誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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温泉へ行こう(後編)

かなり長く、しかも前代未聞の意味不明っぷりでございます


第250話

ラディッツだ。紅魔館の風呂が壊れ、銭湯に入る為に人里にやって来た俺達。其処で、偶然にも同じ目的で里に来ていたターレス達と会い、更にその後にザーボン達もやって来やがった。人数が多くなったから銭湯が手狭になりそうだと思ったが、こいしの発案で地底にある温泉に行くと言う話になり、俺達は再び地底を訪れていた。迎えてくれた燐と空と共に、さとりに挨拶をしに地霊殿へ来た所だ

 

さとり:遠路遥々地霊殿へようこそ。そして御久し振りですね、皆さん。と言っても、あの戦いはつい先日の事でしたが…

 

ラディッツ:元気そうだな。

 

ターレス:変わりはねぇか?

 

さとり:はい。

 

美鈴:地底の様子を見て来ましたが、少しずつ復興作業が進んでいる様ですね。

 

さとり:えぇ。ですが、完全に元通りになるにはまだまだ時間が必要なのですが…

 

美鈴:まぁ派手に壊されてますからね。

 

ラディッツ:スマン、俺達が暴れたのも原因だな。

 

さとり:いえ、そんな事はありません。貴方達が来てくれていなければ、今頃私達も地底も存在していなかった筈です。その節は、本当に有難うございました。

 

さとりは、俺達に頭を下げて来た

 

ラディッツ:気にするな、俺達は当然の事をしたまでだ。

 

フラン:そうそう。

 

ターレス:事のついでだ。

 

椛:またそう言う事を…

 

レミリア:フフン!うちの自慢の執事はどうよ!

 

パチュリー:何で何もしてない貴方が得意気なのよ…

 

レミリア:当然じゃない、彼の功績は私の功績でもあるのよ。

 

パチュリー:何その持論…

 

さとり:正直羨ましいですよ。うちに来て欲しいくらいです。

 

レミリア:悪いけど、スカウトは御断りしてるわ。彼は私達紅魔館の大事な家族だからね。

 

小悪魔:そうです!

 

さとり:残念です…

 

ザーボン:此処まで頼られる様になっているとは…見違えた物だな。

 

華扇:色々あった様ですからね。

 

ラディッツ:何、まだまだだよ。

 

華扇:決して傲らず謙虚に務める…感心な事です。

 

ラディッツ:そりゃどうも。

 

さとり:そう言えば、其方の青い肌の方はどちら様ですか?

 

小傘:彼は、つい先日この幻想郷にやって来た…

 

ザーボン:自己紹介が遅くなり申し訳無い。私は、ザーボンと申します。どうぞ宜しく。

 

ザーボンは、手を胸の前に付けて軽く御辞儀をした。紳士的な挨拶の見本って感じだな…

 

さとり:コレは御丁寧に…私は、この地霊殿の主でこいしの姉、古明地さとりと申します。そして、横に居る2人は私のペットの…

 

燐:改めて、火焔猫燐だよ。呼び難いだろうし、お燐って呼んでね。で、あたいの親友の…

 

空:霊烏路空。お空って呼んで良いからね。

 

ザーボン:はい。

 

さとり:さて…こいしから話は聞いています。皆さんは、地底にある温泉を利用したいと言う事でしたね。

 

ラディッツ:あぁ、そうだ。人数が多いが、行けるか?

 

さとり:勿論です。極上の温泉だけで無く、夕食でも如何かな?(何処かの親父ぃ風)

 

フラン:やったー♪御飯だ♪

 

ラディッツ:助かるぜ、腹が減ってた所だ。

 

華扇:有難い事ですね。

 

パチュリー:ちょっと、大丈夫なの?サイヤ人コンビの異常な食欲は知ってる筈よね?

 

さとり:えぇ、それはもう。しかし、貴方達は遥々来て頂いた御客様ですし、もてなすのは当然の事です。しかも、地底を守ってくれた恩人の方々となれば尚更ですよ。

 

ラディッツ:そう畏まるな。恩人とかじゃなく、普通にダチとして接してくれて構わん。

 

さとり:友達…

 

ラディッツ:そうだ。

 

さとり:良いんですか?

