誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

371 / 499
第371話

月の王との戦いに勝利したラディッツ一行は、綿月姉妹の厚意により、その日一晩月の都の宿に泊まり、翌日月を発つ事になった。宿と言っても簡素な物で、ベッドが1つある以外は無駄な家具は殆ど無い部屋だった。厳正なる籤引きの結果、フランとはたてがベッドで、他の面々は床で雑魚寝する事になった(尚、レミリアを始めとした主達は一足先に紫の隙間で幻想郷へと帰還した)。他の面々は、疲れからかあっと言う間に眠りに就いたが、ラディッツは何故か寝付けず、宿の外で1人でトレーニングをしていた・・・

 

ラディッツ:フン!ハッ!だぁっ!

 

鈴仙:ラディッツさん。

 

ラディッツ:鈴仙か・・・

 

扉を開け、鈴仙はラディッツに声を掛けた

 

鈴仙:寝ないんですか?

 

ラディッツ:疲れはある筈なのに、何故か寝付けなくてな。ジッとしてるのも性に合わんから、体を動かしてる所だ。

 

鈴仙:そうなんですね。

 

ラディッツ:ふぅ・・・

 

ラディッツは、トレーニングを切り上げ、近くの壁にもたれて座った

 

鈴仙:隣、良いですか?

 

ラディッツ:好きにしろ。

 

鈴仙:では、失礼しますね。

 

鈴仙は、ラディッツのすぐ横に座る

 

鈴仙:今回は、御迷惑をお掛けしました。

 

ラディッツ:気にするなと何度も言っただろ?俺は、やりたい事をやっただけだよ。

 

鈴仙:それでも、私は本当に救われました。本当に・・・

 

ラディッツ:・・・

 

鈴仙:良いんですよね?

 

ラディッツ:あん?

 

鈴仙:こんな私が、皆さんの所に戻っても・・・良いんですよね?

 

ラディッツ:当たり前だ。万が一反対する奴が居ても、俺が説得してやる。

 

鈴仙:有難うございます。

 

一方、目を覚ました輝夜は彼等が部屋に居ない事に気付き、建物から外に出て来た

 

輝夜:あら、近くから2人の話し声が・・・こっちからね。ん?

 

輝夜は、2人を見付けて話し掛けようとした。しかし、2人は他愛無い話をしながらも笑い合っていた

 

輝夜:へぇ、良い雰囲気じゃない。2人共凄く楽しそう。残念だけど、私が付け入る隙は微塵も無さそうね。御邪魔にならない様に、蓬莱山輝夜はクールに去るわ。

 

とある男性キャラの有名な台詞をパク・・・リスペクトした台詞を吐きつつ、輝夜は気付かれない様にその場を立ち去った

 

妹紅:何処に行ってた?

 

部屋に戻ってすぐ、妹紅に声を掛けられた

 

輝夜:何でも無いわ。只の散歩よ、散歩。

 

妹紅:あっそ・・・

 

場面は再びラディッツと鈴仙に戻る

 

ラディッツ:そろそろ部屋に戻って休むとするか。

 

鈴仙:そうしましょうか。

 

2人は立ち上がり、部屋に戻ろうとする

 

鈴仙:あ、ちょっと待って下さい。

 

ラディッツ:あん?どうした?

 

鈴仙:ラディッツさん、顔に何か付いてますよ?

 

ラディッツ:何?何処にだ?

 

鈴仙:私が取ってあげますから、動かないで下さいね。

 

ラディッツ:そうか、スマンな。

 

鈴仙:それと、少し目を瞑って下さい。

 

ラディッツ:目を?何でだ?

 

鈴仙:良いから早く。

 

ラディッツ:・・・コレで良いのか?

 

意味は分からないが、取り敢えず鈴仙の言う通りに目を瞑る

 

鈴仙:そう、そのままそのまま・・・

 

鈴仙は、ラディッツの正面に移動し、ゆっくりと歩み寄った。そして、限り無く唇に近い頬に口付けをした

 

ラディッツ:なっ・・・

 

ラディッツは、いきなりの事で呆気に取られている

 

鈴仙:フフ、油断大敵ですよ♪そして、今度は真ん中を頂きますからね♪

 

鈴仙は、笑顔でウインクしつつ、指鉄砲を撃つ様な仕草をした後、一足先に部屋に戻って行った

 

ラディッツ:ちっ・・・女って奴は、良く分からんな・・・

 

頭を掻きながら、ラディッツもまた部屋に戻った。こうして、月での一夜は明けていった・・・




ヘタレで奥手な鈴仙の、精一杯の勇気と心からの感謝の形と言う事で・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。