天界を訪れたターレス達を待っていたのは、激しい雷雨と、敵の術で正気を失った天界の主の従者、永江衣玖だった。ターレスは、敵意を剥き出しにした彼女と戦うべく名乗りを上げた・・・
ターレス:何処からでも掛かって来い、先手はくれてやるぜ。
衣玖:余程の自信がある様ですね。しかし、その驕りが命取りだと教えてあげましょう。
衣玖が連続で放つ雷撃を、ターレスは見切って回避しつつ彼女に接近した。そして、互いの肉弾戦がぶつかり合った・・・
衣玖:成る程、口ばかりでは無い様ですね。
ターレス:言っておくが、まだほんの御遊び程度だぜ?
衣玖:その様で・・・しかし、それは私も同じですよ。
ターレス:そうか・・・なら、もう少し遊ぼうぜ。
衣玖:良いでしょう。トコトン付き合いますよ。
ターレス:楽しくなって来やがったぜ・・・
ニヤリと怪しい笑みを浮かべた後、雷雨の中で2人の気弾や光線、雷撃、肉弾戦が激しくぶつかり合っている。椛とこいしは、2人の戦いを静かに見守っている。そんな戦いが十数分続き、互いの体はかなり傷付いてしまっている・・・
ターレス:ハァ・・・ハァ・・・ククク、やるじゃねぇか・・・この世界で此処まで楽しめたのは、貴様で3人目だぜ。
衣玖:ハァ・・・ハァ・・・後の2人が誰だか分かりませんが、私の事を気に入って頂けて何よりです。
暫く沈黙した後、衣玖は静かに口を開いた・・・
衣玖:解せませんね。貴方は、彼等が言っていた程邪悪な方だとはとても思えません。
ターレス:さぁ、ソイツはどうかな?昔の俺は・・・
椛:その通りです!
声を上げたのは、戦いを見守っていた椛だった・・・
椛:ターレスさんは、昔こそ宇宙を荒らし回る大悪党でしたが、今は違います。悪ぶってこそいますが、彼は素直じゃないだけで、本当は仲間想いの人なんです。間違っても、世界の崩壊を目論む連中に手を貸す様な人ではありません。
ターレス:ちっ・・・余計な事を・・・
衣玖:・・・
こいし:御姉さんは、きっと騙されてたんだと思うの。御姉さんにその事を教えた誰かに。
衣玖:・・・どうやら、その様ですね。むんっ!
衣玖は、その力を高めて自分に掛けられた洗脳を解いた。それと同時に、赤く輝いていた瞳も元通りになった・・・
椛:自力で洗脳を解いた!?
衣玖:敵を欺く為に、敢えて奴等の術に掛かっているフリをしていたんですよ。
ターレス:そんな事が出来るなら、どうして最初からそうしなかった?
衣玖:奴等が、最近この世界を荒らし回っている正体不明の輩だと言う事はすぐに分かりました。しかし、情報が無さ過ぎる。其処で、少しばかり芝居をして探りを入れようと考えました。「敵を欺くにはまず味方から」と言う言葉がありますよね?つまりそう言う事です。
ターレス:食えねぇ女だ。俺達が本当に奴等の息の掛かった存在だったらどうするつもりだったんだ・・・
衣玖:その時は、私の本気の一撃を御見舞いするだけですよ。
ターレス:本気の・・・ね・・・
衣玖:戦ってみて分かりました。貴方達は、彼等とは根本的に違うとね。
ターレス:そうかよ。
椛:貴方をあんな目に合わせた奴等は、一体何者なんですか?
ターレス:他にも話したい事がある。
衣玖:その事情を説明するにも話をするにも、屋敷に居られるこの天界の主に会ってからにしましょう。傷付いた体を休める必要もありますからね。
ターレス:天界の主ね・・・
椛:あの人ですか・・・
衣玖:屋敷に案内します。私に付いて来て下さい。
こいし:ハーイ♪
ターレス:さて、どんな奴が出て来るのやら・・・
衣玖に連れられ、一行は天界の屋敷を目指して移動を開始した・・・
次回も御楽しみに。
キャラ紹介のコーナー
犬走椛
妖怪の山の白狼天狗。
妖怪の山の事件で、地獄から復活したナッパと栽培マンの手で自分の部下や同僚達を皆殺しにされてしまった。
その事件でラディッツやターレス達と出会い、彼等と共にナッパを撃破。
事件解決後に、「仲間達を蘇らせる為にドラゴンボールを集めよう」と言うターレスの部下として仲間入りした。
生真面目な性格で、自由気儘なターレス、後に仲間入りした古明地こいしの御意見番(ストッパー役)となっている・・・ではあるが、実際は全くストッパーとして機能しておらず、彼等の行いに頭を悩ませている。
とは言え、ターレスともこいしとも仲が悪い訳では無く、共にトレーニングしたり買い出ししたり、良い関係を築いている。
椛にとって、ターレスは信頼の出来る恩人であり、また頼りになる師であり、ターレス曰く、「椛はダイヤモンドの原石みたいなもんだ」との事。
ターレス自身は口にも態度にも出さないが、椛の事は部下としては勿論、信頼の出来る相棒と思っている。