誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

423 / 500
特別な日‐生まれてきておめでとう‐ その4


第423話

紅魔館への出入り禁止を言い渡されたラディッツは、ターレスや椛と共に人里をブラ付いていた。ふと、かつての生活を思い返していたラディッツだったが、突如ターレスの発案でにとりの研究所の地下にあるトレーニングルームへと連れて来られる。そして、何が何だか分からない内に、ターレスに勝負を挑まれたが・・・

 

ラディッツ:おい、本当にやるのか?

 

ターレス:当たり前だ。良い機会だ、お前の今の実力を俺が見極めてやるよ。

 

ラディッツ:しかしなぁ・・・

 

ターレス:サイヤ人なら、戦いから逃げ出す様な事はしねぇ筈だよな?

 

ラディッツ:・・・

 

ターレス:それとも、心穏やかになって戦うのが怖くなっちまったか?

 

ラディッツ:そんな事は・・・

 

ターレス:まぁ怖いんなら、尻尾を巻いて逃げ出しても構わねぇぜ?弱虫ラディッツよ?

 

ラディッツ:くっ・・・其処まで言われて逃げ出したんじゃ、サイヤ人の名が廃るぜ。

 

ターレス:ククク・・・やる気になった様だな。

 

ラディッツ:言っておくが、俺を以前までの俺だと思わん事だ。この幻想郷に来てから、強い奴等と出会い、毎日の修行を欠かした事はねぇ。実力が上の連中との戦闘も沢山経験して来た。

 

ターレス:確かにマシにはなったと思うが、強くなったのが自分だけだと思うなよ。どれだけ力を付けようと、俺とお前のパワーとは、天と地程の差があるんだ。

 

ラディッツ:いつまでも俺をナメてると、後悔する事になるぞ。

 

ターレス:言うねぇ・・・犬走、戦場のセッティングをしろ。ステージは岩場辺りが良いか。純粋な戦いをしたいから、重力は無しだ。

 

椛:分かりました。ですが、やり過ぎない様にして下さいよ?

 

ターレス:それはアイツ次第だな・・・お前は此処で見てろ、手は出すなよ?

 

椛:言われるまでもありませんよ。

 

ターレスに言われた通りに、椛がトレーニングルームの機械を弄ると、あっと言う間に辺りの風景全てが岩場に変わる

 

ターレス:いつ見ても見事なもんだな、河童の技術力は。

 

ラディッツ:それには同感だな。

 

ターレス:さてと・・・じゃあ始めるとするか。

 

ラディッツ:勝負のルールはどうする?

 

ターレス:そんなもん要るかよ。強いて言うなら・・・そうだな・・・どちらかが倒れるまでだ。

 

ラディッツ:良いだろう。

 

ラディッツ、ターレス双方がゆっくりと身構える

 

ターレス:先手はくれてやる。何処からでも掛かって来いよ。

 

ラディッツ:それじゃ、遠慮無く!

 

互いに相手の出方を窺いながら、まずはラディッツがエネルギー波や気弾を連続で放ち開戦となった。すぐに気弾の応酬が数分続いた

 

ターレス:どうした、弱虫ラディッツよ?ビビってるのか?もっとガンガン攻めて来ても良いんだぜ?

 

ラディッツ:実力が上の相手との戦いで、挑発に乗って無闇に突っ込むのは愚策中の愚策だ。何の策も無しなら尚の事だ。

 

ターレス:へぇ・・・此処の連中に絆されて熱血野郎になっちまったかと思ってたが、どうやらそうでもねぇらしいな。

 

ラディッツ:そりゃどうも。

 

そう言いつつ、ラディッツは考えていた。このまま闇雲に戦っても勝ち目は皆無、どうすればこの不利な戦況を変えられるかと・・・

 

ターレス:色々思考を巡らせるのは戦闘では大事な事だが・・・それを敵がいつまでも待ってくれると思うなよ!

 

考えが纏まる前に、ターレスが一気に攻め込んで来た。何とか応戦するラディッツだったが、嵐の様な猛攻に徐々に圧され始めて・・・

 

ターレス:さっきも言ったと思うが・・・敵がのんびり考える時間を与えてくれると思ったら、そりゃ大間違いだ。コレが命の取り合いなら、お前はもう既に死んでるぜ。

 

ラディッツ:・・・だろうな・・・

 

その後、十数分激しい打撃戦が繰り広げられた。少し後、ラディッツがゆっくりと口を開いた

 

ラディッツ:聞きたい事がある・・・

 

ターレス:何だ?

