誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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秋の味覚大収穫祭(後編)


第296話

妖怪の山で行われる秋の味覚の大収穫祭に招待されたラディッツ達。まず始めに、秋の力を司る神の秋静葉と秋穰子の姉妹への挨拶を済ませた後、何人かずつのチームに分かれて秋の味覚の探索を開始した。今回は、それぞれのチームの様子を御覧頂こう…

 

霊夢:アンタ達!気合いを入れて探しなさい!どんな小さな獲物も逃すんじゃ無いわよ!

 

ジース:只の遊びだってのに、凄い剣幕だな、あの紅白巫女…

 

早苗:そりゃ、今晩のおかずが懸かってますからね。

 

ジース:それは俺達もだけどな。

 

早苗:神奈子様やリクームさん達に、御土産を沢山持って帰るからって約束しちゃいましたもんね。

 

ジース:あぁ。

 

そう話しつつ、手当たり次第にその辺りにある茸を籠に入れて行く霊夢達…

 

魔理沙:ちょっと待った!お前等、一体何やってんだ!

 

それを見た魔理沙は、険しい顔で彼等を止めに掛かった

 

霊夢:何よ魔理沙!邪魔するんじゃないわよ!

 

魔理沙:邪魔するっての!お前等の様子を見てたら、手当たり次第にアレコレ籠に入れてるだけじゃないか!

 

早苗:それが何か?

 

魔理沙:大問題だ!

 

そう言いつつ、魔理沙は荷物の中から分厚い図鑑を取り出した

 

ジース:何だ?その本は…

 

魔理沙:茸図鑑だ。山の収穫祭に誘われたから、念の為に持って来といたんだ。どうやら正解だったみたいだな。

 

早苗:そうなんですね…

 

魔理沙:特にジース!一番危ないのはお前だ!

 

ジース:どう言う事だ?

 

魔理沙は、ジースが採った茸の籠に近付き、次々と籠からそれらを放り出して行く

 

ジース:お!おい!何やってんだ!折角採ったのによ!

 

魔理沙:バカ野郎!

 

ジース:はぁ?

 

魔理沙:お前が採った茸には、毒茸が混ざってるんだよ。勿論、ちゃんと食えるのもあるけどな。

 

ジース:ど、毒だと?

 

魔理沙:例えば…

 

魔理沙は、赤地にクリーム色の斑点がある茸を取り出した

 

魔理沙:コレは、アカモドキノコって言ってな。食用のアカキノコと良く似てはいるが、斑点の色が違うんだ。食用の方は斑点の色が純白なんだ。

 

ジース:そんなの知るかよ。斑点の色だって、只くすんでただけかも知れねぇだろ…

 

魔理沙:因みに、アカモドキノコの毒は猛毒だ。間違って食ったら、物の数分で体温を根刮ぎ持ってかれて、あっと言う間に冷たくなっちまうんだ。

 

ジース:マ、マジか…

 

魔理沙:あぁ…

 

霊夢:何でそんな物騒なもんが其処らにあるのよ…

 

早苗:もしも気付かずに持って帰っていたらと思うと…

 

ジース:寒気がして来たな…

 

大惨事を想像し、青くなる霊夢達だった

 

ジース:お前、やけに詳しいな。

 

魔理沙:私は、茸に関してはちょっと煩いんだ。何せ、魔法の研究の為に色々調べたりしてるからな。

 

ジース:成る程な…

 

霊夢:そう言えば、アンタいつもそんな事してたわね。

 

早苗:御蔭で助かりましたね。

 

魔理沙:霊夢に早苗、2人の籠も見てやる。そんで、美味な茸がどれかも教えてやるよ。

 

霊夢:そう?悪いわね。

 

早苗:有難うございます♪

 

ジース:頼んだぞ、茸博士。

 

魔理沙:おう!任せとけ!

 

図鑑片手に監督する魔理沙の元、茸狩りに熱中する霊夢達であった。一方、ザーボン、小傘、華扇の3人は…

 

小傘:見て下さい♪立派な筍があちこちに♪

 

ザーボン:コレは、大豊作ですね。

 

華扇:嬉しいわ♪今晩は筍尽くしね♪

 

ザーボン:では、ありったけ頂いて帰るとしましょうか。

 

華扇:それは駄目よ、ザーボン。

 

ザーボン:えっ?

