誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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第439話

正気を失い暴れていた付喪神達を仲間に引き入れつつ、遂に無縁塚最奥部へと到達した一行。しかし、其処に敵の姿は無かった

 

弁々:あれ?誰も居ない?

 

八橋:そうみたい・・・

 

こころ:もしや、私達に恐れをなして逃げたか?

 

霊夢:それなら面倒にならなくて良いんだけど・・・

 

ザーボンは、辺りの気配を探る

 

ザーボン:・・・いや、気配がする・・・

 

小傘:えっ?

 

雷鼓:先に喧嘩吹っ掛けといて、いざとなったらコソコソ隠れてるつもり?さっさと出て来たらどうなの?

 

正邪:へっ、漸く来たのか・・・あんまり遅いから、やられちまったのかと思ったがな?

 

雷鼓の呼び掛けに応え、一行の前に姿を現したのは、天邪鬼の鬼人正邪だった

 

霊夢:何よ、またアンタなの?懲りないわね・・・

 

正邪:喧しい!それはそうと・・・付喪神共、人間達に復讐する為の力を与えてやった恩を忘れて、結局そっちに味方するんだな?

 

八橋:かつてはそう思った事もあったけど、今はそんな事微塵も思ってないわ。

 

こころ:恩着せがましいにも程がある。

 

弁々:私達にあの力を与えたのは、貴方が無理矢理した事でしょ?

 

小傘:それじゃ、わちきの時と同じ・・・

 

雷鼓:私達の平和な生活を引っ掻き回すんじゃないわよ!

 

正邪:心外だな。私は、弱い者同士てめぇらと仲良くしたかっただけなんだぜ?

 

霊夢:それが嘘だって事くらい、誰でも分かるわよ?

 

正邪:へへへ、傷付くなぁ・・・まぁその通りなんだけどよ!

 

正邪は、大地に闇の力を流し込み、其処から邪気が体から溢れる巨大な土人形(ゴーレム)を出現させる

 

弁々:な、何なのコレ!?

 

正邪:コイツは、此処に眠るてめぇらの同胞達の怨念や恨み、悲しみ・・・あらゆる負の力の集合体だ!

 

八橋:そんな・・・

 

正邪:どうせ、人間達に見放されて此処に流れ着いた、もう何の役にも立たないガラクタばっかりなんだ!せめて、この私が有効活用してやる!このゴミ共に、人間達に復讐する機会を与えてやってるんだ、寧ろ感謝して欲しいくらいだぜ!

 

雷鼓:ふざけるな!アンタ、そんな事の為に此処で眠る私達の同胞を・・・この外道が!

 

こころ:許す事は出来ない!

 

正邪:有難うよ!外道って言葉は、私にとっちゃ最高クラスの褒め言葉だ!そして、許して貰うつもりもねぇ!

 

正邪の力に呼応するかの様にゴーレムは起動し、一行に攻撃を開始した

 

霊夢:1ヶ所に固まってたらマズいわ!散るわよ!

 

ゴーレムの攻撃を回避しつつ、2~3人ずつに分かれて方々に散り、それぞれが攻撃を始める

 

ザーボン:身体こそ巨大ではありますが、幸い攻撃の振りが大きく、回避は容易ですね。

 

霊夢:その通り!こんな隙だらけの攻撃、当たらないわよ!

 

こころ:食らわせるっ!

 

小傘:わ、わちきだって頑張るんだから!

 

ゴーレムの攻撃を小傘が傘で防ぎつつ接近し、まずは霊夢が体術で、こころが薙刀による一閃でゴーレムの両腕を砕き、すかさずザーボンが蹴りでゴーレムの腹部に風穴を空ける

 

弁々:おぉ、やるーっ♪

 

八橋:大きいだけで見掛け倒しって奴かな?

 

正邪:まさか、もう勝ったつもりで居るのか?甘いんだよ!

 

ゴーレムは、大地からパワーを吸収し、欠損した両腕と腹部を再生させる

 

小傘:再生した!?

 

正邪:そう簡単にはいかねぇって事だ。半端な攻撃じゃ、コイツを倒す事は出来ねぇ!

 

雷鼓:なら、半端じゃないのを御見舞いしたげようじゃない!弁々、八橋!準備するまでの間、ほんの少しで良いから時間を作って!

 

弁々:分かったわ!

 

八橋:了解!雷鼓姐さん!

 

弁々と八橋の攻撃にゴーレムが気を取られている間に、雷鼓は自らの周囲に太鼓を出現させ、それを打ち鳴らして雷で鳥、獣、龍の形を形成する

 

雷鼓:準備完了!コレで痺れろ!雷鳥!雷獣!更に・・・雷龍!

 

弁々と八橋は即座に避難したのを確認した雷鼓は、鳥、獣、龍の順番で次々と雷をゴーレムに突進させる。しかし、それをモロに食らっても尚、ゴーレムは受けたダメージを再生する

 

雷鼓:コレも駄目か・・・

 

正邪:無駄な足掻きは見苦しいぞ!さっさと諦めたらどうだ?

 

霊夢:誰が諦めるかってのよ!

