月から地上に侵攻して来た月の軍隊を、某無双ゲーム宜しく蹴散らしていた紫率いる幻想郷の面々。そんな時、行方不明になっていた鈴仙が月の軍隊に加担している事が明らかになった。彼女は、「再びやり直す為に月へ戻る」と言い放つ。そして、ラディッツが自らに伸ばした手を振り払い、彼の右足を撃ち抜いた後、彼等に別れを告げて他の者達と共に彼等の前から姿を消した。現在、鈴仙の事についての報告とラディッツの傷の治療を兼ねて、一行は永遠亭にやって来ていた
紫:以上が、彼女が言っていた事よ。
永琳:そう・・・わざわざ有難う。彼の足の傷は、コレで一先ず大丈夫よ。
ラディッツ:スマン、助かる。
ラディッツの右足には、白い包帯が巻かれている
レミリア:それにしても・・・貴方の部下への躾はどうなってるのかしら?何も言わずに行方を眩まし、いきなり現れたかと思ったら一方的に別れを告げて去るだなんて。
パチュリー:しかも、彼の右足を撃ち抜くオマケ付き・・・
永琳:・・・
レミリア:何とか言いなさいよ!
レミリアは、永琳の胸ぐらを掴む
永琳:ゴメンなさい・・・未だに何が何だか分かっていないのよ・・・
レミリア:分かっていないって・・・貴方の所の奴がうちの者に何をしたか、それくらいは分かるでしょ!
永琳:・・・
咲夜:御嬢様、少し落ち着いて下さい。突然の事で混乱しているのは皆同じですわ。
レミリア:・・・
レミリアは、掴んでいた手を放して少し後ろへ下がる
ターレス:それで?コレからどうするよ?
椛:奴等、一時撤退しただけで、恐らくまた来ますよ?
紫:そうね・・・
ラディッツ:紫、1つ聞きたい事がある・・・
紫:何かしら?
ラディッツ:どうすれば、月へ行く事が出来る?
ラディッツのその言葉に、その場に居たメンバー全員が驚いた表情を見せる
紫:どうしてそんな事を聞くのかしら?
ラディッツ:月に乗り込み、鈴仙を連れ戻す。
紫:・・・
霊夢:やめておきなさい。月の連中の中には、私達ですら敵わなかった程強い奴が居るのよ。
魔理沙:だな。お前が行ったって、何も出来ずに返り討ちにされるだけだ。
咲夜:貴方が日々頑張って修行をし、強くなっているのは私達も知っています。しかし、それでも彼女達には・・・
レミリア:ラディッツ、悪い事は言わないわ。あの兎の事は忘れなさい。むざむざ傷付きに行く事は無いわ。コレは命令よ。
ラディッツ:・・・
紫:私も彼女達と同じ意見よ。勝てないと分かってる所に行かせる事は出来ないわ。次に月の連中が侵攻して来るのを待って迎え撃つのが賢い選択よ。
ラディッツ:・・・
紫:分かったら、その傷を一刻も早く治して、再び戦う為の力を付けて頂戴。
ラディッツ:それが賢い選択だって言うなら、俺はバカのままで良い。
紫:・・・は?
ラディッツ:奴等が次に侵攻して来るのを待つまでもねぇ。どうにかして月へ行く手段を見付けて、其処でカタを付けて来る。
紫:バカな事を言わないの!そんな無謀な事、絶対にさせないわよ!
レミリア:もう一度言うわ!やめておきなさい!コレは命令よ!
ラディッツ:悪いが、もう決めた事だ。俺は1人でも行くつもりだ。処分したけりゃ好きにしてくれて構わん。
ラディッツは、ゆっくりと立ち上がる
紫:行かせるとでも?
レミリア:主として、力ずくでも止めるわよ。
ラディッツ:・・・
ラディッツの前に、紫とレミリアが立ち塞がる。ラディッツは、ゆっくりと身構える
ターレス:仲間割れなんてつまらねぇぜ。仲良くしようや。
そんな紫達とラディッツの間に、ターレスが割って入る
紫:ターレス、下がりなさい。
ターレス:まぁ聞けよ。アンタ達の言い分も分かるがな。
紫:・・・
レミリア:むぅ・・・
ターレス:ラディッツ、お前も少し落ち着け。
ラディッツ:あ、あぁ・・・
ターレスに宥められ、紫、レミリア、ラディッツは構えを解いた
ターレス:ラディッツ。お前は、今回の事についてどう思う?
ラディッツ:さっきの言葉が、鈴仙の本当の気持ちとは俺には思えん。別れるにしても、こう一方的にじゃなく、せめて事情を聞いてからと思ってる。
ターレス:フム・・・そして、そちらさんはコイツが月に行くのを良しとしない訳だな?