 

ラディッツ:どうして、急にこんな事を言い出した?

 

ターレス:・・・やれやれ・・・

 

ターレスは、攻撃の手を一旦止めた。それを見たラディッツも、一旦構えを解いた

 

ターレス:こうして体を動かしてりゃ、余計な事を考えなくて済むだろうと思ってな。

 

ラディッツ:何?

 

ターレス:俺が気が付かんとでも思ったか?お前、やる事が無い時はボーッと空を見上げてる事が多々あるぞ。

 

ラディッツ:・・・

 

ターレス:大方、まだ仲間同士で連るんでた頃の事を思い返してたとかだろうがな・・・

 

ラディッツ:驚いたな・・・御見通しかよ・・・お前、いつから心が読める様になった?

 

ターレス:そんな事が出来たらもっと有効活用してるぜ。月での一件が解決した後、お前がそれで魘されてたと永遠亭の姫君から話を聞いてな。

 

ラディッツ:姫さんめ、余計な事を・・・

 

ラディッツの脳裏に、可愛く舌を出して笑っている永遠亭の姫君の顔が浮かび上がった

 

ターレス:それより・・・お前が過去に奴等から散々な仕打ちを受けたのは聞いてるが、いつまでそんな過去に囚われてるつもりだ?

 

ラディッツ:そ、それは・・・

 

ターレスは、ラディッツの胸倉を掴む。見守っていた椛は、それを見て少しヒヤリとしたが・・・

 

ターレス:過去ばっかり見てんじゃねぇ。お前がそんな情けねぇ調子じゃ、こっちまでナメられるんだよ。それに・・・今のお前には、前には無かったもんがあるだろうが。それを失わねぇ様に、ちったぁシャキッとしやがれ。

 

ラディッツ:・・・

 

ターレス:ったく・・・俺とした事が、ガラにもねぇ事を言っちまった・・・俺も人の事は言えねぇな・・・

 

溜め息混じりにそう言いつつ、ターレスはラディッツの胸倉を掴んでいた手を離す。それを見た椛は、ホッと胸を撫で下ろした

 

ターレス:今の言葉は、同じサイヤ人として生まれた俺からのせめてもの贈り物だ。

 

ラディッツ:へっ・・・有難うよ。

 

ターレス:フン・・・さぁ、続きを始めるぞ。まだやれるだろ?

 

ラディッツ:あぁ、勿論だ。

 

椛:えっ?まだ続けるんですか?

 

ターレス:当たり前だ。どっちかが倒れるまでって言ったろ?

 

椛:いや、しかし・・・

 

ラディッツ:良いんだ椛。さっきのアドバイスの礼も兼ねて、俺もとことん付き合うつもりだ。

 

椛:・・・

 

ターレス:そう来なくちゃな・・・

 

ラディッツ:さぁ、行くぞ!

 

ターレス:精々楽しませてくれよ・・・

 

2人のサイヤ人の戦い(あくまでも組み手目的)は、その後小休止を挟みつつ数時間続いた。その間、椛は呆れつつもその戦いを最後まで見守っていたのだった・・・




設定コーナー


ザーボン

青い肌に中性的な整った顔立ち、緑色の長髪を後ろで三つ編みにして束ねた美青年。
少々ナルシストな性格。
ゲーム『ドラゴンボールスパーキングネオ』のイフストーリー、美しき野望編の後の設定。
元は宇宙の帝王フリーザの軍で側近兼参謀を務め、忠誠を誓っていたが、ふとした事でドラゴンボールの存在を知り、自分の美しさを永遠の物とする夢の為に策を労し、主に対して謀反を起こした。
奔走した末、願いを叶える事には成功したが、その直後にフリーザにその行動がバレてしまい、危機に陥るが、其処に現れた孫悟空(パラレル世界の悟空である為、本編や今作の彼とは別人)に共闘を申し出る。
しかし、2人で戦っても実力の半分も出していないフリーザに苦戦していたが、そんな時にフリーザの兄がその星に攻め入って来た為、フリーザは兄の元へ向かい全面戦争へ。
命からがら助かったザーボンは、悟空を始末して彼の宇宙船で星からの脱出を試みようとするが、悟空は仲間達の願いによりその場から緊急離脱した。
残されたザーボンは、その宇宙船で単身脱出しようとするも、操作方法が分からずそのまま崩壊する星と運命を共にした・・・(以上がイフストーリーの大まかな内容)
悪人の為に地獄に落ちたが、既に地獄の悪人達の大脱走は終わっており、魂の洗浄もされないまま(洗浄する機械が破壊されている為)、そのまま地獄に残される事となる。
主には謀反を起こしていた為に居場所も無く、只呆然としていたが、そんな時に幻想郷側の戦力を探していた時の界王神、八雲紫の目に止まり、ターレス同様に幻想郷側の戦力になる事を約束、彼女達の許しを得て生き返り幻想入り。
幻想入り直後に、天邪鬼の正邪と彼女の誘いで先に生き返り、悪事に荷担していたキュイ、ドドリアとの戦闘に巻き込まれる形で参戦。
キュイはフランにあっさり爆殺され、ドドリアは強化こそされていたがザーボン自身が引導を渡した。
その後は、新たな主兼師匠と支えてくれるパートナーを得て、幻想郷でかつての罪を償いつつ、新たな人生を楽しんでいる。(師匠、パートナーキャラは後述を参照)


