誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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遅くなりました

幻想の地のホワイトデー(後編)


第268話

バレンタインの御返しを渡す為、方々を飛び回っているラディッツ。寺子屋に居た妹紅から、次の目当てである鈴仙が人里に薬の行商をしに来ていると言う情報を得た。只今、ラディッツは鈴仙を探して人里を移動中である…

 

ラディッツ:奴の気配はこの辺りにある筈だが…ん?アレは…

 

ラディッツが見掛けたのは、茶屋の椅子に座って休憩中の薬の行商人の姿だった

 

鈴仙:ふぅ…

 

ラディッツ:よぅ、仕事は順調か?

 

鈴仙:えっ?

 

聞き慣れた声が横から聞こえ、鈴仙は声がした方向に顔を向けた。其処には、彼女が想いを寄せる者の姿があった

 

鈴仙:ラ、ラディッツさん!?

 

ラディッツ:仕事中に悪いな。

 

鈴仙:いえ、大丈夫ですよ。見ての通り、今は休憩中ですので。

 

ラディッツ:そうか…

 

鈴仙:それで、どうかしたんですか?

 

ラディッツ:お前を探してたんだ。

 

鈴仙:私を?

 

ラディッツ:あぁ、お前に渡したいもんがあるんだ。

 

鈴仙:何ですか?

 

ラディッツ:ちょっと待ってろよ…

 

ラディッツは、カプセルから薄紫の袋を取り出して鈴仙に手渡した

 

鈴仙:えっと…コレは?

 

ラディッツ:バレンタインのチョコの御返しだ。大したもんじゃねぇけどな。

 

鈴仙:マジですか?開けても良いですか?

 

ラディッツ:余り期待するなよ?

 

鈴仙が目を輝かせながら袋の中身を取り出すと、白い体に赤い目の兎のチョコレートが出て来た

 

鈴仙:コレは、兎?もしかして、手作りですか?

 

ラディッツ:そうだ。形を整えるのに大分手こずっちまったよ。

 

鈴仙:コレを私の為にわざわざ?

 

ラディッツ:あぁ、ホワイトチョコで作ったんだ。目は食紅を使ってみたんだが、どうだ?

 

鈴仙:凄く美味しそ…じゃなくて可愛いです!

 

鈴仙の目は凄く輝いている

 

ラディッツ:気に入って貰えた様だな。

 

鈴仙:あぁ、でもどうしよう…

 

ラディッツ:どうかしたのか?

 

鈴仙:その…コレを食べてしまうのが勿体無くて…

 

ラディッツ:そんな良いもんじゃねぇだろうよ…

 

鈴仙:その様な事があろう筈がございません!

 

鈴仙は、興奮してラディッツに急接近する

 

ラディッツ:おい、顔が近いぞ。少し離れろ。

 

鈴仙:ハッ!スミマセン、失礼しました!

 

我に返り、鈴仙は慌ててラディッツから離れた

 

ラディッツ:時に鈴仙、仕事はもう済んだのか?

 

鈴仙:いえ、まだです。実は、売り歩く分だけで無く、御得意様に届ける薬も沢山ありまして。

 

鈴仙が指差す荷物の中を見ると、沢山の薬が入っている

 

ラディッツ:随分沢山あるな。お前、コレを1人で配るつもりか?

 

鈴仙:そうですよ。師匠から、今日中にこの中を空にして来いと言われているので。

 

ラディッツ:永琳の奴、部下に無茶振りしやがって…

 

鈴仙:ハハハ、もう慣れっこですよ…

 

ラディッツ:しょうがねぇな…

 

ラディッツは、荷物を軽々と持ち上げながら立ち上がる

 

鈴仙:えっと…ラディッツさん、何をしてるんですか?

 

ラディッツ:売る方は無理でも、薬を配る方は手伝ってやるよ。1人じゃ大変だろうしな。

 

鈴仙:で、ですがコレは私の仕事で…

 

ラディッツ:この量を1人で全部捌ききるなんて無茶だ。だが、2人なら少しは早くなるかも知れんだろ?