紫:そうね。月の連中は、今まで貴方達が倒して来た連中とは格が違う。今のまま月に行ったとしても、何も出来ずに返り討ちにされてしまうだけ。そんな所に、たった1人で送り込む訳にはいかないわ。
レミリア:私も同感ね。毎日頑張ってるのは認めてあげるけど、それでも実力が伴っていない。時期尚早よ。
ラディッツ:・・・
ターレス:フム・・・
紫達のラディッツに対する物言いに、立ち上がる者達が居た
悟空:ちょっと待ってくれよ。まだ直接戦ってもいねぇのに、端から勝てねぇと決め付けるとかねぇだろ。
妹紅:私も悟空に同感だな。奴等の強さは話に聞いてるが、ラディッツだって大分強くなってる筈だ。にも関わらず、いきなり勝てないと決め付けるのは、幾ら何でも失礼なんじゃないか?
フラン:御兄ちゃんは、強い敵との戦いの為に毎日頑張ってるんだから!そんなのって酷いよ!
幽々子:そうねぇ・・・紫、貴方はこの子が頑張ってる事を知っている筈。レミリアちゃんも、同じ所に住んでてそれを良く知っている筈よね?それなのに、彼の力を信用していないなんて、そんなのあんまりよねぇ?
紫:幽々子、貴方までそんな・・・
はたて:それともう1つ・・・一体いつから、ラディッツが1人で行くって話になった訳?
紫:・・・は?
妹紅:確かにな。いつの間にか、1人で行くとか言う話になってたな。
天子:あ、言われてみれば・・・
妹紅:ラディッツ、こう言う時こそ頼ってくれよ。私達を・・・仲間をさ。
はたて:そうそう♪1人だけじゃキツくても、仲間と一緒なら何とかなるかもだしね♪
フラン:御兄ちゃんが行くなら、私も一緒に行くよ!行って、御兄ちゃんの力になるからね!
ラディッツ:お前達・・・
紫:ちょっとちょっと!何かもう行く流れになってるじゃない!私はまだ認めてないわよ!
レミリア:わ、私だって!
パチュリー:やれやれ・・・諦めなさい。彼等、既にやる気みたいだし。
レミリア:パチェ!貴方は彼を月に行かせて良いの?
パチュリー:そりゃ、出来れば無理はして貰いたく無いけど・・・彼、もう決めたって顔してるもの。なら、言うだけ無駄でしょ?
レミリア:無駄って・・・
パチュリー:誰かが言ってたわ、心配のし過ぎは信頼していないのと同じだって。慌てず騒がず信じて待つ、それも大事なのよ。長く付き合って行くつもりなら尚更ね。
レミリア:・・・
パチュリー:ラディッツ、コレを。
無言のままの紫達を尻目に、パチュリーはラディッツに小さい袋を手渡した
ラディッツ:コレは・・・仙豆か?
パチュリー:そうよ。ただ、今回は数が3つと少ないから、本当に危ない時にだけ使いなさい。
ラディッツ:あぁ、スマン。
パチュリー:全く・・・今度何か美味しい物を御馳走しなさいよ?
ラディッツ:了解だ。
仙豆の袋を渡したパチュリーは、フッと笑って少し下がった
ラディッツ:フラン、妹紅。悪いが、今回も力を貸してくれ。
妹紅:改めて頼まれるまでも無いさ。私は、元よりその気だからな。
フラン:私も♪
ラディッツ:有難うよ。
気合い十分なフランと妹紅に対し、ラディッツはフッと笑って礼を言った
はたて:おーい、其処に私の名前が無いのは何でかなぁ?
ラディッツ:はたて・・・
はたては、そんなラディッツにズイッと詰め寄った
はたて:1人でも戦力は多い方が良いっしょ?てな訳で、私も同行させて貰うよ?
ラディッツ:目的は密着取材ってか?
はたて:あ、バレた?
ラディッツ:全く・・・
アハハと明るく笑うはたてに対し、ラディッツは溜め息を吐いた
ラディッツ:宜しく頼むぞ、はたて。
はたて:交渉成立だね♪宜しく♪
ラディッツは、はたてと握手を交わした
輝夜:ラディッツさん、今回は私も行くわ。
ラディッツ:姫さんも来てくれるのか?
輝夜:えぇ。月の地理に少しでも詳しい者が居た方が、少しは動きやすいんじゃないかしら?
ラディッツ:成る程な・・・だが・・・
ラディッツは、妹紅の方へと視線を向けた。それを感じたのか、妹紅は輝夜の方へと歩を歩み寄る
輝夜:何か?
