誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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酒饅頭喧騒譚 その2


第426話

平和な日常は、突然崩れ去った・・・ある日、幻想郷の実力者達が突然正気を失い暴れ始めると言う事件が起きた。事件解決に動き出したラディッツ、フラン、はたての3人は、寺子屋で意味不明な事を喚き散らしながら暴れ回る慧音を妹紅と共に何とか落ち着かせる事に成功した。しかし、ホッと一息吐く暇も無く、今度は竹林にある永遠亭の方から凄まじい力の反応を感知する。妹紅も同行する事になった一行は、彼女の案内で永遠亭へとやって来た

 

妹紅:さぁ着いたぞ、永遠亭だ。

 

ラディッツ:さて、今度はどんな事になってるかな・・・

 

鈴仙:ひいぃぃぃ!誰か!誰か来て!

 

フラン:皆!今の悲鳴って!

 

はたて:間違い無い、鈴仙よ!

 

ラディッツ:行くぞ!

 

一行は、鈴仙の無事を祈りつつ永遠亭の内部へと移動した

 

輝夜:あぁ、貴方達!来てくれたのね!

 

てゐ:グッドタイミングだよ!今丁度、アンタ達に連絡しようかって話が付いた所だったんだ!

 

ラディッツ:姫さん、てゐ。無事だったか。

 

輝夜:えぇ、私達は何とか・・・

 

はたて:んー?ちょっと待ってよ・・・姫様達が無事で、鈴仙が悲鳴上げてたって事は・・・

 

フラン:まさか、おかしくなっちゃったのって・・・

 

妹紅:そのまさかだろうな。

 

輝夜:私達、急な事態で何が何やら分からないんだけど・・・

 

てゐ:一体、何が起きてるのさ?何か知ってるなら、教えて欲しいんだけど?

 

はたて:私達もまだ、詳しい事まではさっぱり・・・

 

妹紅:兎に角行くぞ!事は一刻を争う!

 

輝夜:確かにそうね!

 

ラディッツ:鈴仙・・・間に合ってくれよ!

 

輝夜とてゐと共に、院内を移動中の一行。一方、永遠亭の診察室では・・・

 

永琳:そんなに怖がらなくても良いじゃない、うどんげ。貴方の力の源であるその緋色の瞳、研究の為の材料に使わせてくれるだけで良いのよ。

 

鈴仙:そんな事されたら、私戦う所か日常生活すら困難になるんですけど!?

 

永琳:大丈夫よ。貴方が居なくなった所で、誰も困りはしないわ。

 

鈴仙:何か酷い事言われてるんだけど!泣きますよ私!?

 

やはり正気を失った永琳が、鈴仙の眼を実験材料にしようと、多数の治療器具を手に鈴仙ににじり寄っていた。後退りし続ける鈴仙だったが、躓いてしまい、尻餅を付いてしまった

 

永琳:フフフ・・・安心なさいうどんげ・・・貴方の犠牲は、未来の人類の為に役立つのよ。

 

鈴仙:もう駄目だぁ・・・御終いだぁ・・・

 

鈴仙は、何処かのヘタレ王子の様に絶望する

 

永琳:我が研究の為・・・そして人類の未来の為に・・・死になさい!うどんげ!

 

永琳の凶刃(メス)が鈴仙に迫ったが、それは鈴仙には届かずにすんでの所で止まった。何故なら・・・

 

ラディッツ:弟子を殺そうとするとは穏やかじゃねぇな。

 

ギリギリの所で駆け付けたラディッツが、永琳が振り下ろしたメスを人差し指と中指で挟んで止めていた

 

鈴仙:ラディッツさん!

 

ラディッツ:遅くなって悪かったな、鈴仙。怪我はねぇか?

 

鈴仙:ハ、ハイ♪御陰様で♪

 

ラディッツ:そりゃ何よりだ。

 

ラディッツは、鈴仙を連れて後ろに飛び退いた。同時に、他の面々も彼の傍に集まった

 

永琳:私の研究の邪魔をするなんて、一体どう言うつもりかしら?

 

ラディッツ:それはこっちの台詞だ。アンタ程の奴が何てザマだよ、永琳。

 

永琳:・・・

 

輝夜や鈴仙、てゐが彼の傍に居るのを見た永琳は、更に顔を強張らせる

 

永琳:成る程・・・そう言う事・・・

 

ラディッツ:あん?どうした?

 

永琳:貴方達・・・いや、お前達は、姫様を言葉巧みに誑(たぶら)かして月へ連れ戻そうと此処にやって来たのね・・・

 

ラディッツ:・・・は?

 

輝夜:永琳?いきなり何の話を・・・

 

永琳:しらばっくれても無駄よ!そんな事、させるものか!

 

てゐ:アレ?何か、話の方向性が全く違ってる様な!?

 

鈴仙:さっきまで私の事を研究材料の為にとか言って襲って来てたのに、今度はどうしてそうなった!?