 

小傘:仙人様?

 

華扇:山の幸は、私達だけの物では無く皆の物。独占して堪能したい気持ちもありますが、其処はグッと堪えて程々にですよ。

 

ザーボン:そ、それは確かに…

 

華扇:尤も、小傘が約束した人里の皆さんの分も必要ですから、それなりの量は必要ですけどね。

 

小傘:ス、スミマセン…

 

華扇:良いんですよ。里の人間達には、いつも御世話になっていますからね。少しばかりの恩返しと行きましょう。さぁ、採り尽くさない様に程々に…しかし、出来るだけ立派な筍を求めて!

 

小傘:多分、一番張り切ってるのは仙人様ですよね…

 

ザーボン:えぇ、間違い無く。

 

華扇:ザーボン!小傘!何をしてるの?早くしないと日が暮れてしまうわ!早く私に続きなさい!

 

小傘:行きましょうか。

 

ザーボン:そうしましょう。

 

ザーボンと小傘は顔を見合わせて肩を竦めた後、華扇と共に筍掘りを続けたそうな…ターレス、椛、こいしの3人は、栗拾いの真っ最中である…

 

こいし:凄い凄い♪掌に収まらない超特大サイズ見付けた♪

 

椛:デカッ!何ですかその栗!

 

ターレス:デカしたぞ、こいし。重量もあるし、コレは期待出来そうだ。

 

椛:あちこちにそんなのが入ったイガがゴロゴロ転がってますね。

 

ターレス:秋の神達も、相当張り切ってた様だな。

 

こいし:コレは御姉ちゃんの分♪コレはお空の分♪コレはお燐の分♪それに、地底の皆に御裾分けする分♪

 

ターレス:以前世話になった風見幽香と…隙間妖怪の所にも、少しくらい持って行ってやるとするか。

 

椛:ターレスさん、彼女達の所に持って行く分…それと、一番重要な自分達の分も御忘れ無く。

 

ターレス:あぁ、分かってるさ。

 

こいし:隙有り♪

 

こいしは、ターレスと話をしている椛の後ろから忍び寄り、彼女の襟元を引っ張って服の中にイガを放り込んだ

 

椛:ちょっ…こいしさん、何してるんですか?

 

こいし:何って、ちょっとしたプレゼントだよ♪

 

椛:こんなプレゼント要りませんよ!

 

こいし:まぁまぁ遠慮しないで♪

 

椛:いやいや、遠慮とかじゃなくて…

 

こいし:あ!アレ何だろ?

 

椛:えっ?

 

虚空を指差し、椛が気を取られたその隙に、こいしは更に幾つかのイガを椛の衣服(背中の方)に放り込んだ

 

椛:いだだだだ!イガが!イガが背中に刺さって!

 

こいし:アハハ♪反応が面白い♪

 

背中に入れられたイガを取り出そうと足掻く椛の姿を、こいしは笑いながら見物している

 

椛:この悪ガキめ…

 

ターレス:何を騒いでやがる?

 

こいし:あ、御兄さん♪

 

椛:ターレスさん!ちょっと聞いて下さいよ!

 

白狼天狗、事情説明中…

 

ターレス:それは、油断したお前が悪いぜ。

 

椛:へっ?

 

ターレス:戦場じゃ、敵に背を見せたり油断した奴から死んで行くのが当たり前だ。どんな時も気を抜くなって事だな。

 

椛:そ、それは確かにそうかも知れませんが…

 

ターレス:とは言え、俺達は敵じゃねぇしな。こいしも、悪戯は程々にしとけよ?やり過ぎると噛み付かれるかも知れねぇぜ?

 

こいし:ハーイ♪

 

椛:むぅ…何か腑に落ちない…

 

少しの不満を覚えつつ、ターレスとこいしの後に付いて栗拾いに戻る椛だった…パチュリー達は、程々に味覚狩りもしつつ秋の景色を楽しんでいた…

 

アリス:澄んだ空気に綺麗な紅葉、そして美味な山の幸…最高の贅沢だわ。

 

パチュリー:そうね、悪くは無いわね。

 

妹紅:しかも、栗や柿が大量に手に入ると来たもんだ。帰ったら干し柿でも作るかな。

 

妖夢:筍や茸もこんなに沢山。今から腕が鳴ります!

