誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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チェンジリング‐俺がお前でお前が俺で!?‐その3


第419話

ある日の朝、紅魔館の面々が目を覚ますと、住人同士の体が入れ替わってしまっていた。因みに、ラディッツとフラン、悟空と美鈴、レミリアと咲夜、パチュリーと小悪魔がそれぞれ入れ替わっている。何とか内々に事態を収めたかったレミリアだったが、既にフランが親しい仲間達を館に呼んでしまっていた。館を訪れた仲間達は、事情を聞いて驚きを隠せずに居た。こいしが唐突に言った、「男の人と女の人が入れ替わっているのって、結構マズい事だよね?」と言う旨の発言で更に事の重大さを知った一行は、何とか館の面々を元に戻すべく、大図書館で原因の究明及び情報収集を始める事になったのだが・・・

 

アリス:恐らく、精神感応系の術か何かだとは思うけど・・・パチュリー、そう言う類いの術を纏めた本はどの辺りにあるのかしら?

 

パチュリー:それなら、確か右側の壁面に纏めて置いていた筈よ。

 

パチュリー(見た目は小悪魔)がそう言いながら右側にある本棚を指差した。其処には、天井まで届く程の大きさの本棚と、その上から下まで隙間無く並べられた無数の魔導書があった

 

ターレス:で?どれが今回のこの事象の原因になった精神感応系の術とやらの情報が書かれた本なんだ?

 

パチュリー:さぁ?

 

ターレス:あん?

 

パチュリー:私とした事が、精神感応系の術が書かれた本なんて長らく読んで無いから、この現象を起こした術が載った本がどれだったかなんて分からないわよ。

 

ターレス:つー事は・・・

 

はたて:えっと・・・もしかして、この上から下まで詰まった本全部虱潰しに調べなきゃいけない・・・って事?

 

パチュリー:そうなるわね。

 

ラディッツ:マジか・・・

 

妹紅:こりゃ、結構骨が折れそうだな・・・

 

他全員:・・・

 

あまりの本の多さに、言葉を失う他のメンバー達であった

 

アリス:良いわ。とことんやってやるわよ。皆!其処の棚の本、手分けして私の所に全部持って来て頂戴!

 

アリスは、赤い眼鏡を掛けて気合いを入れ直し、図書館の中にある机に向かった。こうして、大図書館での調べ物が始まった。その場に居る全員が手分けし、棚の中にある本をアリスの所に持って行き、アリスはそれを眼鏡の力で素早く読み進めているのだった

 

ラディッツ:アリス。妙に文字を読み進めるのが速いが、もしかしてその眼鏡に何か細工が?

 

アリス:コレは、風読みの眼鏡って言う魔道具よ。私のは最新型で、最大で120倍の速度で文字を読む事が可能なの。

 

ラディッツ:120だと?そんなに速くて、内容が理解出来るのか?

 

アリス:当然よ。私だって、一応魔法使いだもの。

 

悟空:魔法使いって凄ぇんだなぁ・・・オラなんか、文字を読んでるだけで頭が痛くなるっちゅーのに・・・

 

ラディッツ:素直に感心するな・・・

 

アリス:有難う。えっと・・・もう調べ物に戻っても良いかしら?

 

ラディッツ:あ、あぁ、スマン。邪魔をしたな。

 

それから約1時間以上、こいしや天子が作業に飽きて遊び始めたり、他の面々が文字を読もうとして首を傾げたりしている中、アリスは黙々と魔導書を読み続けた。そして・・・

 

アリス:御待たせ。恐らくコレだろうと言う術が見付かったわ。

 

椛:漸くですか・・・

 

鈴仙:それで、何の術だったんですか?

 

アリス:遥か昔に封じられた超古代魔法、チェンジリングが発動したのよ。

 

はたて:チェンジリング?

 

アリス:えぇ。

 

パチュリー:チェンジリング・・・並みの魔法使いでは発動すら出来ない、とても厄介な魔術だわ。

 

アリス:えぇ。

 

ラディッツ:そんな術、一体何処の誰に掛けられたって言うんだ・・・

 

アリス:誰が術を発動した犯人なのか・・・私も気にはなるけど、それは今は置いておきましょ。それよりも、大事な事を伝えなきゃ。

 

椛:と言うと?

 

アリス:単刀直入に言うわ・・・このまま入れ替わっていた場合、魂がその肉体に癒着し、二度と元の体に戻る事が出来なくなるわ。

 

はたて:はぁ!?

 

天子:なかなかえげつないわね・・・

 

レミリア:そ、それは困るわ!

 

咲夜:い、一大事じゃない!

 

美鈴:そ、そうですそうです!

 

悟空:最初は気楽に考えちまってたけど、よくよく考えてみたらオラも困っちまうな。全部終わって元の世界に帰れたとしても、この体だとチチや悟飯にどう説明すりゃ良いのか分かんねぇぞ。

 

ラディッツ:アリス、パチュリー。何とか元に戻す方法はねぇのか?

 

アリス:無くは無いんだけど・・・問題点が幾つかあって・・・

 

ラディッツ:問題点だと?

