悔いてるだけじゃ何も出来ないと思います。

 

ザーボン:・・・

 

小傘:貴方が犯した罪は、決して許される事じゃ無い…でも、大事なのは悔いる気持ちを忘れずに前に進む事です。険しい道かも知れないですけど…足掻いて足掻いて…そうして進んだ先で見た景色は、きっと以前よりもずっと良い物になってる筈ですよ。

 

ザーボン:・・・

 

小傘:もしも辛い時は、わちきが力になります。遠慮無く頼って下さい。

 

ザーボン:小傘さん…

 

華扇:やれやれ…本来ならば、師である私が言うべき事を…

 

小傘:あ、スミマセン…

 

華扇:フフ、良いのよ。それじゃ、次は私から…

 

ザーボン:・・・

 

華扇:貴方は、もう悪人では無いわ。そして、1人でも無い。この子達と同じく、貴方にも無限の可能性があるんだから。私達と共に、それを良い物にして行きましょう。

 

ザーボン:2人共…有難うございます。

 

ザーボンは、私達に向けて深々と頭を下げた

 

華扇:その為に、コレからもビシビシ鍛えてあげましょう!遅れずについて来なさい!

 

ザーボン:ハッ!

 

小傘:えっと…御手柔らかに御願いします…

 

ザーボンは勿論、小傘にも未来がある。彼等を光ある未来へと導く事が、今の私の使命。もう二度と、間違った道に進む事が無い様に…より一層、気を引き締めなければ…




ザーボンのヒロイン役として登場させた小傘ですが、上手く行けてるかどうか…

途中で何言ってるか、意味不明に思うかも知れませんね

しかも中途半端…
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