誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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第44話

妖怪の山の頂上を目指してひたすら進む一行だったが、道中で先程埋葬した者と同じ様な遺体を数体発見した

 

文:私が思っていた以上に、被害者が出てしまってます…

 

パチュリー:やっぱり、皆さっきの奴にやられたみたいね…

 

ターレス:だろうな…

 

ラディッツ:ムッ…誰かが此方に近付いて来る…

 

文:まさか、またさっきのが?

 

ラディッツ:いや、栽培マンとは反応が違う…だが、妙に弱々しいな…

 

身構える一行の前に、身体中傷だらけの女性が姿を現した。その女性は、ややウェーブの掛かった腰ほどまである栗色の髪を紫のリボンでツインテールに纏めており、服は襟に紫のフリルが付いた短袖ブラウスに黒のスクエアタイ、同色のハイソックス。黒と紫の市松模様のミニスカート、靴は天狗の象徴たる1本歯下駄を着用し、頭には紫の頭襟を被っており、文と同じく背中には黒い羽根を生やしていた

 

???:はぁ…はぁ…文、此処に居たんだね…

 

文:はたて!はたてじゃないですか!何で此処に?

 

はたて:何でって…アンタを探しに来たに決まってるじゃんか…けど、山を逆走してる内に、例の奇怪生物達と警備部隊の人達が戦ってるのを見付けてさ…

 

文:そうだったんですか…それで、その人達は無事なんですか?

 

はたて:ごめん…皆やられちゃった…一応、仲間を見捨てられないから頑張って援護してたんだけど…駄目だった…それ処か、私もアイツらに襲われてね…何とか数体倒しはしたんだけど、アイツら結構強くってさ…結局、この有り様って訳…

 

文:はたて…

 

はたて:参ったなぁ…こんな事なら、日頃から運動しとけば良かったなぁ…

 

ラディッツ:文、コイツは?

 

文:彼女は、姫海棠はたて。私と同じ鴉天狗で、花果子念報と言う新聞を作ってる記者です。私のライバルなんですよ。

 

ラディッツ:ほぅ…

 

はたて:貴方達は、博麗神社の宴会の時に隙間妖怪に紹介されてた人達…ロン毛の方がラディッツで、色黒の方がターレスだったよね?

 

ラディッツ:あぁ、そうだ。

 

ターレス:何だ、覚えてたのかよ?

 

はたて:文の奴が、貴方達の事を新聞で特集してたからね…それと…其処に居るのは、紅魔館の万年引き籠もり魔女?

 

パチュリー:くっ…また言われた…

 

はたて:文、アンタが呼んで来た援軍って…

 

文:その通りです。彼等なら、きっとこの事態を何とかしてくれる筈だと思い、同行を御願いしたんです。

 

はたて:そっか…

 

ラディッツは、パチュリーを一旦背から降ろし、はたての傍に移動した

 

ラディッツ:姫海棠…だったな?

 

はたて:名字の方、呼び難いでしょ?はたてで良いって。

 

ラディッツ:そうか…はたて。辛い事をもう一度言わせる様で悪いが、この先に居た奴等は皆やられてたんだな?

 

はたて:う、うん…

 

ラディッツ:生き残った奴は居ねぇのか?

 

はたて:少なくとも、道中の人達は全滅だよ…頂上付近で戦ってる人達も居たけど、その人達がどうなったかは…

 

ラディッツ:そうか…

 

はたて:見ての通り、私も身体中傷だらけ…ハハ、恥ずかしい限りだよ…

 

ラディッツ:ちょっと待ってろ。

 

ラディッツは、持っていた小袋の中から仙豆を1粒取り出した

 

はたて:それは何?

 

ラディッツ:コレは、仙豆と言ってな。食えばどんな重傷でも完治する代物だ。但し、死んでなければの話だがな。

 

はたて:そんな小さな豆みたいなのが?信じられないなぁ…

 

ラディッツ:ま、騙されたと思って食ってみろ。(仙豆を手渡す)

 

はたて:・・・

 

半信半疑で仙豆を食べた瞬間、身体中の痛みが嘘の様に引き、体力も完全回復した

 

はたて:う、嘘…こんな事が…

 

ラディッツ:な?効き目抜群だろ?

