誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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ゆっくりしてってね


第279話

色々ありつつも座禅を済ませたラディッツ達。その後も寺の雑務を終わらせて行き、気付けば昼時になっていた。皆で昼食を済ませた彼等を待っていたのは…

 

白蓮:次は、御待ちかねの肉体的な修行になります。まぁ簡単に言えば組手ですね。

 

フラン:やった♪

 

美鈴:待ってました!

 

ラディッツ:組手の相手は誰なんだ?

 

白蓮:もう既に決めていますよ。

 

ぬえ:フランの相手は私だよ。

 

フラン:ぬえちゃんか、宜しくね♪

 

ぬえ:言っとくけど、手加減はしないよ?

 

フラン:私だって!

 

一輪:美鈴さんの相手は、僭越ながら私がやらせて頂きます。

 

美鈴:御手柔らかに。

 

一輪:此方こそ。

 

ラディッツ:俺の相手は?

 

白蓮:貴方には、私自らが手解きして差し上げます。

 

ラディッツ:何?

 

白蓮:貴方が一流の戦士になれる様、微力ながら私が力を貸しましょう。

 

ラディッツ:コレは心強いな。宜しく頼むぞ。

 

白蓮:さぁ、始めますよ。

 

ラディッツ:あぁ。

 

2人1組で別々の場所に移動し、それぞれ組手を始めた一行。しかし、元より並外れた実力があるフランや美鈴と違い、ラディッツの組手は苛烈を極めた。彼と白蓮との間には圧倒的な戦闘力があり、彼の攻撃のほぼ全てが全く通用しない。何度も掻き消され、叩き落とされ、吹き飛ばされ…それでも、彼は折れずに立ち向かう…

 

ラディッツ:はぁ…はぁ…まだだ!まだやれる!

 

白蓮:此処までやられても尚、真っ直ぐな目をしているなんて…普通の者ならば、とうに挫折して逃げ出していてもおかしくない筈…

 

ラディッツ:昔の俺なら、とっくに尻尾を巻いて逃げ出してるだろうよ…だが、それをやったら今まで築き上げて来たもんを全部失っちまうんだ…アイツ等を失う事は、今の俺には死ぬ事よりも辛い…

 

白蓮:・・・

 

ラディッツ:だが、今のままじゃアイツ等を守り通す事は出来ん。だから此処に来た。強くなりたい…どんな敵からでもアイツ等を守れるくらいに…その為なら、どんなにキツい試練にだって立ち向かってやる。

 

白蓮:何と言う…

 

2人の組手は夕刻まで続いたが、ラディッツの攻撃が白蓮に届く事は無かった…

 

ラディッツ:此処までやっても、まるで敵わん…か…化け物め…だが、このままでは終わらんぞ。此処で死ぬ気で修行をし、アンタを越えてやる。

 

白蓮:フフ、何と鍛え甲斐のある方でしょうか…この聖白蓮、その日が来るまでトコトン付き合いましょう。

 

白蓮の中に、ワクワクした気持ちとラディッツへの期待が生まれた

 

白蓮:しかし、毎日コレでは貴方の身が持たないでしょう。修行のペースについてですが、2日修行をした後は丸1日休み、また2日修行…コレを続けて行きましょう。

 

ラディッツ:待ってくれ、休み等不要だ。そんな事をしたら…

 

白蓮:無理して肉体を酷使し、壊れてしまっては本末転倒です。闇雲に鍛えるだけでは無く、時にはしっかりと休む事も重要だと貴方も分かっているでしょう?

 

ラディッツ:そ、それは…

 

白蓮:大丈夫。長く厳しい日々になりそうだけど、貴方ならきっとやれるわ。

 

ラディッツ:…分かった。

 

白蓮:宜しい。さ、今日はコレまでです。夕食を食べ、ゆっくりと休みなさい。そして、明日も頑張りましょう。

 

ラディッツ:あぁ。

 

力強く頷き、白蓮と共に寺の広間に移動したラディッツ。先に戻っていたフランや美鈴に傷の手当てを受けた後に皆と共に夕食を食べ、入浴してすぐに睡魔に襲われた彼は、そのまま眠りに落ちた。後に起きる事件の事を、この時はまだ誰も知らない…




寅ンクス:闇雲に修行するのは危険です。もっと計画性を持って…

ナズリー:無視!

ムラータ:臆病者はやらなくても良い!

寅ンクス:ハァッ☆

スミマセン、やりたかっただけです

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