 

輝夜:月の使者がどうとかって、何だか記憶が大昔まで戻ってるみたいね・・・

 

永琳:姫様!その者達は危険です!早く此方へ!

 

輝夜:いや、今はどう見ても貴方の方が危険よ!?

 

永琳:姫様が私を危険だと・・・おのれ・・・どんな手を使ったかは知らないが、珍妙な術で姫様を操るとは・・・許し難い!万死に値する!

 

はたて:駄目だコリャ・・・正気を失ってるせいで話があっちこっち行ってて、まともに会話も出来やしないわね・・・

 

鈴仙:ど、どうしましょう・・・

 

ラディッツ:決まってるだろ。コイツも、さっきみたく正気に戻すしか無かろう。

 

フラン:それしか無さそうだよね。

 

ラディッツ:思えば、永琳とガチでやり合った事は無かったか・・・コイツは、ある意味良い機会かもな・・・

 

ラディッツは、そう言いつつニヤリと笑みを浮かべた

 

はたて:いやいや、喜んでる場合か!

 

てゐ:流石サイヤ人・・・

 

輝夜:フフ、頼もしいわね♪

 

妹紅:気を付けろよ。永琳は、私達と同じ不死者・・・その上に実力もトップクラスだ。生半可な攻撃は効果が無いぞ。

 

ラディッツ:だろうな。此処じゃ狭いし、外でとことんやろうぜ。

 

永琳:・・・まぁ良いわ。死に場所くらいは自由にさせてあげるわよ。

 

と言う訳で、一行は永遠亭の外へと移動した

 

ラディッツ:全員手を出すなよ。

 

妹紅:出さないさ、存分にやりなよ。

 

永琳:身の程知らずの愚か者が!死んで後悔しなさい!

 

直ぐ様戦闘は始まった。永琳の容赦無い弾幕を掻い潜り、近接格闘で攻撃を加えようと攻めるラディッツ。しかし、妹紅の忠告通り、不死者である永琳はダメージを受けても瞬時に回復してしまい、キリが無かった

 

ラディッツ:ちっ・・・今のも浅いか・・・

 

永琳:この程度なのね・・・さて、それじゃそろそろ・・・反撃と行こうかしらね!

 

一転反撃に出た永琳は、体術を駆使してラディッツに攻撃を開始した。両手を交差させ、辛うじて防御し続けるラディッツだが、ある事に気が付いた

 

ラディッツ:永琳の奴・・・体術のキレも凄まじいが、的確に急所ばかり狙って来やがる。

 

鈴仙:ラディッツさん!師匠は医者です!人体の何処に急所があり、何処をどうすれば致命的な攻撃になるかを全て把握してますよ!

 

ラディッツ:成る程な・・・

 

永琳:そう・・・医者って言うのは、言い換えれば人体のスペシャリスト!完璧に治す事と同時に、完璧に破壊する術も持ち合わせている。ところで、さっき貴方にある事をしたんだけど、気付いているかしら?

 

ラディッツ:何を・・・

 

言い終わらない内に、ラディッツは自分の両腕に違和感を感じた。両腕に全く力が入らず、そのままノーガードの体勢になってしまう

 

フラン:えっ?どうしたんだろ?

 

てゐ:守りの構えを解いた?

 

ラディッツ:う、腕に力が入らん・・・

 

フラン:えぇっ!?

 

鈴仙:・・・まさか・・・

 

永琳:さっき、腕で防御を固めていた時、腕の神経を切断しておいたのよ。痛みも感じない様に、優しくね・・・

 

ラディッツ:くっ・・・やってくれるぜ・・・

 

永琳:口程にも無いとはこの事ね・・・それじゃ、さようなら・・・

 

永琳は、ラディッツの心臓部分に手刀を突き立てた。他の面々は戦慄した。勝負は決まったかに見えた。しかし・・・

 

ラディッツ:ふぅ・・・間一髪だった。まともに食らったらアウトだったぜ・・・

 

ラディッツは生きていた。心臓部分に突き立てられた様に見えた手刀は、体に刺さる事無く止まっていた

 

永琳:嘘・・・急所を突いたのに、何故・・・

 

ラディッツ:以前、御師さんに教えて貰った、気で肉体強化をする技を使った。まぁ間に合うかどうかは賭けだったが、ギリギリ何とかなった様だな。

 

永琳:なっ・・・

 

はたて:御師さんって、命蓮寺の僧侶の事よね?

 

輝夜:そう聞いてるけど・・・

 

フラン:そう言えば、そんな技を教えて貰ったっけ・・・

 

てゐ:咄嗟にそれを思い付くとは、なかなかやるねぇ・・・

 

鈴仙:良かった・・・本当に・・・

 

妹紅:全く・・・毎回毎回ヒヤヒヤさせやがって・・・

 

永琳:だとしても、その腕は最早使い物にならないわよ!

