誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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酒饅頭喧騒譚 その4


第428話

命蓮寺で正気を失っていた白蓮を元に戻し、今回の騒動の犯人が幽々子であると言う情報を入手した一行。現在、幽々子の気を探って移動中

 

ラディッツ:どうやら、幽々子は紅魔館に居るらしい。

 

はたて:紅魔館?白玉楼じゃなくて?

 

ラディッツ:あぁ、何故かは分からんが・・・

 

アリス:私がさっき紅魔館を訪れた時は居なかったし、入れ違いになったみたいね。

 

そんな話をしている最中、ラディッツのスカウターに通信が入った

 

ラディッツ:通信か・・・一体誰から・・・

 

レミリア:ラディッツゥゥゥゥゥッ!

 

通信を始めた直後に、レミリアの大声が耳を貫く勢いで響き渡った

 

ラディッツ:・・・レミリアか?どうかしたのか?

 

レミリア:大変大変大変大・・・変態よラディッツ!

 

ラディッツ:誰が変態だ・・・ちょっと落ち着けよ、何事だ?

 

レミリア:うぅ・・・グスッ・・・しゃくやが・・・しゃくやがぁ・・・

 

ラディッツ:・・・まずは泣き止め・・・咲夜がどうかしたのか?

 

レミリア:うぅ・・・さっきまで何とも無かったのに、突然人が変わったみたいに暴れ始めたのよ・・・

 

ラディッツ:おいおい、今度の被害者は咲夜かよ・・・

 

レミリア:今、美鈴と悟空が頑張って応戦してくれてるわ。それよりも、被害者ってどう言う事よ?

 

ラディッツ:事情は後で話す。それよりも、其処に幽々子は居るか?

 

レミリア:え?えぇ・・・幽々子なら、ついさっき手土産を持って来てくれたばかりだけど・・・

 

ラディッツ:そりゃ好都合だ・・・取り敢えず、諸々の説明は後にするか・・・直ぐに戻るから、もう少しだけ粘れとカカロット達に伝えろ。

 

レミリア:わ、分かったわ!本当に直ぐ戻って来るのよ?

 

ラディッツ:分かってるよ。じゃあな。

 

通信終了

 

フラン:今の、御姉様だよね?情けない涙声が此処まで聞こえて来たよ。

 

ラディッツ:あぁ。

 

鈴仙:会話の内容から察するに、次に正気を失ったのは咲夜さんなんですよね?

 

ラディッツ:そうらしいな。ついでに、其処に幽々子が居るのも確認した。

 

妹紅:そうと決まれば、次にやる事は決まったな。

 

アリス:そうね。

 

ラディッツ:紅魔館に戻るぞ。

 

そんなこんなで、一行は紅魔館へと移動した。館の前では、明らかに正気では無い様子の咲夜を相手に苦戦中の悟空と美鈴の姿があった

 

悟空:どうしちまったんだ、咲夜の奴・・・

 

美鈴:分かりません。御土産に貰った物を持って、御茶を淹れに館の中に入り、次に出て来たらこの有り様だったんですから。

 

レミリア:幽々子!どう考えても、貴方が持って来た御土産が原因じゃないのよ!一体何を持って来たのよ!

 

幽々子:いやいや、私おかしい物なんか持って来てないわよ?

 

レミリア:じゃあ、何であんな事になってるのよ!

 

幽々子:知らないわよーっ!

 

パニック状態の紅魔館の面々と幽々子の元に、ラディッツ達が駆け付ける

 

ラディッツ:スマン、待たせたな。

 

レミリア:ラディッツ!フラン!

 

美鈴:他の皆さんも御揃いで。

 

はたて:何とか間に合ったみたいね。

 

鈴仙:状況は?

 

レミリア:苦戦中よ。相手が相手だし、無闇に傷付ける訳にもいかないから。

 

妹紅:で?咲夜の様子は?

 

レミリア:それが・・・あんな感じになってて・・・

 

レミリアが指差した方を見た一行の目に映った物・・・それは、某スタンド漫画の大ボスの様な濃い表情、そして妙な立ち方で威風堂々と一行と相対する咲夜の姿だった

 

妹紅:何だありゃ・・・

 

レミリア:ね?何か様子がいつもと違うでしょ?

 

鈴仙:いや、何かと言うか・・・ほぼ全体的に・・・

 

妹紅:最早別の人物だろうが!

 

アリス:何あの立ち方!?

 

はたて:何か、背景にゴゴゴゴって言う擬音っぽい文字が見える気がするんだけど!?

 

フラン:DI○様だ!?アレってDI○様だよね!?

 

美鈴:何故だか、今にもWRYYYY !って叫びそうな感じがする!

 

ラディッツ:何の話をしてるのか、さっぱり分からん・・・

 

悟空:オラもだ。

 

咲夜:私の目的は、吸血鬼をこの世から根絶やしにする事・・・それを邪魔する者は、誰であっても許しはしない・・・

 

妹紅:その感じだと、寧ろ逆の立場だろお前!