 

鈴仙:姫様や師匠、喜んでくれるかな…ついでにてゐも…

 

文:皆さーん!写真撮りますよー!

 

カメラを構え、楽しんでいる皆に声を掛けた

 

妹紅:こんな時まで仕事か?

 

文:皆さんの楽しそうな姿を形に残す事も、私の大事な仕事ですからね。

 

パチュリー:熱心と言うか何と言うか…

 

妖夢:この事も新聞に載せるんですか?

 

文:勿論です!

 

鈴仙:うーん…別に載せるのは構いませんが、記事の捏造だけはしないで下さいよ?

 

文:…しませんってば♪

 

アリス:今、若干の間があった様な気がするんだけど…

 

文:細かい事は気にしない♪ホラホラ、目線此方に御願いします♪

 

その後、数分間に渡り文による記念撮影が続いた…

 

パチュリー:・・・

 

鈴仙:パチュリーさん、どうかしましたか?

 

パチュリー:病弱だった私が、今こうして仲間達と楽しそうに秋の味覚狩りしてるとか、今でも不思議な感じだと思って…

 

鈴仙:それもコレも、全部彼の御蔭ですかね。

 

妹紅:まぁアイツが居なけりゃ、今の私達の繋がりは無かっただろうからな。

 

アリス:そうかもね…

 

妖夢:そう言えば、その彼はどちらに?

 

文:彼等なら、向こうに居ますよ。ホラ…

 

パチュリー達が文が指を差した方向を見ると、其処にあったのは仲良く秋の味覚狩りを楽しむサイヤ人兄弟と吸血鬼の少女、そしてそれを見守る鴉天狗の姿だった…彼等の手にあるのは、秋の味覚の代表格である松茸だった…

 

ラディッツ:どうだ?フラン。カカロットよりも俺の松茸の方が大物だろ?

 

悟空:そりゃどうかな?オラの方がデケェよな?

 

フラン:うーん…かなり微妙な差だけど…コレは悟空の勝ち!

 

悟空:よっしゃあ♪

 

ラディッツ:むぅ…コレは自信があったんだが…

 

フラン:正直、判断が難しかったよ。かなりギリギリの勝負って所。

 

悟空:へへ、悪ぃなぁ♪

 

ラディッツ:まぁ良いさ。にしても、外の世界だとかなり貴重で高価らしい松茸がこんなに大量に採れるとはな…幻想郷じゃコレが普通なのか?

 

はたて:まさか。私も長年山に居るけど、こんなに採れる事は滅多に無いよ。下手すると異変と疑われるレベル。

 

ラディッツ:そうなのか…

 

フラン:きっと、神様達の力なんだろうね。

 

はたて:あー、頑張ったって言ってたもんねぇ…

 

悟空:何処の世界でも、神様ってのは凄ぇ存在なんだな。

 

ラディッツ:全くだ。

 

そんな事を話しているラディッツ達の元に、何処からか巨大な猪が姿を現した

 

フラン:あ、猪だ。

 

悟空:こりゃまた、随分デケェな。

 

はたて:何でこんな所に猪が…

 

ラディッツ:丁度良い、コイツも土産として持って帰るか。

 

悟空:そりゃ良い考えだ。

 

フラン:新鮮な猪の御肉なんて、きっと御姉様達も喜んでくれるね♪

 

ラディッツ:フラン!カカロット!奴を仕留めるぞ!絶対に逃がすなよ!

 

フラン:おぉーっ♪

 

悟空:任せろ!

