誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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パチュリーの夢

オリジナル要素ばかりです

では、始まります


第293話

今日も今日とて平和な紅魔館には、いつもの様に仲の良いメンバーが集まっていた。和気藹々とした空気の中、レミリアだけは少し難しい顔をしていた…

 

レミリア:むぅ…

 

ラディッツ:レミリア、どうかしたのか?

 

悟空:何か悩み事でもあんのか?

 

レミリア:いや、悩み事があるのは私じゃないのよ。

 

ラディッツ:どう言う事だ?

 

レミリア:その…悩み事がある様子なのは、パチェなのよ。

 

鈴仙:パチュリーさんが?

 

妹紅:一体、何を悩んでるって言うんだ?

 

レミリア:分からないけど、何か机に向かいながらああでも無いこうでも無いってブツブツ呟いてるのよ。

 

アリス:机に向かいながらねぇ…

 

はたて:小難しい本でも読んでるだけじゃないの?

 

レミリア:・・・

 

フラン:私も気になってたんだ。ちょっと心配だよね…

 

レミリア:えぇ…

 

咲夜:病気が完治してからは、外出も増えて皆安心していたのですが…最近は、以前の様に食事と睡眠以外の時間は机に向かいながら唸っていますね。

 

レミリア:こぁ、何か聞いて無いの?

 

小悪魔:スミマセン、私もパチュリー様が何をしているかは…

 

レミリア:こぁも知らないなんて…

 

ラディッツ:下らん…

 

レミリア:な、何ですって?

 

ラディッツ:そんなに気になるなら、本人に直接訳を聞いてみりゃ良いだろうが。

 

レミリア:そりゃ、私達だって何度も聞いたわよ。だけど…

 

咲夜:いつ御聞きしても、何でも無いってはぐらかされてしまうんです。

 

小悪魔:まさか、密かに誰にも相談出来ない様な事をしてるとか…

 

フラン:そんな…

 

レミリア:パチェに限って…

 

ラディッツ:やれやれ…グダグダ考えてても仕方ねぇ。俺がアイツに事情を聞いて来てやるよ。

 

妹紅:親友のレミリアや、付き合いの長い館の連中にすら内緒なんだぞ?

 

アリス:そうね。幾ら貴方とは言え、教えて貰えるかどうかは分からないわよ。

 

ラディッツ:かもな。だが、今のままで放置しとく訳にはいかんだろ。

 

レミリア:そ、それはまぁ…

 

ラディッツ:ったく…あの紫モヤシめ、世話の焼ける奴だな…

 

ブツブツ言いつつ、ラディッツは大図書館へ向けて移動を開始した

 

フラン:行っちゃった…

 

鈴仙:でも、以前パチュリーさんが閉じ籠っていた殻を破ってくれたラディッツさんなら…

 

はたて:もしかしたら、もしかするかも知れないね。

 

悟空:ま、なる様になんだろ。

 

レミリア:・・・

 

場所は変わり、此処は大図書館…

 

パチュリー:うーむ…

 

レミリア達の証言通り、パチュリーは机に向かいながら唸っている。辺りには、クシャクシャに丸められた紙が散乱している…

 

ラディッツ:よぅ、邪魔するぞ。

 

其処へ、ラディッツがやって来た

 

パチュリー:ラディッツ…

 

パチュリーは、何かを素早く本の間に挟んで隠した

 

ラディッツ:偉く散らかってやがるな…

 

パチュリー:煩いわよ。それより何か用?何も無いなら、悪いけど出て行って貰えるかしら?

 

ラディッツ:そうはいかん。お前、また何か悩んでるんじゃねぇのか?

 

パチュリー:…レミィ達に聞いたのね?

 

ラディッツ:まぁな、皆心配してるぞ。

 

パチュリー:・・・

 

ラディッツ:大方、さっき本の間に急いで隠したもんと、辺りに散乱してる紙屑が原因なんだろうがな。

 

パチュリー:何の事?

 

ラディッツ:バレてねぇとでも思ったか?

 

パチュリー:はぁ…何でそう言う所だけ無駄に鋭いのよ…

 

観念したのか、パチュリーは本の間に隠した物を机の上に出した。どうやら、原稿用紙の様だが…

 

ラディッツ:何だこりゃ?

 

パチュリー:見ての通り、何処にでもある普通の原稿用紙よ。

 

ラディッツ:お前、一体何をしてるんだ?

 

パチュリー:…わない?

 

ラディッツ:ん?

 

パチュリー:聞いても笑わない?

 

ラディッツ:笑われる様な事してんのか?

 

パチュリー:・・・

 

ラディッツ:良いから話してみろ。俺で良ければ聞いてやるからよ。

 

少しの沈黙の後、パチュリーは静かに語り出した

 

パチュリー:夢が…出来たのよ…

 

ラディッツ:夢?

 

パチュリー:私、小説家になろうと思ってね。今まで沢山の本を読んで来たし、何の問題も無いとは思ってたのよ。だけど、いざ形にしようとしても上手く行かなくてね…

 

ラディッツ:辺りに散乱してる紙屑は、その書き損じって事か。

 

パチュリー:そうなるわね…

 

ラディッツ:しかし、またいきなりだな。今までそんな事を考えてたのか?