 

美鈴:吸血鬼を根絶やしに・・・そう言えば、御嬢様から聞いた事があります。咲夜さんは、元々御嬢様を殺す為にこの館にやって来た吸血鬼ハンターだったと・・・

 

レミリア:ま、まさかその時まで記憶が戻ってるの!?何で!?

 

ラディッツ:さぁな・・・ところでレミリア、パチュリーはどうした?姿が見えんが・・・

 

レミリア:えっ?あぁ・・・パチェなら、咲夜がおかしくなった原因を調べるからって、こぁと一緒に大図書館にいる筈よ。

 

ラディッツ:そうか。全く・・・面倒な事になっちまったが、それももうじき終わると思えば気が楽だぜ・・・幽々子、アンタへの事情聴取と説教はアイツの暴走を鎮めてからだ。

 

幽々子:えっ?説教って何の事?

 

レミリア:こうなった事情、何か知ってるの?

 

ラディッツ:完璧にとまではいかんが、まぁ大体の推測は付いてる。そんな事より、まずは・・・

 

目の前の咲夜を真っ直ぐ見据え、ラディッツは身構える

 

妹紅:一応聞くが、援護は必要か?

 

ラディッツ:いや、良い。さっきの戦いの間に、十分休めたからな。

 

妹紅:そうか。

 

はたて:それじゃ、見学させて貰うわよ。

 

ラディッツ:あぁ。

 

妹紅達は、ラディッツを前線に残して少し下がる

 

ラディッツ:カカロット、美鈴。お前達も下がってろ。此処は俺がやる。

 

美鈴:し、しかしラディッツさん!相手は咲夜さんです!タイマンでは些か分が・・・

 

悟空:よし、分かった。

 

美鈴:えっ?悟空さん?

 

悟空:ラディッツがああ言ってんだし、何とかなんだろ♪

 

悟空は、そう言って満面の笑みを浮かべる

 

美鈴:・・・分かりました。しかし、くれぐれも・・・

 

ラディッツ:無闇に傷付けるなだろ?分かってるよ。

 

美鈴:御願いします。

 

悟空と美鈴も、レミリアと幽々子を連れて後ろへ下がる

 

フラン:御兄ちゃん、咲夜を助けてあげて!

 

ラディッツ:それも分かってる。お前も下がって休んでろ。

 

フラン:うん!

 

フランも、ゆっくりと後ろへ下がる

 

咲夜:この私を相手に、たった1人で挑むとは・・・それに、その楽しそうな顔は何?自分の力を過信しているのかしら?私もナメられたものね。

 

ラディッツ:不快にさせたならすまねぇな。だが、サイヤ人ってのはそう言う悪癖がある種族なんだ。

 

咲夜:何?

 

ラディッツ:分からねぇか?最初から強いと分かってるからこそ・・・楽しめると分かってる相手だからこそ、ついこう言う顔になっちまうんだ。

 

咲夜:ならば、直ぐにその不快な笑みを絶望の顔に変えてあげるわ!覚悟!

 

咲夜の先制攻撃から戦いが始まった。遠距離からのナイフ投げと近距離での体術、時間操作の能力を場合によってしっかりと使い分ける咲夜に対し、ラディッツは効果的な攻撃が出来ずにいた

 

ラディッツ:思えば、時を操る奴とは今まで戦闘経験が無かったな・・・しかも、相手が相手だけに全力で戦えん・・・コイツは厄介だな・・・

 

咲夜:考えている時間を与えると思わない事ね!ザ·ワールド!

 

咲夜は、辺りの時を止める

 

咲夜:数多の刃よ此処に集え・・・汝の見る夢刹那と消える・・・

 

ラディッツの周囲360度にナイフを設置する

 

咲夜:次に気付いた時には、貴方はナイフで全身穴だらけ・・・そして時は動き出す!奥義!百花繚乱!

 

咲夜が能力を解除し、ラディッツに向けて無数のナイフが降り注いだ

 

咲夜:所詮、口だけの愚か者・・・呆気無いわね。

 

ラディッツ:さぁて、ソイツはどうかな?

 

咲夜:何?

 

ラディッツの体には、1本のナイフも刺さっていなかった

 

咲夜:そんな・・・バカな・・・どうして!?

 

ラディッツ:先の戦いでもやった、気を使う防御術を今回もやっただけに過ぎん。

 

咲夜:防御術・・・ですって?

