誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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星に願いを(前編)


第403話

7月7日、人里では七夕祭りが開催されていた。里の子供達、皆思い思いの願い事を書いた短冊を笹に取り付けていた。ラディッツや悟空、紅魔館の面々も、寺子屋の先生を務めている慧音の誘いを受け、その会場にやって来ていた・・・

 

慧音:申し訳無い、ラディッツ殿。色々あって忙しい時に・・・

 

ラディッツ:気にするな。良い気分転換になる。館の奴等も全員連れて来たが、構わないよな?

 

慧音:勿論、大歓迎だとも。

 

フラン:七夕って、一体何なの?

 

パチュリー:その昔、2人の若者が居てね。天帝の娘である織女は、機織りが上手で働き者の女性。天帝は、同じく働き者で牛飼いの牽牛と引き合わせたの。2人は一目で恋に落ち、すぐに結婚をした。だけど、2人は結婚すると遊んでばかりで、働かなくなるという結果になってしまうの。それを見て怒った天帝は、2人を天の川の両岸に引き離したんだけど、織女が泣いて悲しんだから、一生懸命に働いたなら、年に1度七夕の夜にだけ会う事を許す事にしたの。それが、七夕伝説の始まりとされているわ。

 

フラン:フムフム・・・で、コレは何をするイベントなの?

 

パチュリー:あそこに笹竹があるでしょ?アレに、自分の願い事を書いた短冊を取り付けて、その成就を願うのが一般的な七夕の習わしね。

 

フラン:何でも願い事が叶うの?

 

パチュリー:あくまでも、「叶えば良いなぁ」って言う事よ。まぁ願い事を書くだけならタダだし、書くだけ書いとけって事ね。

 

フラン:そうなんだね。

 

はたて:流石紅魔館の魔女様。博識ね。

 

そう言葉を掛けつつ、いつもの面々(鈴仙、妹紅、はたて、アリス)がやって来た

 

フラン:皆♪

 

はたて:よっ♪

 

鈴仙:こんばんは♪

 

悟空:オメェ達も来てたんだな。

 

妹紅:私が慧音に呼ばれて、他の連中を誘ったって訳だよ。

 

アリス:それで、貴方達の姿が見えたから出迎えに来たのよ。

 

悟空:そっかそっか♪

 

レミリア:にしても、相変わらず代わり映えしない面々だこと。

 

咲夜:ほぼ毎日顔を合わせてる訳ですからね。

 

パチュリー:やれやれ・・・我ながら、よく毎日飽きないものだわ・・・

 

そう言って、パチュリーは溜め息を吐いた

 

妹紅:まぁ確かにな。

 

はたて:アハハ♪まぁ良いじゃん♪そう言う細かい所はさ♪

 

鈴仙:仲が良いのは良い事です♪

 

アリス:さ、一緒に行きましょ。

 

ラディッツ:そうするか。

 

そんな訳で、紅魔館組と顔馴染みの面々は行動を共にする事になった

 

鈴仙:そう言えば、向こうでターレスさん達や小傘さん達を見掛けましたよ。

 

美鈴:先に来ていたんですね。

 

ラディッツ:里に馴染み深い小傘達は兎も角、ターレスの奴がこんなイベントに積極的に参加してるのは珍しいな。

 

はたて:私も気になったから聞いてみたら、「別にガキ共のイベント事には興味はねぇし、参加するつもりも無かったが、こいしの奴にせっつかれて仕方無く・・・」って答えが返って来たわ。

 

ラディッツ:へっ、アイツも人の事とやかく言えねぇじゃねぇか。

 

美鈴:ですね。

 

談笑しながら笹竹が飾り付けてある所まで向かうと、先に来ていたターレス一派やザーボン、小傘、華扇、さとりとペットの2人、紫、幽々子、妖夢、特戦隊の面々(勿論全員)、守矢一家、魔理沙、文等、コレまた顔馴染みの面々が顔を揃えていた

 

ターレス:よぅ、来たな。

 

魔理沙:そっちも大所帯だな。

 

レミリア:貴方達には負けるわよ。

 

フラン:こいしちゃーん♪

 

こいし:フランちゃーん♪

 

毎度の様に、フランとこいしはハイタッチを交わす

 

ラディッツ:さとり達も来ていたのか。

 

さとり:えぇ、御誘いがありまして。ただ、最初は誰に誘われても御断りするつもりでしたし、此処に来るつもりもありませんでした・・・

 

美鈴:えっ?何故です?

 

さとり:・・・私は嫌われ者の覚り妖怪ですから・・・

 

小悪魔:では、どうして此処に?

 

さとり:それは・・・

 

少し離れた場所で話を聞いていたターレスが、ゆっくりと口を開いた

 

ターレス:こいしの奴が、「御姉ちゃんも連れてくんだ!」って言って聞かなくてよ。御陰で、わざわざ地底まで行かされる羽目になっちまったぜ。

 

椛:で、こいしさんにされるがまま、半ば無理矢理地霊殿から引っ張り出されて来たと言う訳です。

 

天子:勿論、ペットの2人も一緒にね。

 

空&燐:エヘヘー♪

 

さとり:妹が御迷惑を掛けてしまい、申し訳ありません。

 

さとりは、深々と頭を下げた

 

ターレス:まぁ良いさ。気にするな。

 

ターレスは、ぶっきらぼうにそれに答えた

 

ラディッツ:・・・お前、何だかんだ言いつつこいしのワガママにはしっかり付き合ってやってるんだな。

 

ターレス:お前がそれを言うかよ?

 

ラディッツ:あん?

 

美鈴:ラディッツさんも、妹様のワガママには勝てませんからね♪

 

小悪魔:ですねー♪

 

ラディッツ:ちっ・・・

 

舌打ちしつつも、何も言い返せないラディッツだった

 

悟空:ハハハ♪オメェ達、本当に変わったな♪あんまり上手く言えねぇけど、今のオメェ達の方がオラは好きだぞ。

 

ターレス:けっ、気色の悪い事を抜かすな・・・

 

ラディッツ:さっさと他の連中の様子を見に行くぞ。

 

ラディッツとターレスは、足早にその場から移動を始める

 

悟空:ありゃ・・・オラ、2人を怒らせちまったかな?

 

悟空は、ポカンとしつつ頭を掻いている

 

はたて:いやいや、アレは十中八九照れ隠しだね。

 

椛:ですね。

 

慧音:皆も、あの短冊に願い事を書いてみてはどうかな?

 

アリス:そうね、私達も行きましょ。早くしないと、短冊を付ける場所が無くなるわ。

 

天子:えぇ、急ぎましょ。

 

他の面々も、短冊を取りに向かった・・・




他の面々は、中編、後編にて登場します

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