悟空が命蓮寺にやって来てから数週間が過ぎた…ラディッツは、朝早くから日が暮れるまで毎日の様に悟空、フラン、美鈴と組み手を行い、その度に戦闘力を高めて行った。悟空だけでなく、白蓮を始め其処に居る皆が、彼の成長速度に驚きを隠せずにいた…
悟空:かぁ…めぇ…はぁ…めぇ…波ーっ!
悟空は、両手に溜めたエネルギー波をラディッツに向けて真っ直ぐに撃ち出した
ラディッツ:ぬぅ…だあぁっ!
ラディッツは、それを受け止めた後遥か彼方に弾き飛ばした
悟空:ラディッツ、おめぇは本当に凄ぇよ。この成長速度には、オラも敵わねぇなぁ。
ラディッツ:だが、まだ何かが足りん…一体何が…
悟空:・・・
美鈴:本当に今更な事でスミマセンが…悟空さんは、一体誰からその戦い方を教わったんですか?
悟空:ん?あぁ、亀仙人のジッチャンからだな。
美鈴:亀仙人?
ラディッツ:本名は、確か武天老師だったか?
美鈴:何と…
悟空:ん?あー、そういやそんな名前だったか?
ラディッツ:お前なぁ…師匠の名前くらい、しっかり覚えておけよ…
悟空:ハハハ♪
そんな兄弟のすぐ横で、美鈴はプルプルと震え出した
フラン:美鈴、どうかしたの?
美鈴:悟空さん!まさか、貴方があの武天老師様の御弟子さんだったなんて!
悟空:お、おぉっ?
美鈴は、すぐに目を輝かせて悟空に迫った
悟空:おめぇ、ジッチャンを知ってんのか?
美鈴:私も、元は外の世界の武道家の端くれですからね。そして、我々武道家の中であの御方の御名前を知らない者は居ませんよ。何せ武術の神と呼ばれた御方ですからね。
悟空:そうなんか…
美鈴と悟空が話している少し横で、ラディッツとフランは話を始める
フラン:御兄ちゃんは、その人の事を知ってたの?
ラディッツ:地球でアイツと過ごしてる時に紹介されるまで、名前すら知らなかったよ。
フラン:そうなんだ…
ラディッツ:因みに、お前は?
フラン:私、ずっと地下で幽閉されてたんだよ?知ってると思う?
ラディッツ:だろうな…
美鈴:此処だけの話ですが…実は私、大昔に武天老師様と戦った事があるんですよ。
ラディッツ:何?
フラン:そうなの?
美鈴:えぇ。自分の実力を確かめたいと思い、老師を訪ねて勝負を挑みました。
悟空:そうなんか。で?ジッチャンに勝ったんか?
美鈴:まさか♪気持ち良いくらいに完全敗北しましたよ♪アッハッハッ♪
ラディッツ:何笑ってやがる…
フラン:だね…
満面の笑みの美鈴に対し、ラディッツとフランは呆れ顔である
美鈴:いやぁ、あの頃は私も若かったですからね。自分の腕に絶対の自信があり、誰にも負けないと思ってました。あの御方に完敗し、自分が井の中の蛙だったと痛感したもんです。
悟空:そんな事があったんか…
美鈴:あったんですよ。老師は御元気ですか?
悟空:おう、元気にやってっぞ。
美鈴:そうですか、良かった…きっと、今でも毎日修行をしているんでしょうね。
ラディッツ:…真実は知らん方が良さそうだな…
フラン:真実って?
ラディッツ:いや、何でもねぇ。
フラン:???
悟空:そんな事は兎も角…ラディッツ。おめぇ、さっき何かが足りねぇって言ってたよな?
ラディッツ:あぁ。白蓮が言ってたんだが、俺には眠ったままの力があるらしいんだ。それを引き出す為の鍵とやらが何なのか、それが分からんのだ。
悟空:眠ったままの力か…今のおめぇなら、あの姿にもなれるかもな。
ラディッツ:あの姿?
悟空:んー…ああだこうだ言うより、実際に見せた方が早ぇかもな…
ラディッツ:見せるだと?
悟空:ちょっと見ててくれ。ハァァァァッ…
そう言うと、悟空は気を高めて行く。すぐに彼の全身から金色のオーラが溢れ始めた…
フラン:す、凄い…
美鈴:何て戦闘力…
ラディッツ:・・・
息を飲むラディッツ達の目の前で、悟空の戦闘力は尚も上がり続ける…そして…
悟空:ハァァァァッ!
叫び声と共に、悟空の髪の毛が金色に、瞳はエメラルド色に変わった
ラディッツ:カ、カカロット…お前、それはまさか…
美鈴:何ですか?
ラディッツ:俺達サイヤ人の間では、1000年に一度金髪の超戦士が現れると言う伝説が語られていてな…只の伝説だと思ってたが、まさかそれが…
悟空:そう…コイツが伝説の戦士、スーパーサイヤ人の姿だ。
美鈴:スーパー…
フラン:サイヤ人…
ラディッツ:ハ…ハハハ…コイツは驚いた…まさか、下級戦士の中でも特に戦闘力が低かったお前が、その境地に辿り着いているとはな…
悟空:まぁ色々あってな…
そう言うと、悟空は超化を解除して元の姿に戻った
悟空:ラディッツ。強く優しくなった今のおめぇなら、この姿になる事だって夢じゃねぇ筈だ。
ラディッツ:だが、そうなる為の条件が分からんぞ…
悟空:スーパーサイヤ人になる条件は2つ。1つは、穏やかな心を持ってる事…そんでもう1つは、ソイツが激しい怒りを感じる事だ。
ラディッツ:穏やかな心と激しい怒り…
悟空:そうだ。
美鈴:それが、白蓮さんが言っていた鍵と言う事なんでしょうね。
フラン:御兄ちゃんは、穏やかな心の方はもうクリアしてるね。
美鈴:では、後必要なのは激しい怒りですか…
フラン:それじゃあ…御兄ちゃん、私に怒ってみてよ♪
ラディッツ:いきなり怒れと言われても無理だろ…
フラン:でも、それじゃ金色になれないよ?
ラディッツ:むぅ…
美鈴:まぁまぁ、そう焦らなくても良いのでは?
悟空:そうだな。今急いでならなくても、機会はあるだろうしな。
ラディッツ:だと良いんだが…
悟空:そんな事より修行だ修行!皆、まだまだやれんだろ?
美鈴:勿論です!
フラン:私も!御兄ちゃんはどう?
ラディッツ:いちいち聞くな。皆を守る為なら、何だってやってやる!
悟空:そう来なくちゃな!さぁ、もういっちょやってみっか!
ラディッツ:何処からでも掛かって来い!
更なる強さを求める者達の修行の日々は、それから更に3ヶ月以上続いた…
修行もいよいよ大詰め?仲間達との再会まで後少し…?