 

ラディッツ:そうでもねぇさ・・・ハァァァァッ!ハァッ!

 

ラディッツは、気合いで腕の筋肉を刺激し、神経が切れた腕を元通りに動かせる様に治した

 

他全員:えぇーっ!?

 

永琳:バカ・・・な・・・

 

その行動に、見学していた仲間達、そして永琳も驚愕するしか無かった

 

ラディッツ:コレも、御師さんに教わった技術の1つだ。尤も、フランや美鈴、カカロットとの修行で力を高めて無ければ到底無理な技術だろうがな。

 

はたて:あの僧侶、何でもアリだなぁ・・・

 

てゐ:そして、それはあの男にも言えるよ・・・

 

永琳:化け物め・・・やはり、野放しには出来ない!

 

永琳は、取り出した弓を真っ直ぐ構えた

 

永琳:秘術!天文密葬法!

 

永琳は、渾身の力を込めた矢をラディッツ目掛けて射出した

 

ラディッツ:コイツで正気に戻ってくれよ・・・永琳!

 

ラディッツは気を高め、構えた両手から極太の光線を放った。その光線は、永琳の矢を完全に消し飛ばしながら真っ直ぐ進み、そのまま永琳をも飲み込んだ

 

永琳:そ、そんな・・・あぁぁぁぁっ!

 

永琳は、光線と共に遥か彼方に飛んで行き、其処で爆散した(不死者だから生きているが)

 

ラディッツ:ふぅ・・・

 

フラン:御兄ちゃんの勝ちだーっ♪

 

他の面々は、彼の勝利を喜びながら彼の元に駆け寄った

 

妹紅:アンタには、毎回驚かされてばかりだな・・・

 

はたて:本当にね・・・コレは、トレーニングの量をもうちょい増やす必要があるかも・・・

 

鈴仙:あの・・・勝利を喜んでいる所に水を差す様で申し訳無いんですけど・・・

 

ラディッツ:どうした?

 

鈴仙:師匠の体を回収するの、手伝って頂けると助かるんですけど・・・

 

てゐ:後、諸々の事情説明をして欲しい所だね。

 

ラディッツ:た、確かにそうだな・・・

 

フラン:飛んで行ったの、あっちの方だっけ?

 

輝夜:その筈よ。

 

そんなこんなで、まずは倒れた永琳の体を回収し、全員で永遠亭へと戻った。そして、永琳を起こした後で現在事情説明中・・・

 

永琳:まさか、私が正気を失ってこんな事態になるなんて・・・貴方達には、本当に迷惑を掛けたわね・・・

 

ラディッツ:大事が無くて何よりだ。それより永琳、正気を失う前に一体何があった?良ければ話してくれんか?

 

永琳:確か、私は貰った饅頭を食べていたわ。

 

ラディッツ:饅頭だと?どんな饅頭だ?誰から貰った?

 

永琳:それは・・・ぐぅっ・・・頭が・・・痛い・・・

 

ラディッツ:・・・駄目か・・・

 

妹紅:永琳がこの調子じゃ、病人の診察なんて無理だな。

 

はたて:そうね。

 

永琳:私の他にも、正気を失った人が暴れているって話だったわね。

 

ラディッツ:そうだ。俺達は、コレから暴れてる連中の所にも様子を見に行くつもりだ。

 

永琳:そう・・・それなら、其処に居るうどんげを連れて行きなさい。

 

鈴仙:えっ?

 

ラディッツ:良いのか?お前も体調が悪いってのに・・・

 

永琳:自分の事は自分で何とかするわよ。それよりも、コレから私みたいに正気を失った人達の元に向かうなら、迅速な治療が必要でしょ?その子には、私の医療技術を出来る限り教え込んでいるから、少しは役に立つ筈よ。

 

ラディッツ:成る程な・・・鈴仙、悪いが・・・

 

鈴仙:皆まで言わないで下さい。私で力になれる事があるならば、いつでも頼って下さい。

 

ラディッツ:あぁ、頼りにしてるぞ。

 

鈴仙:ハイ!

 

てゐ:永琳に言われて、薬を一通り用意しておいたよ。

 

輝夜:この薬箱に入れてあるるから、持って行きなさい。

 

鈴仙:有難うございます!

 

鈴仙は、てゐ達が用意した薬箱を受け取り、ホイポイカプセルに仕舞い込んだ

 

妹紅:まずは、寺子屋の慧音の治療をしてやって欲しいんだが・・・

 

鈴仙:分かりました。では、行きましょうか。

 

フラン:おぉーっ!

 

はたて:それじゃ、私達はコレで。御大事にね、永琳。

 

鈴仙を加えた一行は、永遠亭から移動し、まずは人里へと向かった

 

永琳:上手くやるのよ・・・




慧音に続き、永琳も正気を失って暴れていた

さて、次の被害者は・・・
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