 

ラディッツ:そうだ。まぁ簡単に言うと、気で体を硬質化させて、攻撃のダメージを防ぐ術って所だ。

 

咲夜:くっ・・・器用な事を・・・

 

一方、それを見ていた観戦者達はと言うと・・・

 

幽々子:ラディッツ君ったら、いつの間にあんな戦闘技術を身に付けたのかしら・・・

 

レミリア:あ、それは・・・

 

美鈴:ラディッツさんが使っているのは、命蓮寺での修行中に聖さんから教わった戦闘技術です。それを見事に活用していますね、流石です。

 

レミリア:わ、私の台詞・・・

 

フラン:あの後も、御兄ちゃんは毎日欠かさずトレーニングを頑張ってるんだもん♪当然だよ♪

 

妹紅:アイツには、両親を助けるって目標があるからな。その為に、戦いやトレーニングで日に日に強くなってる。

 

鈴仙:その目標の存在も勿論あるでしょうけど、彼の中に流れる、ただひたすら強くなりたいと求める戦闘種族サイヤ人の血と本能も、その原動力となっているのかも知れません。

 

幽々子:そうかも知れないわね。それにしても・・・あの子が直接戦っているのを見るのは初めてだけど、出会った時とは比べ物にならないわ。

 

悟空:ラディッツは、本当に強くなったな。それに、こうやって皆に認められてる。へへへ、オラ何だか嬉しいぞ♪

 

妹紅:しかし、のんびりしてたらあっと言う間に置いてかれるなこりゃ。

 

鈴仙:そうならない様、もっともっと頑張らないとですね。

 

アリス:えぇ、そうね。彼がどんな無茶をしても支えてあげられる様に、私達も更に上を目指さないと。

 

はたて:専属記者として、コレからも傍で色々見せて貰うわよ。

 

その後も、咲夜の攻撃は激しさを増しながら続くが、それらは全てラディッツが防ぎきる。そして、戦いは終盤へ・・・

 

咲夜:くっ・・・どうしてさっきから攻撃して来ない!やはり私をナメているのか!?

 

ラディッツ:お前を傷付けたら、お前を慕うお前の家族達や館の皆に合わせる顔が無いからな。それだけの話だ。

 

咲夜:何バカな事を・・・私に家族等もう・・・うぐぅっ!

 

咲夜は、突然強烈な頭痛に襲われて膝を付いた

 

美鈴:咲夜さん!

 

レミリア:どうしたの!?

 

咲夜:私の目的・・・それは・・・憎き吸血鬼を・・・根絶やしにする・・・事・・・なのに・・・

 

咲夜の脳内に、レミリア達家族や館の皆、親しい仲間達の顔、そしてコレまでの思い出が次々と浮かび上がる。そして、目から涙が溢れ出す

 

咲夜:この暖かな感情は・・・一体・・・あぁぁぁぁーっ!

 

割れる様な頭の痛みで少し悶えた後、咲夜はその場に倒れ込んだ

 

レミリア:さ、咲夜!

 

まずはレミリアが咲夜に駆け寄り他の面々も各々同じ様に駆け寄った

 

レミリア:咲夜!しっかりしなさい!咲夜!

 

鈴仙:大丈夫、気を失ってるだけです。しかし、どうしていきなり・・・

 

ラディッツ:さぁな・・・だが、傷付けずに済んだのは不幸中の幸いって奴かもな。

 

直ぐ様、鈴仙が咲夜に鎮静剤と鎮痛剤を処方する。それから少しして、咲夜は目覚めたのだが・・・

 

咲夜:正気を失っていたとは言え、御嬢様方に刃を向けた事・・・許される事ではありません。かくなる上は、この命を以て償わせて頂きます。

 

そう言うと、咲夜は自分のナイフを首元に当てる

 

レミリア:わーっ!わーっ!待って待って!其処までしなくて良いから!

 

フラン:落ち着いて咲夜!

 

レミリアとフランが、慌てて咲夜を制止する

 

咲夜:し、しかし御嬢様方・・・私は・・・

 

レミリア:貴方が正気に戻ってくれたなら、私はそれで良いのよ。

 

フラン:だね♪

 

咲夜:御嬢様・・・妹様・・・申し訳ございません・・・

 

咲夜は、深々と土下座する

 

レミリア:そう言うのは良いってば・・・

 

ラディッツ:話の腰を折って悪いが・・・咲夜、少し確認したい事があるんだが。

 

咲夜:何でしょう?

 

ラディッツ:正気を失う前、何をしてたか覚えてるか?

 

咲夜:えーっと・・・確か、御嬢様方に御出しする為に、御茶と御茶菓子の用意をしてました。で、毒味をと茶菓子を口に・・・

 

ラディッツ:一応聞くが、その茶菓子ってのは?

 

咲夜:其処の亡霊から貰った饅頭ですけど・・・

 

その言葉を聞き、その場に居た全員の視線が白玉楼の亡霊姫に向けられる

 

ラディッツ:さて・・・幽々子、話がある。

 

幽々子:あら何かしら?もしかして、デートの御誘い?

 

ラディッツ:残念ながらそうじゃねぇ。と言うか、今の話を聞いてなかったのかよ・・・今から説明するから、しっかり聞いてくれ。

 

幽々子:???

 

次回、更なる緊急事態が彼等を襲う・・・!?

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