 

アリス:本の記述によると、まずこの術の解除は全員纏めて行えない。簡単に言うと、1組ずつ順番に術の解除をする必要があるんだけど・・・

 

ターレス:けど・・・何だ?

 

アリス:落ち着いて聞いて頂戴・・・この術は、発動して半日以内に解除する必要があるの。そして、発動には数分程時間が必要なんだけど・・・次が一番の問題・・・

 

ターレス:さっさと言え。

 

アリス:そのタイムリミットまで、後5分も無いのよ・・・

 

ラディッツ:な、何だと?

 

フラン:ヤ、ヤバいじゃん!それじゃ、私と御兄ちゃんを早く元に戻してよ!

 

レミリア:ちょっと待ちなさいよフラン!何でアンタ達が一番先にって話になってるのよ!

 

フラン:はぁ?御姉様は女同士なんだからまだ良いじゃんか!

 

レミリア:良い訳無いでしょ!

 

その後も、美鈴や咲夜、パチュリー、小悪魔が次々と自分こそ先に元に戻るべきだと主張を始め、騒ぎがエスカレートするのだった

 

椛:何と醜い争い・・・

 

鈴仙:こう言う追い詰められた時って、人の本性が露になりますよね・・・

 

フラン(見た目はラディッツ)やレミリア(見た目は咲夜)が尚も小競り合いを続ける中、ラディッツ(見た目はフラン)は何故か静かなままである

 

はたて:フラン・・・じゃないや・・・中身ラディッツだっけ?やけに落ち着いてる様に見えるんだけど・・・

 

ラディッツ:覚悟の決め時かと思ってな・・・

 

はたて:コラコラ!潔く諦めるんじゃない!

 

妹紅:醜く争わないのは良いが、潔過ぎるのも問題だぞ・・・

 

ターレス:騒がしい奴等め・・・何とか纏めて解除出来ねぇのか?

 

アリス:私だって、彼等をこのままにしておくのは本意じゃないし・・・本の記述のやり方とは違うけど、試してみるしか無さそうね。皆!そんな事してる時間は無いわ!喧嘩は止めて、入れ替わっている人と手を繋いで!そして、少し間隔を空けて横一列に並んで頂戴!記述には反するけど、一気に行くわ!

 

アリスに言われるがまま、入れ替わっている者同士で手を繋ぎ、それぞれ一定の間隔を空けつつ並んだ。すると、アリスは彼等の足元に魔法陣を出現させた。そして・・・

 

アリス:入れ替わりし魂達よ、本来在るべき器に戻れ・・・そして、永久(とわ)の幸福をもたらさん・・・チェンジリング!

 

詠唱と共に、魔法陣の中に居る紅魔館の面々の体が光輝く。そして、少し後に光が消えた・・・

 

はたて:どうなったの?

 

鈴仙:さ、さぁ・・・

 

悟空:も・・・戻ったぁーっ!

 

レミリア:私も!私も戻ってる!

 

小悪魔:同じくです♪

 

フラン:やったやったぁ♪

 

美鈴:いやはや、一時はどうなる事かと・・・

 

次々と歓喜の声を上げる紅魔館の面々。その様子に、他の仲間達はホッと胸を撫で下ろした

 

アリス:成功したみたいね・・・良かっ・・・た・・・

 

歓喜する面々を見たアリスは、フラ付きながらゆっくり座り込んだ

 

鈴仙:アリスさん!

 

ラディッツ:アリス!どうした?

 

そんなアリスに、ラディッツや鈴仙を始め、仲間達も次々に心配そうに駆け寄った

 

アリス:ゴメンなさい。慣れない魔法を、本来とは違うやり方で無理矢理発動したから、反動で魔力をゴッソリ持ってかれたみたいで・・・

 

パチュリー:無茶するから・・・いや、させたのは私達なんだけど・・・

 

ラディッツ:無理をさせてスマンな。それと、恩に着るぞ、アリス。

 

ラディッツに続き、紅魔館の面々も次々とアリスに感謝の言葉を述べた。当のアリスは、疲労こそ隠せていないが、笑顔を見せていた。かくして、平和な紅魔館を襲った異変は解決した。幾つかの疑問を残して・・・紅魔館の外では、黒いフードを纏ったある者が水晶玉でその様子を見ていた

 

???:紅魔館の書物・・・そして、それを発動可能な魔法使いの存在・・・情報不足ではあったが、収穫とも言えるか・・・次はどうしてやろうか・・・ククク・・・

 

ひっそりと姿を消した闇の存在の正体を、ラディッツやその仲間達はこの時は知る由も無い




チェンジリングの元ネタは、フェアリーテイルの19話(だったかな)、アニオリ回です

アリスが使った風読みの眼鏡も同作品が元ネタ

因みに、元ネタのチェンジリングでは、時間制限により1組を除いて元に戻れず、それ所か解除役の少女のミスにより、他のメンバー達も入れ替わってしまって更にカオスになり、入れ替わっているまま物語が終わると言うオチになってました
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