付喪神達の人間達への復讐心を増幅させ、裏で手引きしていた鬼人正邪の計画は、ザーボン達の力により失敗に終わった。闇の力により集められ、闇のゴーレムとなって暴れていた付喪神達も再び眠りにつき、土砂降りだった雨はすっかり上がり、無縁塚には再び静けさが戻ったのだった
弁々:やっと終わったのね・・・
八橋:コレで、同胞達も救われたわね。
こころ:久し振りにとても疲れた・・・
霊夢:私もよ。全く、あの天邪鬼、毎回毎回余計な事ばっかりするんだから・・・
雷鼓:何はともあれ、今回の件を無事に解決出来たのは、2人(ザーボンと小傘)の御陰よ。本当に有難う♪
小傘:解決出来たのは、皆の力があったからだよ。
ザーボン:力になれて嬉しく思います。それよりも、先程の件を皆さんに謝罪させて頂きたい。
雷鼓:先程のって・・・
霊夢:もしかして、変身した姿の事?
ザーボン:そう・・・あの姿の事を誰にも言わずに黙っていた事を・・・本当に、申し訳ありませんでした。
ザーボンは、皆に深々と頭を下げて謝罪をした。そんな彼に、小傘はゆっくりと歩み寄った
小傘:ザーボンさん、有難う。
ザーボン:えっ?
ザーボンは、小傘の予想外の言葉に思わず呆気に取られてしまった
小傘:さっき言ってましたよね?あの変身した姿は、自分にはとても耐え難いんだって・・・それなのに、変身してまでわちき達を守る為に戦ってくれた・・・だから、有難う♪
小傘は、笑顔でザーボンの手を握った
ザーボン:・・・嫌だとは思わないのですか?あんな醜悪な姿を持つ私を・・・
小傘:そりゃ、あの変わり様にはビックリしましたけど・・・でも、それで貴方を嫌う理由にはならないです。大事なのは見た目じゃなく、心です。
こころ:ん?私か?
小傘:いや、まぁこころちゃんも大事だけど・・・
雷鼓:ハイハイ、空気読みなって・・・
こころ:御呼びで無い、コリャ失敬。
雷鼓は、こころを連れて少し後ろに下がる
ザーボン:・・・
小傘:んん・・・それに、2人で一緒に強くなろうって約束したじゃないですか。だから・・・御別れなんて悲しい事、もう言わないで欲しいです。それと・・・どれだけ姿形が変わっても、貴方は貴方です。今回、また貴方の事を知る事が出来て、嬉しいです♪
小傘は、一瞬悲しそうな顔をした後、再び微笑み掛ける
ザーボン:・・・小傘さん、貴方は私にとって天使だ。
小傘:えっ!?天使!?
ザーボン:そう・・・貴方のその笑顔に、私がどれだけ救われているか・・・
小傘:そ、それで天使はちょっと言い過ぎだと思いますけど・・・
小傘は、頬を赤らめて照れ臭そうに俯く
八橋:良かったわね、天使様♪
弁々:私も言われてみたいわ♪
小傘:もーう!からかわないでよーっ!
付喪神達は、小傘をからかいつつ触れ合っている
ザーボン:私も、もっと頑張らなくては・・・
それを見て、ザーボンはフッと笑みを浮かべる
霊夢:あー・・・良い雰囲気の所で言うのもどうかとは思うけど・・・そろそろ帰りたいわねぇ・・・
雷鼓:あ、確かに・・・雨で濡れた服も着替えたいし・・・
小傘:そ、そうだね。じゃあそろそろ・・・
ザーボン:むっ・・・
霊夢:何よ?どうかした?
ザーボン:凄まじい力の反応・・・何かが此方に接近している・・・
小傘:えぇっ!?
雷鼓:このタイミングで!?
???:ホーッホッホッホッ!こんな所に居たんですねぇ。探しましたよ、ザーボンさん。
突如、笑いながらザーボン達の前に姿を現したその者・・・小柄でスリムな白い体に長い尻尾を持ったその男は、ザーボンの名を呼びながらゆっくりと無縁塚に降り立った
霊夢:誰?
八橋:ザーボンさん、御知り合いですか?
ザーボン:いや、こんな者に出会った記憶はありませんが・・・
雷鼓:でも、さっきザーボンの名前呼んでた様な・・・
???:あぁ、そうか。そう言えば、この姿を見せた事は無かったか・・・だけど、少し姿が変わったくらいで、自分が仕えていた主の事も分からないとはね・・・
小傘:主・・・って?
ザーボン:・・・ま、まさか・・・
フリーザ:そう・・・初対面の者も居る様だし、一応名乗っておこうか・・・私の名は、フリーザ。元の世界で紆余曲折あった後に、この世界・・・幻想郷と言いましたかね?此処に召喚された者です。
ザーボン:・・・
霊夢:召喚って・・・また紫の奴か・・・
フリーザ:紫?誰ですかそれは?
霊夢:は?アンタ、他の連中みたいに紫・・・不気味な隙間を操る女に誘われて此処に連れて来られたんじゃないの?
