にとりの計算通り、幻想郷を経ってから丁度1週間後に月へと到着したラディッツ一行。宇宙船を着陸させ、降りた一行の前には、月明かりに照らされた美しい海が広がっていた
ラディッツ:コレは・・・海か?
フラン:外の世界で見た景色とは違うね。スッゴく綺麗・・・
はたて:だね。こんな時で無ければ、のんびり眺めてたい所だけど・・・
妹紅:生憎、私達にそんな時間は無い。やるべき事があるからな。
はたて:分かってるって。
輝夜:私達が侵入した事は、すぐにバレてしまう筈よ。のんびりとはしてられないわ。
妹紅:ラディッツ、宇宙船を仕舞っとけ。万一奴等に破壊でもされたら、幻想郷に帰る手段を失うぞ。
ラディッツ:そうだな。
ラディッツは、カプセルに宇宙船を仕舞い込む
フラン:それで?私達は何処に行けば良いの?
輝夜:私達の最終目的地は、月の都の一番奥にある宮殿。其処に居る月の王を倒す事が出来れば私達の勝ち。だけど・・・それに辿り着く為には、大きな障壁があるわ。
ラディッツ:その障壁ってのが、霊夢やレミリアですら勝てなかった奴等・・・そう言う事だな?
輝夜:その通り。話が早くて助かるわ。
妹紅:のんびり話してる時間も勿体無い。月の都とやらに向けて進もう。
ラディッツ:そうするか。
鈴仙:その必要はありません。
一行の前に、鈴仙が姿を現した
フラン:うどんげ!
はたて:何?わざわざ出迎えに来てくれたの?それとも、気が変わって戻って来る気になった?
鈴仙:どうして来たんですか?
ラディッツ:あん?
鈴仙:誰も来てくれなんて頼んで無いですよね?私はもう、貴方達の仲間でも何でも無いんですよ?
フラン:うどんげ・・・
鈴仙:私は、自分の夢を叶える為に自分の意思で此処に戻って来たんです。それなのに・・・ハッキリ言って迷惑なんですよ。貴方達に、私の夢を潰す権利は無い筈・・・
他全員:・・・
鈴仙:王は貴方達を殺す気です。ですが、今ならまだ間に合います。すぐに此処を発ち、幻想郷に帰って下さい。そして、今まで通り過ごして下さい。私は、この地で生きて行きます。王には、取り逃したって報告しておきますから。コレは、最後の忠告です。
ラディッツ:鈴仙よ・・・
鈴仙:何ですか?貴方達と話す事はもうありません。良いから早く・・・
ラディッツ:俺は、心を読んだりする事は出来んが、コレだけは分かる・・・お前は嘘を吐いてる。
鈴仙:嘘?
ラディッツ:お前が、心の底から夢の為に此処に戻りたいって言うなら、俺達はそれを応援するぞ。だがな・・・泣きそうな顔で必死に笑顔を作りながら、言いたくもねぇ事を言ってる奴を放ってはおけん。
鈴仙:一体何を・・・
ラディッツ:本当の事を聞かせてくれ。一体何があってこんな事をしたんだ?
鈴仙:・・・
フラン:うどんげ。全部終わらせて、私達と一緒に幻想郷に帰ろう。
はたて:皆には、一緒に謝ったげるよ。
鈴仙:・・・
清蘭:ハイハーイ!感動の再会は其処までだよ。
鈴瑚:おかしいねぇ・・・アンタ、彼等に別れを告げる為に此処に来た筈じゃ無かったっけ?
ラディッツ達と向き合う鈴仙の元に、清蘭と鈴瑚が姿を現した
鈴仙:清蘭!鈴瑚!どうして此処に?
鈴瑚:王に言われてね。アンタを付けて来たのさ。
鈴瑚:しっかり監視しておけとの御命令さ。
鈴仙:なっ・・・王は、私に任せるって・・・
清蘭:あんなん嘘に決まってるじゃんか。仲間を捨てて逃げ出したアンタを、一体誰が信用するって言うんだ?
鈴瑚:そう言う事♪
鈴仙:そ・・・んな・・・
鈴瑚:それに、王がアンタに言ったのは侵入者を捕縛して王の元に連れて来いって事の筈だけど?何で逃がそうとしてるのかな?
鈴仙:そ、それは・・・
清蘭:明らかに命令違反だね。尤も、王は最初から御見通しの可能性もあるけどさ。
鈴瑚:だね。
鈴仙:・・・
清蘭:穢らわしい地上人共。聞いての通りだ。今からアンタ達を捕縛し、我等が王の元に連れて行く。
鈴瑚:其処で、王自らがお前達に手を下して下さるそうだよ。
清蘭:命令違反したアンタへの罰も、すぐに執行されるよ。覚悟するんだね。
鈴仙:・・・
鈴仙は、小刻みに震え始めた
清蘭:アンタ達、ソイツを連れて行くんだ。
清蘭が命じた後、異空間から現れた玉兎達が鈴仙を強制的に連れて行こうとした
鈴仙:ちょっ・・・離して!
鈴仙は抵抗したが、それも虚しく異空間に連れ込まれた
鈴瑚:バカな奴・・・
清蘭:ま、あの裏切り者の役立たずもすぐに大人しくなるさね。
鈴瑚:それもそうだね。
妹紅:さっきから聞いてりゃ、同胞相手に随分な言い草じゃないか。
はたて:全くだね。可哀想に・・・
清蘭の前には妹紅が、鈴瑚の前にははたてがそれぞれ立ち塞がった
清蘭:侵入者風情が・・・
鈴瑚:もしかして、私達とやろうって言うのかな?
清蘭と鈴瑚は、余裕の笑みを浮かべる
妹紅:どうせ、何もしなけりゃ私達も王とやらの所に連れてかれるんだろ?
はたて:大人しく従うつもりは無いしね。抵抗させて貰うよ。
妹紅:輝夜!ラディッツとフランを連れて、宮殿とやらに向かえ!さっきの話を聞く限り、鈴仙は其処に連れて行かれた!
はたて:コイツ等を片付けたら、私達も気配を辿って追いかけるからさ。
輝夜:大丈夫なのよね?
妹紅:ま、何とかするさ。
はたて:鈴仙の事、宜しく♪
妹紅もはたても、笑顔でそう答えた
輝夜:分かったわ!ラディッツさん、フラン!私に付いて来て!宮殿まで案内するわ!
ラディッツ:あぁ!
フラン:もこたん・・・はたてさん・・・
輝夜とラディッツはすぐにその場から走り出したが、フランは心配そうに2人に視線を向けた
妹紅:心配するなって。すぐ援護に行くからよ。
はたて:ラディッツと姫様の言う事、良く聞くんだよ。
フラン:・・・分かった!待ってるよ!
フランは、先に走り出した2人を追って移動を開始した
妹紅:さてと・・・
はたて:ちゃっちゃと終わらせないとね。
清蘭:偉そうに・・・
鈴瑚:甘く見られたもんだね、私達も・・・
激しく火花を散らす4人。月での戦いが、遂に始まろうとしていた・・・