誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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第43話

妖怪の山の麓に到着した一行は、頂上を目指して移動中

 

パチュリー:何で一気に頂上に行かないのよ?飛べばすぐ行けるでしょ?

 

文:そうしたいのは山々なんですが、頂上までの道でもあちこちで戦闘が行われていましてね。私としては、それが少々気になりまして…

 

ターレス:一気に上まで行けねぇのは面倒だが、仕方ねぇか…

 

ラディッツ:文、引き続き案内を頼んだぜ。

 

文:了解です!

 

ターレス:ラディッツ、お前も先に行け。しんがりは俺が引き受ける。

 

ラディッツ:あぁ。

 

前から文、ラディッツ(と彼に背負われたパチュリー)、ターレスの順番に並び、妖怪の山の麓から頂上を目指して移動中。暫く進んだ所で、道端に倒れている者を発見する

 

パチュリー:彼処、誰かボロボロになって倒れてるわよ。

 

文:アレは、確か例の奇怪生物の討伐任務に当たっていた部隊の人ですね。

 

倒れている者に近付いた一行だったが、その者は既に息絶えていた。身体中に、幾つもの痛々しい傷を残して…

 

文:そ、そんな…

 

パチュリー:遅かったみたいね…

 

ラディッツ:外傷が酷いな。しかも、1つじゃねぇ…

 

ターレス:ラディッツ、コイツを見ろ。

 

ラディッツ:ん?

 

ターレスが拾って見せたのは、緑色の小さな腕の様な物だった

 

ラディッツ:この腕…どうやら、間違いねぇな…

 

ターレス:あぁ、予想は当たっちまったらしい…

 

パチュリー:貴方達だけで話を進めないで、私達にも説明して欲しいんだけど?

 

文:同感です。

 

ラディッツ:あぁ、スマン。その奇怪生物ってのは…ムッ…

 

ラディッツが台詞を言い終わらない内に、彼等の前方に数体の奇怪生物達が姿を現した

 

???:ギギィ!

 

???:ギャギャッ!

 

文:間違いありません!私が見た奇怪な生物は、コイツらです!

 

ターレス:やっぱりそうか…

 

ラディッツ:コイツらの名前は、栽培マンというんだ。

 

パチュリー:栽培マン?

 

ラディッツ:あぁ。奴等は、戦闘する為だけに作られた生物兵器でな。見た目は醜いが、戦闘力は並の戦士を遥かに凌ぐ。普通の奴では、まず敵わんだろう。但し…

 

ターレス:普通の奴なら…な…

 

栽培マンA:ギィィッ!

 

栽培マンB:シャアッ!

 

ニヤリと笑うラディッツとターレスに問答無用で襲い掛かる栽培マン達だったが、力を増した彼等に動きを見切られ、あっさりと返り討ちにされてしまうのだった

 

ターレス:フン、血迷いやがって…てめぇらみたいなゴミが、俺に敵う筈がねぇだろう…

 

パチュリー:何よ、弱いじゃない。

 

ラディッツ:さっきも言ったが、コイツらの戦闘力は並の戦士なら勝ち目はねぇ程だ。俺達は違うがな。

 

ターレス:偉そうによくもまぁ…お前、昔はコイツらと同等の力しか持ち合わせて無かったらしいじゃねぇか。

 

ラディッツ:そ、その話はやめろ!

 

文:でも、今はあっさり倒せてましたよね?

 

パチュリー:彼だって、毎日のんびり遊んでる訳じゃないわ。この世界に来てからの戦いや、日課になってる美鈴とのトレーニングで、日々成長してるって事よ。

 

ターレス:ほぅ…

 

文:あやや…

 

パチュリー:何よ?

 

文:紅魔館の魔女さんが、ここまで誰かを高評価しているとは…貴方は、本や魔法、紅魔館の皆さんの事以外に興味は無かったと記憶していますが…

 

ターレス:コイツの事、結構良く見てる様だな?

 

文:実は、彼の事を応援してあげてるとかですか?いやぁ、可愛い所もあるんですねぇ

 

パチュリー:か、勘違いしないで!同じ場所に住んでる以上、嫌でも目に付くってだけよ!別に応援とかしてないわ!そもそも、紅魔館の一員だと認めてもいないわよ!

 

文:ムフフ…

 

ターレス:クク…だそうだぜ?残念だったな、弱虫ラディッツ。

 

ラディッツ:スマン…お前にも、少しは認めて貰えてると思ってたんだが…

 

パチュリー:えっ?

 

ターレス:それに、相当嫌な思いをさせてたらしいぜ?

 

ラディッツ:そうらしいな…

 

パチュリー:あ…いや、今のは…

 

ラディッツ:ん?だが、そんなに俺が嫌いなら、何で今回付いて来たりしたんだよ?

 

パチュリー:そ、それは…

 

ターレス:そりゃ、お前が何かやらかさねぇ様に監視する為だった…とかじゃねぇのか?

 

ラディッツ:な、成る程な…

 

ターレス:しかし、自分は既に認めて貰えてると思い込んでた訳だ。恥ずかしい奴め…

 

ラディッツ:くっ…

 

パチュリー:ち、違…

 

文:コレは、彼女にも認めて貰える様にもっと頑張らなきゃいけませんねぇ

 

ラディッツ:あぁ、そうだな。

 

パチュリー:あーもう!何なのよコレ!

 

文:ターレスさん、貴方も結構ワルですねぇ

 

ターレス:クク…それは御互い様だろ?

 

パチュリー:其処の2人、いつまでニヤニヤしてるのよ!イラッと来るから、その顔をやめなさい!それとラディッツ!貴方、何でそんなに鈍いのよ!

 

ラディッツ:何だってんだ?一体…

 

それから暫くの間、パチュリーはターレスと文が満足するまでからかい倒され、ラディッツのあまりの鈍さに更に怒り、その声を山全域に響き渡らせた。落ち着いた一行は、栽培マンにやられてしまった部隊の者を丁寧に埋葬した後、先を急ぐのだった




はい、奇怪な生物の正体は、栽培マンでした

尚、栽培マンはコレで出番終了ではありません

そして…パチュリー、盛大なキャラ崩壊…orz

パチュリーファンの方、本当にスミマセンでした!

それと、ターレスは悪の気が抜けてるのか疑わしく、文も清く正しくって感じじゃありませんねぇ…

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