 

ラディッツ:何がだ?

 

さとり:私の能力は知ってるでしょう?どんな気持ち悪いとか、怖いとか思わないんですか?

 

ザーボン:それは、一体どう言う…

 

華扇:彼女は、人の心を読む能力を持っています。どんな隠し事も彼女には筒抜けであるが故に、彼女は皆から嫌われているんです。

 

ザーボン:心を読む…そんな力の持ち主が居るとは…

 

ラディッツ:生憎、そう言う風には思わんな。

 

さとり:えっ?

 

ラディッツ:お前は、無闇に人の心を読んで楽しむ様な外道じゃねぇだろ。それに、読まれた所で疚しい事がある訳でもねぇしな。

 

ターレス:能力だけで判断する様なバカ共の戯れ言なんて気にするな。勝手に言わせとけば良いさ。

 

さとり:・・・

 

ふと見ると、さとりの目からゆっくりと涙が流れ出していやがった

 

ラディッツ:おい、どうした?

 

ターレス:何で泣いてやがる…

 

さとり:ス、スミマセン…この能力のせいで気味悪がられ、蔑まれた事は多々ありました…しかし、先程の貴方達の様に言ってくれた人は殆ど居なかったので…

 

ラディッツ:・・・

 

ザーボン:どうやら、能力が原因で色々苦労して来た様で…

 

さとり:貴方はどうですか?

 

ザーボン:えっ?

 

さとり:貴方は、私の能力を知ってどう思いますか?

 

ザーボン:フッ…無闇に心を読まないならば、怖がる理由等ありませんよ。是非、私とも友人として接して下されば幸いです。

 

俺やターレス、ザーボンだけじゃねぇ…フラン達紅魔館メンバー、椛、華扇に小傘…其処に居るメンバー全員が笑顔を見せていた

 

ラディッツ:此処に居ねぇ俺の仲間達も、皆同じ気持ちだと思うぜ。確証はねぇがな。

 

さとり:…有難う…ございます…

 

涙を流しつつ、さとりは俺達に頭を下げた

 

ターレス:いつまでも泣いてねぇで、さっさと温泉に案内してくれよ。

 

咲夜:またそんな言い方を…

 

椛:スミマセン、いつもの事です…

 

さとり:スミマセン…では、案内させて頂きます。友人である皆さんを。

 

ラディッツ:あぁ。

 

涙を拭いて立ち上がり、ゆっくりと歩き出したさとりに続き、俺達も移動を開始した。そうして辿り着いたのは、地霊殿を出て少し移動した所にあるデカい建物だ

 

レミリア:コレは…

 

咲夜:見た感じは、外の世界にあった健康ランドの様にも見えますが…

 

さとり:その通りです。此処も件の戦いで壊れていましたが、今は大分戻って来ています。以前よりも更に楽しめる場所になっています。

 

ラディッツ:ソイツは楽しみだな。

 

フラン:レッツゴー♪

 

パチュリー:子供じゃないんだから、ハシャがないの…

 

美鈴:私も少し前に来ましたが、本当に楽しめる場所でしたよ。分かっていてもワクワクします。

 

パチュリー:フーン…

 

さとり:さぁ、中へどうぞ。

 

中に入ると、早速キスメやヤマメ、パルスィらが俺達を出迎えてくれた

 

キスメ:いらっしゃい…

 

ヤマメ:御兄さん達かい。久々だね。

 

パルスィ:暇人なのね。

 

ラディッツ:お前達も元気そうだな。

 

キスメ:うん、元気…

 

ヤマメ:あの時は御世話になったね。

 

ターレス:勇儀の姿はねぇみたいだな。

 

ヤマメ:確か、今日は飲み仲間と一緒に飲みに行くとか言ってたよ。

 

ターレス:そうか…

 

パルスィ:ま、折角来たんだしゆっくりしてけば良いわ。

 

ラディッツ:あぁ、邪魔するぜ。

 

さとり:お燐、お空。食事の支度は任せるわよ。

 

燐:はい、さとり様。それじゃ御兄さん達、あたい達はコレで。

 

空:御飯、楽しみに待っててね。

 

フラン:宜しくね♪

 

燐達と一旦別れ、再びさとりと共に施設内を移動中…

 

フラン:さとり、此処の温泉って皆一緒に入れたりするんだよね?