フリーザ:そんな奴は知りませんよ。
霊夢:アンタを召喚したのは、紫じゃなく別の誰か?一体どう言う・・・
フリーザ:さっきから何を訳の分からない事を・・・まぁ良いでしょう。ザーボンさん、此処に貴方が居るとは思ってもいませんでしたが、コレは嬉しい誤算です。
ザーボン:それは、一体・・・
フリーザ:私の目的の成就の為には、多数の戦力が必要です。ザーボンさん。貴方にもう一度チャンスをあげましょう。
ザーボン:チャンス?
フリーザ:フム、この言い方では分かりづらいかも知れませんね・・・ならば、分かり易い様に単刀直入に言いましょうか・・・ザーボンさん。この際過去の失態は水に流してあげますから、再び私の元に戻って来なさい。
ザーボン:なっ・・・
フリーザのその言葉を聞き、ザーボンだけでは無く小傘や霊夢、付喪神達も驚きを隠せずにいた
雷鼓:彼の過去の事は、軽く話には聞いてたけど・・・
フリーザ:後ろの連中は、貴方の部下か何かで?
ザーボン:あ、いや・・・彼女達は、この世界で共に過ごしている仲間で・・・
フリーザ:ほぅ、そうでしたか。それはそれは・・・まずは、御礼を言うべきでしょうか。
他全員:・・・
ザーボン:フリーザ・・・様・・・1つだけ御聞かせ頂きたい。先程、目的の成就と仰っていましたが、その目的とは・・・
フリーザ:何、簡単な事です。この幻想郷に、私の夢を打ち砕いた忌々しい存在が居るとの情報を耳にしましてね。奴への復讐の成就の為・・・そして、この世界をその後の私の全宇宙の支配の為の新たな拠点とする事。それが、今の私の目的なんですよ。
ザーボン:・・・
霊夢:何勝手な事言ってんの!そんな事させないわよ!
フリーザ:威勢が良い御嬢さんだ。それはそうと・・・ザーボンさん、そろそろ答えを聞かせて頂きましょうか。
ザーボン:・・・
フリーザ:私は優しいんだ。与えられた仕事すらまともに遂行出来ず、死を恐れて逃げ出した臆病者に、再び挽回の機会を与えてやろうと言うんだからね。断る理由は何処にも・・・
ザーボン:・・・フッ・・・
それを聞いたザーボンは、静かに笑みを浮かべた
フリーザ:何がおかしい?
ザーボン:貴方が知るザーボンは、今此処に居る私ではありません。
フリーザ:何だって?
ザーボン:分かり易い様にハッキリ言ってしまいましょう。私は、貴方の居た世界とは別世界の存在のザーボン。尤も、貴方の性格や思想に大した違いは見られない様ですがね。
フリーザ:・・・
ザーボン:それに、私は貴方の・・・正確には、私の世界の貴方だが・・・その恐怖による支配から解放され、生まれ変わった身。召喚されたこの世界で、新たな仲間・・・敬愛すべき師にも出会いました。
フリーザ:・・・
ザーボン:恐怖に縛られ、闇の中で生きて来た私にとって、此処の皆との生活はとても心地良い・・・此処に居ても良いと言って下さった方も居た・・・そんな人達を裏切る真似は御免被ります。なので、折角の挽回の機会を頂きましたが、御断りさせて頂きます。私は、二度と闇には戻らない。
ザーボンのその言葉を聞き、フリーザは不愉快そうな表情になり、逆に小傘や霊夢、付喪神達は皆嬉しそうに笑みを浮かべた
フリーザ:その言葉、後悔はしないな?
ザーボン:勿論。
そう答えた直後、フリーザはザーボン目掛けて指先から極細の光線を放つが、ザーボンはそれを軽く回避した
フリーザ:フン・・・まぁ良いでしょう。所詮、貴方は役立たずのゴミ・・・今回は挨拶に来ただけなので、コレくらいで勘弁してあげましょう。しかし、次に会った時が貴様の最後だ。精々、余生を楽しんでおく事ですね。
フリーザは、苛立ちつつ捨て台詞を吐いた後にその場から撤退する。直ぐ様、小傘が心配そうにザーボンに駆け寄った
小傘:・・・ザーボンさん、大丈夫ですか?
ザーボン:えぇ、大丈夫です。私は、後悔はしていませんよ。
小傘:それなら良いですけど・・・
ザーボン:それよりも、色々報告しなければいけない事が出来ました。一旦戻るとしましょう。
霊夢:えぇ、そうね。
各々ザーボンの選択を喜びつつ、一行は無縁塚を後にしたのだった
後々に分かる事なのでネタバラシすると、このフリーザは原作世界で悟空に倒された直後、黒幕によって肉体を回収され、闇の戦士の一員として召喚され、肉体を再生されている設定になってます
因みに、ザーボンはスパーキングネオのイフストーリーの最後の後で、紫と時の界王神の力で幻想郷に召喚された設定なので、原作世界の存在ではありません(原作世界のザーボンは、原作通りの末路を辿ってます)
なので、このザーボンとフリーザは、そもそも別世界の存在です
以前、この物語の主人公であるラディッツと原作の悪人なまま死んだラディッツが会った時の感じでしょうかね
次回は、ザーボンと小傘、雷鼓、霊夢がこの事件の報告を紫と華扇、時の界王神にするって話を予定しています