 

ラディッツ、フラン、悟空は3人で猪の逃げ道を塞ぎ、極力傷付けない様に仕留めた。彼等は、化け物達の前に現れてしまったが故に狩られる事になってしまった猪に対して静かに合掌する鴉天狗の姿があった事…そして、獲物を狩った後で嬉しそうにハイタッチし合う彼等の姿を見て、パチュリー達が目を細めている事に気付いてはいなかった…そうこうしている内に夕刻が近くなり、それぞれの居場所へと帰る時間となった…

 

ラディッツ:怖いくらい大量だな。コレならば、留守番してる奴等も文句はねぇだろ。

 

フラン:だね♪

 

悟空:今日の晩飯が楽しみだなぁ♪

 

パチュリー:期待して良いのよね?

 

ラディッツ:あぁ、任せとけ。

 

パチュリー:・・・

 

ターレス:俺達は、今日はこのまま地底に向かう。

 

こいし:さっき連絡したら、料理の準備して待ってるって言ってたしね。

 

椛:そう言う訳ですので、私達はコレにて。

 

悟空:そっか、分かった。

 

ラディッツ:またな。

 

椛:ハイ!

 

ターレス達は、そのまま地底に向かって移動を開始した

 

ラディッツ:気のせいかも知れんが…椛の奴、ちょっと疲れてる様に見えたが…

 

文:そうですか?いつも通りでしたよ?

 

ラディッツ:そ、そうか…

 

華扇:では、我々も人里に向かいましょうか。

 

小傘:ですね、早く御土産を届けないと。

 

ザーボン:では、我々もコレで。

 

華扇達は、人里に向かって移動して行った

 

鈴仙:私達も帰ります。遅くなると、師匠に怒られてしまいますし。

 

妖夢:私も、早く帰らないと空腹の幽々子様が何をするか分かりませんので。

 

霊夢:あの亡霊、空腹になると暴れる訳?

 

妖夢:えぇ、まぁ…止めるのも一苦労ですよ。

 

鈴仙:うちの姫様も、普段はおしとやかですが、一度暴れると手が付けられません…

 

妹紅:アイツはいつもそんなもんだろ。

 

鈴仙:ち、違います!多分!

 

魔理沙:多分かよ…

 

ラディッツ:お前達も色々苦労してるな…愚痴くらい聞いてやるから、いつでも来いよ。

 

鈴仙:有難うございます♪

 

妖夢:それでは。

 

鈴仙と妖夢もそれぞれの居場所へ向かって移動を開始した

 

妹紅:さてと…それじゃ、私も行くわ。

 

アリス:私も。

 

ラディッツ:妹紅、アリス。また何かあったら力を借りると思うが、その時は…

 

妹紅:皆まで言うな。有事の時は遠慮無く声を掛けてくれ。

 

アリス:私の力で良ければ、いつでも貸してあげるわ。

 

妹紅:じゃあな。

 

アリス:またね♪

 

妹紅とアリスも、その場から移動して行った

 

魔理沙:そんじゃま、私達も帰るか。

 

霊夢:そうね。一応、今日は誘ってくれて有難うと言っとくわ。御蔭で秋の味覚ボロ儲けだし♪

 

文:何の何の♪

 

早苗:何か楽しい事があったら、また声を掛けて下さいね♪

 

はたて:勿論♪

 

早苗:それじゃジースさん、荷物運びは御願いしますね♪

 

ジース:へいへい、それじゃあな。

 

主人公組とジースもまた、彼等の居場所へと帰って行った

 

パチュリー:私達も、紅魔館へ帰るわよ。

 

ラディッツ:レミリア達が腹を空かして待ってるだろうしな。

 

フラン:そうだね。

 

悟空:おう!

 

ラディッツ:文、はたて。今日は有難うよ。また何かあったら頼むよ。

 

文:ハイハイ♪

 

はたて:此方こそ♪御休み♪

 

ラディッツ:あぁ。

 

ラディッツ達も、天狗達と別れて紅魔館へと帰還した。留守番をしていたレミリア達は、持ち帰った猪の肉と秋の味覚に驚きつつ大喜びだった。その日の夕食は、それぞれの食卓に豪華な食材がズラリと並び、皆その味を心行くまで楽しんだとか…




仕事が忙しく、更新が遅くなり申し訳ありません

ですが、何があっても失踪だけはしませんので御安心下さい

次回は、ストレス発散回(?)として好き勝手カオスな事をしたいと思います
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