茨木 華扇

ピンクの髪と、頭の両側に着けられたシニヨンキャップ、包帯が巻かれた右腕、抜群のスタイルを持つ自称仙人。(尚正体は・・・)
幻想入りしたザーボンを自らの弟子として引き取り、共同生活をさせつつ、贖罪を兼ねて日々修行を就けている。
彼には、自分の日常生活の補佐をさせつつ、必要とあらば人里での仕事の手伝いや異変解決等の善行もさせている。
元の主と決定的に違う点は、恐怖による支配等では無く、厳しくも優しく諭しつつ見守る所。
時には共に甘味を食べに出掛けたり、日常生活でも冗談を言い共に笑い合う等、師弟関係はとても良好と言える。


多々良 小傘

ザーボンのヒロイン役。
左目が赤、右目が青のオッドアイ、水色のショートボブ、水色を貴重とした衣服を身に付けた唐傘御化けの少女。
少々ヘタレな面はあるものの、健気で心優しく、気立ても良い人里の人気者。
本来、妖怪としては人々を驚かせる事が生き甲斐なのが普通たが、彼女は人々の力となり、役立つ事で喜んで貰う事を生き甲斐としている。
但し、人の恐怖心をエネルギー源としている為、定期的に人々を驚かせてはいる。(コレに関しては、見た目の可愛らしさと、その方法の迫力の無さで余り効果は無い様子だが・・・)
人里で鍛冶屋唐傘を営んでおり、里の人々の大切な物品を修復している他、依頼を受けて新しいアクセサリーを作成する等、手先が器用。
一方で、ベビーシッターをしたり、時には人里の人間の手伝いとして店の陳列作業を手伝う事もある。
以前、正邪によって闇の力を植え付けられ、自分を捨てた人間達への憎悪を増幅させられた事で人里で暴れた事があったが、ザーボン、華扇の活躍によりこの事件は解決した。
その時に、正邪の口から彼女が妖怪である事が里の人々にバレてしまったが、前述の活動により信頼を得ていた事もあり、「例え妖怪だったとしても、小傘が里の一員である事に変わりは無い」と皆に言われ、それからも人里での生活を続けている。
その際、戦いは苦手な心優しい性格でありながら、「妖怪だと分かっても自分を受け入れてくれた里の人々を守る力が欲しい」と言う思いから、華扇の元へと弟子入りを志願し、ザーボンや華扇と共に強くなる為の修行を開始した。
住んでいる場所こそ2人とは違うものの、彼等の生活の手助けも積極的に行っている。
ザーボンに対しては特に献身的で、いつの日か彼の贖罪が成就し、彼が心から幸せになる事を切に願い、その為に彼への協力は惜しまない。
彼がかつての罪への罪悪感で顔を曇らせても、優しく諭しつつそっと寄り添う為、彼の心の拠り所になっている。


次回は、守矢の面々や親しい面々の設定を少しだけ・・・


それと、今後の登場キャラ(あくまでも予定)ほんの少し公開(後の展開のネタバレ含むので、楽しみにしたい方は此処で・・・)












·依神 女宛

依神姉妹の妹で、疫病神。
後に起きるとある異変の黒幕の1人。
異変解決後に、ラディッツチームの新たな仲間として加入予定。


·依神 紫苑

依神姉妹の姉で、貧乏神。
後に起きるとある異変の黒幕の1人。
異変解決後、天子に連れられてターレス一派に加入予定。


·堀川 雷鼓

和太鼓の憑喪神。
近々始まる事件の協力者。
異変解決後、ザーボン達のチームに加入予定。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。