ある日の紅魔館の広間。始まりは、フランのこの一言から始まった
フラン:御兄ちゃん!私、海に行きたい!
ラディッツ:あん?
フラン:海だよ!海!
ラディッツ:海っつってもな・・・確か、幻想郷に海はねぇよな。
フラン:そうだけど・・・でも行きたいの!
ラディッツ:むぅ・・・
首根っこに飛び付きながらねだるフランを宥めつつ、ラディッツは考え込む
レミリア:フラン、ワガママを言わないの。さっきラディッツも言ってたけど、幻想郷に海は無いのよ。
フラン:それは分かってるけど・・・どうしても駄目?
レミリア:諦めなさい。無理な物は無理なの。
フラン:むぅ・・・
フランは、不機嫌そうにむくれてしまう
咲夜:妹様、何故いきなりその様な事を言い出したのですか?
フラン:それは・・・
パチュリー:恐らく、私が彼女に話したからよ。
ラディッツ達が話し合ってる広間に、パチュリーと小悪魔が入室して来た
ラディッツ:パチュリー、どう言う事だ?
パチュリー:数日前の事よ。大図書館にフランが遊びに来てね。其処である本を読んだ彼女が、私に質問をして来たの。「外の世界には海って言う場所があるらしいけど、どんな場所なのか」って・・・それで、本の知識を元に色々教えてあげたんだけど・・・
ラディッツ:それで興味を持ち、直接見てみたくなっちまったって事か・・・
パチュリー:そうなるわね。
レミリア:教えてあげたって・・・パチェ、貴方も元々筋金入りの引きこもりでしょうが・・・
小悪魔:そうなんですよね。
パチュリー:う、煩いわよ!
咲夜:何とかしてあげたい所ですけど、無い物はどうしようもありませんしね・・・
全員、暫し考え込む
ラディッツ:いや、もしかしたら何とかなるかも知れんぞ。
フラン:本当?
ラディッツ:あぁ。
レミリア:何とかって、一体どうするつもりよ?
ラディッツ:居るだろ?この幻想郷で、外の世界に行く手段を持つ奴がよ。
咲夜:・・・それって・・・
レミリア:もしかして・・・
ラディッツ:そのまさかだ。今からソイツに掛け合って来る。
小悪魔:今からですか?
咲夜:聞き入れてくれるかどうか・・・
ラディッツ:ま、奴の気分次第だな。一応、先に連絡しておくか・・・
紫に連絡し、彼女の元に向かったラディッツ。その場所とは、白玉楼だった。妖夢の案内で此処を訪ねた後、幽々子も交えて紫に事情説明中
ラディッツ:と言う訳なんだ。何とかならんか?
紫:またそんな面倒事を安請け合いして・・・
ラディッツ:スマン・・・だが、何とかしてフランの願いを叶えてやりたくてな。
紫:いきなり頼みがあるって連絡して来るから、何の用かと思えば・・・
幽々子:そんなあからさまに面倒臭そうな顔しないの。貴方の力なら、外の世界に空間を繋げるなんて簡単な筈よ?
紫:・・・
紫は、尚も渋い顔をしている
幽々子:意地悪しないの。この子達はいつも頑張ってくれてるんだし、コレくらいの御褒美はあげても良いんじゃない?
紫:・・・
ラディッツ:悪かった。いきなり押し掛けて、こんな事を頼む方がどうかしてたな。フランには俺から説明しておく。邪魔したな。
ラディッツはスッと立ち上がり、その場から移動を始めた
紫:はぁ・・・分かったわよ・・・
ラディッツ:ん?
紫の言葉を聞き、ラディッツは歩みを止めて振り返った
紫:幽々子の言う通り、貴方達は色々頑張ってくれてるからね。一応、私の方で良い場所を探してみるわ。
ラディッツ:そうか、悪いな。
紫:言っておくけど、あんまり期待はしないでよ?
ラディッツ:あぁ。
幽々子:妖夢、御客様の御帰りよ。冥界の入口まで案内してあげて頂戴。
妖夢:了解です。では、行きましょうか。
ラディッツ:あぁ。それじゃ、邪魔したな。
ラディッツは、妖夢と共に白玉楼を後にした
紫:さて・・・私も行かなくちゃね・・・
幽々子:頑張ってねー♪
紫:完全に他人事・・・
笑顔で応援して来る親友に若干の苛立ちを覚えつつ、紫は隙間を潜って外の世界へと移動した