妹紅:今回だけだ・・・鈴仙を連れて此処に戻って来るまでの間、お前と手を組む。
輝夜:つまり、一時休戦と言う事ね?
妹紅:そんな所だ。
輝夜:良いわ、今回だけ手を組みましょう。
妹紅と輝夜は、互いに少し抵抗を感じつつ、握手を交わした
文:コレはスクープです!普段は会えば即殺し合いを始める程犬猿の仲の2人が、目的達成の為に握手を交わすとは!コレは、私も同行して経過観察をば・・・
はたて:文、アンタがこの間酒で悪酔いして壊した詰め所の扉について、大天狗様が呼び出してたみたいだけど?
文:ダニィ!?ア、アレはバレない様に応急処置をして誤魔化した筈・・・な、何故バレたし?
はたて:私がバラした♪
文:お・・・お・・・お・・・おのれはたてぇぇぇぇぇっ!てか早く言えぇぇぇぇぇっ!
文は、はたてへの恨み事を叫びながら永遠亭の外へと駆け出し、そのまま空の彼方へと飛び去った
椛:あの人は・・・
はたて:ニシシ、邪魔者処理完了っと♪
文の退場と同時に、闇笑いを浮かべるはたてであった
ラディッツ:お前結構ゲスいな。
はたて:アイツがやったのは事実だしね。
ラディッツ:そりゃそうかも知れんが・・・
アリス:行くのは決定みたいだし、今更止めたりしないけど・・・どうやって月まで行くつもりなの?
ラディッツ:どうって・・・
妹紅:そりゃ当然・・・
一行の視線が紫に集まった
紫:言っておくけど、今回私は一切関与しないわよ。
幽々子:紫、またそう言う意地悪をする・・・貴方の力なら、月へ一瞬で移動させるなんて息をするくらい簡単な筈よ?
紫:・・・(プイッ)
紫は、不機嫌そうにそっぽを向いた
幽々子:やれやれねぇ・・・
ラディッツ:紫の隙間が使えんとなると、どうするかな・・・
咲夜:パチュリー様、以前霊夢達が月に行った時に使ったロケットは?
パチュリー:残念だけど無理ね。
咲夜:あ、そうですか・・・
ターレス:足ならあるぜ。
ラディッツ:何?
妹紅:どう言う事だ?
ターレス:俺が地球に侵攻する時に使った宇宙船を、にとりの研究所に預けてある。奴にあちこち弄られてるとは思うが、ソイツを貸してやるよ。
ラディッツ:お前、いつの間にそんな事を・・・
ターレス:細かい事は気にするな。にとりには俺から連絡しといてやるから、さっさと準備して奴の研究所に行くんだな。
ラディッツ:スマンな、今度何か奢るからよ。
ターレス:クク、そりゃ楽しみだ。
妹紅:そうと決まれば・・・
フラン:月に行く為の準備だね。
はたて:それじゃ、一旦解散して再集合かな?
輝夜:そうなるわね。
ラディッツ:此方の準備が出来たら、すぐに連絡する。
はたて:了解。
妹紅:分かった。
フラン:御兄ちゃんは?
ラディッツ:さっきも聞いたと思うが、このままにとりの研究所に向かう。フランはどうする?
フラン:んー・・・一緒に行く!
ラディッツ:好きにしろ。
フラン:うん♪
フランは、ラディッツの首根っこに飛び付く
レミリア:・・・
パチュリー:レミィ、やっぱり心配?
レミリア:ま、まぁ心配ではあるけど・・・貴方の言う事も分かる気がするし・・・でもでも・・・
パチュリー:やれやれ、相変わらずね・・・
悟空:ラディッツ、オラも行こうか?
悟空は、真剣な顔でラディッツに話し掛けた。ラディッツは、少し考えた後で口を開いた
ラディッツ:・・・いや、お前は此処で皆を守ってやってくれ。お前が居れば、此方の心配は要らんだろうしな。
悟空:分かった。
ラディッツ:頼んだぞ、カカロット。
そう言った後、ラディッツはフランと共ににとりの研究所へ向かって移動を開始した。他の面々も、彼等を見届けた後に解散した
輝夜:永琳、勝手に決めてゴメンなさいね。
永琳:いえ・・・それにしても、あの子(鈴仙)の為にこうして動いてくれる人が居るなんて・・・
輝夜:何だか、嬉しいわよね。
永琳:えぇ、そうね。
てゐ:鈴仙のバカ、今何を考えてるんだろうね・・・
永琳:・・・
この作品だと、文の扱い結構酷いかも知れませんね。
文ファンの方、スミマセン・・・
最初は紫の力で月に行くと言うシナリオだったんですが、悩みに悩んでこうなりました