 

鈴仙:し、しかし…

 

ラディッツ:お前にはデカい借りもあるしな。その一部でも返させてくれよ。

 

鈴仙:そ、そうですか?じゃあ、配る方だけ手伝って貰えますか?

 

ラディッツ:おう、任せろ。

 

と言う訳で、ラディッツと鈴仙は薬を待つ客の家を回りながら薬を配り歩いた。と言っても、ラディッツは荷物を運んでいるだけで、薬の説明等は全て鈴仙に任せている訳だが…そうこうしている内に、薬を配る作業は完了した

 

鈴仙:御陰様で、残りは1人でやれそうです。手伝ってくれて、本当に有難うございました。

 

ラディッツ:役に立てたなら何よりだ。しかし弱ったな…計算してたよりも大分時間が経っちまった…

 

鈴仙:ス、スミマセン…

 

ラディッツ:いや、気にするな。俺から言い出した事だ、お前に非はねぇよ。

 

鈴仙:ラディッツさんは、コレから紅魔館に帰られるんですか?

 

ラディッツ:いや、後1ヶ所行く所がある。目的はお前と同じだがな。

 

鈴仙:何処ですか?

 

ラディッツ:妖怪の山のはたての所だ。アイツにもチョコを貰ったからな。

 

鈴仙:あぁ、成る程…では、はたてさんの情報を差し上げましょう。

 

ラディッツ:何?

 

鈴仙:彼女は、今日は仕事が沢山ある上に宿直担当らしく、ずっと宿直室に缶詰めとの事でした。

 

ラディッツ:アイツも仕事中か…だとしたら、行っても邪魔になる可能性があるか…

 

鈴仙:前以て連絡してからなら大丈夫なのでは?

 

ラディッツ:そうだな。

 

鈴仙のアドバイス通り、はたてに連絡して今から行く旨を伝えた

 

ラディッツ:許可は貰ったし、早速向かうよ。じゃあな、鈴仙。

 

鈴仙:ハイ!本当に有難うございました!

 

ラディッツ:あぁ。

 

ラディッツは、妖怪の山に向けて移動を開始した

 

鈴仙:コレ(チョコ)、てゐに食べられない様にしなくちゃ…

 

コレだけは絶対に死守しよう、そう誓った鈴仙だった…少し時間が経ち、舞台は妖怪の山にある天狗の詰所…其処では、たった1人で机に向かって唸っている鴉天狗の姿があった…

 

はたて:うぅ…駄目だ、完全に煮詰まったぁ…やっとの事で事務仕事終えて、やっと記事の執筆を…と思ったのに、肝心のネタが無い…もう駄目だ、御終いだぁ…

 

絶望したその直後、詰所の扉を叩く音が聞こえて来た

 

はたて:おっ?来たかな?どうぞ!開いてるよー!

 

ラディッツ:邪魔するぞ。

 

ラディッツは、詰所に入室する

 

はたて:いらっしゃい。

 

ラディッツ:どうだ?仕事は捗ってるか?

 

はたて:んー、まぁボチボチ…と言いたい所なんだけど、全っ然駄目。記事のネタが皆無で、オマケに宿直の役が回って来てもう最悪って感じ。

 

ラディッツ:そ、そうか…

 

はたて:更に間の悪い事に、ついさっき文の奴がからかう為にやって来てさ。イラッと来て思いっきり蹴飛ばしてやったよ。

 

ラディッツ:お、おう…

 

はたて:いっその事、早苗にグラビアのモデルを頼み込んでそれを記事にするしか無いかなぁ…

 

ラディッツ:おいおい…

 

はたて:冗談冗談。文じゃあるまいし、そんな事しないって。

 

ラディッツ:文の奴はやってるのか…

 

はたて:そうみたい。まぁ早苗の方も、嫌々言いつつ守矢の信仰集めの為に自分から脱いだりしてるらしいんだけど…

 

ラディッツ:やるのかよ…

 

2人は、互いに苦笑いを浮かべる

 

はたて:それで?何か用があるって話だったけど?