 

はたて:う、うん…

 

パチュリー:それ、相変わらず反則臭いアイテムよね。

 

ラディッツ:だな。

 

文:コ、コレは驚きました…

 

ターレス:信じられねぇかも知れねぇが、事実だぜ。

 

文:はたて、大丈夫なんですか?

 

はたて:正直、何が起きたのかまだ信じられないけどさ…でも、今の今まで身体中が痛かったのに、今は何とも無い…傷も全部消えてるし…

 

ラディッツ:元気になった様で何よりだ。

 

ターレス:けど、良かったのかよ?

 

ラディッツ:何がだ?

 

ターレス:幾ら傷だらけだったとは言え、ついさっき会ったばかりの奴に貴重な仙豆を使っちまった事がだ…

 

ラディッツ:あぁ、そう言う事か…良いんだよ。目の前に傷だらけで辛そうにしてる女が居るのに、放置したままには出来んからな。

 

はたて:・・・

 

ターレス:ちっ…すっかり甘くなっちまいやがって…

 

パチュリー:全く…そう言う事を言うから…

 

文:有難うございます、ラディッツさん

 

ラディッツ:気にするな。しかし…

 

文:何か気になる事でも?

 

ラディッツ:あぁ。さっきの奴等…栽培マンは、戦闘の為に作られた生物兵器だと説明したな?

 

文:はい。それが何か?

 

ラディッツ:奴等は、戦闘力はあるが知能は皆無に等しい。目の前の敵を殲滅する為に動くだけだ。だから、自分達で増殖する事も出来ねぇ。

 

文:そうなんですか?

 

ターレス:本来、奴等は土に種を植え、其処に専用の培養液をかける事で出来るんだ。

 

文:えっと…つまり…

 

パチュリー:この山に、アレを大量に作り出してる奴が居る…そうよね?

 

文:あっ…

 

ラディッツ:そう言う事だ。

 

ターレス:付け加えると、アレを携帯してるのは俺達の仲間内…しかも、一部の奴等のみ…使うのは、自分達で戦うまでもねぇと感じた雑魚共を殲滅する時だ。

 

文:成る程…

 

ラディッツ:正直、考えたくはねぇ事だが…栽培マン共を増やし、この山で好き勝手に暴れてるのは恐らく…

 

ターレス:俺達の良く知る奴…だろうな…

 

ラディッツ:あぁ…

 

パチュリー:傍迷惑なのも居るのね…

 

はたて:話は聞かせて貰ったよ。貴方達の言うそれ、多分頂上に居る奴だね…

 

文:はたて?

 

はたて:私が此処に来る前、襲撃して来た敵の親玉だと思われる奴が、地面に何か埋めたと思ったら、例の緑色の奇怪な生物…栽培マンって言うんだっけ?アイツらが、急にワサワサと湧いて出て来て…思わず鳥肌立っちゃったよ…で、親玉はソイツらを山の全域に散開させた後、残った栽培マン達と一緒に山の頂上で暴れ出したんだよ。私達の仲間の1人が、部隊を率いて奴等と戦いを始めたんだ。私は、それを文に知らせる為に此処まで来たんだ。

 

文:戦ってる仲間って、まさか…

 

はたて:そう…助けに行くなら、急いだ方が良いよ。

 

文:くっ…

 

はたて:皆、私も連れてってよ。助けて貰った御礼もしたいし、仲間達の敵討ちもしたい…それに何より、あの子の事も放っておけないしさ。

 

ラディッツ:そうか…

 

はたて:何て、偉そうに言ったけどさ…ぶっちゃけ、私の能力って戦闘向きじゃないし、軽い援護くらいしか出来ないんだけど…それでも良いかな?(苦笑いしつつ)

 

ラディッツ:あぁ、戦闘は俺達に任せてくれ。それに、此処の地理に詳しい奴が増えるのは有難いからな。もしもの時は、援護は任せたぜ?

 

はたて:交渉成立それじゃ、宜しくね

 

ラディッツ:あぁ、此方こそ。

 

パチュリー:やれやれ…

 

ターレス:仕方ねぇな…

 

新たに、姫海棠はたてを仲間に加え、再び頂上を目指して移動を開始した




純粋な妹系のフラン、苦労人だけど快活な鈴仙(うどんげ)、運動苦手でツンデレなパチュリーと来て、砕けた口調の現代ギャルっぽいキャラが欲しかったんです

で、彼女になりました
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