 

それからも、霊夢やこころ、雷鼓達の攻撃は途切れる事無く続くも、その全てを受けてもゴーレムは倒れる事は無かった。正邪はと言うと、ゴーレムとの戦いに苦戦する彼等を高みで見物しているだけであった

 

雷鼓:ったく・・・しつこいわねぇ・・・

 

霊夢:正邪!高みの見物決め込んでんじゃないわよ!降りて来なさい!

 

正邪:やなこった!それに、ソイツにすら数人掛かりで大苦戦してる連中が何言ってやがる!

 

正邪は、霊夢達を嘲笑って上機嫌である

 

ザーボン:・・・気のせいか・・・

 

八橋:何がですか?

 

ザーボン:いや・・・間違っていたら申し訳無いのですが・・・あのゴーレム、再生する度に力が増幅している様な・・・

 

弁々:えっ?

 

雷鼓:いや、そんなまさか・・・

 

こころ:はあぁぁぁっ!

 

その直後、こころが薙刀でゴーレムの左腕を再び攻撃したが、軽く弾かれてしまい、逆に彼女はゴーレムの重い拳によるカウンターを受けて吹き飛ばされてしまった

 

こころ:う・・・ぐぅっ・・・

 

弁々:こころ!

 

八橋:大丈夫?

 

こころ:その男が言っていた事は、本当かも知れない・・・現に、最初は私の薙刀で砕けていた腕が、今はとても硬くなっていた・・・

 

八橋:えぇっ!?

 

霊夢:ゴーレム如きが生意気なのよ!

 

霊夢は、体術や御祓い棒、御札で猛攻を続けているが、再生を続けるゴーレムの力に徐々に圧され始めていた

 

雷鼓:博麗の巫女ですら圧され気味って・・・まさか本当に・・・?

 

ザーボン:このまま時間を掛け続けては、此方が無駄に体力を消耗し続けるだけ・・・

 

弁々:そうだ!ザーボンさん!さっき、私達に放ったあの浄化の力的なので何とか・・・

 

ザーボン:・・・申し訳無いのですが、それは難しいかも知れません・・・

 

弁々:ど、どうしてですか?

 

ザーボン:・・・申し上げにくい事ですが、あの力は未だに使いこなせておらず・・・力の消耗が激しく・・・その・・・一度使った後の、所謂クールタイムと言うのが必要で・・・

 

八橋:因みに、そのクールタイムってどれくらいなんですか?

 

ザーボン:今の私では、早くても半日程掛かるかと・・・

 

八橋:そ、そんなに?

 

弁々:そんな技をどうして私達に!?

 

ザーボン:恥ずかしながら、他に方法が思い付かず・・・それに、あの規模の相手だと、使えたとしても通用するかどうか・・・

 

正邪:何をコソコソ話してやがる!邪魔なあいつ等を、全員纏めてやっちまえ!

 

正邪の指示で、ゴーレムは巨体とは思えないスピードで一行に向かって突撃、ほぼ全員を一撃の元に吹き飛ばしてしまった

 

こころ:うぅ・・・

 

弁々:いっ・・・たた・・・

 

八橋:何・・・今のスピード・・・

 

雷鼓:き、効いたぁ・・・

 

霊夢:この・・・私が・・・こんな奴等に・・・

 

各々、ゴーレムとの戦いで体力を消費している所に不意の一撃を受けてしまい、その場に倒れ伏せてしまう。それとほぼ同時に、雨が降り始める

 

ザーボン:くっ・・・

 

小傘:み、皆・・・そんな・・・

 

正邪:ハ・・・ハハ・・・やった・・・やったぞ!やってやった!あの博麗の巫女を!こんなにもあっさりと!ハーッハッハッハッ!

 

正邪は、傷だらけの一行(霊夢)を見て勝ちを確信し、大笑いし始めた

 

ザーボン:・・・このままでは、間違い無く全滅か・・・

 

小傘:ど、どうしよう・・・霊夢さんも皆ももう限界かも・・・

 

ザーボン:・・・やむを得ないか・・・

 

小傘:えっ?

 

ザーボン:先に謝っておきます・・・コレより先、私は貴方にとても見苦しい姿を見せてしまう事になる・・・きっと、幻滅するでしょう・・・

 

小傘:幻滅?

 

ザーボン:・・・正直、アレだけは二度と使いたくは無かった・・・しかし、皆を守る為には、最早手段を選んでは居られないのです・・・もしかしたら、コレで御別れになるやも・・・

 

小傘:御別れ?それって、どう言う・・・

 

ザーボン:・・・

 

ザーボンは、絶体絶命なこの状況から皆を守り抜く為にある決意を固めた・・・




霊夢ですら倒されてしまう異常な事態・・・大切な者を・・・仲間を守るべく、封印された力を解禁する事を決意したザーボン

それを見た小傘は、何を思うのか・・・

次回を御待ち下さい


小悪魔:雷鼓さんの技、元ネタってもしや・・・

作者:ぶっちゃけよう・・・ワンピースの敵キャラ、エネルの技!

小悪魔:彼女の能力は、雷を操る程度の力ではありませんので勘違いなさらない様に。
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