 

さとり:はい。男湯と女湯は勿論、混浴用の風呂もあります。

 

パチュリー:ちょっと待ちなさい。貴方達、以前来た時はどうやったのよ?

 

ラディッツ:どうも何も、別れて入ったぞ。何人かはブーブー言ってたがな。

 

パチュリー:そう…

 

さとり:此処の温泉は多種多様です。普通のは勿論、砂風呂、岩盤浴、泡風呂等、あらゆる種類の風呂を御用意してありますよ。

 

美鈴:更に、卓球場やらカラオケ場やら色々ありましたよ。

 

華扇:至れり尽くせりね…

 

咲夜:本当に外の世界の健康ランドみたいね。

 

こいし:裏話だけど、以前来た時は天狗の御姉さんと不死身の人が卓球勝負してたんだよ。

 

小傘:そんな事が…

 

小悪魔:結果はどうだったんですか?

 

フラン:確か、もこたんの勝ちだった筈だよ。

 

ラディッツ:そうだったな。大分接戦だったが…

 

パチュリー:何やってんだか…

 

咲夜:卓球も良いけど、まずはゆっくりと温泉に浸かりたい所だわ。

 

さとり:そうですね。それでは皆さん、水着に着替えて下さい。

 

小悪魔:えっ?

 

小傘:水着ですか?

 

さとり:はい。先程も言ったと思いますが、この施設には多種多様の温泉があります。それを心行くまで堪能して頂きたいと思って。

 

ザーボン:フム…

 

レミリア:郷に入っては郷に従えと言う言葉もあるわ。それが此処のルールなら、それに従うわよ。

 

パチュリー:けど、私水着なんて用意して無いんだけど…

 

美鈴:私もです。

 

華扇:温泉に入るだけのつもりで来た訳だしね…

 

さとり:御心配無く。此処では水着の貸し出しもしています。コレまた多種多様取り揃えてありますので、自分に合った物を選んで下さい。

 

咲夜:フム…

 

ラディッツ:それじゃ、早く着替えるとするか。

 

フラン&こいし:おぉーっ!

 

全員が水着に着替え、施設を楽しむ事になった。フランとこいしが泡風呂で羊の様になったり、岩盤浴に行ったレミリアが謎の力で某王子宜しく岩盤に減り込んだり、サウナに入ったラディッツとターレスが意地を張り合い、いつの間にか我慢大会になってたり…それでも、全員がその温泉施設を堪能していた

 

さとり:皆さん、楽しんでいますか?

 

小傘:それはもう!

 

小悪魔:地底にこんなに楽しい所があったなんて…

 

さとり:そうでしょうそうでしょう。もっと良く御覧下さい。地上の何処に行っても、こんなに豪華な温泉施設は見られませんよ。

 

華扇:しかし、此処を地底の人達だけで経営してると言うのが驚きだわ。

 

さとり:以前と違い、地底も変わって行ってるんです。

 

華扇:フム…

 

ザーボン:遊ぶのも構わんが、そろそろゆっくりと湯に浸かりたい所だが…

 

さとり:では、一番奥にある大浴場に向かいましょう。地熱を利用した湯を御利用頂けます。

 

ザーボン:ほぅ…

 

フラン:水着も来てるし、皆で入ろうよ♪

 

小悪魔:良いですねぇ。

 

パチュリー:混浴か…

 

そんなこんなで、さとりも含めた全員で混浴する事になった

 

ラディッツ:相変わらず良い湯加減だ。

 

美鈴:気持ち良いですねぇ…

 

レミリア:私は酷い目にあったけどね…

 

小傘:何かあったんですか?

