誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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第350話

鈴仙を連れ戻すべく、ラディッツ達が宇宙船に乗り込み、月へ向かって移動を始めて5日が過ぎた。宇宙船に搭載されている重力装置により修行を続け、戦闘力を格段に高めていく5人。特にラディッツは、就寝と食事の時間以外の殆んどをフランや妹紅との組手、自主的な筋トレ等の修行に費やしていた。その間、炊事洗濯等の生活の補助は、ほぼ全てはたてが1人で行っていた。今日も今日とて、彼女は他の皆が修行に集中出来る様に家事に勤しんでいた

 

はたて:今日で5日か・・・大して時間が経ってない筈なのに、もうこの生活に慣れきってる自分が居る・・・

 

輝夜:もうすっかり、手の掛かる子持ちの母親みたいな感じになってるわね♪

 

はたて:母親かぁ・・・何かそう呼ばれるの複雑なんだけど・・・

 

輝夜:様になってると思うけど?

 

はたて:いや、結構大変だよコレは・・・毎日あの大食いサイヤ人の食事や、トレーニング後の服の洗濯を苦にせずこなす紅魔館のメイド長の凄さを思い知らされてるわ・・・

 

輝夜:とか言いつつ、手際は良いわよね。

 

はたて:うん、まぁ・・・大した事出来ない分、ラディッツ達が修行に集中出来る様にサポートしてあげなくちゃいけないしね。

 

輝夜:私から見れば、貴方も良くやってると思うけど?

 

はたて:そりゃどうも。っと・・・コレで全部片付いたかな?

 

輝夜:御苦労様♪

 

はたて:そう思うなら、姫様も手伝ってくんないかなぁ?

 

輝夜:丁重に御断りする。

 

はたて:オイ・・・

 

輝夜:あ、今の所は「だが断る!」って言う方が良かったかしら?

 

はたて:どっちでも良いよ・・・

 

輝夜と他愛無い話をしつつ、彼女と共にラディッツ達がトレーニングしている部屋へとやって来たはたて。どうやら、丁度休憩中の様で・・・

 

はたて:どう?トレーニングは捗ってる?

 

ラディッツ:御蔭様でな。

 

フラン:月に到着するまで、後もう少しだね。

 

妹紅:案外あっと言う間だな。

 

はたて:トレーニングするのも良いけどさ、休める時にはしっかり休んどいた方が良いよ。無理に体を酷使して、その結果体が壊れて戦えなくなったら本末転倒だしさ。

 

ラディッツ:そうだな。後もう少しやったら、今日は切り上げるか。

 

フラン:そうだね。

 

妹紅:ま、仕方無いな・・・

 

一方、此方は月の都。其処にあるとある建物の一室で、鈴仙は自分の荷物を整理していた

 

鈴仙:こんなもんかな・・・っと・・・

 

荷物の隙間から落ちたのは、1冊のアルバムだった

 

鈴仙:・・・コレは・・・

 

そう呟きながら開いたアルバムの中には、彼女がラディッツや仲間達と共に遊びに行き、其処で撮影された写真の数々が大切に保管されていた。その全てにおいて、皆と共に心からの笑顔を見せている自分の姿が写されていた

 

鈴仙:・・・

 

鈴仙は、仲間達と共に過ごした温かな日々を思い返していた。服を買いに出掛けた事、夏祭りで皆と並んで見た花火、キャンプで皆と共に食べたバーベキューの味、味覚狩りの為に山へ行った事、紫の思い付きで人里の子供達にクリスマスプレゼントを届けに行き、其処で皆と共に白い雪を見た時の感動・・・その時の全てが彼女の脳裏に映し出された。少し後、彼女の目からは涙が零れ落ちていた。涙は留まる事無く、暫く声を殺して泣き続けた。それから少しして、彼女の元に召集を告げる通信が入った

 

鈴仙:行かなくちゃ・・・あの人達の事はもう忘れなきゃ・・・私はもう、あの場所には戻れないから・・・私の居場所は此処なんだから・・・

 

鈴仙は、涙を拭い去るとゆっくりと立ち上がり、アルバムをゴミ箱に捨てた後でその部屋から出て、召集場所となる月の都の宮殿へと移動を開始した

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