 

パチュリー:いえ、そう思い出したのはつい最近よ。

 

ラディッツ:ほぅ…

 

パチュリー:病弱だった頃は、本さえあれば他には何も要らないと思ってたわ。でも、今は違うわ。誰かさんの御節介の御蔭で病気が完治して、私の世界は今までと違う物になったわ。

 

ラディッツ:フム…

 

パチュリー:そして、考えも変わったわ。私が小説家になる事が出来れば、今までこんな私を支えてくれた紅魔館の皆を、ほんの少しでも助けてあげられるかも…そう思ってたんだけど…

 

パチュリーは、辺りを見渡して行く

 

パチュリー:この有り様じゃ無理かしらね。言うは易し、行うは難しって言うのは正にこの事だわ…

 

パチュリーは、そう言いつつ溜め息を吐いた

 

ラディッツ:諦めるなよ。

 

パチュリー:えっ?

 

ラディッツ:折角出来た夢なんだろ?良い夢じゃねぇか。この程度で捨てちまうのは勿体ねぇぞ。

 

パチュリー:・・・

 

ラディッツ:コレは、あくまでも1つの案でしかねぇんだが…

 

パチュリー:案?

 

ラディッツ:お前は、病気が完治してから皆と色々な所に遊びに行ったりして過ごして来ただろ?まずは、その時にお前が経験した事や思った事を元にして書いてみたらどうだ?

 

パチュリー:・・・

 

ラディッツ:世間には、読み切りの漫画や小説があるらしいな。まずは、その辺から入って行くのが良いと思うぞ。

 

パチュリー:…驚いたわ…

 

ラディッツ:何がだ?

 

パチュリー:貴方から、そんなまともな案が出て来た事がよ。

 

ラディッツ:相変わらず手厳しいな。

 

パチュリー:でも…そうね…最初はそう言う所から始めるべきよね…私ったら、何を小難しく考えてたんだか…

 

再び、少しの間沈黙。そして…

 

パチュリー:貴方のその案、頂くわ。貴方や皆と付き合って来たコレまでの日々を元に、少し頑張って書いてみるわ。

 

ラディッツ:そうか。

 

パチュリー:まぁ世間に出すのは無理だろうけど…それでも、必ず書き上げて見せるわ。もしも出来上がったら、読んでくれるかしら?

 

ラディッツ:ま、修行の合間の暇潰しくらいにはなるだろうからな。

 

パチュリー:有難う。

 

ラディッツ:それはそうと…

 

パチュリー:何よ?

 

ラディッツ:お前を心配してた他の連中に、一言くらい礼と詫びを入れとくべきだと思うんだがな?

 

パチュリー:あ、確かに…

 

ラディッツ:言い辛いってんなら、俺が代わりに伝えといてやるが?

 

パチュリー:はぁ…良いわよ、自分で謝るから。ほら、さっさと行くわよ。付いて来なさい。

 

ラディッツ:へいへい。

 

パチュリーは、ラディッツと共にレミリアや仲間達が居る部屋へと移動した。そして、全ての事情を説明した…

 

パチュリー:心配掛けて、本当に悪かったわ。ゴメンなさい。それと、心配してくれて有難う。

 

パチュリーは、頭を下げつつ素直に皆に謝罪と感謝の意を伝えた

 

レミリア:そう言う事だったのね。

 

フラン:何か悪い事してるのかもって話になってたよ。

 

妹紅:ま、何事も無くて良かったがな。

 

悟空:あぁ、そうだな。

 

レミリア:それにしても、パチェが小説家になりたいって思ってただなんてね…全然知らなかったわ。

 

咲夜:同じくです。

 

小悪魔:一言くらい、私達に相談して下されば良かったじゃないですか。

 

パチュリー:悪かったわよ。でも、恥ずかしいじゃない…今更こんな夢を見てるだなんて…

 

レミリア:恥ずかしがる事なんて無いわよ。私達は、貴方の夢を応援するわよ。

 

フラン:私も♪

 

咲夜:勿論、私達も。

 

小悪魔:ですね♪

 

悟空:オラもだ。

 

レミリアや咲夜達の言葉に、鈴仙や妹紅、はたて、アリスも笑顔で頷いた

 

パチュリー:皆…

 

鈴仙:それにしても、パチュリーさんが書いた小説ですか…

 

妹紅:私達と過ごした日々を元にするのか…

 

アリス:どうなるのか、読んでみたいわね。

 

パチュリー:ほ、本当に?

 

アリス:えぇ。

 

はたて:完成したら、読み切り小説って事でうちの新聞に掲載させてよ♪

 

パチュリー:そうね…考えとくわ。

 

はたて:宜しく♪

 

鈴仙:どんな話になるのか、今から楽しみですね♪

 

フラン:うん♪

 

ラディッツ:もう後には退けなくなったな?

 

パチュリー:もう退く気は無いわよ。とことんやってやるわ。

 

ラディッツ:その意気だ、頑張れよ。

 

パチュリー:えぇ。

 

再び和気藹々とした空気になる一行。パチュリーの夢への挑戦が、今始まるのだ…

 




短編なのにちょっと長くなりました…
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