会議の後、小傘がザーボンを誘って訪れたのは、平穏を戻した無縁塚の奥地だった
ザーボン:再び無縁塚を訪れて、一体何をするつもりなのですか?やりたい事があると言っていましたが・・・
小傘:そうです。
そう言って小傘が取り出したのは、大きな袋だった。そして、奥地に捨てられた道具の残骸を集め始めたのだった
ザーボン:残骸を集めて、何をするつもりですか?
小傘:この子達を可能な限り直して、人里の皆に使って貰える様にするんです。このまま此処でゴミとして朽ち果てるよりも、その方がこの子達も喜ぶかと思うから。
ザーボン:な、成る程・・・
小傘:あ、この子まだ直せそう♪この子とこの子も、無事な部品を上手く組み合わせる事が出来れば・・・
小傘は、次々と直せそうな道具達を拾い上げては、持って来た袋に仕舞っている。そんな彼女の様子を、暫くの間無言で見守っていたザーボンだったが、直ぐに小傘とは別の場所にある道具の残骸を集め始めた
ザーボン:1人では大変でしょうし、手伝いますよ。2人の方が効率も上がる筈ですから。
小傘:有難う♪
その後も、2人は分かれて残骸を集めては袋に集めていく。ザーボンは、「昔の自分ならば、こんな事は絶対にしなかっただろうな」と心の中で思いつつ、ひたすら作業をしていた。その作業は、夕日が沈み始めるまで続けられたのだった
ザーボン:小傘さん、そろそろ帰りましょう。もう日が暮れてしまいます。
小傘:そうですね。
小傘は、パンパンに膨れ上がった袋を持ち上げようとするが、予想よりも沢山入っている袋は全く持ち上がらなかった
小傘:うっ・・・流石にちょっと多過ぎたかな・・・でも、今更減らしたくないし・・・
ザーボン:御任せを。
小傘:えっ?
ザーボンは、小傘が持ち上げられなかった袋を軽々と持ち上げた
ザーボン:このまま店まで運べば良いですか?
小傘:あ、ハイ。御願いします。
ザーボン:分かりました。
袋に詰められた沢山の道具達を抱え、無縁塚を後にしたザーボンと小傘は、そのままその足で人里にある小傘の店(兼自宅)に移動した。その頃には、陽が落ちて夜を迎えていた
ザーボン:ふぅ・・・今日は本当に色々あって疲れました・・・
小傘:巻き込んでしまって、本当にスミマセン。それと、有難うございました♪
小傘は、深々と頭を下げる
ザーボン:いやいや、御役に立てたなら何よりです。
小傘:あの・・・
ザーボン:どうかしましたか?
小傘:いえ、その・・・また明日です♪
ザーボン:えぇ、失礼します。
挨拶を交わし、ザーボンは小傘の店を後にした
小傘:さてと・・・わちきには、まだやる事がある・・・よーし!頑張るぞーっ!
その夜から、小傘はひたすら無縁塚で集めて来た道具の修理をしていたそうな・・・
次回、付喪神異変辺の最終話となります