宮殿へと辿り着いたラディッツ一行の前に立ち塞がったのは、月の最高戦力、綿月豊姫と綿月依姫の姉妹だった。フランや妹紅達に彼女の足止めを任せ、ラディッツは月の王が居る最奥部を目指して移動を続けていた。時は少々遡り、ラディッツ達が月へ到着した丁度その頃・・・幻想郷の紅魔館には、彼と共に戦って来た仲間達が紫に集められていた(尚、美鈴と悟空は門前で番をしている)
紫:皆。急な呼び出しにも関わらず、良く集まってくれたわね。
レミリア:用件は何?こっちは色々忙しいんだけど?
紫:まぁそう言わないで。にとりから大事な話があるわ。
レミリア:にとりから?
紫がそう言い終わってすぐ、にとりが前に歩み出た
にとり:突然声を掛けてすまないね。さて・・・皆。月へ行った連中の現在の様子、気になりはしないかい?
アリス:それはまぁ・・・
パチュリー:そうは言っても、様子を見る方法なんて無いでしょ。
にとり:フッフッフッ、そう思うかい?
にとりは、怪しい笑みを浮かべた
椛:何、その不敵な笑みは・・・
ターレス:勿体振らずにさっさと本題に入れ。お前の事だ、冗談でそんな事を言い出したりしねぇだろ?
にとり:流石、分かってるね♪
そう言うと、にとりはカプセルから何かの装置を取り出し、素早くセッティングを開始した
咲夜:えっと・・・一体何をしてるの?
にとり:まぁ見てからの御楽しみって事で♪
そうこうしている間に装置が組み立てられ、空中にモニターが出現する
早苗:にとりさん、今から映画の上映会でも始めるんですか?
にとり:そうじゃないんだ。まぁ似た様なもんではあるけどね。
霊夢:何でも良いわ、やるならさっさとしてよね。
にとり:せっかちな奴だね・・・それじゃ、モニターオン♪ポチッとな♪
にとりが装置がのスイッチを入れると、空中に出現したモニターにラディッツ達の姿が映し出された
小悪魔:おぉ?ラディッツ様達の姿が!?
魔理沙:どうなってるんだ?
小悪魔や魔理沙だけじゃなく、他の面々も驚いた様子だった
にとり:月に出発する前に、彼等にスパイ用のメカをコッソリ取り付けておいたのさ。そして、コレはそのメカが拾ってる映像を映し出す為の装置って訳さ。
椛:いつの間にそんな物を・・・
天子:ハイテクな機械を作り上げるなんて・・・河童の技術力、侮れないわね・・・
こいし:コレで、御兄さん達の様子が観戦出来ちゃうんだね♪
にとり:そうだよ。尤も、この装置に通信機能は無いから、こっちから彼等に声を送るなんて事は出来ないけどね。向こうの音声を拾うだけが精一杯さ。
レミリア:それでも十分よ。それじゃ、彼等の戦いをじっくりと見せて貰おうかしら。
その後、其処に居る面々は彼等(と言うかフランや妹紅達)と清蘭や鈴瑚、レイセン、兎人参化との戦いの全てを見守り、勝利の度に歓声を上げた。時は再び進み、モニターで見守られている事等知る由も無いラディッツは、たった1人で宮殿の最奥部に居る月の王の元に辿り着いた
月の王:此処まで辿り着いた事、まずは褒めておくとしよう。
ラディッツ:そりゃどうも。
月の王:一応聞いておこう・・・此処へ何をしに来た?
ラディッツ:聞くまでもねぇだろ。貴様を倒し、仲間を取り返す為だ。
月の王:おかしな事を・・・奴は元々我々月の所有物。それが本来の主の元に戻って来たに過ぎん。
ラディッツ:所有物・・・ね・・・
月の王:仲間も連れず、たった1人で私の元に乗り込んで来るとは・・・その上、王である私に先の様な無礼な物言い・・・余り賢いとは言えぬな?
ラディッツ:生憎、生まれ育った環境が悪くてね。態度や口が悪いのは勘弁して貰いたいもんだな。それに、1人なのは貴様も同じだ。貴様の部下は道中で倒して来たし、側近2人は俺の仲間が足止めしている。援護は期待出来んぞ。
月の王:それはどうかな?
ラディッツ:何?
月の王:此方には、まだ手駒が残っていると言う事だ。
月の王は、闇笑いを浮かべて言い放った
ラディッツ:手駒だと?
月の王:そうとも・・・フフフ・・・
月の王が指を鳴らしたと同時に、体から黒いオーラを放ちながら鈴仙が姿を現した
鈴仙:・・・
ラディッツ:鈴仙・・・
月の王:使える物は何でも使う。その者も、私の為に働けて本望だろう。
ラディッツ:この野郎・・・
若干のやり辛さと月の王への怒りを感じつつ、ラディッツは鈴仙と対峙した
鈴仙が闇の力で操られ、敵として立ちはだかった
ラディッツは、鈴仙を助け出す事が出来るのか・・・
因みに、綿月姉妹との戦いも後にしっかり描きますので御楽しみに