誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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幻想郷のハロウィン その3


第301話

フラン達に気付かれない様に気を消しつつ、太陽の畑までやって来たラディッツと妹紅。其処には、所々荒れてしまったままの向日葵畑があった…

 

妹紅:随分荒れてるな…

 

ラディッツ:ターレス達から話は聞いた。こうなった原因は、地獄から甦ったアイツの部下だった奴等らしい。

 

妹紅:あー…そういやそんな事言ってたな…

 

ラディッツ:さて、此処の管理人は何処に居るんだろうか…

 

妹紅:オイオイ、探す相手が違うだろ。

 

ラディッツ:分かってるよ。フラン達には見付からん様にしねぇとな。

 

妹紅:別にコソコソする必要も無いだろうに…

 

幽香:話し声が聞こえるから来てみれば、珍しい御客が居るわね。

 

話し声を聞き付けて、風見幽香が彼等の所に姿を現した

 

妹紅:風見…幽香…

 

幽香:不死身の化け物が、こんな所に何の御用かしら?

 

妹紅:…用があるのは私じゃない、連れの方だ。

 

幽香:フーン…

 

ラディッツ:アンタが此処の管理人か?

 

幽香:人に物を尋ねる時は、まず自己紹介してからと教わらなかったのかしら?

 

ラディッツ:悪いな、生憎育ちが悪いもんでよ。俺の名はラディッツ。縁あって、外の世界からこの幻想郷に来たサイヤ人だ。

 

幽香:サイヤ人…ラディッツ…成る程、貴方が彼が話してた…

 

ラディッツ:彼って、ターレスの事だよな?

 

幽香:えぇ、彼と貴方は腐れ縁らしいわね。色々聞いてるわよ。昔やらかした数々の恥ずかしい失敗とか、貴方が仲間内でどう呼ばれてたのかとかね。

 

ラディッツ:アイツめ…

 

妹紅:・・・

 

ラディッツの恥ずかしい失敗談について、詳しく聞いてみたいと思った妹紅だったが、口には出さず胸の内に仕舞い込んだ

 

幽香:それで?一体どんな御用で此処に来たのかしら?

 

ラディッツ:単刀直入に聞く。フラン…フランドールと妖精達が此処に来なかったか?

 

幽香:フランドール…あぁ、紅魔館の主の妹の事ね。貴方、彼女とどんな関係?

 

ラディッツ:アイツは、俺の家族で妹だ。尤も、実年齢はアイツの方が大分上で、血も繋がってねぇがな。

 

幽香:家族?妹?貴方は寝言が好きなのかしら?

 

ラディッツ:本当の事だ。

 

妹紅:色々あって、フランの奴がこの男にすっかり懐いてるんだ。家族だってのも事実だ。紅魔館の連中も了承済みだよ。

 

幽香:へぇ、そう…

 

ラディッツ:それで、フラン達が此処に来たと言う話を聞いてな。迷惑を掛けてねぇかと思って、様子を見に来たんだ。

 

幽香:そう…確かに、さっき妖精達と一緒に来てたわ。けど、もう此処には居ないわよ。ハロウィンだから御菓子をあげたら、挨拶してからすぐに此処を発ったわ。

 

ラディッツ:またすれ違ったか…

 

妹紅:此処に来るのに時間掛かったしな。

 

ラディッツ:あぁ。

 

幽香:あの子達なら、張り切って博麗神社に向かったわよ。

 

ラディッツ:博麗神社って事は、次のターゲットは…

 

妹紅:アイツ等、怖いもん無しだな…

 

ラディッツ:ったく、何事も無けりゃ良いんだが…妹紅、悪いが…

 

妹紅:皆まで言うな。どうせ暇だし、付き合うよ。

 

ラディッツ:スマン、急ぐぞ。

 

2人は移動しようと身構えた。しかし…

 

幽香:あら、用事はそれだけ?

 

ラディッツ:フラン達が居ねぇなら、此処に居る意味はねぇからな。

 

幽香:コレも彼から聞いた事だけど、サイヤ人って種族は何よりも戦いを好む奴等らしいじゃない。

 

ラディッツ:何が言いたい?

 

幽香:良かったら、ちょっと手合わせしない?

 

ラディッツ:折角の誘いだが断る。今は他にやる事があるからな。

 

幽香:負けるのが怖いから逃げるの?弱虫さん?

 

ラディッツ:…何だと?

 

『弱虫』…踵を返した直後にその一言を聞き、ラディッツは幽香を睨み付けた

 

幽香:仲間内でも最弱レベルで、ずっとバカにされてたそうね。なら、言われ慣れてるんじゃない?

 

ラディッツ:・・・

 

かつて仲間内から弱虫、泣き虫と呼ばれ続け、悔しくても何も言い返せなかった。その事を思い出し、握り拳は震え、気が高まり始めた…

 

妹紅:落ち着け!挑発に乗るな!

 

ラディッツ:…そうだな…

 

震える拳を抑えつつ説得する妹紅…その言葉で我に返り、拳を解いて気を静めた

 

幽香:あら、残念…乗って来ると思ってたんだけど…

 

ラディッツ:あぁ、危うくそうなる所だったよ。

 

幽香:其処の化け物に救われたわね、坊や。

 

妹紅:・・・

 

ラディッツ:1つだけ言っておく…

 

幽香:何かしら?

 

ラディッツ:俺の事は何とでも言え。だがな…俺の仲間を侮辱する事は、誰であっても許さんぞ。

 

妹紅:・・・

 

幽香:へぇ…

 

ラディッツ:それと…次に来た時は、是非とも手合わせを頼む。それじゃあな。

 

そう言った後、ラディッツと妹紅はその場から飛び立った

 

幽香:フフ…次が楽しみね…

 

幽香は怪しい笑みを浮かべ、ゆっくりとその場を離れた。一方、博麗神社を目指して移動中のラディッツと妹紅は…

 

妹紅:ったく…サイヤ人ってのは血の気が多いな。私も人の事は言えないが…

 

ラディッツ:まぁそう言う種族だからな。

 

妹紅:だとしても、あんな挑発に一々乗ってたら命が幾らあっても足りないぞ?

 

ラディッツ:全くだ。少し感じただけでも、奴の戦闘力は俺の遥か上だった。お前が居なかったら、今頃どうなってたか…考えなくても分かるな。

 

妹紅:やれやれ…過去に色々言われたらしいが、あんまり気にするなよ。アンタはもう、昔のアンタじゃないんだ。

 

ラディッツ:そう…だな…

 

妹紅:それと…有難うな…

 

ラディッツ:何がだ?

 

妹紅:仲間の侮辱云々って言ったのは、私が幽香に化け物呼ばわりされたからだろ?嬉しかったよ…

 

妹紅は、少し微笑みながらラディッツに御礼を言った

 

ラディッツ:礼を言うのは此方もだ。お前の御蔭で、ギリギリの所で踏み留まれた。助かったよ、有難う。

 

妹紅:へへ…

 

ラディッツ:さぁ、博麗神社へ急ぐぞ!

 

妹紅:あぁ!

 

次の目的地は博麗神社。どうなります事やら…




前書きのタイトルの所を、前編中編からその1、その2に変えました

計画性0で申し訳無い…
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