 

ラディッツ:あぁ、そうだ。コレ以上仕事の邪魔をするのも悪いし、さっさと済ませるか。

 

ラディッツは、ラッピングされた瓶を取り出してはたてに手渡した

 

はたて:コレは?

 

ラディッツ:バレンタインの御返しだよ。タコとイカのレモン風味の塩辛を作ってみたんだ。

 

はたて:いやいや、バレンタインの御返しに塩辛ってのはセンス無さ過ぎじゃない?

 

ラディッツ:何かスマン…

 

はたて:なーんてね♪冗談冗談♪大したもんじゃ無かったし、気を遣わなくても良かったのに。

 

ラディッツ:お前には、あちこち引っ張り回して迷惑掛けちまってるからな。その礼も兼ねてるんだ。

 

はたて:気にしなくて良いって。私がアンタらに同行してるのは、半分は自分の新聞の為なんだし。

 

ラディッツ:それでもだ。

 

はたて:けど、何で塩辛?チョイスがオッサン臭いと言うか、色気が無いと言うか…

 

ラディッツ:お前、最近徹夜続きでかなり疲れてる様に見えたからな。タコやイカにはタウリンが多く含まれてて、疲労回復の効果があるんだ。

 

はたて:・・・

 

ラディッツ:どうかしたか?

 

はたて:あ、いや…良く観察してるんだなぁと思ってさ。

 

ラディッツ:まぁな。

 

はたて:その鋭さを別の所に向けてあげれば、彼女達も苦労しないんだろうけど…

 

ラディッツ:何の話だ?

 

はたて:いや、何でも無いよ。

 

心の中で、其方の方は相変わらず鈍いのかよ!と全力で突っ込んだはたてだったが、敢えて口には出さなかった

 

はたて:そうだ!もし良かったら、ラディッツの料理について色々取材させて欲しいんだけど!出来れば近日中に!

 

ラディッツ:余程ネタに困ってるんだな…良いぜ、いつでも来いよ。但し、前以て連絡は入れてからにしろよ。

 

はたて:了解♪助かるよ♪

 

ラディッツ:さてと…渡すもんも渡したし、邪魔にならん内に退散するよ。仕事中に悪かったな。

 

はたて:何の何の♪わざわざ有難う。紅魔館の皆にも宜しくね♪

 

ラディッツ:おう、じゃあな。

 

ラディッツは、詰所から飛び立ち移動を開始した

 

はたて:よっしゃ!塩辛食べて、もうちょい頑張るとしますか!

 

大きく伸びをした後、はたては貰った塩辛を軽く摘まみその美味しさに衝撃を受けた。しかし、塩辛の効果か取材の許可が取れたからかは定かでは無いが、その後は先程の気だるさは全く感じなかったと言う…その日の夜、彼から御返しを貰った幻想少女達は、皆揃って幸せな夢が見られたと言う…

 




やりたい話がまた1つ出来たので、雑ですが簡単なあらすじだけ(あくまでも予定です)

月面戦争編ー鈴仙を取り戻せー

永遠亭の面々の元に月の使者が訪れた。

目的は、彼女達を月へ連れ戻す為…

永琳や輝夜は彼女達の誘いを断り、一度は退いたかに見えた月の使者達。

彼女達は、その時偶々仕事で其処に居なかった鈴仙にも接触…

月の兵士としてやり直すチャンスを与えてくれると言う彼女達の誘いを承諾し、月に戻り再教育を受ける事になる

しかし、それは幻想郷の友人達との別れを意味していた…

鈴仙から唐突に別れを告げられ、動揺を隠せないフラン達…

制止する者達も居たが、彼女の決意は揺らがず、鈴仙は月の使者達と共に月へ帰って行った。

しかし、ラディッツは彼女がそれを心から望んでいない事を見抜いており、彼女を連れ戻す事を決意する。

同行を申し出たフラン、はたて、妹紅、輝夜と共に月の者達との戦いを決意し、紫の力を借りて月へ向かう。

月面戦争の始まりである…

ワンピースのCP9編を元にしたいんですが、上手く書けるかどうか分かりません…(汗)
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