 

パチュリー:レミィったら、中々岩盤浴から出て来なくてね。気になって見に行ったら、見事なまでに岩盤に減り込んでてね。何事かと思ったわよ。

 

小傘:えぇ…

 

咲夜:謎の力って怖いですね…

 

ふと見ると、椛がターレスの背中を流している

 

美鈴:椛さん、背中を流す事に随分と慣れていますね。

 

椛:それはそうでしょう。私は、ほぼ毎日彼の背中を流していますので。

 

小悪魔:えっ?

 

小傘:えっと、それはつまり…

 

華扇:貴方達は、ほぼ毎日一緒に入浴していると…?

 

椛:そうなりますね。

 

ターレス:おい、力が弱くなってるぞ。

 

椛:スミマセン…

 

ラディッツ:いつもそんな事させてんのか…

 

ターレス:俺がやらせてる訳じゃねぇよ。

 

椛:私が好きでやっているのであって、命令されている訳ではありませんよ。

 

ラディッツ:そ、そうか…

 

こいし:因みに、私も一緒に入ってるよ。

 

さとり:えぇっ!?

 

パチュリー:貴方、恥ずかしいとか思わないの?

 

こいし:何で?

 

パチュリー:いや、何でって…

 

フラン:良いなぁ…

 

さとり:し、衝撃の事実が…

 

燐:皆御待たせ!夕食が出来たよ!

 

空:急いで急いで!

 

ラディッツ:あぁ、分かった。

 

華扇:折角の食事が冷めてしまってはいけませんし、着替えてから頂くとしましょうか。

 

ザーボン:そうしましょう。

 

風呂から上がり、着替えて大広間にやって来た一行。全員で美味な食事を堪能した後、卓球大会でもしようと言う話になり、三度全員で移動した。しかし…

 

ラディッツ:卓球場の方が騒がしいな…

 

燐:御客さんが居るので。

 

フラン:御客さん?

 

卓球場にピンポン球が飛び交っている。客の正体とは…

 

はたて:今回は、前みたいに行くとは思わない事だね。

 

妹紅:悪いが、今回も勝たせて貰うぞ。

 

2人:クックックッ…

 

フラン:はたてさんにもこたんだ。

 

パチュリー:アンタ達、何してんのよ…

 

妹紅:ん?

 

はたて:あれ?皆御揃いでどうしたの?

 

ラディッツ:そりゃ此方の台詞だ。お前ら仕事はどうした?

 

妹紅:大丈夫だ、仕事は終わってる。

 

はたて:私も。この間の卓球で負けっぱなしだったから悔しいし、リベンジしたくて来たんだよ。

 

妹紅:暇だったしな。

 

ラディッツ:そ、そうか…しかし、妙な所で会うもんだな。

 

はたて:アハハ、だね。

 

ターレス:あの人形使いや兎まで出て来たりしねぇだろうな…

 

椛:そんなバカな事が…

 

妹紅:アリスと鈴仙の事か?

 

はたて:あの2人なら一緒に来たよ。今はマッサージチェアでリラックスしてるけどね。

 

ラディッツ:居るのかよ…

 

美鈴:フラグ回収ですね。

 

ターレス:もう何でもありだな…

 

はたてと妹紅の卓球勝負は抜きつ抜かれつの長期戦になった後、結果は妹紅の勝利となった。その後、フランとこいし対レミリアとさとりのダブルス対決で妹コンビが圧勝したり、咲夜と対決した美鈴が全く相手にならずに瞬殺されたり、此処でもラディッツとターレスが張り合って勝負するも長過ぎて引き分けで終わったりした。途中でマッサージチェアでまったりしてた鈴仙とアリスも合流し、当初は只温泉を楽しむだけの筈がカラオケルームでの大宴会に発展し、彼等が帰路に就く頃には日付けが変わっていたと言う…

 




風呂場での小話

小悪魔:ターレスさんの髪、洗い終わったばかりなのにいつもの形に戻っていますね。

椛:彼の髪は癖が強いので、水で濡らしたくらいでは形崩れしませんよ。すぐに元に戻ります。

小傘:あの髪は、形状記憶合金か何かなのかな…

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